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ホーム > インタビュー&レポート > 「“飛び級をしてないバンド”っていうのは今でも変わってない」 言葉に違和感のない活動を、共感だけではなく説得力を―― 北村匠海主演映画『東京リベンジャーズ』主題歌『名前を呼ぶよ』 SUPER BEAVERが17年目の勝負を語る全員インタビュー!


「“飛び級をしてないバンド”っていうのは今でも変わってない」
言葉に違和感のない活動を、共感だけではなく説得力を――
北村匠海主演映画『東京リベンジャーズ』主題歌『名前を呼ぶよ』
SUPER BEAVERが17年目の勝負を語る全員インタビュー!

 名前という誰もが持っているIDは、何らかの願いをもって名付けられたあの日から、いつか命が絶えるその日まで、何千、何万回と呼ばれることになる。ただ、あなたが名前を呼び/呼ばれるのは、出会いという運命を経由した者だけで――。出会うからこそ生まれ深まっていくそんな関係性をモチーフにしたSUPER BEAVERの最新シングル『名前を呼ぶよ』は、現在公開中の北村匠海主演映画『東京リベンジャーズ』の主題歌に抜擢。この春には、松坂桃李、麻生久美子、井浦新出演ドラマ『あのときキスしておけば』主題歌『愛しい人』で、お茶の間にそのしなやかな歌声を響かせたのもつかの間、間髪入れずのこの快進撃は、結成17年目にして最高を更新し続ける4人の生き様を投影しているかのよう。そして、8年の時を超え新録されたc/wの『東京流星群』は、当時、彼らをドン底から引き上げる大いなる推進力の一つとなった、ライブにおけるアンセムであり問答無用の名曲。さまざまな人の想いが手繰り寄せたタイアップという勝負の場を、心地良いプレッシャーに変えて。17年前も、8年前も、今も、変わらずに一歩ずつ歩みを進めるSUPER BEAVERが、メジャー再契約第4弾シングルを語る!



間違いなく歩んできた道のりが結果につながってるし
それがやりがいでもあるし、ちゃんと自信にもなってる
 
 
――つい先日リリースした『愛しい人』('21)より、今回の『名前を呼ぶよ』のタイアップの方が先に話が来てたって…今年のビーバー(=SUPER BEAVER)はめちゃ動いてるし、求められてるね。
 
渋谷(vo)「すごくありがたいなって思いますし、いろんなバンドを見てても、自分たちは相当動いてる方だなという自覚はあります。ただ、本当にうれしいし、喜ばしいことだと思うと同時に、これだけたくさん表に出させていただいたり、多くの方に聴いていただいてる状況に正直、負い目は感じてなくて。それだけのことをやってきたよなと思うし、そうなって然るべき人たちがそばにいてくれるので」
 
――何て健全な状態なんだ!(笑)
 
上杉(b)「間違いなく歩んできた道のりが結果につながってるし、それがやりがいでもあるし、ちゃんと自信にもなってる。なおかつ、“飛び級をしてないバンド”っていうのは今でも変わってないから。目の前のことをコツコツ一生懸命やり続けて17年目に振り返ったとき、そういうバンドで良かったと思えることの一つ(=タイアップ)ですよね」
 
藤原(ds)「僕らがどんなバンドで、どんな楽曲を作って、どんな想いでバンドをやってるのか――? 17年やってきたことを、誰かがどこかで見てくれてたから、いろんなお話が今いただけてると思うので、それこそ健全なバンド活動なのかなぁって思ってます」
 
――努力したから報われるわけではないけど、報われる例が一つあるだけでも、だいぶ勇気付けられるよね。言ったら、前回のインタビューもぴあ関西版WEBの週間ランキングで1位だったのよ。ただ、それを見てももう驚かなくなって、俺はTwitterでつぶやきすらしなかった(笑)。
 
(一同爆笑)
 
柳沢(g)「それはつぶやきましょうよ!(笑)」
 
渋谷「もちろん毎回聞いてくださる内容もそうなんですけど、やっぱり奥さん(=筆者)と歩んで来た道のりも長いので、そこからいろんな話をさらってくれたり、実感を伴ってしてくださる質問が多いから、そりゃ読み応えあるよなって(笑)。なので、すごくうれしいです」
 
