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「形のない幻みたいな感情を描きたい」
反骨精神をガソリンに白黒つかない曖昧な感情と今を描き切る
The Cheseraseraの反撃の『幻』ツアー開幕!
宍戸翼(vo&g)インタビュー&動画コメント

 “メジャー辞めて給料も遠征費も無くてそれでもダサくなりたくなくて、毎日バイトしてももう借金まみれで普通なら諦める所まで来たけど、遂に人を入れず自分でMV作りました。撮影編集全部iPhoneです。まだこんなにやる気で往生際の悪いバンドThe Cheseraseraを何卒”。昨年3月、決死の覚悟で世に放った『最後の恋』のMV公開時に宍戸翼(vo&g)がぶちまけたこのひと言は、過去最大級のバズを引き起こすと同時に、The Cheseraseraの反撃の狼煙であるかのように、このバンドの風向きを変えた。ここにきて3ピースロックバンドとしての心技体がフルドライブするような充実期を迎えているThe Cheseraseraが、満を持してリリースした1年9ヵ月ぶりのフルアルバム『幻』は、ソリッドなギターとタイトなビートというバンドの骨格はそのままに、新たなグルーヴやアレンジを貪欲に追及。白黒つかない曖昧な感情を様々な音と言葉で描き切った渾身の1枚だ。今作を引っ提げたワンマンツアーもいよいよ開幕。完売御礼の東京・下北沢DaisyBarを皮切りに、全国7ヵ所を巡る。いつだって本気じゃなけりゃ即ドン底へと舞い戻るスリリングな日々に、もがき叫び続ける宍戸翼が語る。

 
 
“ここは見せていい/ここは見せたらダメ”とか
“バンドはいつだってカッコよくないと”みたいなところから
ちゃんと脱せて、ありのままでいいんだなと思えた
 
 
――最近の衝撃と言えばやっぱり、西やん(=西田裕作・b)のベース弾き語り動画ね(笑)。
 
「アハハ!(笑) あれはヤバかったですね。最近、スタジオリハが終わった後に“俺、もうちょっと練習して帰るわ”とか言うから何だろうとは思ってたんですけど、動画の背景がいつものスタジオで、“いやいや、こんなことやってたんかい!”という(笑)。何だかここにきてそれぞれの個性が爆発してきましたね(笑)」
 
――昨年リリースした会場&通販限定CD『最後の恋 e.p.』('18)の思わぬ反響は、嬉しい事件だったよね。
 


「自分たちでMVを撮るとか結構デカく出たところはあったんですけど、それがちゃんと届いて。絞り出せば生まれるものがあるんだなと感じたし、自分たちのスタイルとか精神性、在り方はこれでいいんだと思わせてもらった。あのMVを観て、“『最後の恋』、めちゃくちゃいいですね”と言ってもらえたり、ライブに誘ってもらったこともあったんで、1曲が自分たちを救ったのを感じましたね、あの事件は」
 
――宍戸くんはそのときを振り返って、“頑張るとはどういうことかがやっと分かった”みたいに言ってたけど、自分たちの努力とか工夫に関して、まだまだやれることがあるなという。
 
「まさに。今の時代、まだまだ可能性があるなと思いましたけど…日々ヒリヒリしますねぇ(笑)。やっぱり…本気でい続けないといけないなと思いますね」
 
――今が全力でこの状況なら、ギアを緩めたらいろんな結果が下がってくる怖さもあるし。
 
「それが始まったなと思いましたね。“最後”と言ったらあれだけど、次がいつあるか分からないチャンスというか」
 
――iPhoneで撮った『最後の恋』のMVが、メジャー時代の一番回ってるMVより再生されてるとなると、もう環境や状況を言い訳にはできないもんね。
 
「メジャー時代の『YES』('15)の前辺り、めちゃくちゃ体調不良になってツアーをキャンセルしてしまった頃ぐらいからDIY精神みたいなものが芽生えて…ちゃんと“這いずり回ってます”っていうこの感じでもうちょっと頑張ろうと思ったんですよね。そもそも歌自体もそういう感じだし、そう在らないと届かないなと改めて思ったので」
 
