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「私の顔を知らなくても曲は知ってる、
 みたいな人が増えた1年だった気がします」
少女から女性へ、吉澤嘉代子の素晴らしき第二幕
『女優姉妹』インタビュー&動画コメント

 テレビ朝日系『関ジャムの完全燃SHOW』の“2017年ベストソング特集”において、蔦谷好位置といしわたり淳治が共に『残ってる』を選出。一躍話題の人となったシンガーソングライター吉澤嘉代子が、1年8ヵ月ぶりとなるフルアルバム『女優姉妹』をついにリリースした。 “女性”をテーマに主人公の性(せい)と性(さが)を描いたという今作は、『箒星図鑑』('15)『東京絶景』('16)『屋根裏獣』('17)という、デビュー前から構想していたアルバム3部作で少女時代を完遂した彼女が、意識的にネクストフェイズへと突入したことを告げる1枚だ。これまで以上にその名と音楽を世に知られることとなった怒涛の日々は、彼女にどんな変化と新たなビジョンをもたらしたのか――? 年内にはストリングスとピアノを交えた五重奏の『みつあみクインテットツアー』を、そして、来年2月よりバンドセットの『女優ツアー2019』をスタートさせる、吉澤嘉代子の新章に迫るインタビュー。どこまでも美しく残酷な『鏡』から、ただでは終わらせない『最終回』まで、今回も徹底的で圧倒的な全10編の吉澤嘉代子劇場、開演です!

 
 
ちょっとやられてしまった感覚は正直ありました
 
 
――『箒星図鑑』、『東京絶景』、そして前作『屋根裏獣』という、当初から予定していたアルバム3部作を出し切ったと考えると、今作の『女優姉妹』はまた次の章という感じがしますけど。
 
「デビュー前から構想していた3枚のアルバムは、自分が大事にしてきた音楽をやる初期衝動みたいな少女時代、音楽を仕事にして感じた衝突だったりの日常、ずっと自分が救われてきた物語…大切なテーマをアルバムにしてきたんだなと今となっては思うんですけど、特に『屋根裏獣』は自分が大好きな曲だけを入れようと思って、すごく気合いも入っていて。だからこそ、頭の中が爆発してしまったというか…本当に自分の内にこもっていくような作業だったので、ちょっとやられてしまった感覚は正直ありましたね」
 
――イメージできていたとは言え、すんなり作れるわけじゃない。
 
「何かこう…“完璧でなければいけない”っていう自分のビジョンがあり過ぎて。周りから“すごくいいと思うよ”って言われても、もっと明確な理想があったから、それを振り払うようにして。そこに及ばない自分も苦しいし、何かいろいろとキツかったな…」
 
――曲作りは身を削る作業ではあるけれど、吉澤嘉代子の書く曲はあくまで物語であり、100%自分のことではないにも関わらず、やっぱり作品=自分で。だから、それだけ“喰らう”というか。
 


「うんうん、喰らう。まさにそうですね。それもあってしばらくは休みたいと思ってたんですけど、『屋根裏獣』の制作が終わる頃に、『月曜日戦争』(M-2)で『架空OL日記』というドラマのタイアップのお話をいただいて。今までは自分で主人公を設けて曲を書いてきたんですけど、主題歌って大喜利みたいなところがあるので、“お題をもらって曲を作るのは何だか楽しそうかも”と思ってやってみたんですよね。結局、そこからずっとつながってる感じで休まず続けちゃってますけど」
 
――全力で気持ちを注いで『屋根裏獣』を作って、もう抜け殻のところにすごくいい話があって。吉澤嘉代子の作風からしたら、タイアップは打ってつけかもしれないですね。
 
「確かに。楽曲提供とかもモデルがいてその人に宛てて送るので、より具体的にイメージできるし、タイアップも台本をもらって自分の力を振り絞るのがすごく楽しくて。向いてるなと思いました」
 
――じゃあ本当に救われたというか。お休みはなくなったかもしれないけど。
 
「でも、それで“まだ書ける”と思えた、うん」
 
――逆にそこで本当に休んでいたらまだ浮上していなかったかもしれないし、『女優姉妹』はこういうアルバムにはなっていなかったかもしれないですね。
 
 
この曲が受け入れられてもらえないなら
自分の感覚は世間とズレ過ぎていることになる
 
 
――『女優姉妹』は3部作を作った後に何を感じるか待っていたのか、そもそも何か違うことを想定していたのか。
 
「デビューしてから常にアルバム3枚分の構想が頭の中にあるので、今この『女優姉妹』を出した後も3枚分あるんです。どういうテーマで、選曲で、っていうのは、いつもときめきながら考えることができるんですけど、ただ一瞬立ち止まりたかったっていう(笑)。何か3枚分だったら見通せる」
 
