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『上方落語若手噺家グランプリ2015』
〈予選第二夜〉の模様をレポート!

4月14日、天満天神繁昌亭で『上方落語若手噺家グランプリ2015』〈予選第二夜〉が行われた。『上方落語若手噺家グランプリ』は関西のアートや文化、伝統芸能の支援を目的としたアーツサポート関西を通じて、“若手育成のために”とアートコーポレーションが上方落語協会に500万円の寄付をし、1年に1回で10年間、開催されるグランプリ。出場資格は入門6年目から15年目までの上方落語協会所属の噺家で、第1回目となる今年は31人が参戦を決めた。

〈予選第二夜〉は、林家染太、林家市楼、笑福亭べ瓶、笑福亭松五、桂二乗、露の団姫、露の雅、桂三語が出場。桂文喬の司会進行のもと出番順を決める抽選会を経て、一人15分のコンテストが始まった。

一番を引いたのは林家染太。「何でトップやねん!」と雄たけびを上げつつ高座へ。フリップを用いて創作落語「魁!!学習塾」を口演、大きな笑いを起こした。桂三語は口癖を言わせて金をせしめようと奮闘する「二人癖」を。あの手この手で画策する様を面白おかしく描いた。笑福亭松五は「書割盗人」を披露、後半、やもめと盗人との「つもり」合戦を躍動感たっぷりに演じた。そして桂二乗は「ムーディーな噺を」とこの日唯一の艶噺「短命」で勝負した。

中入り後、5番目は前日の4月13日が誕生日だっという林家市楼が登場、次々と異なるキャラが登場する「天狗裁き」で客席を引き込んだ。続く露の団姫は「時うどん」を口演。丁寧な語り口とは裏腹にうどんを食べる姿は豪快、そんなギャップでも楽しませた。笑福亭べ瓶は「いらち俥」をスピーディーかつスリリングに熱演。あわや大事故!という場面はスローモーション、手に汗握る展開で魅了した。最後は露の雅で「あくびの稽古」。厳かに由緒正しく、そして風流に、季節感に溢れたあくびを指南するばかばかしさで笑わせた。

採点は上方落語協会の風紀委員が担当。集計中に文喬が感想を尋ねると「僕のこと思い出して!」とは染太。三語は「がんばらせていただきました」とやりきった様子。松五は「ええ、まあ」と言葉少なく、「わしのことなめてんのか!?(笑)」と文喬から突っ込まれる一幕も。二乗は「楽しくやれました」と安堵の笑みを浮かべた。4代目染語楼(2005年没)を父にもつ市楼は「親父に一歩でも近づけるように頑張ります」と今後の展望も語った。羽織を忘れた雅に自分のものを貸したという団姫、「気づいた人います?」と客席に語りかけ、「マクラでそのことについて(雅が)何にも言ってくれなくて!」と心残り(!?)を吐露。べ瓶は文喬に「べへいくん」と呼ばれ「べべです!」と改めて自己紹介を。そして最後に演じた雅は「待ち時間が長くて緊張しました」と素直な気持ちを述べた。また、若手達が文喬に「一席お願いします!」とせがむ場面も。それに応じて文喬は実父の天然ボケエピソードを小噺風に披露、会場を沸かせた。

そして<予選第二夜>の審査結果が発表され、2位は桂二乗、1位は笑福亭べ瓶に決定した。3位の露の雅は敗者復活組に。決勝は6月23日(火)に天満天神繁昌亭で開かれる。

また、『上方落語若手噺家グランプリ2015』〈予選第三夜〉は4月16日(木)に開催。桂まめだ、笑福亭呂竹、桂吉の丞、桂鯛蔵、桂三四郎、林家染吉、露の眞、桂寅之輔が出場する。



(2015年4月16日更新)


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笑福亭べ瓶
桂二乗
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〈予選第三夜〉

▼4月16日(木) 18:30

天満天神繁昌亭

前売り:全席自由-1500円(整理番号付)

当日:全席自由-2000円

[出演]
桂まめだ
笑福亭呂竹
桂吉の丞
桂鯛蔵
桂三四郎
林家染吉
露の眞
桂寅之輔

※未就学児童は入場不可。

[問]天満天神繁昌亭
[TEL]06-6352-4874

★公演当日、25歳以下の方は証明書提示で500円返金。

上方落語協会
http://www.kamigatarakugo.jp/

<予選第一夜>レポート
https://kansai.pia.co.jp/interview/stage/2015-04/1504006.html

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