――確かに、ラクラク新幹線移動で缶ビールと弁当をインスタにアップしながら、“這いずり回ってます”と歌われても説得力はないもんね(笑)。歌と人がちゃんとイコールであるというか
 
「フフフフ(笑)。いや、本当にそうです。だから、自分たちが今観てる景色までちゃんと届けないとなって。MCでも思ったことを喋れるようになってきて、“ここは見せていい/ここは見せたらダメ”とか、“バンドはいつだってカッコよくないと”みたいなところからちゃんと脱せて、ありのままでいいんだなと思えたのはすごくデカかったですね」
 
――同時に、ありのままでいいからこそ、ありのままを問われる。
 
「確かに。裏表のないバンドになりたいとずっと思ってるし、フロアにいてもステージに立っても、街を歩いてても全く同じ態度、みたいなことが理想だったので。そういうふうになれそうな今が、すごく嬉しいですね」
 
――そういうスタンスが昨年の『最後の恋』で明確になって、じゃあ今回のアルバムは、『最後の恋』の先にあったものとは何だったのでしょう?
 
「メンタリティとしてはやっぱり、“自分たちのままでいいんだ”というのはありましたね。自己肯定がちゃんとできるアルバムというか。その中でウィットに富んだ部分、いろんな音楽が好きだった部分がちゃんと昇華できたのかなと。今までは“ライブで届きやすい曲”にこだわり過ぎて、リード曲が一辺倒なところもあったんですよね。そこのバリエーションをもっと増やしたかったし、リズムパターンから考えてセッション的に作ったり、そこから生まれた新たな着想にのめり込んで歌詞を書いてみたり。全部がそういうふうに出来上がっていった曲たちではありますね」
 
――まずはメンタルの面での指針が決まって、それに音を追いつかせていくじゃないけど。
 
「そうですね。“こういうアレンジもいいんじゃない? 面白いんじゃない?”っていうことが素直にできたアルバムだと思うし、『最後の恋』を経てそういう気持ち的な指針に反響をもらえたことで、改めて音楽的にも挑戦できるようになったというか。例えば、俺がキーの半音上を目指してる曲があったり、ドラムのフィルを突っ込めるだけ突っ込んだり、ジャズ的なニュアンスを出してみたり…今回は新たに挑戦してる曲がすごく多いんですよね」
 
 
“世の中を見据えて自分が感じること&
他人が思ってることって何だろう?”
っていう2つが両軸にある
 
 
――『ワンモアタイム』(M-1)『Random Killer』(M-2)の頭2曲の怒涛の流れは、これぞThe Cheseraseraという始まりで。この触るものみな傷付ける感じ(笑)。

「フフフフ(笑)。『Random Killer』はまさにタイトルから=通り魔的な意味なんですけど、曲がキレキレだったんで自分の中にあるそういう人格を呼び起こして作った感じですね」
 
――さっき“自己肯定がちゃんとできるアルバム”とは言ってたけど、今まではずっとそれができなかったわけで。この曲に関しては、その名残じゃないけど。
 
「ちゃんと、まだある(笑)。ただ、叫び方とかもダサカッコいいところをちょっと意識して、最後のドラムのフィルとかもめちゃくちゃ速いんですよ。そういうふうに真剣なんだけどちゃんとユーモアがある曲になったのは、今までとは違うところなのかなって」
 
――だから、キレながらいきなりレゲエのビートになる、みたいなね(笑)。『ワンモアタイム』も『Random Killer』も今の世間のムードというか、SNSも含めたモヤモヤする世の中に対する苛立ちをすごく感じるね。
 


「やっぱりいつも、“世の中を見据えて自分が感じること&他人が思ってることって何だろう?”っていう2つが両軸にあるので、結果、街についてよく歌うんですけど、『ワンモアタイム』とかはまさにそういう世界ですよね」
 
