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『春の緑音祭り』が初開催!
最高のロケーションと音楽に包まれる新しい春の風物詩が誕生!!

今年初めての開催となるイベント『春の緑音祭り』が、4月20日、服部緑地野外音楽堂にて行われた。雲一つないまさに野外ライブ日和と言える快晴のもと、今注目の全8アーティストがベストパフォーマンスを繰り広げ、MCであるFM802のDJ・野村雅夫と樋口大喜も会場を盛り上げた“春のお祭り”の様子をレポートする。

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●竹内アンナ

anna3.jpganna1.jpganna2.jpgトップバッターはアメリカ生まれ京都在住のシンガー・竹内アンナ。開演前の“え!っていう展開を見せてくれますから”という野村の紹介どおり、1曲目の『TOKYO NITE』からループペダルを駆使し、ソフトなボーカルとギターで一人以上の音世界を拡大する。さらに“こんないい天気の日に歌えたらなと…”とチョイスするガンズ・アンド・ローゼズの『Sweet Child O'Mine』でも見事な音の重なりで叙情的なメロディをカバー。英語詞のボーカルも流れるようでなんとも耳が気持ちいい。また『ALRIGHT』の躍動感あふれるギターに体をくねらせるようにする人も現れるなか、締めくくりは前のめりのラップも披露してアッパーに『Free!Free!Free!』。キュートなウィスパーの場面もあるボーカルや小さくジャンプしてリズムを取る姿にも、思わず心を奪われた人は多かったことだろう。
 
 
●Sano ibuki

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アカペラで一気に目と耳を釘付けにして『moonlight』からスタート。清々しくも味のある歌声が、ブレスも聞こえてきそうな静けさのなかで響く。そして鍵盤とドラムのサポートが加われば、スピードも熱量もアップして『sentimental』と『梟』へ。時に畳み掛けるように時にビブラートがかかったように響くボーカルは心を震わせ、寄り沿うピアノもドラマチックだ。そしてMCでは“外の空気を感じながらライブするのは不思議な気分ですね。みなさんを近くに感じるライブでした”と朴とつと語り、音楽にも通じる彼のパーソナリティを垣間見せると、ラストは美しいピアノにのせて『魔法』。“泣き”のメロディにのせる、天を仰ぎ絞り出す声はじわじわと染み込み、ついに観客は凝視の体勢に! わずか4曲ではあったが絶大な求心力を見せつけ、彼は舞台をあとにした。

 
●有華

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この日の空模様と同じく、さわやかなオーラをまとい透明感ある歌声でつづる『パズル』は、1曲目にも関わらずスッとオーディエンスの耳と心の中に入り込み、続くポップな『君は君』や『カラフル』ではクラップを自然発生させる。弾けるピアノと笑顔、ハリがあって上空へ抜けるようなボーカルはハッピーなムードをもたらして爽快感ピカイチだ。だが、大阪出身の彼女のMCは関西弁の“わちゃわちゃ”。この音楽とのギャップも魅力の一つだろう。そんな絶妙なしゃべりで曲の生い立ちを話し、手拍子もレクチャーしてくれるから、次の『Hey Girl』は楽しさ倍増。サビのファルセットがキラキラと輝き、見れば最後列の人まで手を叩いて全員参加の様相となった。こんな風景を生み出せる人懐っこい楽曲と人物像には、今後の活躍を期待せずにはいられない。

 
●Ghost like girlfriend

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淡路島出身のシンガーソングライター・岡林健勝によるソロプロジェクトは、今日が初めての関西でのライブ! 記念すべきステージはどこか80’sテイストも帯びる『(want)like(lover)』で幕を開けると、小気味いいグルーヴがおしゃれな『fallin'』から、クレッシェンドして爆発を繰り返す『shut it up』へ。ゾクゾク感に身悶えさせると、次は打って変わって『髪の花』の耳なじみいいポップも繰り出し、ハイトーンボイスもキレ渡らせる。そんな多彩さを見せたあとは、6月発表のアルバム『Version』からギターがぐんぐんとリードする新曲『Last Haze』でとどめ。両手を広げ放つ伸びやかな歌声は客席の隅々にまで広がり会場を満たしていった。今日駆けつけた音楽フリークたちは、このあと野村が“今、潮流のグルーヴィーな感じ”と語った彼の音楽に大いに満足したこと間違いなし!

 
●fox capture plan

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fcp3.jpgfcp4.jpgまずは『Acceleration』、『衝動の粒子』と続けスタートダッシュ。流麗でダイナミックなグルーヴは観客の心をつかみ、3つの音が押し引きして生む大波に曲中も何度となく拍手が起こる。そして彼らが劇伴を担当する映画「コンフィデンスマンJP」のテーマ『We Are Confidence Man』でよりヒートアップ! しかも途中、岸本亮がメガネを飛ばすほどにアグレッシブなそれぞれのソロにも歓声があがる。また京都出身の岸本は大阪での学生時代を振り返り“そこから(憧れの)このステージに立つまで15年以上かかりましたね。ようやく帰ってこられました”と喜びを口にし、『繰り返される時空のワルツは千の夢を語り』の力強いピアノ、妖艶なベース、高揚するドラムできっちりとラストシーンまで魅了し尽くしていった。そんなアクトは、樋口の“むちゃ興奮したわ!”の感想がまさにズバリ!

