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「夢中になっていると、恐怖感ってないんです」
“一生懸命”が見せる絶景と、誇り高き第二の音楽人生
コンサートツアー『キミの街へ 〜Here We Go!』が絶賛開催中!
八神純子インタビュー&動画コメント

 インタビュー中に飛び交う言葉の1つ1つから感じる気高さと覚悟、そして、デビュー時から声量もキーもまるで変わらないどころか、ますますその深みと力強さを増す圧倒的な歌声には、胸を揺さぶられるばかり。昨年、デビュー40周年を迎えた八神純子が、’11年に約10年ぶりに音楽活動を再開して以来、途切れることなく全国津々浦々の都市で行ってきた様々な形態のコンサートでは、『みずいろの雨』(‘78)『ポーラー・スター』(’79)『パープルタウン〜You Oughta KnowBy Now』(’80)をはじめとするヒット曲の数々はもちろん、近年の素晴らしき新曲群も披露。生涯現役を謳う彼女は、現在は『キミの街へ 〜Here We Go!』と題したツアーで、またも旅の人となっている。本ツアーでは従来のホールに加えて大規模なライブハウス公演も実施するなど、新たな挑戦を止めない八神純子が、その第二の音楽人生を語るインタビュー。「楽しくあろうと思ったら、思いっきり夢中になって、一生懸命やるしかないんですよね」と微笑んだ彼女の現在に、ぜひ触れてほしい。

 
 
自分主導で活動していると、ギブアップもしなくなりますから
 
 
――八神さんは’10年の音楽活動の再開以来、じっくりと手間暇かけて作品を作り、それをきっちり届けるためにロングツアーを回るという、今は逆に珍しい、とても実直でインスタントではない活動をしている印象です。
 
「今はストリーミングの時代と言われているし、音楽活動を休止して行ったアメリカももちろん日本と同じで、CDを持っている若者なんてもうほとんどいない。でも、私はそういう時代に生まれたアーティストではないし、ちゃんとアートとして、皆さんが持っておきたいであろう気持ちを大事に受け止めているつもりなので、ブックレットとかにもすごくこだわって作っているんですよ」
 
――前回のインタビューでも、自分が2年3年かけて全国をツアーで回るとき、“コレ、最高ですから”ってちゃんと言えるものを作りたいと。まずは自分に恥じないものをという。
 
「私はコンサートが終わった後はどの会場でもサイン会をやっているんですけど、それはせっかくアルバムを会場で即売するなら握手とサインをして、お話をして、“ありがとう”ってちゃんと目と目を見て言えたら素敵だなと思って、8年前にアメリカから日本に帰ってきたときに始めたんです。その当時は、握手をするためにCDがあるみたいな時代になっていることもつゆ知らず(笑)。そうやってお客さまと直接接するので、“自信を持って渡せるか”というのが重要だったんですよね。私の1stアルバムから揃えてくださっている方とか、LPの帯まで今でも大事に持っている方がいることを考えると、きっとこのCDは人生を終えるまでずっとそばにあるものになる。そもそも、そう思ってもらえるものじゃないと作る意味もないですから。あと、私ってアルバム以外の物販をやっていないんですよ」
 
――グッズみたいなものはないんですね。
 
「復帰したときに、“コンサート自体は経費がかかってなかなか儲からないから、今はみんなグッズで儲けて採算を合わせるんだよ”みたいにも言われたんですけど、私はアルバムを自信を持って作っていきたいし、音楽がやりたくて自分からこの世界に戻ってきたから、他人の言うことを聞いて間違ってしまったら自分が許せないので、自分がやりたいことを、自分がリスクを背負ってやろうと。ただ、以前に東日本大震災の支援として作ったチャリティ商品で“みずいろのアメ”っていうのがあって…(笑)」
 
――そんなの物販にあったら絶対に買いますよ(笑)。お土産としても買いやすいし、めっちゃいいじゃないですか。
 
「そのとき、“ビルボードライブの公演で売ります”って一応告知したら、初日の本番前に売り切れちゃって(笑)。有名なシェフがプロデュースしてくれた塩飴なんですけど、すごくおいしくてね。アルバム以外で作ったのはそれと同じ種類のサイダーぐらいで、今は一切ないですね」
 
――前回も思いましたけど、お話を伺っているとインディペンデント・スピリッツがひしひしと伝わってきます。キャリアを重ねた今もなお、たぎるものがあることは素晴らしいなと。
 