――SMAPの『世界に一つだけの花』('03)が、平成で一番売れた歌になって。
 
「“NO.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one”ってね」
 
――でも、Only oneもムズいじゃんっていうのがこの曲(笑)。
 
「アハハ!(笑) “もうそういう話はめんどくさいからやめようや”っていうところですよね(笑)。どうにもならないことを“バーッ!”っと歌ってスッキリ、みたいな」
 
――音楽的な挑戦で言うと、タイトル曲の『幻』(M-4)とかは顕著で。ケセラのアルバムっていつも、ザ・ロックバンドな楽曲群の中にいきなりちょっと洗練された曲が入ったりするよね?(笑)
 


「確かに(笑)。昔から速くて“バーン!”みたいな曲が得意で、こういうミドルテンポでしんみりした曲は苦手だったんですけど、今はヒップホップとかジャジーなコードとかもちゃんと響く時代だと思うので、それを僕らなりのフォーマットで体現した曲ですね。3ピースならではの楽器の少なさでもポップでいられて、“いろいろ辛いぜ!”みたいな歌が多かったのが(笑)、その先に行けたというか。まず、“息が止まるまで続けよう/僕はあなたの味方”っていうフレーズがメロディにドンズバでハマったんですよね。いろんな人が無償の愛を注ぐ瞬間が浮かんだからコーラスをめちゃくちゃ重ねて、さらにそれを加工してみんなで歌う気持ちで聴いてもらいたいなって。あと、“陽はまた昇る” ってポジティブに使われることが多いですけど、必ずしもそうじゃないとあえて言えたところは気に入ってますね」
 
――どんなに嫌なことがあっても次の日が来る=楽しいこともずっとは続かないということでもあるしね。
 
「そうそう。明日が“来てしまう”という意味合いもあるんですよね。曲の持つ雰囲気で言葉のそういう裏側も見せられたのかなと思ってますね」
 
 
反骨精神でここまでやってこれたところは絶対にある
 
 
――あと、今作には『Night and Day』(M-9)『愛しておくれ』(M-10)と、過去曲の再録もあって。
 
「どちらも廃盤のデモCDに入ってるんですけど、去年リクエストワンマンをやったときに結構票が集まったのもあるし、“メルカリとかはやめとけ”って思ったのもあるし(笑)。今回は久しぶりの全国流通盤でもあるので、改めまして、初めましての部分もありつつ、結成10周年だしとか、いろいろ考えた上で昔の曲も入れた感じですね」
 
――今、改めて録ってみてどういう体感なの? “若いな”とかって思う?
 
「『愛しておくれ』はしみったれてる得意の吐き散らし系なんで(笑)、“これを今、同じテンションでやれるかな?”と最初は思ったんですけど、いざやってみたらちゃんと共感できたし、当時は気持ちがアガるほどGAINも上げちゃうみたいな時代だったんですけど(笑)、『Night and Day』は歪ませ過ぎず、一番刺さる場所を探せたというか。届かせることにより気持ちがいってるところはあると思いますね」
 
――過去に執着する宍戸くんならではだけど、ちゃんとブレずにしみったれながらサウンドが進化して(笑)。
 
「アハハ!(笑) 常にそういう気持ちが核にありつつ、自分を俯瞰で見られるようになった気がしますね」
 
――『また逢える日には』(M-6)は優しいまなざしというか、こういうことをサラッと書いて、ちゃんといい曲。
 
「嬉しいです。よりストレートにモノが言えるようになってきたし、深みをわざわざ出そうとしなくても、もう30にもなったので自ずと届けられてる気はしますね。この曲はシンプルだけどビートの展開は面白かったりして、どんどん好きになってきてますね。他にも、『たわけ』(M-11)は歌詞に結婚式が出てくるんですけど、これはとある友達のバンドマンの話なので、やっぱり思い入れはありますし。歌詞の中の“たわけ”だけを切り取ってタイトルにしたら、いろいろ想像が湧いて裏切れるかなと思って」
 


――最後の『横顔』(M-12)もいいシメだめだと思うし、コーラスワークも面白いよね。
 
「結構そこも好きなんですよ。インスパイアで言うとGRAPEVINEっぽいところもあるんですけど、今まではバラード=気持ちも沈んじゃうみたいな感じで、力強い、ポジティブなバラードがなかったんですよね。でも、この曲はちゃんとオーラス感もありますし」
 
――今回のアルバムタイトルを『幻』にしようと思ったのは?
 
