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上方落語界のスターは誰だ!?　新たに始まった
『上方落語若手噺家グランプリ2015』
〈予選第一夜〉の模様をレポート！

 
4月7日、天満天神繁昌亭で『上方落語若手噺家グランプリ2015』〈予選第一夜〉が行われた。『上方落語若手噺家グランプリ』は関西のアートや文化、伝統芸能の支援を目的としたアーツサポート関西を通じて、“若手育成のために”とアートコーポレーションが上方落語協会に500万円の寄付をし、1年に1回で10年間、開催されるグランプリ。出場資格は入門6年目から15年目までの上方落語協会所属の噺家で、第1回目となる今年は31人が参戦を決めた。

〈予選第一夜〉は、笑福亭鉄瓶、桂佐ん吉、桂三幸、桂雀太、桂そうば、露の紫、桂團治郎、林家愛染が出場した。開演すぐに桂福車の司会進行のもと出番順を決める抽選会が行われ、早速一人15分のコンテストが始まった。

トップバッターは桂三幸。１番を引いてしまった自分に「ついてないわ～」とマクラで嘆きつつ、新作落語「その川の向こう側」を披露。途中、カラオケで歌い出すシーンもあり、会場を盛り上げた。続いては桂佐ん吉による「堪忍袋」。愚痴を吐き出す堪忍袋に夫婦がそれぞれの言い分をぶちまける場面では、自身の自虐ネタを盛り込み、笑いを誘った。桂團治郎は芝居噺「七段目」で“道頓堀五座”の時代を髣髴させる芝居の名シーンを熱演。若旦那が刀を抜こうとする場面では緊迫感も漲らせ、まさに緊張と緩和の笑いで盛り上げた。酔っ払いのおかしな言動で終始、笑いが絶えなかったのは桂そうば。血は争えないとつくづく思わせる「親子酒」を好演した。

中入りを挟んで５番目に登場したのは桂雀太で「代書」を口演。代書屋と、履歴書の代筆を頼みにやってきた男のアホさの対比は爆笑の連続、静と動が織り成す笑いでさらに会場を熱くした。露の紫は「金明竹」を披露。紅一点、プライドも見え隠れする愛嬌ある御寮さんをリアルに演じ、会場を和ませた。笑福亭鉄瓶は「茶漬幽霊」を。冒頭、病床に伏せる妻と看病する夫のやり取りで、一気に噺の世界へと引き込んだ。ピンと張り詰めた空気を徐々に和らげ、段々と色付けしてゆくような丁寧な語り口で聴かせた。そしてトリを引いたのは林家愛染。「みかん屋」を披露し、長屋住まいの人々の姿を生き生きと描いた。

すべての演技が終わり、福車が感想を聞いた。一番に終えた三幸は「お客さんに温かく見てもらえてよかったです」。佐ん吉は「今日は審査員に賄賂を贈っときました！大丈夫です！」と笑わせた。團治郎は「温かいお客さんで、いつもどおりやれたかなと思います」とほっとした表情を浮かべた。そうばは「終わった後、お腹が空いて楽屋にあったみかんを食べました」。同じくお腹が空いたと雀太。師匠である雀三郎の「ヨーデル食べ放題」（雀三郎withまんぷくブラザーズ）がJR鶴橋駅の発車メロディになったことから「今、師匠がその記念で鶴橋で焼肉食べてはるので、僕も早く行きたいです！」と逸る気持ちを抑えきれない様子。紫は「微妙な待ち時間で、何とも言えない時間を過ごしましたが、精一杯やりきれました」。鉄瓶は「500万円寄付してくださったとのことで、これね、若手に均等に分け合うのが一番いいと思うんですよ」と“意見”を述べて、出演者から総ツッコミを受けた。最後に口演することとなった愛染は待ち時間の間、高座を終えた先輩たちを横目に見ていたそうで、「足を投げ出してほっとしている先輩たちをこれほど憎いと思ったことはありませんでした(笑)」と率直な(!?)気持ちを語った。

そしていよいよ審査結果の発表へ。審査員を務めたのは上方落語協会風紀委員の桂春若、桂文喬、笑福亭岐代松、桂米左。百点満点の合計で順位を決め、3位から順に発表された。
 
結果は3位桂そうば、2位桂三幸、1位桂雀太。雀太と三幸が6月23日(火)の決勝へと駒を進めた。そうばは敗者復活枠。4回行われる予選で3位になった4人のうち1人が敗者復活で決勝進出を果たす。

『上方落語若手噺家グランプリ2015』〈予選第二夜〉は4月14日(火)に開催。林家染太、林家市楼、笑福亭べ瓶、笑福亭松五、桂二乗、露の団姫、露の雅、桂三語が出場する。



（2015年4月 8日更新）


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〈予選第二夜〉

▼4月14日(火) 18:30

天満天神繁昌亭

全席自由-1500円(整理番号付)

[出演]
林家染太
林家市楼
笑福亭べ瓶
笑福亭松五
桂二乗
露の団姫
露の雅
桂三語

※未就学児童は入場不可｡公演当日､25歳以下の方は証明書提示で500円返金｡

[問]天満天神繁昌亭
[TEL]06-6352-4874

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