――そうなってたら本望だし、ある意味、そうなるのが健全だよね。ビーバーとずっと一緒にやってきたんだから。
 
 
言葉に違和感のない活動と
今だからこそ言える言葉を今使うという点は、すごく大事にしてます
 
 
――柳沢くんは、映画の原作となる漫画『東京卍リベンジャーズ』を以前から読んでいたと。
 
柳沢「うれしい話ですよね。ただ、今回の『名前を呼ぶよ』も前回の『愛しい人』もですけど、そう簡単に来るお話じゃないと思うし、逆に言うと、こういう機会を与えていただいて、あとはもう音楽次第というか。“聴いてさえもらえれば…!”と何度も言ってきた自分たちが、ここからどういう音楽をどこまで届けることができるのか。改めて勝負の場だなと感じて、身が引き締まる気持ちではありましたね」
 
――とは言え、今の柳沢くんの作曲のスピード感とクオリティからしても、あまり生みの苦しみは感じないけど。
 
柳沢「“ドツボです”みたいなことは確かにないですけど、人並みに悩んだりはしますよ?(笑) やっぱりビーバーの場合は、“バンドとして今何を歌うべきか? 歌いたいか? 言葉にしたいか?”が明確にないと伝わってこないので。特に’20年はライブが少なかったこともあって、ステージ上のぶーやん(=渋谷)の言葉が歌詞になる回数も例年に比べたら少なかったし。でも、会話は常にあったので、“そういったバンドの意志とかモチベーションみたいなものを、どこからピックアップしようかな?”というのはすごく考えました。それさえ決まれば、形になるまでにそこまで時間はかからないのかなと思って」
 
――タイアップという一つのきっかけをもらいつつ、今回は“バンドとして今何を歌うべきだったのか? 歌いたかったのか? 言葉にしたかったのか?”。
 


柳沢「『東京リベンジャーズ』というワード自体が、すごくビーバーっぽいんですよね。今現在は、“リベンジ”というような悲壮感漂う気持ちではやってないですけど、10年もさかのぼれば、少なからずそういう気持ちがあったバンドだと思うので。その中で、奥さんも含めていろんな方との出会いが、今日のSUPER BEAVERの価値観であったり、バンドのスタンスをより強固にした。一つ一つの出会いだったり、仲間と呼べるような関係性みたいなものに対して今一度、丁寧に伝えたいなと思ったのが最初の取っ掛かりではありましたね」
 
――“助けたい人に ずっと助けられている/ありがとう なんて こっちの台詞なのに”という歌詞を見たとき、こういう歌を歌えるバンドは幸せだなと思った。でもそれは、そう感じる自分たちでいられるように生きてきたからで。
 
柳沢「これはそれこそ、ぶーやんもステージ上から発してると思いますし、ライブって見に来てくださる人と、歌いに行く僕らがいますけど、やっぱりそれだけじゃないので。こういった気持ちを受け取らせてもらい、渡すこともする関係性を実感し続けてきたバンドだと思うので、SUPER BEAVERの根底にずっと流れてる感覚なのかなって」
 
――“出会いが人生の全てだ って思った”と言える、これぞSUPER BEAVERという曲だもんね。あと、最近のビーバーの曲の歌い出しは、子どもでも肌で分かるような真理だなと思わされます。
 
柳沢「一聴して何を伝えたいかが分かるようにずっと考えて歌ってきて、それがどんどん“確信めいた”とまでは言わないですけど、誰にでも分かる意味合いになったというか。それをポンと言っても意味がなくて、ちゃんと伝えられる歌い手がいて、僕らの活動そのもので言葉に説得力を持たせないと、簡単なのに伝わらない結果になってると思う。言葉に違和感のない活動と、今だからこそ言える言葉を今使うという点は、すごく大事にしてますね」
 
 
自分にしか呼べないその人の名前があって
その人にしか呼んでもらえない自分の名前がある
 
 
――今回は“名前”という誰もが持っているものをキーワードにした曲ですけど、渋谷くんは個人的にも名前についていろいろと考えてきた人生だったと。
 
渋谷「結構小さい頃から特に高校に上がるまでは、自分という存在について考えることが多くて、“自分を表すものが名前しかないって何なんだろう?”とずっと思ってて。そんな記号より、“その人の考えてること、気持ちだったり歩んできた歴史、一緒にいた人とかが重要だろ?”と思ってたんですけど、俺がどんな生き方をしようが渋谷龍太だし、どれだけカッコ悪かろうが渋谷龍太だし、どんなにカッコ良かろうが渋谷龍太だし(笑)。これだけたくさんの人と関わらせていただいた人生に、自分にしか呼べないその人の名前があって、その人にしか呼んでもらえない自分の名前があるのはすごく素敵なことだなって、ようやく意味を成してきたというか、実感してきたところなので」
 
