「この先の未来でもっと素晴らしいみんなと僕らが出会えるように」 オーディエンスとの信頼関係が生んだドラマストアの挑戦 誰もが不安で、誰もが答えを知らない日々に4人が語る 『Invitations』インタビュー&動画コメント
インタビュー中に何度も語られるオーディエンスとの信頼関係が、ドラマストアを変えた!? クラップやコール&レスポンスなど、お決まりのパフォーマンスをあえて遠ざけてきた彼らだが、最新作『Invitations』ではそれらを巧みに取り込み楽曲のスパイスとして有効活用。何ならMVのストーリー展開に合わせてそのギミックを配置するなど、いざやるとなれば緻密に練り上げポップソングとして昇華する、“関西発・正統派ポップバンド”の名に恥じぬ徹底ぶり。さらには収録曲の『東京無理心中』が、柴門ふみ原作の真夜中ドラマ『女ともだち』の主題歌に抜擢と初のドラマタイアップも実現させ、目指すお茶の間への大いなる第一歩を踏み出したかのように見えた彼らだが、その内情は順風満帆と浮かれてはいられないことが、インタビューの後半で発覚(笑)。新型コロナウイルス禍により、ライブでこそ真価を発揮するであろう新作を手におあずけ状態の日々に、メンバーがその心中を吐露したインタビュー。誰もが不安で、誰もが答えを知らない。だが、ドラマストアはこんなところじゃ終わらない。準備万端の4人が、あなたとの出会いと再会を首を長くして待っている――。
価値観を崩してくれたのがファンの人たちの声だった
――今年は1つの目標としていた渋谷CLUB QUATTROのソールドアウトで幕を開けて。
松本(ds) 「あの日は今までで一番いいライブをしたなと思いましたね。1回ハケてアンコールに出るときもメンバーに“今日ヤバくなかった? キテたよね?”って(笑)」
長谷川(vo&g) 「自分たちのことを好きでいてくれてる人が、目の前にこんなにいることがまず嬉しかったですし、知ってる顔を見つけてしまうと、こっちも涙がこぼれそうになるぐらい、想いを重ねて感動してくれてる人が多かったので、それは純粋に嬉しかったですね。この気持ちを、例えば武道館に立っても忘れたらあかんし、これからもできるだけ1人1人の顔を見つけてあげたいなと思いながらライブをしてました。逆に大丈夫かなって思うぐらい結構落ち着いてたんですけど、本編が終わって1回ハケたら、(松本)和也くんと(髙橋)悠真(b)のテンションがすっごい上がってて(笑)、そこでようやく実感が湧いたというか、後から感情が追い着いてきたようなライブでしたね」
――積み重ねてきたことが、出すべきところでちゃんと出たと。
鳥山(g&key) 「そういうことは初めてだったかもしれないです。今までのワンマンは…今思えばしょうがないところもあるんですけど、やっぱり緊張したり。僕もこの日はいいライブができたと思いましたね」
髙橋 「1日の始まりから心の準備ができてて、リハの段階から大丈夫やなっていう感覚があって。1曲目から思った以上に物怖じせずにどっしり構えられて、お客さんの顔もよく見えたし、リアクションが返ってくることでテンションも上がってくるし。それもやっぱり、心の準備がよくできてたからこそ味わえた感覚やなって」
―― 何だか 顔つき的にも悠真くんは変わった気がするね。
髙橋 「制作のときもそうでしたけど、支えてもらってる人の顔がすぐに思い浮かぶんで。いろんな人に助けてもらってることが、より分かったからかもしれないですね」
――そして、その直後に和也くんから速攻『Invitations』の音源が送られてきて、“もう新作できてたの!?”って。
