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「誰かに何かを与えるようになりたいって
やっとそう思えるようになってきました」
1stフルアルバム『catchy』リリース記念ワンマンライブ開催!
やましたりなインタビュー&動画コメント

奈良出身のシンガーソングライターとして、関西を基盤に活動中のやましたりな。リアルでストレートなメッセージが込められた楽曲をストリートライブで鍛えられたパワフルなボーカルでまっすぐに届ける逸材だ。2018年9月にリリースされたミニアルバム収録曲で、楽曲配信サービスサイト「TuneCore Japan」のCMに起用され、65万以上再生された『ダイエットのうた』を含む1stアルバム『catchy』を昨年11月20日にリリース。このアルバムのリリース記念ワンマンライブ『全国デビュー!やりましたな!!』が1月12日に心斎橋Music Club JANUSで開催される。ぴあ関西版WEB初登場ということで、自身のルーツとなるストリートライブ時代に遡りつつ、ソングライティングにおける姿勢、現在の心境などを訊いた。辛口なことも率直に口にして、自身の道を良い意味で泥臭く切り開いてきた彼女には簡単には燃え尽きない底力を感じた。

高校2年生頃からずっとストリートライブをやっていました
 
 
――もともとストリートライブから始めたそうですね。
 
「はい、高校2年生頃からずっとストリートライブをやっていました。地元の駅(大和八木駅)でストリートミュージシャンの方が演っていたのをよく見ていたんです。自分も人前でずっと歌いたいと思っていたので、ギターが弾けたらストリートライブができるのかなと思って、(ギターで弾き語るスタイルで)自分もやってみようかなと思って始めたんです」
 
――当時からオリジナル曲を?
 
「最初は阿部真央さんのカバーをやってました。阿部真央さんの曲のコードは初心者向きなので、やりやすかったんです。ほかの方はハードルが高かったので、自分で作ったほうが早いかなと思って、徐々にオリジナル曲を作り始めました」
 
――ストリートライブをやり始めるときって、怖くなかったですか?
 
「緊張感や不安はありましたけど、いざやり始めてみたら、けっこう楽しくて。最初はなにも考える余裕がないぐらい必死でやってたけど、どうしたら人が立ち止まってくれるかなって考え出したのは大阪でやるようになってからですね。奈良で(ストリートライブを)やってる人はそんなに多くないので、ある程度人が集まってくれる良い環境だったんじゃないかな。けっこう恵まれてたのかなと思います」
 
――やましたさんのパワフルな歌唱力はストリートライブで鍛えられたのですね。
 
「確かに声がでかくなりましたね。当時はアンプとかも持ってなかったので、声を出さないと(人に)聞こえないと思って、声が枯れるまで歌ってました(笑)」
 
――ライブハウスでやるようになったのはいつからですか?
 
「ライブハウスは高校卒業した春頃から始めたと思います。好きなバンドを見に言ったりしていたので、そこで仲良くなった友達に誘ってもらって自分もやるようになりました。地元のネバーランドっていうライブハウスで、月一回くらい出ていました」
 

 
曲ごとに違う色を見せたい。
根本的にバンドサウンドが好きなのかも

 
――11月にリリースされた1stフルアルバム『catchy』はこれまで書き溜めてきたオリジナル曲の中から厳選されて?
 
「そうですね。新曲も数曲あるのですけど、半分以上は4、5年くらいずっとやってきている曲です」
 
――全12曲収録されていますが、一番古くからやっている曲は?
 
「『ステータス』(M-9)が一番古いかな、これは19、20歳ぐらいの時に書きました。『ヒカリエ』(M-10)、『サタデーナイト』(M-7)、『17:00』(M-5)、『DUST』(M-3)、『≒(ニアリーイコール)』(M-12)とかも古い曲で。それ以外の曲は、ここ1,2年に出来た曲です。今年(2019年)になって書いた曲は『BEST BEFORE』(M-1)と『失恋ソングを聴いて』(M-11)は今年の頭に書きました。
『朝とカフェラテ』(M-6)、『日月日』(M-4)も新しい曲です」
 
――全12曲、曲調もボーカルスタイルもけっこう違うなと感じました。
 
「はい、そういう感じにしたかったのです」
 
――『ダイエットのうた』でやましたさんのことを知った方が、『BEST BEFORE』のような曲を聴くと驚かれるのでは?
 
「そうかもしれないですね。『BEST BEFORE』はけっこうエモいロックな感じにしたくて。ユアネスの曲を参考にしました。ふだんからジャンルを問わず、いろいろな曲を聴くようにしているんです。曲ごとに違う色を見せたいというか、統一性は無いかもしれないけど、いろんなタイプの曲を作れるほうがカッコイイなと思って。阿部真央さんもけっこう楽曲の幅が広い方だし、そういうアーティストが好きなんです」
 

 
――弾き語りでやる曲もあれば、バンドサウンドでやれる曲もあるように?
 