――そもそも名前を付けるという行為が、相手のことを呼ぶためのものであったなら、すごく愛おしいとも思うし。
 
渋谷「例えば、俺が奥さん(=筆者)と出会って初めて呼んだ“奥さん”と、今呼ぶ“奥さん”は全く意味合いが違って。経験してきた時間と、与えてもらった気持ち、受け取ってもらった想いがやっぱりあるし、それがあるからこそ、俺にしか呼べない“奥さん”があって、SUPER BEAVERにしか呼べない“奥さん”があるし、逆も同じで」
 
――プライベートも含めて、俺にとっての上杉は=上杉研太だし、渋谷と言えば渋谷龍太だし、藤原=藤原“33才”広明で、俺が出会ってきた柳沢一族の一番上に柳沢亮太がいる(笑)。その名前を聞いて真っ先に思い浮かぶ人が今、目の前にいて、このインタビューを読んでくれてるそれぞれの人にも、きっとそういう名前があるだろうし。あと、ずっと思ってたけど、ビーバーって藤原くん以外の名前に、“太”という字が入ってるのは珍しいよね。
 
渋谷「むしろ、何で藤原にだけ入ってないんだろう?(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) 何かしらの想いがあって付けられた名前だと思うけど、由来を聞いたことはある?
 
渋谷「俺は父ちゃんが中華料理の店をやってて、それが昇る龍と書いて『昇龍』なんですけど、父ちゃんが“昇”と言いまして。お店はもう45年ぐらいになるので俺より全然先輩ですけど、その店の名前から“龍”の字をもらって。だから元々は、“渋谷龍”になるはずだったんですよ。でも母ちゃんが、“ヤクザもんみたいだからイヤだ”って、“太”を付けてくれた(笑)。どっちの文字にも両親の意志を感じる名前ですね」
 
――いや~やっぱり意味があったね。研太は?
 
上杉「東京に代々木八幡宮というところがありまして、その神社がうちの兄弟の名前を全部付けてくれてるんですよ。研が研究の研なのは、右に鳥居が付いてるからなのかな? とか勝手に思ってますけど(笑)。“研太”っていう字は、実はあんまり多くないんですよね」
 
――言われてみれば確かに。亮太は?
 
柳沢「親に聞いてはみたんですけど、何かぼんやりしてましたね(笑)。願いとしてはシンプルで、“明るく、朗らかで、健康で”みたいな感じで、“太”に関しては父方のじーちゃんの名前に“太”が入ってて、そこから一文字入れたかったって言ってたのは覚えてるんですけど」
 
――なるほどなるほど。じゃあ広明は?
 
藤原「僕はもうそのまま、心は広く、明るく!」
 
(一同爆笑)
 
藤原「不思議なもんで、ずっとそうありたいと思ってましたね」
 
――例えばさ、やっぱり“渋谷龍太”という名前のパートはボーカリストであってほしいじゃん?(笑) 名前は記号なんだけど、その人の生き方で意味も持つし響きも変わるし、面白いもんだね。
 
渋谷「確かに。こじつけですけど、名字も含めてバンドマンってみんな、“ぽい”名前ですよね(笑)」
 
 
無意識にバンドの歩みを描いてる感じがすごくあった
 
 
――それにしても、これだけ立て続けにシングルを出して、毎回見劣りしないクオリティなのはすごいよね。今回の制作中も良いムードだったみたいで。
 
柳沢「映画の主題歌というのはありながら、出会いであったり仲間的な内容もあって、無意識にバンドの歩みを描いてる感じがすごくあったので。最初の“今さら馬鹿みたいなこと言うけど”の部分も、近しい間柄で改めて、みたいな言葉だし、メンバー愛じゃないけど、SUPER BEAVERの歌というか。結構スムーズにいろんなアンサンブルもできて、そこまでは僕の仮歌で何となく組み立ててたんですけど、いざ、ぶーやんがブースに入って歌った瞬間に“ボンッ!”と全てが呼吸し始めたというか…こっち側=コントロールルームの盛り上がりがハンパじゃなくて。最後まで歌い切ったとき、“これ、むっちゃ良くないですか!?”って、自分たち自身が“何か”を感じてしまった。それはこの曲が持ってる特別な“何か”で、そういうことは制作の初期段階からありましたね」
 
