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ホーム > インタビュー&レポート > 一般観客が本当に面白いと思う作品と役者を 選出する「関西Best Act」のレポートが 演劇ライターの吉永美和子さんから到着! 2014年下半期の作品部門は ヨーロッパ企画『ビルのゲーツ』が1位に!

一般観客が本当に面白いと思う作品と役者を
選出する「関西Best Act」のレポートが
演劇ライターの吉永美和子さんから到着!
2014年下半期の作品部門は
ヨーロッパ企画『ビルのゲーツ』が1位に!

演劇関係者の間でも、その結果に注目が集まりつつあるという「関西Best Act」。関西で上演された本当に面白かった芝居&役者を、一般観客が話し合って決めるこの企画。2月末に開催された、2014年度下半期の話し合いの結果をお知らせいたします。


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作品部門の第1位は、高層ビルのゲートを突破していく様子をひたすら見せていく、ヨーロッパ企画『ビルのゲーツ』。特に一般投票で圧倒的な支持を集め、2008年度上半期以来の1位に選出されました。「ダンジョンのゲームのような世界を、演劇ならではのアナログな仕掛けで見せ切ったのが秀逸。達成感より寂しさの方が強いラストに、劇団の成長を感じた」などの意見が。
 
 
bestact-2.jpg 第2位は、伝説のコントユニットの15年ぶりの復活公演となった、ABCホールプロデュース公演 大田王presents『大田王2014ジゴワット』。「全員がいい大人になってもこんなバカをやることに感動した」「話でしか聞いたことのなかったコントをこの目で観られるとは!」と、15年前を知る者&知らぬ者の両層から絶賛されていました。
 
 
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第3位は、10年ぶりに大阪での野外公演を行った維新派『透視図』。「失われた大阪の風景の再現と、走り回る肉体に感動。屋台村も含めて、演劇のパワーを再認識させた」という熱狂的なプッシュがあった一方で「あれは演劇ではなく“現象”では」という維新派らしい? 異論もあって、3位にとどまりました。
 

役者部門は一転して、参加者全員1位に推す役者がバラバラという混戦状態に。少しずつ候補者を絞り、ベストワンは多数決にまでもつれ込んだ結果、烏丸ストロークロック『神ノ谷㐧二隧道』のメインキャストである桑折現が選ばれました。「照明を当ててもなお暗さを感じさせることの凄み。この作品の本編に当たる『国道、業火、背高泡立草』からさらに闇を広げ、圧倒的な存在感だった」とのコメントが。
 
限りなく1位に近い第2位となったのは、劇団壱劇屋 『突撃!ゴールデンチャイナタウン!!』で、主演の格闘家・ドラゴンナリタを演じた竹村晋太朗。「今の関西で見応えのあるアクションができる身体は貴重。フリートークが上手いのもポイントが高い」との声が寄せられました。
 
第3位は、劇団競泳水着『別れても好きな人2014』の相楽樹と、男肉 du Soleil『男肉 du Soleilのマーマレード男子』の福井菜月が同点でW選出。相楽には「全キャスト好演の中、10年の年齢差を一瞬にして演じ分ける演技力が特に目を引いた」、福井には「ダンスも演技も両方いける逸材。男肉準レギュラー状態だけど、いろんな所にゲスト出演してほしい」との声が上がりました。
 
ベスト3の顔ぶれがワンパターン化してきたかな? と思われた「関西Best Act」ですが、今回は特に役者部門で初ノミネートの人が目立つなど、変化の兆しを感じさせました。半年後の2015年上半期にはどんなムーブメントが現れているのか、今から楽しみです。
 
(取材・文/吉永美和子)
 



(2015年3月 2日更新)


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