「基本的に曲作るときも弾き語りなので。弾き語りでできた曲にバンドサウンドを載せているっていう感じですね。ふだんのライブは弾き語りでしかやってないんです。この音源になっている曲たちも、ライブでは弾き語りでやっているんですけど、曲ごとに違う感じを見せられたらいいなと思ってやっています」
 
――実はけっこうバンドサウンドが好きなんですか?
 
「根本的にバンドサウンドが好きなのかもしれないですね。ストリートライブをやり始めた理由というのは、実はもうひとつあって…。高校時代にバンドを一緒にやれる人がいなかったんですよ。なので、私はひとりで(シンガーソングライターを)やらざるをえなかったんです(笑)。もし、誰か一緒にやる人がいたらやってたかもしれない。ライブハウスにもよくバンドを見にいってたんです。だから、アルバムの曲も自分が思うバンドっぽい感じの曲になっているのかもしれないです」
 
 
 
同性に好かれる女性ってカッコイイ
同世代の女の人に聴いてもらえたら嬉しいな
 
 
――歌詞はどんなふうに書いているのですか?
 
「基本はストレートに書いてると思います。自分が思ってないことは書いてないつもりです。昔はけっこう鬱憤を晴らすぐらいの気持ちで、嫌なことがあったら曲を書いて昇華するみたいな感じでした」
 
――例えば、どんな時に?
 
「しんどい時、辛い時。失恋した時とか、誰かに怒られたりした時とか(笑)。昔バイトしてた時に遅刻しすぎて、めちゃ怒られてた時があって。それを直せへん自分にも腹が立って…。一番ヤバい時は、朝の8時半出勤なのに起きたら夕方の4時とかで(笑)。そのバイトしてる時はめっちゃ苦痛だったので、曲もめっちゃ書きました」
 
――その時に書いた曲は今でも残っているのですか?
 
「『DUST』とか、『ステータス』とかがそうです」
 
――『ステータス』はかなり辛辣な歌詞ですね。
 
「(笑)そうですね。この曲で伝えたいことは、“人間は外見じゃないんやで”っていうこと。見た目ばっかり気にして、内面クズの人っているじゃないですか。別に好きにしたらいいけど、“そういう生き方してると痛い目みるんちゃう?”って、ちょっと突き放した感じで書いているんですけどね。自分が思ったことや感じたことを曲にすることで自分自身も救われることが多くて。すごく心が軽くなるし、達成感もあるんです」
 
――まずは自分のために書いていると?
 
「そうですね。けっこう自分のために書いていましたね」
 
――それは今もそうですか?
 
「うん、でもちょっと変わってきたかな。ちょっと大人になってきたので(笑)。人のために、まではいかないけど、誰かに何かを与えるようになりたいって、やっとそう思えるようになってきました。前までは自分の辛さを知ってほしいみたいな気持ちやったけど。人の心を救えるようになったり、なにかを与えたいなって。そういうなかで書いたのが、『≒(ニアリーイコール)』です。ちょっと人を励ます曲になればいいなと思って書きました。これは3年ぐらい前に書いた曲です。昔は、自分で歌えたらいいな…みたいな感覚やったんです。シンガーソングライターというより、シンガーぐらいの気持ちが強くて。自分の言葉でちゃんと何か届けられるようになりたいって思いだしたのはけっこう最近で。そこから自分の音楽に対するスタンスが変わってきたかな」
 
――『≒(ニアリーイコール)』のセルフライナーノーツに、“みんなの日々の苦悩に寄り添える曲になればいいな”と書かれていましたね。同世代の女性に伝えたいという意識もあって?
 
「やっぱ同性に好かれる女性ってカッコイイなって思うので。同世代の女の人に聴いてもらえたら嬉しいなと思います。でも、今は圧倒的に男性のファンの方が多いです。だから、同世代の女性の方にももっと聴いてもらえるようにがんばらなあかんなと思っています。
 
――『朝とカフェラテ』はラブソングですね。
 
「この曲は一番新しいかもしれないです。私、完璧な人より、ちょっと嫌な一面があるというか、ミステリアスなところがある人に惹かれるところがあって…。妄想で書き上げましたけど、そういうところが(歌詞の中にも)出てるのかなって(笑)」
 
――『DUST』は人間の汚い部分も臆せず歌っているところがカッコイイです。すごくリアルに刺さってくるし、説得力があるなと。
 
「ありがとうございます!この曲は、二十歳ぐらいの時に書いて、けっこうライブでもやってます」
 
――普段のライブではどんな感じでやっていますか?
 
「日によってぜんぜん違いますね。主要曲の『ダイエットのうた』とか『失恋ソングを聴いて』とかは必ず入れるようにしてるんですけど。それ以外の曲は、その場の気分とか、ライヴハウスの雰囲気とかで変えちゃうことが多いんで。あんまり、事前にガチッとセットリストを組んでやることはないかもしれない。基本的に弾き語りでやっているので、そのへんは楽ですね。バンドセットの時はちゃんと決めてやりますけど」
 
 
 
“3年後に武道館で弾き語りワンマンライブをする!”と宣言
 
 
――2019年を振り返ってみて、やましたさんの中で変化したことは何かありますか?
 