――精魂尽き果てても曲は尽き果てなかったと。今作のテーマは“女性”ということで、それで言うと、やっぱり『残ってる』(M-9)はすごく顕著というか。この曲を昨年シングルで出したときには、もう次の段階に入っていたと。
 


「それはありましたね。『屋根裏獣』が放心状態で終わったけど、『月曜日戦争』を書くときには、“だけど、次のアルバムこうだよね”って思いながらもう寄せていたので。何か次は色っぽいもの、ちょっとセクシャルなものを作りたいなと思って。少女時代から始まったので、そこからひと回りして成熟したものを見せたいなって」
 
――『残ってる』の“まだ あなたが残ってる からだの奥に残ってる”という一節が、当時、吉澤嘉代子から放たれる衝撃はすごかった。でも、それは意図してというか。
 
「そうですね。これは結構前に、それこそ『秘密公園』('15)の頃に書いた曲で。でも、まだ出すのは早いなと思っていたから、少女時代というものを描き切ってからにしようと。やっぱり段階を踏みたいなと思って」
 
――この曲はYouTubeの再生回数も一番多くて、それにはテレビ朝日系『関ジャム 完全燃SHOW』で取り上げてもらったことがすごく大きかったと思いますけど。
 
「『残ってる』って自分でも“すごく上手に書けた”と言うとヘンですけど、そう思えた曲だったから、この曲が受け入れられてもらえないなら、自分の感覚は世間とズレ過ぎていることになると思って。まぁ今でもズレてるのはズレてるけど(笑)。去年リリースしたばかりの頃は、これまで以上に反応がいいなとは感じていたんですけど、でも…思ったよりも、ではあったから、ちょっと絶望してましたね」
 
――“世間的にはやっぱりこの感じじゃないのかな?”みたいな。
 
「私にとっては大興奮な“日本語の妙”みたいな組み合わせ、そして言葉選び…自分で書いていても、もうたまらないなと思っていたので。でも、年が変わってテレビで取り上げられてからは、またじわじわと知ってくれる人が増えた感覚があって。私の顔を知らなくても曲は知ってる、みたいな人が増えた1年だった気がしますね」
 
――リリースして1週間である種の結果=チャートが出て、よかった/ダメだったで終わりじゃなくて、そういうふうに時間をかけてみんなに曲が愛されるのも、また違う喜びがありますね。
 
「嬉しいですね。本当に1年、季節が巡って、今でも“こんな曲があるんだ”って知ってくださる方がいるので」
 
――でも、こういう曲も書けることで、ますます本当の吉澤嘉代子が分からなくなるけれど(笑)。ただ、元々好きでいてくれたリスナーの反響は、当初はやっぱり戸惑いもあったり?
 
「私も最初はどうなるかなと思って。今までは本当にもう“キスはダメ”みたいなところで線引きをしてたのに何か…いきなり事後かよ、みたいな」
 
――アハハハハ!(笑)
 
「いきなりシーンが飛んでどうなるかなと思ってたんですけど、ライブで歌っていたのもあるけれど、結構自然に受け入れてくれて。この先のアルバムのテーマは“他者とのつながり”というか、恋人関係とか、あとは友情もそうですし、家族とかそういうものを描いていきたいなと思っていて。それは人が生まれて死ぬまでの普遍的で大きなテーマなので、その中でも“性”というのは、その根元にあるすごく重要なものなので書こうと思ったんですよね」
 
――吉澤嘉代子の音楽人生を懸けて、人間の営みを最初から最後まで描くような。でも、だいたいどのシンガーソングライターも、その都度生まれた感情を書いていて、極論言えば、翌年のアルバムはまた違う自分かもしれない。そこは自分自身の人生を書く類のシンガーソングライターと、物語としての人生を書く吉澤嘉代子の違いかも。
 
「そうかもしれないですね。自分のことを書く場合はやっぱり、鮮度が命なので即出しというか。最近のモードみたいなものから生まれた曲を出すという」
 
――だから、“あの頃の私はああだったな、でもそれはそれでそのとき本当に思ったことだから”でもいい。ただ、吉澤嘉代子は自分が変わったときに当時の気持ちを歌えなくなることをすごく危惧してますもんね。
 