長谷川 「内容に関しては、“みんなで一緒に楽しむ”をテーマに作ろうというのが、4~5曲制作したぐらいから自分の中にあって。というのも今作はクラップだったり、お客さんの声が入るイメージの作品なんですけど、元来はそういうアクションが苦手だったんですよ。でも、クアトロしかり、前回のツアーしかりで、自分たちは愛されてるんだなというか、胸を張っていいファンだと言える人たちに応援してもらってるのをヒシヒシ感じて…。このタイミングなら、そういう曲の一部分をみんなに任せてもいいんじゃないかって、価値観を変えてもらったんですよね。周りのバンドはよくやってることかもしれないけど、自分たちはあえて避けてきたことだったので」
――ただ、安易にそこに手を出すと、 いわゆる邦ロックシーンにまた取り込まれる危険性もあるわけで。
長谷川 「ライブ中に手拍子させたり手を上げさせたりすると、“手を叩かないと、手を上げないと”ってお客さんの思考が働くから、“その間はお前の歌から数%気がそれるんだぞ”って言われたことがあって。僕は歌を聴いてほしいからそういうアクションをしてこなかったし、こちらから強制させるものじゃないのかなと思ってたんですけど、その価値観を崩してくれたのが大事に思ってるファンの人たちの声だったんで、これは挑戦するタイミングかなと」
松本 「『Invitations』はほとんどが挑戦心みたいなところはあると思いますね。あと、お客さんに委ねられるのは、規模感が大きくなってきてる証拠かなとも思って。だからこそ、今打ち出せる作品=『Invitations』なのかなと」
髙橋 「お客さんがどう感じるかという心理的な部分から、音に関する細かいところまで、制作が終わるまで考え続けたのも挑戦やったんかなと思ってて」
――ドラマストアのモットーである、“ベタをやりつつ、ベタを疑いつつ”で言うと、さじ加減が命だもんね。
鳥山 「そこはすごい気にしました。(悪い意味で)“変わったな”って思われるのもイヤやなって話してましたから、作ってるときは怖かったです。“どうすれば歩み寄れるやろう?”みたいな感覚はありました」
――それだけお客さんは作品に影響力があるという。
長谷川 「ありましたね。僕は特に生粋のアーティストっていう性格でもないし、お客さんの顔を見て言葉が出なくなっちゃうときもあるぐらいですから、改めてファンの人の存在ってこんなにデカかったんやなって」
この曲ができたから『Invitations』というタイトルにしようと思った
――シングルとして先にリリースされた『ラブソングはいらない』(M-3)以外で、今作の出発点になった曲はある?
松本 「『東京無理心中』(M-4)も再録なんで、実際は『チョコレートボックス』(M-5)ですね」
――この曲は、かつて社会人として仕事に本気で向き合ってた、(長谷川)海くんならではの誠実なメッセージで。
長谷川 「ありがとうございます! 和也くんとちょっと真面目過ぎるかもみたいな話にもなったんですけど、一番最初にこの曲を書き下ろしたら、思ったより抽象的になったというか、人生を歌ってしまったなと思ったんですよね。じゃあ、日々いいことも悪いこともいっぱいあるけど、“箱を開けてみないと自分の才能がどんなもんかは分からへんで”って、僕らっぽく無責任に歌う曲としてこれを置いて、逆に他の曲はしっかりと主人公を立たせて、いつもよりもっと風景が浮かびやすくしたら、いい感じにバランスが取れるのかなと思って。この曲ができたから『Invitations』というタイトルにしようと思ったのはあるかもしれないですね。ちょっと昔の曲を彷彿とさせる言葉選びもしつつ、いろんなタイプの主人公を等しく僕らの世界に呼んであげられるようにという気持ちで書きました」
――ゴージャスなオープニングを飾る『Dancing Dead』(M-1)は今までにない意図を感じる曲で、ホーンはもちろんギターも思いっ切り弾き倒して、基本的に全てをちょい過剰にやってる感じというか。