「“人間は振り子だ”と仰った方がいるんですけど、自分の短所があればある分、逆に振り切れることができる。私の場合、元々はインディペンデントじゃなくて、むしろ大きな会社にいて、ただただ歌っていたようなアーティストだったんですよ。でも、そうやっていたらだんだん面白くなくなったんで(笑)、気持ちが10年ももたなかったんですよね。自分が今いる場所がどこなのかも分からなくなってしまって…これはもう辞めた方がいいなと思って。皆さんが私の歌を愛してくれていることすら、心に届かないような距離ができてしまっていたんです。たまに目に入るネガティブなコメントが全員の意見のように思えてしまって…アーティストってそういうところがあると思うんですけど」
 
――99回褒められるより、1回の批判が気になる、みたいなことはよく言いますもんね。
 
「そうなんですよね。当時は、“私の歌はもう必要ないんだ”と思ってアメリカに渡ったんですよね。もちろん、アメリカの音楽も大好きだったし、英語で歌詞や映画のセリフを理解することはきっと一生の喜びにつながるだろうなと思って、いつかアメリカで生活したかったのもあったんですけど」
 
――さっきの振り子の話じゃないですけど、だからこそ、また日本に戻って活動するなら、どうせやるなら。
 
「そうそう! “どうせやるなら”、なんですよね。これからは間違えることがあったら私の責任だし、本当に“失敗は成功のもと”とはよく言ったもので、失敗しないと分からないことばっかりなんだなって。自分主導で活動していると、ギブアップもしなくなりますからね」
 
――自分がやるか、やらないか。
 
「学ぶことがあまりにも多過ぎるから、やっぱり次のことをやりたくなるんですよね。夢中になっていると、恐怖感ってないんです。例えば、“今回は赤字になるかもしれない”と頭の片隅にはあっても、そこまで気にはならないんですよ。アーティストがホールコンサートのリスクを背負うなんて無謀だって思う人はいっぱいいますけど(笑)。ただ私は、2回目の音楽人生の最後のトライなので、やりたいようにやるわよっていう(笑)。一生に一度の人生なので、そういうふうに生きないと気が済まないんですよね」
 
 
ブレたら続かないんです
 
 
――昨年デビュー40周年を迎えられましたけど、今までの話を聞いていると、その40周年も前期と後期では違う彩りで、本当に平坦な道のりではなかったというか。40年という時間に、何か区切りみたいなものは感じましたか?
 
「それが全くなくて、私にとっては“活動を再開してノリに乗ってきたな”ぐらいの感じ(笑)。ファンの方からのメールで気付いたんですけど、活動休止していた年月と再開してから過ごした年月がこの間、ついに同じになったんです。“今度はどこに行き着くか分からないけど、とりあえずやってみよう”と思って活動を再開したんですが、本当に人生は何が起こるか分からないなって。こんなにも私に仕事仕事の日々が残されていたなんて、復帰したあの頃の私なら、“無理無理!”みたいに言っていたと思います(笑)」
 
――キャリアを重ねるとだんだん活動もクールダウンしていったり、もしくは現状をキープするだけのことが多い中で、その充実感があるのはいいですね。今の八神さんは365日コンサートが途切れることがほとんどない日々で、リリースをして、そのツアーがあっての繰り返しのアーティストとは、また活動のスタイルが違いますよね。
 
「例えば、アルバムが出てそのツアーが終わった頃には、それはもうニューアルバムとはほぼ言われなくなり、以降はプロモーションもしなければ売ろうという努力もしなくなる。でも、いざ自分でアルバムを作ると制作費をリクープしなきゃいけないし、よく考えてみたら、次のアルバムが出るまでは何年経っても最新作だから(笑)。『There you are』('16)というアルバムもまだまだ売れ続けているんですよね。どんなに小さな街に行っても、お客さまの5分の1は買って帰ってくれるぐらい売れ続けてきて…“そうだよなぁ、このアルバムの存在すら知らない人が、まだいっぱいいるんだから”って思いました。自己責任でやっているから私を咎められる人は誰もいないし、自己流でずっとこのアルバムを売り続けてきて…。でも最近、やっと次のアルバムのレコーディングにも入りましたので(笑)」
 
――八神純子が私たちの街まで来るならコンサートに行ってみようという人は絶対にいると思いますし、そこで“新しいCDが出ているのか、コンサートでやったあの曲が入っているんだ”、みたいなことはありますもんね。
 