「うんうん。“本当じゃなくなった”みたいな」
 
――“若いなぁ〜私”、とか思いながらは歌えないと。
 
「確かに。でも、いつかそういう日が来るのかな?」
 
 
魔法の効力が消えてその人を守る力がなくなっても
言葉はずっと残るからこそ、この仕事っていいなとも思っていて
 
 
――『ミューズ』(M-5)は友達にこの曲をプレゼントをしたいという想いがあったということですけど、さっきのタイアップの話しかり、吉澤嘉代子は人のために曲を書くと、何だかすごくいい塩梅なポップソングになる気がして。
 


「ホントですか!?  確かに、『ストッキング』('15)とか『23歳』('15)とか、自分を切り売りするような曲がこれまでに何曲かあって。そういう曲ってすごくコントロールが難しくなるというか、いつまでも完成しないようなつたなさが何か目につくんですよね」
 
――『ミューズ』に関してはプロデュース&アレンジで蔦谷好位置さんが関わってくれていますけど、蔦谷さんは例の『関ジャム』でも吉澤嘉代子を推してくれて。
 
「ちょうど『ミューズ』を作ろうとなった時期に、初めて一緒にやる人がいいなと思って探していて。『関ジャム』で紹介してくださってるから、いけるかも?って(笑)」
 
――そしたら見事に実現して(笑)。この曲はこの曲で、吉澤嘉代子が“魔法は永遠じゃない”と歌っているのが、『残ってる』とはまた違った衝撃がありました。
 
「そうですよね。それこそ“魔法”とか“魔女”って、自分にとってはすごく大切なモチーフで、ライブをしていても、みんなにお守りを渡すような気持ちで歌ってるんですけど、もし1日そういう気持ちに包まれたとしても、じゃあ10年後もそうかと言うと…無力感というか、それが永遠じゃないことにすごく苦しくなるんです。だけど、その魔法の効力が消えてその人を守る力がなくなっても、言葉はずっと残るからこそ、この仕事っていいなとも思っていて。そうすると、魔法は永遠じゃなかったとしても言葉は永遠だなっていうところに着地するというか。でも、それもすごく前からずっと自分で言っているから、最初からどこかで分かっていたのかもしれない」
 
――続く『洋梨』(M-6)はイラストレーターのたなかみさきさんとのデュエットですけど、たなかさんが思いのほか声がよくてビビりました(笑)。
 
「そうなんですよね(笑)。『月曜日戦争』のジャケットとかを手掛けてくださったイラストレーターさんなんですけど、いつも絵に添えられている一文もすごく素敵だなと思って、テーマから一緒に作りたいなって」
 
――普通は歌も歌詞も同業者の中から選びそうなところが、そこを見抜くところが他にはない目利きだなと。あと、こういうファンタジーというかクレイジーな部分が、やっぱり吉澤嘉代子にはまだあるんだなとも(笑)。子供の頃に夢見がちなのは当然として、大人になってもそれができるのはやっぱり面白い。
 
「そうですよね。普通は常識とか理性というものがもっとしっかりしてくるはずで…自由を手にして、もはや誰も止められない(笑)。やっぱり“子供”は不自由の象徴だと思うので」
 
――そうか。以前はそこにも執着もしていたけど、手放すことで。
 
「そこを手放すにしても、曲にして、アルバムとしてパッケージしていったから、何だか肩の荷が降りたというか。私が忘れても誰かが覚えてくれているだろうから、安心して忘れられます」
 
――その感覚はさっきの“言葉は永遠”にも似てますね。あと、『魔女図鑑』(‘13)からの再録の『恥ずかしい』(M-7)は、人生のテーマソングの1つだとアルバムのライナーノーツには書いていましたけど。
 
「何か常に恥ずかしい気持ちがすごく強い。今こうやってお話を聞いてもらうのも恥ずかしいです(笑)」
 
――アハハ!(笑) “何聞いてもらってんねん!”みたいなこと?
 