長谷川 「1球目から変化球を投げたがりなんで、和也先生は(笑)」
松本 「再生した瞬間に“何や何や!?”ってなって、サビがきたらちゃんとドラマストアな曲にしたいなって。最近知ってくれた人も新しい扉を開けたんやなって分かってもらえたら嬉しいし、マイナーキーのギターロックみたいな曲も毎回1曲は入れたくなるんですけど、今回は盛り上がりそうな曲ばっかりなんで、普通のギターロックを入れても難しいなと。だからもっと振り切って、ポップバンドのCDの1曲目からめちゃめちゃロックなことをしようと」
鳥山 「でも、どれだけギターを歪ませても、僕らが聴いてきたポップスの範囲内にはちゃんと収まってるなと」
――『可愛い子にはトゲがある?』(M-2)はリード曲=ドラマストアあるあるのMVありきで生まれた楽曲で。
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長谷川 「和也くんから、“ドタバタコメディ×女の子を踊らせたい”っていうオーダーが来まして。じゃあ女の子のマウントの取り合いというか、例えばアイドルグループのセンター争いみたいなストーリーはどうだろう? っていう話になって。監督とストーリーを詰めながら詞もメロディも考えてみたいな感じやったんで、めちゃくちゃしんどかったですね。監督から、“クラップとかが入るとシーンの切り替えがしやすいです”みたいなオファーもあったり」
――なるほど、本当に映像的な都合というか。
長谷川 「“この娘VSこの娘はどこまでやらせる?”みたいな話でセクションを分けたり、まだ曲自体はできてないのに想像しながら話すのはすごく難しかったですし、逆に全てが出来上がったときにちゃんと全部がつながる落としどころを見つけられてるのか不安もありながら。4人の主人公の裏設定も監督と決めて、この娘はお兄ちゃんが2人おるとか(笑)、そこまで考えた上でキャスティングもして…MVの内容を全て歌詞に書いてもよく分からんし、歌詞のことを全てMVにしてもよく分からんから、そこも話し合いつつ、でもここはつなげつつ、みたいな(笑)」
――もう、めちゃくちゃ面倒くさい!(笑) 普通ならできた曲を渡して、そこからは映像班のイメージで、みたいなことがほとんどなのに、その悩みとクリエイティブはドラマストアならではですね。ちなみに、和也くんのドタバタコメディ×女の子を踊らせるっていうオーダーはどこから?
松本 「YouTubeにある僕らのMVを並べてみたときに、まだやってないのがギターロックとコメディやなって。ただ、まだポップスの力を伸ばすべき時期やなと思ったんで、今回はコメディにしようかと。あと、これは使えないと思うんですけど…(とMVの裏戦略を説明)」
――めっちゃ怖いやん、この人(笑)。
松本 「けど、そんなに効果はなかったですね(笑)」
(一同爆笑)
――ちなみに、このMVの海くんはやたら唇が赤いけど、口紅を塗ってるわけではないと。
長谷川 「僕も監督に聞いたんですよ。そしたら、“海くんの体調がよかったんちゃいます?”って言われました(笑)」
病んでたんかな?(笑)
――『東京無理心中』に関しては、ついに初のドラマタイアップ(=真夜中ドラマ『女ともだち』主題歌)が決まって。原作者の柴門ふみさんは、他にも『東京ラブストーリー』とか『あすなろ白書』とかを書いた方ですね。
長谷川 「見たことがある俳優さんばかりが演技をしてる中で自分らの曲がかかってて、しかも僕は去年『あなたの番です』にもハマってたんで、袴田吉彦さんが出てるのもすごく嬉しいんですよね(笑)。3話でたまたま東京タワーとスカイツリーの話が出てきたりして、その辺も僕らを選んでくれた理由かもしれへんなと思ったり。そこからは送っていただいた台本を読むのはやめて、いち視聴者として楽しもうと」
――当時、この曲が生まれたいきさつは?