「そういうことがすごく多いんですよ。最初は、『みずいろの雨』('78)とか『パープルタウン 〜You Oughta Know By Now〜』('80)を懐かしいなと思ってくれる気持ちが皆さんの中にあるんですけど、次にコンサートに行って盛り上がったり、リクエストがあるのは、新しい曲なんですよね。あと、レコード会社からの問い合わせで一番多いのが、“八神さん、カバーアルバムを作りませんか? リメイクしてみませんか?”なんですけど」
 
――めちゃめちゃ売れるのが目に見えますからね(笑)。
 
「そういう世の中の流行りもありますけど、私は今でも新しい曲ができるし、今はそれが人気を得ているコンサートだし、“私がどうしようもなくお金に困ったら作ります”って返して(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) それはそれで聴いてみたいですけど、やっぱり八神さんはブレないですね。
 
「ブレたら続かないんです。気力も体力もブレたところで、風船に穴が空いちゃいますから」
 
――八神さんは“生涯現役”を謳って今活動していますけど、お客さんもニューアルバムにちゃんと飛びついてくれるところは、お互いに現役感がありますね。
 
「私はTVがすごく力を持っていた時代に世に出てきたので、皆さんが私のことを覚えてくれてはいるんですけど、私の活動がそんなに長くなかった+当時はコンサートが苦手だったんで、あんまりやっていなかったんですよ。だから今は、“いつか観たかったな”と思ってくれていた人たちとか、“まだ歌っているんですね”って気付いくださったパターンが多いので、“私のコンサートに来るのが初めての方!”って聞くと、もうほとんどの方が拍手をされて。なので、アルバムもいっぱい売れるっていう(笑)」
 
 
甘んじた途端に、自分が楽しくなくなっちゃうんですよ
 
 
――八神さんは『キミの街へ』というツアーを継続してやっていますけど、それ以外にもオーケストラと共演する『billboard classics Premium Symphonic Concert』や、後藤次利(b)さんをはじめとする凄腕ミュージシャンたちとの『The Night Flight』など、様々な形態のコンサートがあって。
 
「今の私の主なコンサートが『キミの街へ』なんですけど、それにもいくつかパターンがあって、バックの編成が全然違うんですよ。例えば、北海道にバンドで行くと採算が全然合わないとか、そういう大人の事情もあって(笑)。だからと言って、じゃあそういう街には行かないじゃなくて、どういう方法なら行けるのかを考えて、私とピアノの2人編成でとか、機材車を走らせるのは無理だから現地で楽器を調達するとか。でも、私のサウンドはちゃんと守りたいし、声の美しさを届けないと意味がないからPAは連れて行こうとか…クオリティを保ちながら、工夫していろいろなパターンの『キミの街』をやっているんですよね。それプラス、『billboard classics』では、私の曲を新たにクラシック・アレンジすることで、歌唱も少々変わるんです。交響楽団とのマッチングを考えて、ちょっと違った声の出し方をしてみたりするので、すごく刺激的ですね。あと、あれだけキャリアのあるミュージシャンたちが私のために集まってくれる『The Night Flight』は、毎年、修行のようです(笑)」
 
――以前も、年に1回自分のボルトを締め直すメンテナンス感覚だと。
 
「そう! “またメンテの時期が来たか”ってみんなで言っています(笑)。これでまた元気に1年やっていけるなって」
 
――さっき話題に上がったカバー曲に関しては、『The Night Flight』で聴けることが他のコンサートとの差別化というか、プライオリティにもなりますもんね。
 
「そうなんですよ。『The Night Flight』の彼らとならやってもいいねって。あとは、他のコンサートとの兼ね合いもあるんですけど、後藤次利さんが古希(=70歳)を迎えられる前に『The Night Flight 10』までいこうということになって、そうなるとちょっと巻きでやらないといけない(笑)。今までに6回やってきましたけど、お客さまがちゃんとついているコンサートなので、『The Night Flight』としてブランディングされつつありますね」
 
――今年の5月に行われた『billboard classics』はいかがでした?
 