――17年連れ添って、その“何か”=ワクワクがまだ出てくるんだね。あと、イントロにはちょっとノスタルジーなノイズが入ってますが、これは10年以上前に作ってお蔵入りした楽曲の一部を引っ張ってきたと。
 
柳沢「今回の映画のテーマである“タイムリープ”が何となく頭にあって、そのときにふと思い出した曲があったんですよ。それは初の全国流通盤になったミニアルバム『日常』('07)に入る予定だったんですけど、自分たちが次のステージに行くタイミングで、それまでよく面倒を見てくださっていたある方を思いながら作った楽曲だったんですよね。だから当時は、珍しくメンバー4人で歌詞を書いたりもして。出会いみたいなものを描きたいと思ったとき、自分たちの歩みがずーっとブレてない印みたいなセルフオマージュというか…まぁ、僕たちにしか分からないことではあるんですけど、こういうアイデアを持ってくるのは音楽としてすごく純粋だなと思ったんですよね。曲自体は全く違いますし、本当に一部分をエッセンスとして入れてるだけなんですけど、こうやって形を変えて、でも、テーマとして一本ぶっ通るものがあるのはカッコいいなって」
 
――そんな曲が映画の主題歌にもなって、多くの人の共有できる物語にもなる。ビーバーは自分たちのことを歌っても、それがみんなの歌になるもんね。
 
渋谷「そうですね。不思議ですね、確かに」
 
柳沢「本当にそういう曲になりましたね、うん」
 
 
SUPER BEAVERというバンドのテーマ感はちょっとありますよね
 
 
――そして、もう一曲は名曲『東京流星群』(M-2)の再録で。俺も大好きな曲だけど、何百回と聴いてもやっぱり、開始30秒以内に鳥肌が立つ。“この曲、サブリミナルで何か入れられてるのかな?”と疑うぐらいパブロフの犬(笑)。
 
(一同爆笑)
 
――今でもライブのアンセムであり、これぞビーバーな代表曲『東京流星群』が世に出たのはもう8年前だけど、バンドにとってもやっぱり思い入れがある?
 


渋谷「今、奥さんがおっしゃってくれたように、SUPER BEAVERというバンドのテーマ感はちょっとありますよね。自分たちがSUPER BEAVERを説明する上ですごく大事というか、分かりやすい曲だなって。俺らだから歌う曲だし、歌える曲だし、歌えるテーマだと思う。なおかつ普遍的だし、刹那的でもないから、ずっと歌い続けられるし、回を重ねれば重ねるほど意味が出る曲で、自分たちの歩みと共にこの曲があるのは…すごく良いですよね」
 
――柳沢くんはこの曲の後に100曲以上書いてるだろうに、それらに今でも負けない曲だもんね。
 
柳沢「ちょっとやぼな言い方をしますけど、『東京流星群』ってそもそもリード曲でもシングルの表題曲でもないし、つい最近までMVもなかったのに、めちゃめちゃ知られてるんですよ(笑)。フェスとかに出させていただいたとき、この曲を待ってくれてる方も結構いるんじゃないかな? 特有のエナジーがやっぱりあるし、シンガロングを明確に意識した最初の曲でもあります。そういう意味ではターニングポイントの一曲ではあると思いますね」
 
――バラードで泣けるんじゃなくて、アッパーなのに泣ける、ビーバーならではの感覚というか、その代表格な感じがする。だって俺も、“あ、今日は『東京流星群』やらんかったな…”ってライブを見たときに思うもん(笑)。
 
(一同笑)
 
――だからイントロのベースを聴いたら、“やった〜! 今日はセトリに入ってた”、みたいな(笑)。歌詞も、“眠れない夜の裏側に 僕を待ってる朝があって”って…当時から良いこと言ってるよな~って。
 
柳沢「この歌は当時のありのままの願望がめちゃくちゃ入った曲ですよね(笑)。でも、歌詞を変えたわけではないのに届き方が変わったなら、それは僕らが状況を変えてきたことがそうさせてくれてるとも思うので。あの頃と変わらないヒリヒリ感を持ちつつ、そういうふうにも思える気付き。共感だけではなく、説得力みたいなものを少しずつ足せてきてるのかなって。そういう意味では、それが今後もさらに強くなっていきそうな気もするし」
 
――当時は“僕”という等身大の自分だったのが、8年歌い続けた今では聴く人の気持ちを代弁してくれてるようにも思えるし。ちなみに、作詞のクレジットに珍しく渋谷くんの名前が入ってるのは?
 