「そうそう!(笑) こんな私と話すなんて…みたいな。何かそういう感覚がずっとあります」
 
――恥ずかしいに関するレーダーが敏感過ぎる(笑)。
 
「そうなんですよ。お寿司とかも、何回も同じネタを頼みたいけど頼めない(笑)」
 
(一同爆笑)
 
――職人さんも“あいつまたハマチかよ…”って(笑)。だから、ちょっと間に違うネタも入れてみるけど、本当はハマチハマチでずっといきたいと(笑)。でも、そこが人間っぽいところだなぁ。『鏡』(M-1)なんかも若さゆえの女性ならではのコミュニティというか、ああいうモラトリアムな時代と関係性を見事に描いているなと。
 
「互いの境界線も曖昧になるほど、溶け合ってしまった友情なのか、何なのか、みたいな。“いつか忘れるだろう”なんて、真っ只中にいたら書けなかったかもしれませんね」
 
 
自分が子供の頃に救われた物語を音楽の中に落とし込んで
その主人公の人生をひとときの間、生きてもらう
 
 
――今作の制作中に何か印象的なエピソードはあったりしました?
 
「今までもアルバムに主人公はいたんですけど、すごく内省的なテーマだったから、結構揉み返しみたいなものも多くて。今回は他者としての女性を描いてるような感覚で作っていたので、自分のモードが外に向かってましたね。だからこそ人と曲を作ったり、アレンジも“こういう楽器がいい”とか直接相談できたし。アルバムがそういうテーマだから自分が外に向かってたのか、自分が外に向かいたかったからそういうアルバムを作ってたのかは分からないけど。なので“うぅ〜!”みたいな精神的なしんどさはすごく少なかったです。あと、今作は夏に作ってたんですけど、ちょうど休職中だった友達とファミレスに集まって私は歌詞を書いて、その子は本を読んで何時間もドリンクバーで時間を潰す、みたいな作業をしていて。今年の夏はすごく暑かったですけど、その暑さをあんまり味わえないぐらい本当にどこにも行かなくて。だけど、それが何だか学生に戻ったようで、楽しかったんですよね」
 
――お互い違うことをするのに一緒にいられるって、本当の友達ですもんね。会話しなきゃいけないとかじゃなく。
 
「そうですね。その子は私の曲を全曲把握してるし、ツアーも全部来てるのでよく知ってて。歌詞ができたと思って見せたりすると、“これは手癖だらけだから直した方がいい”とか(笑)」
 
――めっちゃ的確なアドバイス(笑)。
 
「そうなんですよ! かなり突かれる指摘なんですけど、確かにと思って。1回歌詞を決めちゃうとそれ以外はダメって思いがちだけど、手癖と思われるなら根性で直す、みたいな(笑)。結果、すごくいいものができたと思うし、今までにない新しい表現ができたような気もするし、その夏がすごく思い出に残ってます」
 
――でも、ますます独自の路線というか、誰とも交わらないと言ったらアレですけど。
 
「私もどういう自分がどこにいるのかも分かってないけど(笑)」
 
――やっぱりみんな自分のことを歌うし、こういう作家的側面をちゃんと持っているシンガーソングライターはなかなか珍しいと思いますね。“私を分かって!”みたいな欲求は、あんまりない?
 
「そうですね。私も書いていて、“この主人公はどうしてこんなことをしちゃうんだろう?”って思いますもん(笑)。私自身も共感はできないけれど、だからこそ、その主人公の切実さみたいなものが伝わるようにつなぎ合わせたい。なので、“共感します!”みたいな感想をいただいたときに、何だかすごく不思議で。でも、それがやっぱり物語の特性だなぁと思って。聴いてくれた人がその主人公に成り切るというか、物語の箱に入ってくれる。それがまさしく自分のやりたいことなので、その瞬間はすごく嬉しいです」
 
――吉澤嘉代子が物語を書く上で今、志していること、大事にしている部分はあります?
 
「私は16歳ぐらいのときに曲を作り始めたし、こうしたい、ああしたいが叶えられるワンマンライブの中で、お芝居を設けながら話が進んでいくみたいなことも最初からやっているので、結構いろんなことがずっと変わってなくて。“恋がしたい”って言ってたのにムダ毛について歌ったり(笑)、朝帰りの風景を歌ったかと思ったら、OLの気持ちを歌ったり、コロコロ変わると言われることもあるけれど、それも最初からやりたかったことで…言わば同じことを手を替え品を替えずっとやってきたんですよね。その中で何が言いたいかというと、やっぱり自分が子供の頃に救われた物語を音楽の中に落とし込んで、その主人公の人生をひとときの間、生きてもらう。それは楽しむ時間でもいいし逃避の時間でもいいし、シェルターみたいなものを用意したいっていう」
 
――今、何を大事にではなく、もうずっとそこを大事にしてきたと。ここまでいっぱい曲を書けて、さらに3枚分の構想が常にあって、何でネタが尽きないんでしょうね?
 