「なんやろう…(しばし考えて)、人にちゃんと感謝できるようになりました。今までライブをしても、(お客さんが)良いと思ったら着いてくるやろう…くらいの気持ちでやってたんですけど。ライブの時も助けてくれるファンの方ができてきたし、1stアルバムのCDをリリースしたことで、“ライブ見に行くね!”って言ってくれる人も増えてきたので。友達とか親にも、ようやく認められてきたんやというのがわかってきて、素直に感謝できるようになりました。今やっと…」
 
――2020年はどのような活動をしていこうと思っていますか?
 
「先日、ミュージックバスカー(=MUSIC BUSKER IN UMEKITA~グランフロント大阪とFM802の共同プロジェクト))の取材で、“3年後に武道館で弾き語りワンマンライブをする!”って言っちゃったんで。そこに向けて達成できるようにがんばります!たぶん、私、そうやって宣言して、追い詰められないとやらないんで。それと、とりあえず、1月12日のJANUSワンマンは満員にしたいですね。それで、2020年は良いスタートダッシュを切りたいです!」
 
――JANUSのワンマンはバンド編成ですか?
 
「バンド編成です。ドラムは奈良のLOSTAGEの岩城智和さんで、一番好きなドラマーです。LOSTAGEもずっと奈良のネバーランドで見てきたので、憧れの先輩なんです。そんな方に叩いてもらえるなんて、めちゃくちゃ嬉しいです! ベースはスムルースの小泉徹朗さん、キーボードはアルバムのトラックを作ってくれている廣瀬武雄さん、ギターはHAND DRIPの堀次一輝さんです。去年から、基本的にこのメンバーでやっています。みなさんすごい方で、土台はすごくしっかりしているので、私がちゃんと率いていけるくらい力をつけないといけないなと」
 
――最後にライブに向けてメッセージをお願いします!
 
「普段は弾き語りでやっているんですけど、私の曲はバンドでやる方がはえる曲が多いと思うので。それをちゃんとお披露目できるいい機会やし、全国デビューの記念すべき第一回目のライブなので。気合いはめっちゃ入っています! ぜひみなさんに遊びにきてほしいです」

text by エイミー野中



(2020年1月 9日更新)


Check

Movie

Release

『catchy』
発売中 2800円(税別)
LNCM-1293
Mastard Records

《収録曲》
01. BEST BEFORE
02. ダイエットのうた
03. DUST
04. 日月日 (*読み「あした」)
05. 17:00  (*読み「ごじ」)
06. 朝とカフェラテ
07. サタデーナイト
08. Lovey Dovey (*読み「ラヴィダヴィ」)
09. ステータス
10. ヒカリエ
11. 失恋ソングを聴いて
12. ≒ (*読み「ニアリーイコール」)

Profile

奈良在住のシンガーソングライター。高校時代にギターを始める。弾き語りスタイルで、地元奈良のライブハウス、ストリートを中心に活動を始め、2015年頃から活動範囲を大阪、京都などにも拡大。2018年9月に mini album 『Have a SPREE!!』をリリース。収録曲『ダイエットのうた』が、 TuneCore Japan オフィシャルYouTube CMに起用され、65万再生を突破。グランフロント大阪とFM802の共同プロジェクト「MUSIC BUSKER IN UMEKITA」公認アーティストとして活動中。その55 組頂点を決めるMUSIC BUSKER AWARD 2019で、グランプリを獲得! 2019年11月20日に1stフルアルバム『catchy』をリリース。2020年1月12日、心斎橋Music Club JANUSでアルバムリリース記念ワンマンライブ『全国デビュー!やりましたな!!』を開催する。

やましたりな オフィシャルサイト
https://yamashitarina.com/


Live

Pick Up!!

1stフルアルバム『catchy』
リリース記念ワンマンライブ
「全国デビュー!やりましたな!!」

チケット発売中 Pコード:161-714
▼1月12日(日) 18:30
心斎橋JANUS
全自由-3000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※小学生以上は有料。
[問]GREENS■06-6882-1224

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『未来音感女子 winter circuit FES』
チケット発売中 Pコード:173-276
▼1月27日(月) 18:30
名古屋クラブクアトロ/名古屋ReNY limited
全自由-3600円(整理番号・ドリンク付)
[出演]めばゑ/小林未奈/大野舞/樹菜里/Sana/やましたりな/人生ダメ子/村瀬真弓/坂田穂乃花/優利香/MoMoka/Ami
※2会場同時開催・出入り自由。状況により入場規制させていただく場合がございます。17:00よりリストバンド 交換をReNY LIMITED入口にて行います。予めリストバンド交換を済ませてから各会場にご入場ください。
[問]ジェイルハウス■052-936-6041

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