渋谷「これは作詞のときにヤナギ(=柳沢)が、“『東京流星群』だけど思い描いてる街は新宿だ!”とか言って(笑)、歌詞についてすげぇ話した覚えがあるんですよね」
 
柳沢「僕が生きてきたのは何なら新宿より渋谷なんですけどね(笑)。そういったところも含めて、ダブルクレジットにしたいっていう話を当時はしましたね」
 
――イントロに追加されてるのはライブ音源だよね? こんなにみんなで歌いたい曲も、今は歌えない状況で…みんなマスクの中で声が出ちゃってるかもしれないけど(笑)。
 
(一同笑)
 
渋谷「絶対そうですよね(笑)」
 
――リテイクしてテンポはちょっと速くなってると思うけど、8年前と変わった/変わらないところは何かある?
 
渋谷「クリックを聴いてる/聴いてないはあるよね?」
 
藤原「当時はレコーディング時間を短縮したかったのもあるんですけど、技術的なことも含めて、クリックに合わせて演奏したときに楽曲のノリを出すことがなかなかできなかったんですよ。“せーの!”で一発録りするしかバンドのらしさとか勢いを録る手段がなかった。だけど今回はきちんとクリックを聴いて、録音した違いはありますね。それ以外のアレンジは変わってないんですけど、テンポはライブよりは下げてますね」
 
柳沢「1つ明確に変えたのは、パワーコーラスの印象をより強くしたのはあります。8年前の音源は、コーラスワークが結構ハーモニックな感じなんですよ。けど、ライブで繰り返してやっていくうちに、いわゆるユニゾンでのコーラスを徹底するようになって。今回の音源では、ライブで培った雰囲気をサビに持って帰ってきたんですよね」
 
 
自分たちがずっと信じてやまなかった音楽がどう響いていくのか
全身全霊でみんなでぶつかって何を鳴らすことができるのか
 
 
――現在も、フェスにツアーにと全国を回ってますけど、10月にはついに初の大阪城ホール公演が控えていて。今までもイベントではステージに立ってるけど、城ホールってどう?
 
渋谷「デカい!」
 
――あんたら、もっとデカいところでもやってきただろ(笑)。
 
渋谷「アハハ!(笑) でも、本当に大きなところでやってるなという感覚はありますね。ただ、届かないほどデカいとは思ってない。こういう会場でできるようになったのはうれしいなっていう感覚はとても強いですけど、構えちゃう感じは不思議となかったですね」
 
――言ってしまえば、日本武道館って一時的な人気でも意外とやれると思うけど、そんなアーティストでも城ホールは満杯にできないことがざらにある。武道館には記念という意味も含めて全国から人が集まるけど、城ホールとか、愛知にとっての日本ガイシホールとか、エリアのデカい会場って、にわかじゃない確固たる支持がないと埋まらない。だからか、城ホールで見るライブはどんなジャンルの人でも、誰を見てもすごいなと思わせてくれる。
 
渋谷柳沢「へぇ〜!」
 
――ビーバーがそこでワンマンをやったとき、どんな気持ちになるんだろうな…もはや見る側の方が感慨深いかも。
 
渋谷「自分たちでライブハウスを回って、ホールに行って、アリーナに行って、呼んでもらったお祭りにも出て…これだけ振り幅があるのがSUPER BEAVERだと思うので。こういうご時世でも、どうにか踏ん張れてる気はするし、見に来てくださる方、俺らに携わってくれてる方のおかげで、しっかり意味のある日になりそうだなって」
 
――大げさかもしれないけど、ビーバーがちょっとした命綱というか、ビーバーがこうやって盛んに動いてくれてることが、今はいろんな人の心を支えてると思うよ。
 
渋谷「そう言っていただけると本当にありがたいですね。まさに、そうなりたいなと思ってるので。自分たちのことをたくさんの方が支えてくれてるんで、それに見合うというか、そういう器のバンドになりたいなと思ってます」
 
