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V・プレミアリーグ開幕直前に
サントリーの新主将を直撃!!

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国内最高峰のバレーボールリーグ『2009/2010 V・プレミアリーグ 男子』が12月5日に開幕! ここ大阪大会では、大阪に拠点を置くサントリーサンバーズ、堺ブレイザーズ、パナソニックパンサーズが集結。初戦から大阪ダービー勃発という、見逃せない開幕カードが組まれている。開幕から大阪勢を迎え撃つサントリーだが、今季はチームの顔ぶれがガラリと変化。3シーズンぶりの優勝のキーマンになる新主将・山村宏太選手を直撃してきた!!

――まず、山村選手が新キャプテンになった経緯を教えて頂けますか?

「ずっとキャプテンをやっていた(栗原)圭介さんがコーチになって。チームが次の時代にシフトチェンジするときに自分が一番上に立ってやっていこうという意識を持ちながらやっていたら、監督もそういうのを見ていたようで指名されたんです」

――キャプテンになって心境に変化はありましたか?

「自分で言うのも変なんですけど、チームメイトの信頼はけっこうあって。チームをまとめるじゃないですけど、なるべく中心にいて誰とでも話ができるような立場にいたいなと思って普段から心がけてやっていたんで……キャプテンになったから何をするとかじゃなくて、何も変わらずにいつも通りにやっています」

――前任の栗原選手からのアドバイスはあったり?

「普段から圭介さんとは仲が良くてバレーの話を2人でしたりとかするんですけど、“自分は自分”っていう考え方が2人にはあって。僕が圭介さんのようにキャプテンシーを発揮できるかって言われたら無理だし、圭介さんが僕みたいにやれって言われても無理だと思うし。圭介さんは圭介さんらしく、僕は僕らしくっていうのがお互いに理解できているんで、お互いに変に干渉はしないですね。
全日本でチームを空けることが多いんで、そういうときは圭介さんだったり副キャプテンの坂本さんがチームをどんどん引っ張っていってくれているんで、そういうところは甘えていますね」

――ちなみに、山村選手らしさとは?

「あまり頭がいいタイプじゃないんで(笑)、できるだけチームの雰囲気がよくなるようにみんなを盛り上げて。……語弊を招く言い方かもしれないんですけど、僕は楽しんで試合をしたいタイプなんです。やっぱり勝つのがいちばんなんですけど、苦しい試合とかも多いと思うんです。そういう試合をいかにみんなで協力してできるかっていうのも、バレーの楽しみだと思っているんですよ」

――苦しい状況でも何かしらの楽しさを見つけると?

「僕はけっこう劣勢の状況が好きなんで、ひとりで楽しんでいますけどね(笑)」

――そうなんですか? 劣勢を楽しむ人は珍しいような……(笑)

「相手にシャットダウンを食らうと『くそーっ!』って思いつつ、『やるな!』ってひとりで盛り上がってやっているんです。それじゃいけないんですけどね(笑)」

――いやいや、でもそこから逆転すれば大丈夫です!

「良かった!ってね。それが楽しくてやっているんですよ(笑)」

――さて、苦しい状況といえば、レギュラーラウンドをトップ通過するものの過去2シーズンでは4強がそろうファイナルラウンドで敗退するという事態になっていますが……

「うちの場合、ずっと固定されたメンバーで最初から最後まで駆け抜けていくんですけど、やっぱり年を重ねるごとに相手に研究されていくんですね。それを変えたくてもメンバーが一緒なんでリズムが変わらなかったりして、相手の戦術にハマッてしまうことが後半多くなってきて苦しんでいます。でも、今年は選手の入れ替わりが激しくなってくると思うんで、そういった意味でも対戦相手は絞りにくくなるのかなと。楽しみでもあり、そこが不安だったり……固定していけない不安定感がよくなったり、悪かったり……するかなと」

――ということは、例年以上に波のあるシーズンになりそうですか?