 
●日食なつこ

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16:30頃、西日を浴びながらのステージは滑らかに『三面鏡』から。彼女の楽曲はとがった側面もあるが、春の空気と混じり今日はどこか明るい感触だ。そして彼女らしい毒っ気も少し交え“持て余すほどのGWが来ると思います。そんな人のために”と『10箇年計画フレンチトースト』&『10円ガム』へ。シャッフルビートにのる料理の情景は、するはずのない香りもしてきそう。軽やかなトリルが幸福感も高め、リラックスした雰囲気に包まれる。だが『あのデパート』からはズンと胸に落ちる“日食色”に少しずつ染められ、傾く太陽と曲の寂しさがシンクロして消え入るアウトロでは静寂が訪れる。すると『茜のキャラバン』のはかなげな歌声から徐々に熱を上げ、『水流のロック』では息づかいも激しく熱唱。その勢いにクラップは最後まで途切れることがなかった。

 
●Bird Bear Hare and Fish

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17:00過ぎ、スケールを感じさせる『ウクライナ』と『ライカ』のバンドサウンドで、肌寒くなってきた会場を再び加熱。彼らの熱量は伝播して、観客も強くうなずくようにリズムを刻み出す。そして“捨身で飛び降りる 雪の降る街へ”と北海道発の彼ららしい芯の強さを言葉にする『Hearts』でしなやかなロックを聴かせると、さらに『次の火』で“さあ火をつけろ”と前に進むパワーを音楽にする。力のこもったビートに後押しされるどこか絡みつくようなボーカルに引き込まれ、誰もがジッと耳を傾けて舞台から視線をそらすことなく集中。“Oh、Oh、Oh”のコーラスも壮大に響き渡る。そして念を押すように最後は『Work』。そこに込められた時を超える大きな願いや祈りは聴く者の心に火をつけ、何か温かなものを確かに残して、4人は全6曲のステージを終えた。

 
●THE CHARM PARK

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リハーサルでもサービス精神たっぷりの彼は、初っ端からクラップを伴い人気曲『Imperfection』のキャッチーな響きと跳ねるリズムでいっきに最高潮へ。そして哀愁も漂わせてつま弾くギターで始まる横ノリの『マジック』では、バンドメンバーがしゃがんでピアニシモからの急上昇という遊び心いっぱいのパフォーマンスで魅せる。MCでも“今日が平成最後のライブです。ま、外国人には正直わからないですけど。知らんけどな……っていう(笑)”と関西弁で笑わせるからさすが! しかもその後も、新曲『花が咲く道』の初披露や、ギターの名手“チャムパ”らしく『そら』での歯弾き、加えて最終『Don't Stop』でも舞台から降りて客席へ乗り込むなど見せ場が連続! 無論、その間も彼特有の圧倒的なグッドメロディは全編に渡り、ギターが歌うエモーショナルな旋律ながらもガツンとくる新曲には新たな彼の一面も見る。そして興奮さめぬ中アンコールへと突入すると、オーラスの『Holding Hands』では今日一の大シンガロングを起こして一人残らず昇天! 初回の『春の緑音祭り』は沸点を超えたままで終演を迎えた。

 
心地いい春の野外で聴く良質の音楽は何ものにも代えがたく、そして今日の刺激的な出演ラインナップは冒頭で“何かの扉が開く!”と野村が言ったように、訪れた人に新発見をさせたに違いない。そんな貴重な音楽体験ができる『春の緑音祭り』が来年、再来年と続くことを願うばかりだ。

text by 服田昌子
photo by 松本いづみ



(2019年5月14日更新)


Check

Live

竹内アンナ

7月13日(土)一般発売 Pコード:150-865
▼9月15日(日) 16:00
KYOTO MUSE
▼9月22日(日) 16:00
心斎橋JANUS
自由-3500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション
■0570-200-888

『MORNING RIVER SUMMIT 2019』
チケット発売中 Pコード:150-018
▼7月13日(土) 12:00
大阪城音楽堂
全自由-1000円(整理番号付)
[出演]大橋ちっぽけ/osage/OverTone/THREE1989/竹内アンナ/TETORA/Czecho No Republic/バンドハラスメント/ビッケブランカ/LAMP IN TERREN
※雨天決行・荒天中止。小学生以上は有料、未就学児童は保護者同伴の上入場可能。
※販売期間中は1人6枚まで。
[問]キョードーインフォメーション
■0570-200-888

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有華

6月1日(土)一般発売 Pコード:148-686
▼8月10日(土) 18:30
someno kyoto
全自由-3500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[問]someno kyoto■075-256-3399

6月1日(土)一般発売 Pコード:148-686
▼9月27日(金) 19:15
梅田クラブクアトロ
全自由-3500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[問]GREENS■06-6882-1224

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fox capture plan

「fox capture plan/NEIGHBORS COMPLAIN」
チケット発売中 Pコード:145-529
▼6月1日(土) 18:30
246 LIVEHOUSE GABU
オールスタンディング-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[問]GREENS■06-6882-1224

「アルカラ/fox capture plan」
チケット発売中 Pコード:151-400
▼7月15日(月・祝) 18:00
KYOTO MUSE
前売-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[問]KYOTO MUSE■075-223-0389

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THE CHARM PARK

チケット発売中 Pコード:150-926
▼7月3日(水) 18:30/21:30
ビルボードライブ大阪
自由席-5500円
※本チケットに整理番号はございません。ご希望の方は発券後、お問合せ先まで要連絡。当日は整理番号順でお席へご案内しておりますが、整理番号をお持ちでないお客様は開場時間の30分後のご案内となります。カジュアルエリアの取り扱いなし。未就学児童及び高校生同士の入場不可。18歳未満は成人の同伴が必要。
※販売期間中は1人1公演につき8枚まで。
[問]ビルボードライブ大阪■06-6342-7722

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