柳沢「あと、こういう場(=キャンペーン)を与えていただけるのも、やっぱりすごくうれしいなと改めて思ってて。なかなかここまでの想いをSNSだけで全部伝えることは難しいので、今のSUPER BEAVERのモードを世に伝えていただくためにも、あんまり間が空かないようにちゃんと奥さんと話して(笑)、これから先もいろいろと楽しめる活動をしていけたらなとは思ってますね」
 
――ライブはもちろん、いろんなメディアでも、1年を通してこうやってビーバーの想いが聞けたなら、ずっと近くにいるような感じはあるかもしれないね。
 
藤原「ツアーだったりイベントだったり、この数日とか1カ月でも、バンド感みたいなものが増してる手応えがあって。それぞれがより頑張ってるというか、人間的にも音楽的な部分も成長してる感じがするし、ライブの一本一本がレベルアップしてるので。こういうご時世なのでまたいろんなことが起きるかもしれないですけど、僕らを待ってくれてる方にどうやってメッセージを伝えるかを考えながら、毎日を過ごしたいなって。僕自身、楽しみなことがあるから頑張れる、みたいなところがあるので、そういう存在になれるように努力し続けたいなと思ってます!」
 
上杉「今まさに自分たちが望んでいたフィールドに立てて、これだけの頻度でリリースができて、またそれにタイアップが付いて、テレビに出られる機会も増えて…そんな姿にもしかしたら、ちょっと寂しがってる方がいるかもしれないけど、よりオーバーグラウンドな場所で、自分たちがずっと信じてやまなかった音楽がどう響いていくのか、全身全霊でみんなでぶつかって何を鳴らすことができるのか…そういうことに飢え続けてきた4人が、今とてつもない勝負をしてる最中なので。引き続き応援をよろしくお願いします!」
 
渋谷「自分で楽しいことを見つけたり、モチベーションを上げたりするのは割と得意な方なんですけど、最近は正直、何も面白くなくて。その反面、今は周りの人に楽しくさせてもらってるし、モチベーションを上げてもらってるんですよね。個人でどうにでもできたことができなくなって、周りにいてくださる方のありがたみを、さらに感じるようになりました。だからこそ、自分が周りの方に対して、自分たちの音楽を好きでいてくださる方にとって、そういう人間になりたいって今、強く思ってるんですよね」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



ライター奥“ボウイ”昌史さんからのオススメ!

「つい最近ドラマの主題歌をやったと思ったら今度は映画って…1週間に2人から告白されるモテ期のようなビーバー(笑)。しかも“毎回レコード会社にげたを履かせてもらってるけど、音楽はショボいじゃん”となったら身もふたもないそんなチャンス&プレッシャーの場で、自他共に代表曲と言える楽曲を次々とリリースし続ける4人には本当に感心します。インタビューで『名前を呼ぶよ』について触れる際、渋谷くんが“奥さん”と俺の名前を例に出して話してくれてますが、他のメディアでも“●●さん”と目の前にいる方の名前を出して話しているのを見て、ビーバーにはきっとこういう名前が一つ一つの小さな出会いからちゃんと生まれてて、その出会いがどんどん積み重なって、呼びたい名前がまた増えていくという幸福なスパイラルにいるんだなと大いに納得しました。本当に全てがなるべくしてなってる。そして、『東京流星群』は個人的にも大好きな曲で、どこかの誰かのタイアップが付いちゃう前に、俺が何かに使いたいぐらいです(笑)。8年経った今でも鳥肌が立つって理屈じゃないし、改めてすごい曲だなと。要はビーバーは今が最強ってこと!
【速報】ついにおかんが、“あんたがいつも取材してる何とかビーバー? って子ら、こないだテレビ出てたで。17年ずっとライブばっかしてたとか言ってた”と、ビーバーを認識したようです(笑)。米津玄師以来の快挙です。売れちゃうのか!?(笑)」

(2021年7月12日更新)


Check

Release

映画とシンクロするバンドの生き様が
新たな感動を呼ぶ最新シングル!