松本 「'16年とかに、1日限定で東京の下北沢SHELTERのライブでリリースしたんですよ。そのときは確か150人ぐらいしか入ってなかったんちゃうかな?」
長谷川 「今考えたらもったいないな(笑)」
――当時はこんなタイアップが付くなんて思わずに書いてるわけやもんね。
長谷川 「ホントですよね。バッドエンドと言葉遊びがしたいなと思っただけで何か…病んでたんかな?(笑)」
松本 「確かにあの時期に書いてた歌詞ってヘンというか…暗い歌詞しかない」
(一同爆笑)
長谷川 「ちょっと!(笑) でも、『燈』('16)にしろ『エンドロール』('16)にしろ、一旦終わらせてる歌詞だし、そうかもしれない。多分、『スイミー』('17)が当時のピークでしたね。『スイミー』で“楽しい〜!”ってなった後は、ちょっと人生が面白くなかった時期かも」
鳥山 「暗かったですね、そう言えば(笑)」
長谷川 「恥ずかしいなぁ(笑)。でも、当時から歌詞を見てほしかったのはすごくあって、例えば、“人の言うことに夢を見て その手を握れば/信じることは儚いもの 思わされ眠る”は、2行目で人の言う→“信”じるになって、人の夢→“儚”いになって、みたいな言葉遊びをしたり」
――4年前に書いた曲が、今でも新曲と同様に歌えるクオリティなのは嬉しいことやね。
長谷川 「何だかんだ『東京無理心中』って節目節目のライブでもやってたんですよね。だからこそ、このメンバーで改めて再録する意味も分かったし。本当に下北沢SHELTERで150人に売って終わりじゃなくてよかったです(笑)」
バンドってしんどいですよね
――ラストの『グッデイ、グッナイ』(M-6)は、こんなにも夢中になれたら素晴らしいなと思う恋愛にも感じるし、ある意味ファンとの関係性とも取れる曲ですね。
松本 「他の曲は考えて考えて作ってるから最後は何も考えず、俺ららしい真面目でストレートな曲をやろうやって」
長谷川 「和也くんは“この曲めっちゃ好き!”って言ってくれてますから(笑)。デモの段階から“このまま死んでしまいたいくらいだよ”っていうフレーズはあって、疾走感のあるポップスの中で死んでしまいたい状況って何だろう? って考えたとき、僕らのライブに来てくれてるファンのみんなかなって思ったんですよ。“無理! 尊くて死ぬ!”とかよく聞くじゃないですか?(笑) ドラマストアを始めたての頃は恥ずかしくてそんなことは書かれへんかったけど、今はむしろ書きたいと思わせてもらったので、正真正銘これはファンの人たちへの歌なんですよね。自分も確か18の頃とかはこういう気持ちやったなと思うと、涙なしでは歌えない感じはありましたね。すごくエモいというか」
――お客さんの力ってやっぱりすごいなと思うよね。
長谷川 「思います。“恋愛の歌なんかな? デートであなたに会いに行くまでの道のり?”みたいに聴こえるのも一興やなと思いながら、バレるかバレないかの境目で書きました。あとはヲタク3大用語の、“ねえ 待って 無理”を使おうと決めてたぐらいかな(笑)。前回のツアーしかり、どこに行っても多くの人が待っててくれてて…本当にこの半年で価値観をみんなに変えてもらったんですよ。そういうことを思いながら書いたら、最後の曲になりました」
髙橋 「誰のために生きてるのか、何のためにやってるのか、何をやりたいのかを、お客さんと周りのチームのみんなに教えてもらった半年間やったなと。どうしたらファンの方たちに喜んでもらえるかは、いつも考えますね」
――トリくん(=鳥山)はどうですか? “俺、変わったな”でも、“あいつ変わったな”でもいいけど(笑)。
鳥山 「去年の9月に大学を卒業したんで、そこからは結構余裕ができたじゃないけど、今は音楽が楽しいなって思ってます。自分が変わったというよりは生活が変わった感じですね」
――そして、生活が変われば音も変わるよねと。和也くんは?
