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『上方落語若手噺家グランプリ2015』
〈予選第三夜〉の模様をレポート!

4月16日、天満天神繁昌亭で『上方落語若手噺家グランプリ2015』〈予選第三夜〉が行われた。『上方落語若手噺家グランプリ』は関西のアートや文化、伝統芸能の支援を目的としたアーツサポート関西を通じて、“若手育成のために”とアートコーポレーションが上方落語協会に500万円の寄付をし、1年に1回で10年間、開催されるグランプリ。出場資格は入門6年目から15年目までの上方落語協会所属の噺家で、第1回目となる今年は31人が参戦を決めた。

〈予選第三夜〉は、桂まめだ、笑福亭呂竹、桂吉の丞、桂鯛蔵、桂三四郎、林家染吉、露の眞、桂寅之輔が出場。桂米左の司会進行で出番順を決める抽選会を。そして持ち時間一人15分のコンテストが始まった。

トップバッターは桂まめだで「子ほめ」を披露。慣れない“おべんちゃら”で生まれたばかりの子どもを褒めちぎる男の姿の滑稽さを面白おかしく演じ、会場の空気を和ませた。桂寅之輔は「転失気」を。威厳を保とうとする住職と、小坊主との対比を生き生きと描いた。桂三四郎は創作落語の「MOMO」を口演、日本の昔話を軸に繰り広げられる“異文化コミュニケーション”で楽しませた。中入り前、「蛸芝居」を熱演したのは露の眞。クライマックスでは蛸になりきり熱演、身振り手振りはもちろん表情でも爆笑を起こし、大いに沸かせた。

中入り後は笑福亭呂竹で「京の茶漬け」。京都人の建前を逆手に取ろうとして躍起になる大阪人の心理戦を巧妙に描いた。続いて林家染吉は「佐々木裁き」を。お奉行と頓知問答を次々と交わす子どものやり取りは微笑ましく、会場をおおらかな雰囲気で満たした。桂鯛蔵は「ふぐ鍋」を。ふぐの毒見をさせようとする旦那とそれを見破った太鼓持ち、腹の探り合いを面白おかしく好演した。出番順でトリを引いた桂吉の丞は仏師と泥棒のやり取りを描いた「仏師屋盗人」を披露。強盗に入られ、泥棒の言うがままになっていた仏師が、いつのまにか立場が逆転。形勢逆転の妙で笑わせた。

採点を担当するのは上方落語協会の風紀委員。集計中は出演者の感想を尋ねた。寅之輔は「緊張しました」。眞は「汗をかいて化粧が取れてズタズタです(笑)」とやりきった様子。「自信ないですね」とは染吉。それを受けて「自信満々やろ?」と米左に聞かれた三四郎は「皆さんの笑顔があれば…(笑)」と言及を避けた(!?)。鯛蔵は「緊張してわけがわからんうちに終わりました」。最後に登場した吉の丞は「待っている間が長くて…。稽古で繁昌亭の周りを5周しました。温かいお客さんでよかったです」と胸をなでおろした。呂竹は「オチで噛んでしまって…」と悔やしさをあらわにした。そして1番に登場したまめだは「ケガなくてよかったです。心の傷はありますけど…」と謎のメッセージを残した。

結果は3位桂鯛蔵、1位と2位は同点で桂三四郎と桂吉の丞に決定。3位の鯛蔵は敗者復活。<予選第四夜>の3位が決定した後、決勝進出が判明する。三四郎と吉の丞は6月23日(火)に天満天神繁昌亭で行われる決勝に出演する。

『上方落語若手噺家グランプリ2015』の予選もいよいよ<第四夜>を残すのみ。<予選第四夜>は4月22日(木)に開催。桂雀五郎、森乃石松、笑福亭生寿、桂咲之輔、笑福亭呂好、桂三輝、桂和歌ぽんが出場する。



(2015年4月22日更新)


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〈予選第四夜〉

▼4月22日(水) 18:30

天満天神繁昌亭

前売り:全席自由-1500円(整理番号付)

当日:全席自由-2000円

[出演]
桂雀五郎
森乃石松
笑福亭生寿
桂咲之輔
笑福亭呂好
桂三輝
桂和歌ぽん

※未就学児童は入場不可。公演当日、25歳以下の方は証明書提示で500円返金。

[問]天満天神繁昌亭
[TEL]06-6352-4874

上方落語協会
http://www.kamigatarakugo.jp/

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