Single
『名前を呼ぶよ』
【初回生産限定盤DVD付】
発売中 2000円
Sony Records
SRCL-11845~6

<収録曲>
01. 名前を呼ぶよ
02. 東京流星群

<DVD収録内容>
・『SUPER BEAVER 15th Anniversary
  都会のラクダSP
 〜ラクダの決着、豊洲3本勝負!〜』
  厳選ライブ映像集
('21.1.15)
01. ハイライト
02. your song
03. 自慢になりたい
('21.01.21)
04. らしさ
05. ひとりで生きていたならば
06. ありがとう
('21.01.27)
07. 突破口
08. 予感
09. アイラヴユー
・『名前を呼ぶよ』Music Video

【通常盤】
発売中 1100円
Sony Records
SRCL-11847

<収録曲>
同上

Profile

スーパー・ビーバー…写真左より、上杉研太(b)、藤原“33才”広明(ds)、渋谷龍太(vo)、柳沢亮太(g)。’05年、高校の先輩・後輩である渋谷&上杉・柳沢に、柳沢の幼馴染みである藤原を加え東京にて結成。’09年、シングル『深呼吸』でメジャーデビュー。’11年には所属レーベル・事務所を離れ、’12年に自主レーベルのI×L×P×RECORDSを設立。’14年2月には、eggmanのロックレーベル[NOiD]よりフルアルバム『361°』を、9月にはシングル『らしさ/わたくしごと』をリリース。アニメ『ばらかもん』のオープニングテーマに『らしさ』が起用され、YouTubeの再生回数は1918万回を超える(‘21年7月現在)。’18年4月には初の日本武道館公演を開催、即日ソールドアウトし大成功を収める。6月にはフルアルバム『歓声前夜』を、11月にはカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ『僕らは奇跡でできている』主題歌となったシングル『予感』をリリース。’20年1月には国立代々木競技場 第一体育館にて過去最大キャパのアリーナワンマンライブを開催、即日ソールドアウトさせる。4月1日をもって結成15周年を迎え、6月にはメジャー再契約後、初のシングル『ハイライト/ひとりで生きていたならば』を、10月にはテレビアニメ『ハイキュー!! TO THE TOP』第2クール オープニングテーマに起用された『突破口』が収録された第2弾シングル『突破口/自慢になりたい』を、’21年2月には、メジャー再契約後、初のフルアルバム『アイラヴユー』をリリース。数々のチャートにランクイン。収録曲『時代』がNTT西日本のCMソングに起用される。その後も、5月リリースのシングル『愛しい人』がテレビ朝日系金曜ナイトドラマ『あのときキスしておけば』の主題歌に、7月7日リリースの最新シングル『名前を呼ぶよ』が、人気コミックス原作の実写映画『東京リベンジャーズ』の主題歌に起用。さらには、アサヒスーパードライ WEB CMソングに『人として』が起用されるなど、今最も注目のロックバンド。

SUPER BEAVER オフィシャルサイト
http://super-beaver.com/

Live

途切れぬツアーの合間に
夏には大阪で大型イベントに出演!

 
『SUPER BEAVER 都会のラクダSP 行脚
~ラクダフロムライブハウス~』

【高知公演】
▼7月14日(水)高知キャラバンサライ
【愛媛公演】
▼7月15日(木)WstudioRED
【秋田公演】
▼7月21日(水)Club SWINDLE
【青森公演】
▼7月22日(木・祝)Quarter
【富山公演】
▼7月30日(金)富山MAIRO
【岐阜公演】
▼8月1日(日)EVENT HALL club-G
 

Pick Up!!

【大阪公演】

『ROCK KIDS 802
 -OCHIKEN GOES ON!!-
 SPECIAL LIVE「HIGH!HIGH!HIGH!」
 Supported by ナカバヤシ』
一般発売7月17日(土)
※チケットは、インターネット(PC・スマートフォン)のみで販売。チケット引換えは7/31(土)10:00より可能となります。
▼8月3日(火)13:00
大阪城ホール
指定席8020円(感染症対策グッズ付き)
[出演]クリープハイプ/SUPER BEAVER/DISH///XllX/フレデリック/yama/ヤバイTシャツ屋さん/
ROCK KIDS 802 EXTRA CRAZY BAND
[司会]落合健太郎
GREENS■06(6882)1224
※小学生以上は有料。未就学児童は保護者同伴に限り入場可。お席が必要な場合はチケットが必要。

チケット情報はこちら

 
『SUPER BEAVER 都会のラクダSP 行脚
~ラクダフロムライブハウス~』

【佐賀公演】
▼8月24日(火)佐賀GEILS
 

Pick Up!!