「初めて『billboard classics』のステージに立たせてもらったときは、本当に全力を出し切って歌った、そんなコンサートだったんですね。この5月には東京と兵庫の2本やったんですけど、兵庫が後だったこともあって、これは自己ベストが出せたかもしれないと思いました。コンサートの直前まで練習に練習を重ねて、私のコアなファンから『billboard classics』を全て観てきたお客さまからも、“今回は本当に最高でした。途中で八神さんがどうにかなっちゃうんじゃないかと思うぐらいドキドキしました”って言われて(笑)。シンガー=アスリートだとも思っているんですけど、身体全部を使って声を出しながら、“これはMAXだな”と実感していましたね」
 
――本当に甘んじないですね、八神さんは。
 
「甘んじた途端に自分が楽しくなくなっちゃうんですよ。だったらやらなきゃいいってすぐに思っちゃうので(笑)」
 
――それこそ振り子の理論じゃないですけど(笑)。
 
「そうそう!(笑) だから、楽しくあろうと思ったら、思いっきり夢中になって、一生懸命やるしかないんですよね。でも、自分のコンサートの同録を聴いて、まだ直せるところがあるのも喜ばしいことで。すぐに直らないこともいっぱいあるし、そこがちょっと悔しかったりもするんですけどね」
 
 
やっぱりどのコンサートでも“1対1”なんだって思った
 
 
――そして、『キミの街へ』の資料を見ていたら、“2020年夏までツアーは続きます!”とさらっと書いていましたけど(笑)、結構ボリュームのあるツアーで。今回のタイトルは『キミの街へ 〜Here We Go!』ということで。
 
「活動を再開して出した最初のオリジナルアルバムが、『Here I am 〜Head to Toe〜』('13)=“我ここにあり”で、“皆さん、戻ってきましたよ〜!”って告げるタイトルで。その次が『There you are』で、私が戻ってきたらちゃんとそこに“皆さんがいてくれた”と。そして、今回のツアーは“Here We Go!”で、私がここにいて、あなたが待っていてくれて、“じゃあ一緒に行こう!”っていうところですね」
 
――なるほど、次のアルバムタイトルにも合いそうな言葉ですね。そして、“Here We Go!”の大阪公演はZepp Namba(OSAKA)で、今回はホールに加えて大規模なライブハウス公演も交えてのツアーです。
 
「東北の支援をしているときに、音響もちゃんと揃った環境じゃない、いろいろな場所で歌ってきて…私はどんな場所でも全力投球する人間だと分かったんですよ(笑)。あるとき、外は寒いしお天気もあんまりよくなかった日に、3人の被災者の方の前で支援コンサートをしたことがあったんですけど、ずーっとここで歌っていたいなと思うぐらい、気持ちよく歌えたんです。それが、自分で自分を好きだなと思えた瞬間だったんですよ。私がいて、一生懸命生きている同じ人間がいて…やっぱりどのコンサートでも“1対1”なんだって思った。だから、“Zeppでやってみないか”と提案されたとき、いつものホールとはお客様との距離感が違うからこそ、すごくやってみたいなと思ったんですよね」
 
――Zeppでのコンサートは初めて=お客さんもその光景を観るのが初めてだと。
 
「そうなんです。ひょっとしたらスタンディングなんじゃないかとか、行ったことがないから道に迷うかもしれないとか(笑)、躊躇してるお客さまもいるかもしれない。やっぱり毎年同じ時期に同じ場所でやるコンサートなら、皆さん安心して行けますから。スタバが日本中どこでも流行っているのは、メニューも知っているし、頼むものもだいたい見当がつくし、あの席ならスマホの充電ができるなとかが分かるので、行きやすいんですよね。ただ、私にとってZeppという会場は初めてですけど、ここも私の1つの安心できる場所にしていきたいなと思って」
 
――あと、今回はちゃんと椅子もありますしね(笑)。
 
「そうなんですよね(笑)。やっぱり慣れていないことって最初はドキドキだし、どんどん億劫になっちゃいますけど、新しいことにチャレンジするのって、とってもいいことだと思うので。1年が早く感じるのは慣れたことを繰り返しているからだと思うので、私自身もホールコンサートばっかりやっていないで…」
 
――ちょっと挑戦しなさいよ、じゃないですけど。
 
「そうそう。そういう意味もあるんですよね」
 
――今回も新曲・名曲織り交ぜつつのセットリストだと思いますけど、皆さんに親しまれた名曲を歌い続けることによる発見だったり、変化はあったりしますか?
 
