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フルオーケストラとの共演で裕哉作品&尾崎豊の名作とともに
「尾崎豊の楽曲を受け継いで新しい表現をしていく」
尾崎裕哉インタビュー

2016年にデビューし、ギター一本の弾き語りやバンド編成でのライブを行う一方で、オーケストラとのコラボなどにも挑戦してきた尾崎裕哉。言うまでもなく彼の父親は『I LOVE YOU』『卒業』『15の夜』などの名曲を生み出した伝説のシンガーソングライター、尾崎豊である。昨年は薬師寺の世界遺産コンサートやサントリーホールでの東京フィルハーモニー交響楽団との共演でスケールアップした圧巻の歌声が高く評価された。そんな彼が2020年、新たに挑むビルボードクラシックス公演『Premium Symphonic Concert 2020 -THIS IS MY ANTHEM-』が、3月7日に兵庫県立芸術文化センター大ホールで開催される。指揮は栁澤寿男、ビルボードクラシックスオーケストラの演奏にソウルバードクワイアの合唱が加わる感動の舞台。尾崎裕哉自身のオリジナル曲と尾崎豊の名曲で構成され、「より挑戦的なセットリストになっている」という。この公演を前に、自身の音楽活動と尾崎豊の作品を受け継いでいく真摯な思いについてフランクに語ってくれた。

自分が一番真剣に音楽をやっていると感じるのは
オーケストラと一緒に共演するとき
 
 
――昨年は自身最多となる全国弾き語りツアーで武者修行をされたそうですが、弾き語りというのは一番シンプルな形のライブですね。
 
「そうですね。弾き語りは自分の家でライブをするように、ゆったりとあたたかい感じでやっています。ギター一本で、会場によってはキーボードを弾いたりすることもあったんですけど。自分のペースでできるので、それを通じてファンの方との距離感が縮まって、より身近に感じてもらえるのかなと」
 
――弾き語りのライブでもカバー曲を歌ったりしているのですか?
 
「カバーもけっこうやります。2回前のツアーではリクエストコーナーを作ったんです。事前にみんなにリクエストを募って、それをライブの前日か当日に練習してやりました。みんな俺の声に合いそうな曲を選んでくれるんです。だから、割としっかり歌える曲が多くて」
 
――ちなみにどんな曲をカバーしているのですか?
 
「岡村靖幸さんや斉藤和義さん、この前は米津玄師さんの曲をやったりしました。以前、KREVAさんのカバーもしました。『イッサイガッサイ』とか」
 
――それはちょっと聴いてみたいです!
 
「弾き語りは楽しいですけど、そろそろバンドでもやりたいですね(笑)。去年ビルボードライブ大阪でやったときは、ピアノとドラム、ボーカル&ギターの僕のトリオ編成でした。それも面白かったんですけど、またフルバンドでも年内にはやると思います」
 
――そういう弾き語りやバンドでのライブと違って、3月7日に兵庫県立芸術文化センター大ホールで開催されるビルボードクラシックス公演 『Premium Symphonic Concert 2020 -THIS IS MY ANTHEM-』のようなフルオーケストラとの共演は、また別世界ですね。
 
「そうですね。音楽観的にはぜんぜん異なります。弾き語りは自由にやっていいけど、オーケストラの方はもっと規律があってストイックな世界かなという感じがします」
 
――裕哉さんが初めてオーケストラをバックに歌われたのはいつ頃ですか?
 
「2016年に僕がソロアーティストとしてデビューすることを発表したのは、オーケストラとのコンサート中だったんです。それが初めてだったかもしれないですね」
 
――その後、2018年に初の単独フルオーケストラ公演として、『尾崎裕哉 PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2018』が開催されたんですね。
 
「そうですね。その前はもうちょっと小編成のカルテットだったり、今の半分ぐらいのサイズの編成でやっていたので」
 
――オーケストラをバックに歌う時はどんなお気持ちですか?
 
「自分が一番真剣に音楽をやっているのは、オーケストラと一緒にやるときかなと…、去年そう思いました。後ろに(オーケストラが)50人ぐらいいると思うと背筋がピンとなります。厳かな感じもしますしね。みんなで一生懸命ひとつのものを作ろうとしている感じが伝わってきます」
 
――演目は今回も裕哉さんのオリジナル曲と尾崎豊さんのカバー曲を織り交ぜて歌われるんですね?
 
「そうです。今までは割とオリジナルの方が多かったんですけど、今回のセットリストはオリジナルとカバーが半々で、曲数もボリュームアップして全18曲で2時間ぐらい、けっこうたっぷり聴かせます」
 
――兵庫県立芸術文化センター大ホールという舞台はいかがですか?
 
「あのホールで歌うのは相当気持ち良いですね。聴かれる方ももちろん良いと思います。ライブハウスにはない音の感動というものがあるような気がします!」
 
 
 
なるべくマイクに頼らず、生の声で届ける!という意識でやる
 
 
――お父様、尾崎豊さんの曲を歌っていく上で、ご自身がテーマにしていることはありますか?
 
「僕がテーマとしていることは、“継承と革新”です。尾崎豊の楽曲を受け継いで、どんどん新しい表現をしていくということです。これはあくまでもひとつのパフォーミングアートなんです。尾崎豊の楽曲というのは今までフルオーケストラでやられたことはなかったんですよ。アレンジが違うだけで違う楽曲になるので。自分という人間を介することで、今の僕の歌い方で、みなさんがどう感じるかということですね」
 
――尾崎豊さんの曲をカバーするアーティストはこれまでにもいましたが、尾崎豊の遺伝子を引き継いだ声で、尾崎豊さんが残した楽曲を歌う裕哉さんのような方はいらっしゃらなかったので。本当に新しい存在であり、聴く側も新しい体験ができそうです。
 
「僕は歌舞伎とか伝統芸能に近いと思っています。これまで、ソロで歌ったりバンドでやったり、今回のようにフルオーケストラをバックに歌ったりしてきて。やり方によって違うものになるので、いろんなチャレンジをしたいなと思っています」 
 
――弾き語りの時とフルオーケストラをバックに歌う時とでは、発声法も違いますか?
 
