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原点回帰であり、7年間の集大成
“capture+ISM”と冠した渾身のアルバム
『CAPTURISM』リリース!
fox capture planインタビュー&動画コメント

“現代版ジャズ・ロック”をコンセプトに2011年に結成されたインストゥルメンタルバンド、fox capture plan(以下、fcp)。デビュー以降、コンスタントに作品を世に送り出し、『JAZZ JAPAN AWARD 2015 アルバム・オブ・ザ・イヤー・ニュー・ジャズ部門』など、数々の賞を受賞。2017年にはTBS『カルテット』、今年はフジテレビ月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』、関西テレビ『健康で文化的な最低限度の生活』、10月からスタートするアニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の劇伴をはじめ、CMやゲームなど多方面でめまぐるしい活躍を見せている。9月5日にリリースされた7枚目のフルアルバム『CAPTURISM』は、7年間の活動で得た経験とスキルを惜しげもなく詰め込んだ集大成で、かつ、初期衝動を感じさせる1枚だ。彼らの母体であるジャズにロックやR&B、クラブミュージックの要素を取り入れ、ジャンルをクロスオーバーさせた自由でグルーヴィな演奏に、からだが跳ねる。“これが最新のfcpだ”と言い切れる渾身の作品。新しいジャズの形を更新し続けるfcpの3人に、今作の制作の裏側を聞いた。

初期の音楽は無機質な要素が多かったけど、人間的な曲を書けるようになった
 
 
――2017年は、劇伴のお仕事が多かったのでしょうか。
 
岸本亮(p)「去年と今年にかけては多かったですね」
 
――かなりお忙しかったのではないかと想像しますが、いかがでしたか?
 
カワイヒデヒロ(b)「確かに『健康で文化的な最低限度の生活』の劇伴と、10月から始まる『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』っていうアニメの劇伴を作るのをほぼ同時にやってて、しかも今回のアルバムも同時にやってましたね(笑)」
 
――頭の中が混乱しませんでしたか?
 
カワイ「時期が若干ズレてたんで、頭の中は平気なんですけど、物理的に忙しかったですね」
 
井上司(ds)「毎週スタジオ入ってレコーディング、みたいな」
 
カワイ「“今日何のレコーディングだったっけな”、みたいな(笑)」
 
――やっぱりそういうふうになってしまうんですね(笑)。劇伴のお仕事がfcpにもたらしたことは何かありますか?
 
岸本「ありますね」
 
カワイ「ライブでドラマのテーマを演奏すると“あの曲知ってる!”って、反応が良いとか。中国で『カルテット』のテーマをやった時は、沸き方がすごかったですね」
 
――中国でも知られているんですね。
 
井上「日本のドラマが人気あるので」
 
岸本「劇伴をやると、自分たちのピアノ、ベース、ドラム以外の音が必要になってくるんです。その経験があって、4thアルバムぐらいから弦楽器、ストリング・セクションを導入したり、幅が広がっていきました。あと、初期の僕らの音楽は無機質な要素が多くて、これまで登場人物をイメージして曲を書くというのをやってこなかったんですけど、人間的な曲を書いてfcpでもできるようになったのはありますね」
 
――なるほど、シーンによって登場人物の感情を表すから。
 
岸本「そう、表さなきゃいけないんで。これまでそういうのは合わないと決めつけてたんですけど、やってみたら結構良かったので。そういう意味では劇伴をやり始める前とそれ以降では、違うかもしれないですね」
 
――初めて劇伴を手がけられたのは、2015年のTBS系ドラマ『ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~』ですよね。
 
岸本「堤幸彦監督が僕らの音楽を聴いて“いいじゃん”と言ってくれたのがキッカケで。“fcpらしさとか、得意なところを全面に出してほしい”と言われたので、戸惑いとかはなかったですね。その上で、カワイくんはアニメ音楽をやったりしてるので、いわゆる王道の劇伴的な手法を結構やり慣れてるんですよ。そこにfcpらしさを取り入れて融合させていくというのを、最初は結構探りながらやってましたね」
 
――これだけたくさん劇伴をされたら、もうお手の物ですか?
 