「そうですね。波……今年は荒波でしょうね。間違いなく」

――攻撃の軸だった越川選手、レオ選手が移籍しちゃいましたし……やはりあの2人が抜けた穴はデカイですか?

「そりゃあ、デカイです。攻撃力が高い選手なんで、あの2人がいなくなったことはデカイんですけど、そこがいなくなったから勝てないとは言われたくない。それだけで勝ってきたとは思いたくないんで。うちら、みんなプライドがあるから、口には出さなくてもそう思っているんじゃないですかね」

――移籍する選手もいれば、加入する選手もありということで、NECから移籍加入した金子選手や柴小屋選手らについてはいかがでしょう?

「NECから移籍してきたメンバー、(柴田)恭平にしても途中でチームが変わるっていうのは大変なことだと思うんですね。やっぱりNECでされてきた評価と、サントリーでされる評価は違うものだと思うので、移籍組に関しては僕は今年1年がすごい勝負の年だと思っています。ここでいい結果を残さなければ、やっぱりNECの選手たちは何か1つ足りないのかなって言われてしまうかもしれない。と思うんですね。だから、今年結果を出せるか、出せないかで、すごい評価が変わってくると思うんです。恭平にしてもそうですよね。海外に行って経験を積んできて、サントリーで結果がでなかったら、力があって使われないのか、力がなくて使われないのかがはっきりしてしまうと思うんで。……恭平は大学の後輩なんで、よく言っているんですけどねぇ」

――柴田選手は山村選手から見て力はあるプレイヤーだということですよね?

「それはあると思います。力を出し切るか、出し切らないかは彼次第。……引き出してもらうタイプもいるかもしれないけど、ある程度自分で力を出さないと。その引き出しを開けさせやすくするのは自分次第なんで。それを口をすっぱくして言ってます」

――先輩からの愛のムチ……っていうところですね(笑)。
さて、選手も入れ替わりましたが、今季のチームの特徴を教えて頂けますか?

「(越川)優とレオが抜けて新戦力が入ってきたっていう面で、大きくメンバーが変わったっていうところですね。去年までは攻撃力の面では安定感があって、ある程度、計算ができていたんですけど、今年は不安定な要素が多いんで、『ここには勝てる』とか言えない。どこも力をつけてきているんで、1試合1試合がすごく大事になってくるだろうし、落とせない試合が続くだろうなって。危機感はすごいありますね。でも、新しいメンバーと優勝を知っているメンバーがうまく融合してくれれば、いい力が生まれるのかなと思っているので、それがすごい楽しみです」

――なんだかスタートダッシュが重要になってきそうですね。

「そうですね。だから、いま欲しいのは勝ちっすね。勝ちを積み重ねて、若手の選手とか、今まで試合経験のない選手が自信をつけていくことが、いちばんうちのチームには必要だと思うんで。自信をつけるには勝つことがいちばんの近道だと思いますし、早く試合が始まって……どんな試合でも、練習試合でもいいんで、勝ちを重ねて欲しいですね」

――早い段階で勝利をあげれば、チームは勢いづくと思います。……が、今季の開幕戦は、昨季準優勝の堺ブレイザーズと3位のパナソニックパンサーズ。大阪ダービーになっていますが、両チームの印象はいかがですか??

「パナソニックさんに関しては、代表で活躍する福澤(達哉)、ゴリ(清水邦広)がいて……よっぽどうちが良くて、よっぽどパナソニックさんが悪くない限りは難しいかなという気もしますが、やってみないとわかりませんしね(笑)。ベストを尽くします!」

――堺BZさんはいかがでしょう?

「セッターの朝長さんがいなくなって、堺さんも新しいチームを作ってくると思いますが、4強に入るためにも堺さんにはなんとしても勝たないといけないと思っています」

――なるほど。先ほど荒波のシーズンになるとおっしゃっていましたが、サントリーが優勝するためには何が大事になってきますか?