「フルオーケストラの時はけっこう力んじゃうことがあるんですけど。今回はなるべくマイクに頼らず、生の声で届ける!というぐらいの意識でやろうと思っています」
 
――曲によってはソウルバードクワイアの合唱が入るんですね。
 
「アンセムっぽい壮大な世界観の曲に入ります。基本は一人で歌いますが、クワイアが入る曲も増やしているので、そういう見せ場も多いですね」
 
――セットリストや構成は当日のお楽しみということで?
 
「そうですね。オーケストラだと、僕がコントロールするというよりも、指揮者の栁澤(寿男)さんがどういう流れを作っていくか、そしてそこに俺がどうやって乗るかっていう、真剣勝負ですね。今回はより挑戦的なセットリストになっているので、尾崎豊のファンはしっかり楽しめるんじゃないかなという気がするし、尾崎裕哉のファンも、“こういうのは聴いたことがないよね”って思ってもらえるような公演になると思いますので、楽しみにしていてください!」

text by エイミー野中



(2020年2月14日更新)


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Profile

おざきひろや…デジタルネイティブ世代のバイリンガル、コンテンポラリー・シンガーソングライター。1989年、東京生まれ。2歳の時、父・尾崎豊が死去。母と共にアメリカに渡り、15歳までの10年間を米国ボストンで過ごす。米国ではレッド・ツェッペリンやグリーンデイなど、60s~90sのロック&ブルーズから幅広く影響を受ける。もっとも敬愛するアーティストはジョン・メイヤー。同時に、父親が遺した音源を幼少期から繰り返し聴き続けて歌唱力を磨き、ギターとソングライティングを習得。2016年に、自伝『二世』(新潮社)を出版し、アーティスト「尾崎裕哉」としては初の音源となるDigital 1st Single『始まりの街』をリリース。テレビへの初出演を果たし大反響を巻き起こす。2017年春、初のフィジカルCD作品『LET FREEDOM RING』(日本語訳は『自由の鐘を鳴らせ』)をリリースし、初ツアーを敢行。10月には、<交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1>主題歌『Glory Days』収録の2nd EP「SEIZE THEDAY」をリリースし、初のホールツアーを開催、12月には初の弾き語りツアーを大成功に収めた。2018年も春と冬に2度目の弾き語りツアーを敢行、夏には初の単独フルオーケストラ公演を行う。2019年、春には12公演の全国弾き語りツアー、そして冬には自身最多となる18公演の全国弾き語りツアーを敢行。

尾崎裕哉 オフィシャルサイト
https://www.hiroyaozaki.com/


『尾崎裕哉 Premium Symphonic Concert 2020』

チケット発売中 Pコード:164-100
▼3月7日(土) 16:00
兵庫県立芸術文化センター
KOBELCO大ホール
指定席-8000円
指定席(ペア席)-7500円(1名分)
[指揮]柳澤寿男
[演奏]ビルボードクラシックスオーケストラ
[合唱]ソウルバードクワイア
※未就学児童は入場不可。特製プログラム付。
※全席指定(ペア席)は2枚単位(合計15000円)での販売。
[問]キョードーインフォメーション
■0570-200-888

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『LIVE EMPOWER CHILDREN 2020』
▼2月15日(土) 18:00
東京国際フォーラム ホールA
全席指定-7500円
[出演]Every Little Thing/倖田來未/moumoon/ピコ太郎/Da-iCE/木山裕策/サンプラザ中野くん/新羅慎二/尾崎裕哉/DEEP SQUAD/他
[司会]天野ひろゆき/増山さやか
[オープニングアクト]岩越涼大
※3歳以上はチケット必要。3歳未満は保護者1名につき1名まで膝上に限り無料。席が必要な場合はチケット必要。客席を含む会場内の映像・写真が公開されることがあります。
[問]ソーゴー東京■03-3405-9999


『billboard classics festival 2020
in 札幌』

チケット発売中 Pコード:168-670
▼2月16日(日) 17:00
札幌文化芸術劇場hitaru
全席指定-8800円
[出演]大黒摩季/野宮真貴/福原美穂/杏里
[ゲスト]尾崎裕哉
[指揮]栗田博文
[演奏]ビルボードクラシックスオーケストラ
※未就学児童は入場不可。
[問]道新プレイガイド■0570-00-3871


『billboard classics festival 2020
in TOYAMA』

チケット発売中 Pコード:168-631
▼2月22日(土) 16:00
富山 オーバード・ホール
一般(全席指定)-6500円 ペア(全席指定)-6000円(1名分)
U-25(引換券)-3000円(観劇時25歳以下)
[出演]NOKKO/大黒摩季/野宮真貴/幸田浩子/村治佳織
[指揮]柳澤寿男
[演奏]オーケストラ・アンサンブル金沢
[ゲスト]石崎ひゅーい/尾崎裕哉
※ペア券は2枚単位での販売。U-25チケットは、開演1時間前より指定席券とお引換え。要証明書提示。未就学児童は入場不可。
※ペア券は、1人6セットまで。
[問]富山市民文化事業団 総務企画課
■076-445-5610

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