松本 「変わったかどうかは分からないですけど、バンドってしんどいですよね。ついにこの感じが来ましたね(笑)」
――今日は何だか覇気がないなと思ってました(笑)。
長谷川 「年明けぐらいにスタジオのロビーで…あれはもうミーティングと呼べるんかな?(笑)」
松本 「たまにあるんですよ。“今週はこうしていこう”とか、“次の作品をどうしていくのか”みたいな話をするときに、急に涙がポロポロ止まらんくなってきて…」
長谷川 「 “ここロビーやから1回スタジオ入ろ!”って。ここ2人(=長谷川&松本)は最近よう泣くんですよ」
鳥山 「ホンマ僕以外はよう泣きますよ」
(一同爆笑)
長谷川 「でも、いつもは嬉し涙とか感動がほとんどなんですけど、このときは完全に不安の涙だったんですよね」
――そうか~鉄壁のリーダーみたいな感じやのに、やっぱり揺らぐんやね。
松本 「周りは“クアトロも即完して順調そうやん!”って言ってくれるんですけど、インディーズでワンマンのキャパシティを上げていける限界が2000やと思ってるんで、タイムリミットがだんだん近付いてきたなって。先のスケジュールを組んでいって、“ここでワンマンをするとなったら、あと1年でもうあのステージに到達しちゃうから、いついつまでにこういう話が決まらないと、じゃあ東京でライブできるのもあと何本か…これはヤバいな。1年後にバンドがどうなってるか分からへん”って思った瞬間に、ツーっと涙が(笑)」
――めちゃくちゃビジョンがしっかりしてるからこそ不安になるんやろうね。だって普通は、“次はTSUTAYA O-EASTでワンマンや! やった〜!!”でも全然。
長谷川 「でも、時を同じくして僕も似たような感覚やったんですよ。先が見えへん不安というか…ギャップが苦しかったんですよね。クアトロでライブもできた、自分たちにとって大事な人たちがこれだけできた。でも、ここからどうなっていくんやろう? コツコツ頑張っていきましょうよという自分と、はたして何ができるのかという自分がいて、モヤッとした時期はありましたね。なまじっか可能性があるからしんどいのかもしれないですね」
――やっぱり人生、一筋縄ではいかへんね。
松本 「売れるためには“波を逃したらあかんで”とか言うじゃないですか? それは自分たちでも分かってるんで、スケジュールもちゃんと組んでる。ただ、この思惑が外れたとき、僕は全部が自分の責任やと感じるやろうなと」
――俺が今のドラマストアの立場やったら、“ちょっと順調になってきたぞ!”としか思わないだろうし、例えば、30歳までにとか線引きしたら早々に結果が出てしまうから、“やっぱり35までにしよっかな♪”とか(笑)。
松本 「アハハハハ!(笑)」
長谷川 「分かる!(笑) 僕も元来はそういうタイプなんですよ。でも、急に怖くなって、和也くんは和也くんで“俺1人が不安なのかと思ってた”みたいな」
鳥山 「加入したときから最悪の事態を想像して動いてるから気持ちは全然分かるし、その話し合いから時間が経って、別に完全に前を向けたわけでもないんですよ。でも、どうせそういう不安はずっとあるんで」
松本 「それはどのバンドもそうやと思うんですよね」
長谷川 「みんな見ないようにしてるだけなんでしょうけど」
松本 「僕はもう毎日見てますから(笑)」
長谷川 「でも、そこが和也くんの強さやと思うんですよ」
――すごいな! 俺は未来を考えたら不安しかない。だから考えない(笑)。
松本 「アハハハハ!(笑) もう呑みに行きましょ!」
(一同笑)
長谷川 「でも、成功体験に足踏みなんかつきものですよね。リスクを犯さずに成功なんてできないわけですから、何だかんだ器用なところが裏目に出た悩み方で。そら作戦を立てる側からしたら、“あと何ターン目で勝てるんやろ?”って、不安になってくるのは分かりますし」
――そう言いながら、いくつになっても音楽をやっててくれたらいいけどね(笑)。状況は悪くないわけですから!