「いつも全曲揃ってからタイトルを決めるんですけど、その中でも『幻』が一番謎めいてるというか、3人のアンサンブルにも新しさがあって、サビもポップで耳に入ってくる。今までとは別の側面もちゃんと聴いてほしかったので、この曲でアルバムを括ることによって、他の曲にもそのイメージを与えられたらなって。形のない幻みたいな感情をやっぱり描きたいというか、そういう音楽をずっとやってきて、今は打てば響くかもしれないところにはいると思うので、ちゃんと打っていきたいですね。半面、過度に期待してはいけないというか…“どうせ売れないんだろうな”とかたまに思っちゃったりしながらも(笑)、しゃかりきに頑張る。そういう反骨精神でここまでやってこれたところは絶対にあるから、そこは他にはない強さなのかなと思ってます」
 
 
僕らは僕ららしく、素直に作った音楽をちゃんと売っていきたい
 
 
――さっきちらっと言ってたけどケセラは今年で結成10周年で、メンバーとも長い付き合いになってきましたね。
 
「例えば、西やんが裸になったり(笑)、“ここは放っといていいやつだな”とかはお互いに手に取るように分かってきましたね。そういう意味では、コミュニケーションはすごく上手になってるし、信頼できてると思います。10周年を謳うかどうかは迷ったんですけど、10年やったからって別に何が起こるわけでもなし、“こっちは先輩やぞ!”みたいに取られても嫌だし(笑)。内心、周年だとは思ってるんですけどね」
 
――とは言え、10年やってると良くも悪くも景色は変わってくる。そういうところは楽曲の世界観に投影されてて。
 
「音楽を辞めちゃった人も周りにはいっぱいいますからね。結構昔から思ってるんですけど、音楽が秀でてる=売れるわけじゃないので、“天才こそ倒れていく”みたいなムードってあるなと。そこにもう1つ発信力があってやっと生き残っていけるかどうかの世の中で…僕らもどっちかと言えばそういうセルフプロデュースが苦手なタイプだからこそ、ちゃんと届け切りたいと思う。才能がある人がくじけないように、生きやすい時代を作っていくためにも、僕らは僕ららしく、素直に作った音楽をちゃんと売っていきたい。“こいつらが面白いことをやってるなら、俺らもやってみよう”っていう存在でいたいし」
 
――もう全然己のことだけじゃないね。
 
「僕らも人に救ってもらったところが結構あるので。周りに面白いヤツがいっぱいいてくれたら楽しいですから!」
 
――リリースツアーもちらほら売り切れる箇所も出てきたいい状況で、大阪公演は6月16日(日)に福島2nd LINEでワンマンライブがあります。
 
「うちのバンドって3人のクセがすごく強くて、ボーカルがどっしり構えてそれを支えるとかいう構図じゃないので、各々がプレッシャーを抱える中でのキレ気味の演奏みたいな感じが(笑)、今でもたまにあって。けど、それがうちの持ち味にもなってきたのかなって。たまに化け物みたいなグルーヴが出せる瞬間を自分でも感じるし、初見とかも関係なく届くような気が今はしてるんです。分かりやすく盛り上げるとかじゃなくて、演奏の素晴らしさで煽って、リアルな言葉でちゃんと前を向けるようなことを、これからもやっていきたいなと思ってます」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 




(2019年6月 7日更新)


Check

Movie

新譜とライブとあるホテルを語る(笑)
宍戸翼(vo&g)からの動画コメント

Release

真髄と新境地を刻んだ全12曲
1年9ヵ月ぶりの4thアルバム!