岸本「でも、ドラマによってカラーが違うので」
 
井上「うん、全然違う」
 
岸本「たとえば『コンフィデンスマンJP』と『健康で文化的な最低限度の生活』だと、作品の立ち位置やメッセージ性が全く別物なので、やっぱりアテる音楽も、求められるものが違ったりして」
 
カワイ「お題が全然違う」
 
岸本「そう、毎回違う。慣れてきたから“こんなふうにすればオッケーでしょ”、という、やっぱりそこまで単純ではない仕事なので、やりがいはありますね」
 
 
“今回はfox capture planらしいことをやるアルバムにしたい”
 
 
――では劇伴の経験が、今作の『CAPTURISM』に活かされた部分はありますか?
 
岸本「ストリングスや電子音楽を入れるアイデアは、劇伴の経験がなかったら生まれなかったかもしれませんね。なおかつ今作は、僕らの初期衝動、最初からバンドのコンセプトにあった“コンテンポラリージャズとポストロックの融合”を掘り起こしてみようかという感じになりました」
 
――原点回帰ですね。そうしようと思ったキッカケは?
 
岸本「まあ何となく、今までやってきたことを1枚のアルバムに凝縮させようというコンセプトはありましたね」
 
――コンセプトが決まったのはいつごろだったんですか?
 
岸本「去年の年末か今年の頭くらいから、“いわゆるfcpらしいことをやるアルバムにしたいな”とレーベルのディレクターと喋ってた記憶はあります。でもぶっちゃけ劇伴とかも大変だったんで、アルバムも100%準備できてたかと言われると、そうでもないんですけど(笑)」
 
カワイ「スタジオで曲完成させたりとか」
 
井上「合宿に行って、“この期間で作れなきゃ、もう作れない”みたいな形で追い込んで」
 
岸本「良かった点は、丸3日間、ちゃんとレコーディングの時間が確保されてたことですね。『Overdrive』(M-8)や『Greatest Blue』(M-2)がそうなんですけど、春にやった『Greatest Blue Tour 2018』のツアー用に新曲を書いたり。『We Are Confidence Man』(M-3)もライブ用に、ピアノトリオ中心のアレンジを考えたりしてました」
 

 
――その曲たちも含めて、1枚のアルバムを作ろうと。
 
岸本「そうですね。ライブで立ち位置がものすごくハッキリしだした曲なので、やっぱりアルバムに入れるべきだろうと」
 
――ライブで曲が変化していくんですね。
 
カワイ「めちゃくちゃ変わるわけじゃないですけど、内容は少しまとまっていくというか。昔の曲とかも、若干アレンジが変わっていったりしてますね」
 
岸本「『エイジアン・ダンサー』(5th Album『FRAGILE』収録)とかも結構変わってるよね」
 
カワイ「曲をショートバージョンにして、どんどんメドレー式につなげるようにとか、イントロ一部カットしてからバン! って入るとか」
 
――ちなみに昨日のライブ(9月2日『BEAT JUNCTION!! Supported by 音エモン』@梅田バナナホール)はどうでしたか?
 
カワイ「頭4曲は代表曲をメドレー形式でやったんですけど、良かったですね」
 
井上「で、後半は今回のアルバムコーナーみたいな」
 
――もうライブで披露されてるんですね。
 
カワイ「『Capturism』(M-1)は昨日ライブで初めてやりました」
 
――演奏されてみていかがでした?
 
井上「ライブ映えする曲っていうのがやってみてわかったし、盛り上がりましたね。すごく良かったです」
 
岸本「ツアーでは多分もっと洗練された演奏になってるんじゃないかな。手応えはありましたね」
 
――『Capturism』はイントロがめちゃくちゃカッコ良いですね。
 
井上「イントロは演奏してる時、緊張感があるんです(笑)」
 
カワイ・岸本「(笑)」
 
――どういうところが?
 
井上「フレーズ的に拍をとるのが結構難しいんですよ」
 
――昨日のライブでは何曲目に演奏されたんですか?
 
岸本「8曲中7曲目ですね。アルバムでは冒頭1曲目なんですけれども、何となくツアーでは後半に入ってくる曲かなと考えてます」
 

 
――あと、『Capturism』のMVでは、演奏に合わせたライティングが印象的でした。
 
カワイ「あれはいつもライブで照明やってくださる方にやってもらって」
 
岸本「自分たちの映像作ってくれてる仁宮裕監督やライブのスタッフのクリエイティブチームも、割と飲み会に来てくれたりするので、もうツーカーですね。仁宮監督も十何本か僕らのMV作ってくるんですけど、今回は “照明技師の山下さんにお願いして、ライブ感溢れるビデオにしたいと思うんですよ”ってアイデアを出してくださって」
 
――意思の疎通がバッチリなんですね。
 
岸本「いつもやり慣れてるチームなので。なんなら監督と照明の山下さんが打ち合わせしてる時間の方が、撮影の時間より長かった」
 
――そうなんですか(笑)。撮影は?
 