「パナソニックと東レが優勝争いに絡んでくると思うんで、この2チーム以外で残りの2枠を争う形になってくるんじゃないかな~。残りの席をどうとるか、取りこぼしをしないことが重要になってくるかなって思っています。負けたとしても、そのショックを次の試合に持ち越さず、気持ちを切り替えて戦わないと」

――バレーは本当にメンタル面が勝敗を左右しますよね。

「そうなんですよ、メンタルが左右するんですよ。だから、気持ちの切り替えはすごく大事です」

――そうですよね。チームの優勝はもちろんですが、山村選手個人の課題や目標を教えて頂けますか?

「去年、スパイク賞を獲ったんですけど、賞を獲らしていただいたのは、やっぱりトスを上げてくれたセッターの圭介さんの力がすごく大きかったと思うんですよ。なので、今年セッターが変わって……若い2人があげているんですけど、この2人のトスでもスパイク賞を獲ることが自分の力の証明になるかなって。だから、スパイク賞を獲りにいきたいですね。あとセンターとして、ブロック賞も獲りたいです。ブロックはセンターの仕事なんで、上位に食い込んでいけるような数字を残したいですね。口だけのキャプテンになりたくないんで」

――ちなみに試合中の山村選手の注目のプレーを教えてください

「うーん……ガッツポーズで。得意なプレーがないんですよ……あ、得意なプレーは笑顔、引きつった笑顔にします(笑)」

――では、山村選手の試合中の見どころは引きつった笑顔ということで、会場に行った方はぜひチェックしてください(笑)。

それでは、開幕に向けた意気込みをお願い致します。

「開幕まで時間もないんですけど確実に力をつけてくれていると思うんで、チームメイトを信じて。“彼を知り己を知れば、百戦してあやうからず”とも言うんで、まずは自分の力を見極めて、その力を最大限にいかしてぶつかっていけるように。毎試合、全力投球で試合に臨んでいきたいと思います!」

山村選手のみならず、偶然通りかかった坂本選手、柴田選手が登場しての動画コメントは必見!!




『2009/2010 V・プレミアリーグ男子 大阪大会』
▼12月5日(土)13:05
〈サントリーサンバーズ vs 堺ブレイザーズ〉
〈パナソニックパンサーズ vs 豊田合成トレフェルサ〉
▼12月6日(日)13:05
〈サントリーサンバーズ vs パナソニックパンサーズ〉
〈堺ブレイザーズ vs 豊田合成トレフェルサ〉

大阪府立体育会館
サンバーズホームゲーム実行委員会[TEL]06-6346-1182

サントリーサンバーズ・オフィシャルサイト
http://www.suntory.co.jp/culture-sports/sunbirds/
 


 

 

 

(2009年11月19日更新)


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プロフィール

山村宏太(やまむら・こうた)●80年東京都出身。背番号1/ポジションはセンター。日本人選手最長の205cmの身長を武器に、ネット際でブロックにスパイクと大活躍。昨年は北京五輪に出場、いまも全日本代表“龍神NIPPON”にも名を連ねている

取材中、暑くなったため上着を脱ぎ、丁寧に畳む山村選手。お店みたいにキレイに畳んでいました(笑)。

不安定な要素が多いと言いながらも、逆境を楽しむ山村選手らしい明るさで引っ張ってくれるはず

得意のガッツポーズと引きつり笑顔。これが試合中に飛び出す……かも!? みなさん、注目です!

バレーボール界の鉄人 荻野正二が今季限りで勇退!

↑会見ではさっぱりとした表情をみせてくれた荻野選手(写真右)。

北京五輪では男子日本代表の主将として活躍。サントリーサンバーズのみならず、日本の男子バレー界を牽引してきた荻野選手が今季限りでの勇退を表明した。
「現役である以上、1試合でも1分でも多くコートに立ちたいですし、ベストなプレイができるように調整します。チーム一丸となって、河野監督の胴上げを目標に頑張りたい」と気合は十分。「色んな方に観に来て欲しい」と会見で語っていた鉄人の22年間のバレーボール人生の集大成をぜひ会場で目撃して欲しい!!