「言葉がハマらないとか、自分の実力がまだ全然足りてなくて苦しむことは本当に日常茶飯事なんですけど、ひらめきの部分で困ったことはないですね。やりたいことがたくさん出てくるんですよね。何でなんだろう?(笑)」
 
 
『女優姉妹』は自分との対峙だったり
生きていく術を自分なりに提示したいなと思って作ったアルバムなんです
 
 
――『女優姉妹』が完成したときは何か思いました? 
 
「何だろうな、昨日、お風呂の中で浮かんだ言葉があったんですけど…忘れちゃった(笑)。軽いと言うとちょっと違うけど…あ! 風通しのいいアルバムになったと思います!(笑) 恥ずかしい…」
 
――アハハ!(笑)
 
「今までは自分の中に潜るように作ってたんですけど、今回は結構浮上して、人に会うことも多くなったし、外に向かいながら作ったので。そういう部分でも、風通しのいいアルバムになった気がしてるんですけど、どうですかね」
 
――確かに、今まではみんなが吉澤嘉代子が緻密に造り上げた世界観を観る感じだったのが、その世界にもっと出入りしやすくなったのかも。そんな『女優姉妹』というアルバムのタイトルはどこから?
 


「『女優』(M-4)っていう曲がすごく大きいんですけど、1つ1つ演じていく自分の仕事にも…まぁ“女優”と言うとカッコよ過ぎるし、体現できてるのかは分からないですけど、何者かに成り切るというところでのそれと、去年ジャケットを考えていたときに、『若草物語』(‘94)とか『ヴァージン・スーサイズ』(‘99)みたいな映画の、物語の中に登場する“姉妹”のジャケットにしたいっていうところから引っ張られた感じですかね」
 
――最後に、ツアーに関しては、ストリングスとピアノが入った五重奏の『みつあみクインテットツアー』が年内に、バンドセットの『女優ツアー2019』が2月から始まりますけど、そこに向けては何かありますか?
 
「『みつあみクインテットツアー』はこれまで出した曲をリアレンジしてお届けするので、私も初めての試みにときめいています。『女優ツアー』は『女優姉妹』を体現するツアー。自分との対峙だったり、生きていく術を自分なりに提示したいなと思って作ったアルバムなので、女性はもちろん男性も、そういう主人公の世界をライブでも楽しんでもらえたら嬉しいです!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 




(2018年12月 3日更新)


Check

Movie Comment

新譜とライブと大阪での楽しみ
吉澤嘉代子からの動画コメント!

Release

近年のシングル曲も軒並み収録!
1年8ヵ月ぶりの4thアルバム

Album
『女優姉妹』
【初回限定盤DVD付】
発売中 6463円(税別)
e-stretch RECORDS
CRCP-40563

<収録曲>
01. 鏡
02. 月曜日戦争
03. 怪盗メタモルフォーゼ
04. 女優
05. ミューズ
06. 洋梨
07. 恥ずかしい(新録)
08. よるの向日葵
09. 残ってる
10. 最終回

<DVD収録内容>
『吉澤嘉代子の発表会』
東京国際フォーラム ホールC コンサート映像

DISC1「子供編」2018年6月16日
未成年の主張
恋愛倶楽部
美少女
チョベリグ
らりるれりん
ブルーベリーシガレット
ひゅー
ユキカ
うそつき
なかよしグルーヴ
逃飛行少女
えらばれし子供たちの密話
キルキルキルミ
ひょうひょう
ラブラブ
movie
泣き虫ジュゴン

ひゅるリメンバー

DISC2「大人編」 2018年6月17日
綺麗
ねえ中学生
ケケケ
月曜日戦争
手品
化粧落とし
がらんどう
ジャイアンみたい
ユートピア
シーラカンス通り
ちょっとちょうだい
麻婆
地獄タクシー
人魚
一角獣
ストッキング
残ってる
ミューズ
東京絶景
23歳 feat. ウィンディ