「やっぱり声は少しずつ変わっているので、その声でどうやって歌おうかというのはいつも考えていますね。例えば、『パープルタウン』の“I love you more and more”っていうところは、本当はシャウトして歌いたかったんですけど、当時は全然うまくできなかったんですよ。でも、今の私はいろいろな声が使えるようになったので、もちろんシャウトもできるし。逆に、昔のように細い声で歌うことは、今の私の生き方に合わないような気がして」
 
――生き方で歌い方も変わると。
 
「やっぱりね、あの頃の歌い方はあの頃の私であって。今はもっと生身の私を見てもらいたいし、生き様を感じてもらえる歌声であったらいいなと思うので」
 
――むしろ、あの頃を求めてコンサートに来たら、それ以上のものを観せられるかもしれない。YouTubeのコメント欄にも、“今の方がすごい!”とか、“今が最高歌唱力じゃないか”みたいなことが書かれていたりしますもんね。
 
「皆さんにビックリされますね(笑)。私の声って本当に不思議な楽器で、生き方も出れば、その日の気分も出れば、私の声に宿っている何かで人の心が動いたり、リラックスする気持ちになったり、涙が流れたり…。とても不思議な職業ですよね。そして、とても素晴らしい職業に就けたなと思っています」
 
――最後に、コンサートに来ていただける皆さんにメッセージがあれば。
 
「コンサートというのは、皆さんが私にくださる“時間”だと思っているんです。1対1で直接お会いできるそんな時間に、私の今の生き方しっかり伝えられる場所で。あと、“恐れないこと”が1つのテーマにあって、例えばコンサート1つとっても、“お客さんは来てくれるだろうか”って、足がすくんだところで負けだと思うので、とにかく一生懸命やることが一番なんだと。昔は、それだと空回りするかもとか、ちょっと冷めていた方が伝わるとか言われたんですけど、違うんだなって。“八神さん、幸せそうに歌っているな”って思ってもらえるようなコンサートが今の私には大事だし、音楽を通じて皆さんに“やっぱり一生懸命やることが一番なんだ”って伝えたいなと思ってます」
 
――そう確信したきっかけは何かあるんですか?
 
「それはもう1本1本のコンサートですね。この間の『billboard classics』にしても、私が感じたことを、観た人も感じていたので。やっぱり一生懸命って伝わるんだなって身をもって感じましたし、いくら人に言われたところで、自分が感じていないとね。言うだけじゃなくて常に自分で行動して、伝え続けたいなと思っています」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2019年7月25日更新)


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Movie

大阪の思い出にライブの見どころも
八神純子からの動画コメント!

Profile

やがみ・じゅんこ…’58年名古屋市⽣まれ。’78年にシングル『思い出は美しすぎて』でデビュー。同年の『みずいろの⾬』の⼤ヒットを皮切りに、『想い出のスクリーン』『ポーラー・スター』(’79)、『Mr.ブルー〜私の地球』(’80)とヒットを連発し、’80年には『パープルタウン〜You Oughta Knowby Now』でNHK紅⽩歌合戦に出場。’87年にはアメリカに移住しアルバム制作やコンサートを続けていたが、’01年9月のアメリカ同時多発テロ事件に衝撃を受け活動休⽌。⼦育てがひと段落ついた’10年、NHKの⾳楽番組『Songs』に出演、翌’11年には約10年ぶりのライブを行い活動再開。また、同年3⽉に起きた東⽇本⼤震災の被災地⽀援のため、“トランス・パシフィック・キャンペーン”(TPC)を⽴ち上げ、これまでに100回を超えるチャリティーライブを行い、現在も⽀援活動を続けている。’13年には『Here I am ~Head to Toe~』、’16年には『There you are』とオリジナルアルバムを発表するとともに、全国ツアー『翼』『あなたの街へ』『キミの街へ』など、年間数⼗本のコンサートを開催。他にも、“歌いたい曲を歌いたいだけ歌う”をテーマに約4時間歌い続ける『ヤガ祭り』、後藤次利(b)や村上ポンタ秀⼀(ds)らとのクラブツアー『The Night Flight』、フルオーケストラをバックにする『billboard classics』なども開催。年齢を重ねた今でも、以前と全く同じキー、同じ声量で歌い、“クリスタルボイス”と称された透明感溢れるロングトーンも健在。艶や経験がさらに声を彩り、聴く⼈の⼼にまっすぐ届く歌を歌い続けている。