長谷川 「はい!(笑)」
松本 「ちょっと気持ちが楽になりました(笑)」
一緒に弱いところをさらけ出して
一緒にいいところを見つけ合うような、 そういう関係でいたい
――最後に、ドラマストアの行く末に関して、載せられる程度に今の素直な気持ちを…。
(一同爆笑)
髙橋 「ツアーのチケットを買う側からしたらやっぱり、今この状況ですごい考えながら買ってくれたと思うし、いざ無事にライブができたら、そうやって考えた上で“やっぱり行きたい!”と思ってくれた人たちが目の前にいてくれると想像しただけで、ちょっと泣きそうになるというか。クアトロを経て物怖じしない感覚とか自信も付いたんで、来てくれたからには絶対に応えたいですね」
鳥山 「ツアーに向けてマーシャルのアンプも買ったので、あとは天に委ねます(笑)。でも、それぐらいしっかり準備はしてるんで、どうなっても覚悟はできてます」
長谷川 「まぁピンチはチャンスですからできることを考えて、次のツアー云々というよりは、みんなのおかげで変われた部分が大きかった今までなので、これからは恩を返したいというのもありますけど、一緒に弱いところをさらけ出して、一緒にいいところを見つけ合うような、そういう関係でいたいなって思いましたね。この先の未来でもっと素晴らしいみんなと、もっと素晴らしい僕らが出会えるように、まだまだみんなからいろんなことを吸収したいし、教えてもらいたい。一緒にカッコいい大人になっていけたらいいなと思いますね」
松本 「ワンマンツアーってお茶の間からしたらきっと当たり前じゃないですか? だから、やっとスタート地点に来れた気がします。ようやく第一歩目に立てたというか」
――そう考えたら、まだまだ焦ったらダメなんじゃないですか?(笑)
長谷川 「アハハハハ!(笑) 頭と心は裏腹なんですよね。ただ、ぶっちゃけね、やっぱりライブができないのはすごく寂しいなと思っちゃいました。今までは“僕らはアーティストっぽくないんで”とか言ってきたんですけど…」
鳥山 「“めちゃめちゃバンドマンやん俺!”って気付きました(笑)。ライブがなくて」
長谷川 「気持ちがアガらんもんね」
――ドラマストアも、いつの間にかちゃんとアーティストになってたということですね。
長谷川 「それはみんながそうさせてくれたんですよ。いや~いいシメでしょこれは!(笑)」
(一同爆笑)
――バンドもお客さんも、この気持ちを持ち寄っていざツアーが始まったら、めちゃくちゃいいライブになりそう。その日を楽しみにしてます! 本日はありがとうございました~!
全員 「ありがとうございました~!」
(2020年5月12日更新)
Check
Movie
これが例のスタジオなのか…!?(笑) ドラマストアからの動画コメント!
VIDEO
Release
躍動感溢れるポップソングの嵐! 美メロ満載の最新ミニアルバム
Mini Album 『Invitations』 【初回限定盤DVD付】 発売中 2400円 Ladder Records / Imperial Artist LADR-27/28 <収録曲> 01. Dancing Dead 02. 可愛い子にはトゲがある? 03. ラブソングはいらない 04. 東京無理心中 05. チョコレートボックス 06. グッデイ、グッナイ <DVD収録内容> 01. ラブソングはいらないMUSIC VIDEO 02. 可愛い子にはトゲがある?MUSIC VIDEO 03. 可愛い子にはトゲがある?MUSIC VIDEOメイキング 04. カフェトークVol,2
【通常盤】 発売中 1800円 Ladder Records / Imperial Artist LADR-29 <収録曲> 同上
Profile
ドラマストア…写真左より、髙橋悠真(b)、長谷川海(vo&g)、松本和也(ds)、鳥山昂(g&key)。'14年9月に大阪で結成。'16年3月にはタワーレコード内の新レーベル、myh records第一弾アーティストとして、1stミニアルバム『Daylight』をリリース。同12月、自身初となるワンマンライブを地元大阪2nd LINEにて開催しソールドアウトに。この日をもって初期メンバーのギタリストが脱退。'17年1月には会場限定EP『UNCYCLE』を、4月には2ndミニアルバム『白紙台本』をリリース。リード曲『至上の空論』が話題に('20年5月現在、MV再生回数234万回突破)。5月に開催した主催フェス『DRAMA FESTA 2017 in TOKYO』より鳥山が正式加入、翌6月には初期メンバーのベーシストが脱退。10月には1stシングル『ラストダイアリー』を、翌’18年5月には3rdミニアルバム『swallowtail』をリリース。リード曲の『秘密』がUSENインディーズチャートにて2週連続1位やラジオ各局のパワープレイを獲得。同作に伴う『僕しか知らない秘密のネタバラシツアー』初日には髙橋が正式加入し、初の東京ワンマンとなったツアーファイナルのTSUTAYA O-Crestは先行発売のみでソールドアウトに。9月より3ヵ月連続で会場限定シングル『ガールズルール』『Stand by You』『Lostman』をリリース。’19年4月には初のフルアルバム『DRAMA STORE』をリリース。同月の“タワレコメン”に選出され、アルバムから5つのTVタイアップを獲得。9月には2ndシングル『ラブソングはいらない』をリリース。『ドラマチック・ミュージックショーアンコールツアー&ラブソングはいらないリリースツアー』のファイナル、渋谷CLUB QUATTROも即完に。’20年3月には、1stフルアルバム『DRAMA STORE』が『第12回CDショップ大賞2020「関西ブロック賞」』を受賞。4月15日には、4thミニアルバム『Invitations』をリリース。“君を主人公にする音楽”をコンセプトとした、関西発・正統派ポップバンド。ドラマストア オフィシャルサイト http://dramastoreonline.com/
Live
初の全国ワンマンツアー 地元大阪は梅田クアトロで!