【通常盤】
発売中 2778円(税別)
e-stretch RECORDS
CRCP-40564

<収録曲>
同上

Profile

よしざわ・かよこ…’90年、埼玉県川口市生まれ。鋳物工場街育ち。父の影響で井上陽水を聴いて育ち、16歳から作詞作曲を始める。’10年11月、ヤマハ主催のコンテスト『The 4th Music Revolution』JAPAN FINALに出場し、グランプリとオーディエンス賞をダブル受賞。’13年6月には、インディーズ1stミニアルバム『魔女図鑑』をリリース。’14年5月には、ミニアルバム『変身少女』にてメジャーデビュー。以降も、2枚のミニアルバム『幻倶楽部』(‘14)『秘密公園』(‘15)と、1枚のコラボミニアルバム『吉澤嘉代子とうつくしい人たち』(‘16)、3枚のフルアルバム『箒星図鑑』(‘15)『東京絶景』(‘16)『屋根裏獣』(‘17)とコンスタントにリリースする中、国内の大型フェス出演や、全国ホールツアー等を開催。私立恵比寿中学や、松本隆との共作によりクミコへ楽曲提供なども行う。’17年5月には、バカリズム原作・脚本・主演ドラマ『架空OL日記』主題歌として書き下ろした1stシングル『月曜日戦争』をリリース。同年10月にリリースした2ndシングル『残ってる』がロングセールスを記録する。’18年6月には3rdシングル『ミューズ』を、11月7日には4thアルバム『女優姉妹』をリリースした。

吉澤嘉代子 オフィシャルサイト
http://yoshizawakayoko.com/

Live

年内は五重奏ライブ&清 竜人と共演
来年2~3月はバンドを従えて全国へ!

 
『みつあみクインテットツアー』

Pick Up!!

【大阪公演】

Thank you, Sold Out!!
▼12月4日(火)19:00
あいおいニッセイ同和損保
ザ・フェニックスホール
全席指定6000円
夢番地■06(6341)3525
※未就学児童は入場不可。

【愛知公演】
Thank you, Sold Out!!
▼12月7日(金)ボトムライン
【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼12月14日(金)・15日(土)ヤマハホール


【大阪公演】
『清 竜人 歌謡祭Vol.2』
チケット発売中 Pコード132-953
▼12月23日(日・祝)18:15
味園 ユニバース
スタンディング4500円
[共演]吉澤嘉代子
夢番地■06(6341)3525
※3歳未満は入場不可。6歳以上は有料。

チケット情報はこちら

 
 
『女優ツアー 2019』

【福岡公演】
Thank you, Sold Out!!
▼2月10日(日)都久志会館

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード131-541
▼2月15日(金)19:00
NHK大阪ホール
全席指定6000円
夢番地■06(6341)3525
※未就学児童は入場不可。

チケット情報はこちら

 
【広島公演】
▼2月17日(日)BLUE LIVE 広島
【宮城公演】
▼3月3日(日)チームスマイル・仙台PIT
【愛知公演】
Thank you, Sold Out!!
▼3月6日(水)名古屋市芸術創造センター
【北海道公演】
▼3月10日(日)Zepp Sapporo
【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼3月17日(日)昭和女子大学 人見記念講堂

Column1

「このアルバムを作れて幸せ」
変わりゆく吉澤嘉代子を刻んだ
儚き『東京絶景』!
妄想→日常を描き切った新世界と
まさかのすべらない話(笑)
'16年のインタビュー

Column2

「孤独だからこそ、みんなと
 つながることが出来るのかも」
永遠という名の瞬間の連鎖を刻んだ
妄想ポップな初のラブソング集
『秘密公園』インタビュー('15)

Column3

少女時代のキラキラもドロドロも
描き切る『箒星図鑑』の奇跡
大人に成りゆく自分も
報われない過去も未来に連れていく
'15年のインタビュー

Column4

ポップでカオスな『幻倶楽部』
引っ提げ『妄想文化祭』開幕!
お茶の間を目指し妄想が暴走する
キュートな才媛・吉澤嘉代子
初登場インタビュー('14)

Comment!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「彼女の取材は2ndアルバム『東京絶景』以来ということで約2年半ぶり。インタビューでも触れていますが、その間に少しずつ積み上げたキャリアが『関ジャム』でバズッたその光景は、“ついにお茶の間が吉澤嘉代子に気付いた!”という喜びがありましたね。今まで応援してきたリスナーもきっとそうだったのでは!? あと、今回の話を聞いていて、彼女が楽曲が過去のものにならないよう物語であることに執着するのは、自分が世に出すどんな曲も一生歌う気だからかもしれないなと思いました。だから何度も、“この言葉でいいのか? このさじ加減なのか?”にこだわる。そんな吉澤嘉代子の才能と執念を、改めて感じることができた作品でありインタビューでした。ただ、これまでは’14年の『幻倶楽部』から半年に1回ぐらい取材してたんですが、このインターバルによって人見知りな彼女との距離感が、初期に戻ったような気もちょっとしています(笑)。今度はそこまで空かないよう、彼女の新たな作品について聞いていきたいですね~」