【大阪公演】

『RUSH BALL 2021』
▼8月28日(土)11:00
泉大津フェニックス
大人(中学生以上)8000円
KIDS(小学生)3000円
[出演][Alexandros]/go!go!vanillas/KEYTALK/Saucy Dog/SHISHAMO/SUPER BEAVER/クリープハイプ/
サイダーガール/ハンブレッダーズ/
夜の本気ダンス
[ATMC出演]BBHF/Karin./SPiCYSOL/the shes gone/The Songbards/
ドラマチックアラスカ/にしな/
パスピエ/ユアネス
https://www.rushball.com
※雨天決行・荒天中止。小学生以上はチケットが必要になります。なお、未就学児童は入場無料です。小学生および未就学児童は保護者同伴に限ります。

 
『SUPER BEAVER 都会のラクダSP 行脚
~ラクダフロムライブハウス~』

【静岡公演】
▼9月3日(金)Live House 浜松 窓枠
【東京公演】
▼9月8日(水)LIQUIDROOM
【福島公演】
▼9月10日(金)Hip Shot Japan
【山口公演】
▼9月22日(水)周南RISING HALL

Pick Up!!

【京都公演】

▼9月23日(木・祝)18:00
KYOTO MUSE
全席自由(立ち位置指定)5000円
GREENS■06(6882)1224
※未就学児童は入場不可。

 
『SUPER BEAVER 都会のラクダSP
〜愛の大砲、二夜連続〜』

【愛知公演】
▼10月9日(土)・10日(日)日本ガイシホール

Pick Up!!

【大阪公演】

▼10月20日(水)・21日(木)19:00
大阪城ホール
指定席6900円
GREENS■06(6882)1224
※3歳以上は有料。

【埼玉公演】
▼11月6日(土)・7日(日)
さいたまスーパーアリーナ


『SUPER BEAVER 都会のラクダSP 行脚
〜ラクダフロムライブハウス〜』

【北海道公演】
▼11月17日(水)PLANT
▼11月18日(木)Zepp Sapporo
【東京公演】
▼11月24日(水)Zepp Tokyo
【新潟公演】
▼11月29日(月)GOLDEN PIGS RED STAGE
▼11月30日(火)NIIGATA LOTS
【福岡公演】
▼12月6日(月)・7日(火)Zepp Fukuoka

【広島公演】
▼1月10日(月・祝)・11日(火)BLUE LIVE 広島
【香川公演】
▼1月14日(金)・15日(土)高松festhalle
 

Column1

「もっともっとSUPER BEAVERの
 音楽を身近に感じてほしい」
今SUPER BEAVERが届けたい
ラヴソングを超えたラヴソング!
松坂桃李主演ドラマ『あのときキス
しておけば』主題歌を含む会心の
『愛しい人』を全員で語る('21)

Column2

「僕ららしいし僕らにしか
 歌えないんじゃないかな」
全ての出会いを運命に変えてきた
4人が王道を引き受ける
最高純度のロックアルバムにして
『アイラヴユー』という愛と音楽
SUPER BEAVERが語る('21)

Column3

「歌ってることに恥じない15年を
 4人で過ごしてこれたのかなと」
徹底的に今と向き合う執着と
出会ってきた全ての人との歓びを
感情を歌にするSUPER BEAVERの
イズムとリアルを刻んだ
『突破口/自慢になりたい』
全員インタビュー('20)

Column4

「悔しさだったり、哀しさだったり
 怒りみたいなものも全部捨てずに
 持ってきたからこそ
 今人一倍喜べてる気がする」
痛みもロマンも携えて
SUPER BEAVERがメジャー再契約
『ハイライト/ひとりで生きて
 いたならば』インタビュー('20)

Column5

「目指すべきところの入口に
 立った感がすごいありました」
ライブハウスから
お茶の間に届けこの『予感』!
『僕らは奇跡でできている』主題歌
から飛躍の2018年を語る('18)

その他インタビューはコチラ!

『歓声前夜』('18)
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『真ん中のこと』('17)
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『美しい日/全部』('17)
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『27』('16)
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『ことば』『うるさい』『青い春』('16)
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『愛する』('15)
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『361°』('14)
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『世界が目を覚ますのなら』('13)
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『未来の始めかた』('12)
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