『ドラマストア 4tn Mini Album 「Invitations」リリースツアー 「可愛い子にはワンマンさせよツアー」』【神奈川公演】 →公演延期 ▼4月28日(火)BAYSIS【千葉公演】 →公演延期 ▼4月29日(水・祝)柏PALOOZA【福島公演】 →公演延期 ▼5月9日(土)LIVE STAGE PEAK ACTION【宮城公演】 →公演延期 ▼5月10日(日)LIVE HOUSE enn 2nd【福岡公演】 →公演延期 ▼5月17日(日)福岡Queblick【広島公演】 →公演延期 ▼5月23日(土)セカンド・クラッチ【北海道公演】 →公演延期 ▼6月14日(日)COLONY【新潟公演】 Thank you, Sold Out!! ▼6月20日(土)新潟CLUB RIVERST【岡山公演】 Thank you, Sold Out!! ▼6月27日(土)CRAZYMAMA 2nd ROOM【香川公演】 Thank you, Sold Out!! ▼6月28日(日)TOONICE
Pick Up!!
【大阪公演】
チケット発売中 Pコード176-554 ▼7月3日(金)19:00 梅田クラブクアトロ オールスタンディング3500円 清水音泉■06(6357)3666 ※小学生以上は有料、 未就学児童は入場不可。
【愛知公演】 Thank you, Sold Out!! ▼7月4日(土)名古屋クラブクアトロ
【東京公演】 ▼7月10日(金)TSUTAYA O-EAST
Column1
『ラブソングはいらない』 リリースツアーファイナル直前! この1年の内部事情と '20年への道しるべを全員で語る
Column2
ポップスの希望も葛藤も抱えて進む 未完成な僕らの輝ける序章 『DRAMA STORE』を語る('19)
Column3
シーンに消費される音楽ではなく 流行りに迎合する歌でもなく ドラマストアが目指す “僕らのポップス”とは――? 『swallowtail』を語る('18)
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ライター奥“ボウイ”昌史さんの オススメコメントはコチラ!
「取材の前から何だかいつもと違う様子の4人…これは気のせいか? 話を聞いていくとあ~ら納得。端から見ると極めて順調なドラマストアですが、今回は例のコロナ騒動も相まってか、やっぱり誰もが不安を抱えてて、満足にライブもできない日々にそれが膨らんで…。でもね、4年前の曲である『東京無理心中』がドラマの主題歌に選ばれるのです。これは彼らの書く曲がいかにクオリティが高くて、何よりスタンダードであることを如実に示しています。流行に乗れたらハネます。でも、消費されるのも早い。そんなバンドが邦ロックシーンにはゴロゴロいますよ。みんなほとんど同じだよ。もう飽きたよ(笑)。コンビニで “いい曲だな”と思ったら、ドラマストアだったことあったよ。焦らなくていいんです。どのタイミングで陽が当たるか分からないし、そう考えたらいつだってどんな曲を書けてるかが問われる。今回もまた、その期待に耐え得る6曲が世に出ました」