八神純子 オフィシャルサイト
http://junkoyagami.com/

Live

全国ツアーが只今開催中!
合間には各地でイベント出演も

 
『八神純子 Live
 キミの街へ~Here We Go!』

【新潟公演】
▼5月26日(日)新潟市音楽文化会館
【群馬公演】
▼7月13日(土)笠懸野文化ホール PAL
【宮城公演】
▼7月14日(日)チームスマイル・仙台PIT
【北海道公演】
▼7月20日(土)Zepp Sapporo

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード146-823
▼7月27日(土)17:00
Zepp Namba(OSAKA)
全席指定7000円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※未就学児童は入場不可。

チケット情報はこちら


【広島公演】
▼7月28日(日)
三原市芸術文化センター「ポポロ」
【静岡公演】
▼8月3日(土)三島市民文化会館 大ホール
【東京公演】
▼8月17日(土)
たましんRISURUホール 大ホール
【福岡公演】
▼8月18日(日)Zepp Fukuoka
【愛知公演】
▼8月24日(土)Zepp Nagoya
 

Pick Up!!

【兵庫公演】

『billboard classics festival 2019
 in Nishinomiya』
一般発売8月10日(土)
Pコード158-012
▼9月7日(土)16:00
兵庫県立芸術文化センター
KOBELCO 大ホール
全席指定6800円
全席指定(ペア席)6000円(1名分)
[出演]八神純子/NOKKO/辛島美登里/福原美穂/村治佳織/幸田浩子
[指揮]栗田博文 [演奏]大阪交響楽団
[合唱]ソウルバードクワイア
[ゲスト]尾崎裕哉
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※未就学児童は入場不可。特製プログラム付。全席指定(ペア席)は2枚単位(合計12000円)での販売。

~7/30(火)11:00まで抽選先行受付中!
チケット情報はこちら


【東京公演】
▼9月8日(日)Zepp DiverCity(TOKYO)
【栃木公演】
▼9月22日(日)野木エニスホール
(野木町文化会館)大ホール


【東京公演】
『billboard classics festival 2019
 in Tokyo』
▼9月27日(金)サントリーホール 大ホール
[出演]八神純子/NOKKO/辛島美登里/
野宮真貴/村治佳織/尾崎裕哉
[指揮]栗田博文
[演奏]東京フィルハーモニー交響楽団

【福島公演】
『ラフェスタ ミッレミリア ほほえみ音楽会』
▼10月6日(日)
とうほう・みんなの文化センター 大ホール
[出演]八神純子/島田歌穂/
中村あゆみ/JKim/横山剣/
ダイナマイトしゃかりきサ~カス/INSPi
[演奏]福島大学管弦楽団/
FTVジュニアオーケストラ/平原まこと/
角田順/一本茂樹/勘座光/高鍋歩
[合唱]福島市民による合唱団


【神奈川公演】
▼11月3日(日・祝)
やまと芸術文化ホール メインホール
【東京公演】
▼11月26日(火)中野サンプラザ
[ゲスト]澤近泰輔

Pick up!!

【大阪/神戸/滋賀公演】

チケット発売中 Pコード151-498
▼12月9日(月)18:30
オリックス劇場
▼12月10日(火)18:30
神戸国際会館こくさいホール
▼12月11日(水)18:30
守山市民ホール 大ホール
全席指定6000円
公演事務局■06(6966)8000
※小学生未満は入場不可。

チケット情報はこちら


Column

みずいろの雨、パープルタウンから
近年の楽曲までを網羅した
濃厚2枚組ライブアルバム
『This is the ヤガ祭り』も大好評
豪華メンバーとのビルボードライブ
に全国のホールにと旅する才媛
八神純子インタビュー('18)

Recommend!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「前回のぴあ関西版WEBのインタビューでは編集担当でしたが、今回はライターとして直接お話を聞かせてもらった八神純子さん。取材中の“シンガー=アスリート”という発言に大きく頷かざるを得ないような、確固たるビジョンとアーティストとしての誇りに、本当にシビれまくりました。40年越えのキャリアのレジェンドにこの姿勢でいられたら、もうどんなアーティストも言い訳できないですよ。当時から声量もキーも変わっていないのもすごいですが、何より聴く者を感動させる歌力はパワーアップしてくばかり。過去の名声とは対極の心技体が磨かれていく姿は、八神さんが今でも支持される理由を明確に示しています。こんなカッコいい大人がいるなら、まだまだ日本の音楽も捨てたもんじゃない。そう思わせてくれる素敵なシンガーであり、先輩であり、女性である八神さん。その魅力がこのインタビューから伝わってくれることを、心から祈っています」