Album
『幻』
発売中 3000円(税別)
dry blues label
TCSR-10003

<収録曲>
01. ワンモアタイム
02. Random Killer
03. 残像film
04. 幻
05. ずっと浮かれてる
06. また逢える日には
07. 月は面影
08. 透き通っていく
09. Night and Day
10. 愛しておくれ
11. たわけ
12. 横顔

Profile

ザ・ケセラセラ…写真左より、西田裕作(b)、宍戸翼(vo&g)、美代一貴(ds)。'09年、東京にて前身バンドを結成。'10年、バンド名をThe Cheseraseraに改名。3枚のデモ音源をリリース後、'13年10月にはタワーレコード限定1stシングル『Drape』を、'14年1月には初の全国流通盤となるミニアルバム『The Cheserasera』を発表。同年6月、ミニアルバム『WHAT A WONDERFUL WORLD』にてメジャーデビュー。その後も、’15年1月に1stアルバム『WHATEVER WILL BE, WILL BE』、同年11月に2ndミニアルバム『YES』、’16年4月に2ndアルバム『Time To Go』とリリースを重ねる。全国各地で精力的にライブを行う中、’17年には新たにdry blues labelを設立、同年8月には3rdアルバム『dry blues』をリリース。’18年3月には会場&通販限定CD『最後の恋 e.p.』を発表し、大きな反響を得る。’19年5月8日には、4thアルバム『幻』をリリース。憂いと力強さを兼ね備えた宍戸の歌と、楽曲の繊細さからは想像できない熱量のライブには定評がある。

The Cheserasera オフィシャルサイト
http://www.thecheserasera.com/

Live

全国7公演のワンマンツアー開幕!
大阪はなじみの2nd LINEにて

 
『The Cheserasera 2019
 幻のワンマンツアー
~「幻」Release Tour~』

【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼6月8日(土)下北沢DaisyBar
【福岡公演】
▼6月15日(土)福岡Queblick

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード139-992
▼6月16日(日)18:00
LIVE SQUARE 2nd LINE
オールスタンディング3000円
GREENS■06(6882)1224

チケット情報はこちら

 
【北海道公演】
Thank you, Sold Out!!
▼6月22日(土)SPIRITUAL LOUNGE
【宮城公演】
▼6月30日(日)仙台Hook
【愛知公演】
▼7月7日(日)HUCK FINN
【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼7月13日(土)Shibuya WWW

Column1

「音楽をやってるときが
 一番自分がマシでいられる」
全曲“僕の人生”な
The Cheseraseraの新しい決定盤
過去も弱さも燃やし尽くす蒼き
『dry blues』インタビュー('17)

Column2

「納得出来ることは歌にならない」
並走する焦燥と不器用男たちの
群青のロックミュージック!
大躍進の1stアルバム
『WHATEVER WILL BE,
 WILL BE』インタビュー('15)

Column3

喪失も後悔もかき鳴らせ
センチメンタル・ギターロック!
どうしようもなく“男”な
メジャーデビュー作『WHAT A WONDERFUL WORLD』の
核心に迫るインタビュー('14)

Recommend!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「今年でしれっと10周年を迎えたケセラですが(笑)、キャリアを重ねて熟成していってもおかしくないのに、どんどん熱量が上がっていく感じは面白い。メジャーを離脱したら音楽的にはよくなるけど状況はしんどい、みたいなことも多い中で、ツアーの動員も増えてくるなどいい兆しが今は見えてきて。同時に、ここまで来たらもはや自分たちのことだけじゃなく、倒れていった才能ある仲間たちの気持ちも背負って続いてる。リード曲でありタイトル曲の『幻』の“息が止まるまで続けよう/僕はあなたの味方”というフレーズには、自分の息の根が止まる瞬間まで音楽をやり続けるというそんなケセラの意思でもあると思うし、オーディエンスとの関係性でもあると言えるでしょうね。そして、音楽は形がないけど心が動くという、すごく曖昧で謎の感情。『幻』ってまさに音楽自体のことでもあるなと、この12曲を聴いて改めて思いました。最後に。あのSUPER BEAVERも2nd LINEを売り切るまでに10年以上かかってますが、今ではZeppもホールも即完ですから。ケセラだって、決して絵空事じゃないですよ!」