カワイ「撮影はサクッと終わりました」
 
井上「監督がいつも早いんです。編集に時間をかけていく」
 
岸本「照明の仕込みの時間の方がめちゃめちゃ長かったですね」
 
――照明、すごく計算されていますよね。
 
井上「照明用の楽譜みたいなものを置いてやってましたね」
 
――照明用の楽譜!?
 
岸本「『Capturism』は結構拍子の変化が激しいんですよね。山下さんは音楽的なこともわかってらっしゃって、当日“先に譜面送っとけば良かったですね”って言ったら、“もう自分で書いたから”って」
 
――すごい(笑)。演奏と照明がマッチするのを見ていたら、恍惚感に包まれます。
 
井上「そういうのが得意な方なんで、演出でデカく見せたい時とかは、山下さんにお願いしてますね」
 
――照明と演奏をシンクロさせる演出は、当初からやろうと考えてらっしゃったんですか?
 
カワイ「活動をやってく上で必要だなと気づいて、徐々にですね」
 
岸本「3人とも楽器が大きいんで、動き回ったりできないんですよね(笑)」
 
井上「そうなんです。みんな止まってる」
 
岸本「でもボーカルがいるバンドとか、スカパラさんみたいにホーン隊がいるようなパフォーマンスでは、普通にやると敵わない部分があるんで、照明でお客さんに動きを感じてもらおうという感じですね」
 
 
今まで使わなかった手法にチャレンジしている
 
 
――今作の中で個人的に1番好きなのが『Kick Up』(M-4)です。
 
岸本「ありがとうございます」
 
井上「“ザ・fcp”って感じですね」
 
カワイ「実は曲のネタが出来上がってたのは結構前なんです。何年か前にデモを作っていて、アルバム収録を見送ってた曲のストックが結構あるんですけど、それをたまたま皆で“そういえばこんなのあったね”って聴いてて。で、今回のアルバムに合うようにアレンジし直して、合宿中に完成した曲です」
 
――存在感のある『Interlude』(M-5)から『Mad Sympathy』(M-6)の急展開が最高にカッコ良くて。
 
カワイ「『Interlude』長いですよね(笑)。もともとは1分ちょっとくらいで考えてたんですけど、レコーディングでジャムセッション的な感じで録って、尺測ってみたら3分あって。“まあ、長めのインタールードでいいか”みたいな感じで(笑)」
 
井上「(笑)」
 
カワイ「ミックスも、エンジニアが好きにマッシュアップするような形の手法で、エフェクトもガッツリかかってますね」
 
――『Mad Sympathy』はピアノの美しさやドラムのビートもさることながら、中盤のベースソロが最高でした。
 
カワイ「あれはメロディアスに弾くというよりは、作曲者の岸本に“軸足はつけたまんま、ちょっと手出すくらいのフレーズでやって”と言われて」
 
岸本「今まで結構ベースソロって、コード感を残したままで、ソロをメロディックに弾くみたいなのが多かったんですけど、ベースソロではピアノも休んで、ドラムも上のビートだけで表現する手法を使ってます。別の媒体の取材で気づいたんですけど、“今作はブラックミュージックとか、跳ねた感じのビートがすごく多いですね”と言っていただいて“ああ確かに”って。今までやってこなかったんですけど、ああいう跳ねたビート感があると、リフで押すようなグルーヴで聴かせる方法がすごくやりやすいので、こういうタイミングでやるべきだと」
 
――制作の時は意識されていなかったんですか?
 
岸本「全くイメージしてなかったんですよ。結果的にそうなりました」
 
――今作にはNE-YOのカバーも入っています。バリバリのR&Bですが、この曲を選んだのは?
 
岸本「カバーは毎回やるんですけど、今までは結構ロックサイドから引用が多かったんですよね。でもカレー屋でご飯食べてたら、BGMでNE-YOの『Because of you』が流れてきて。もともと好きだったんですけど、久々に聴いたら良い曲だなと思って。最近の自分たちのアルバムの流れで、2000年代から曲を選ぶっていう縛りがあるんですけど、R&Bとかソウルの曲でも全然アリやんと思って、そういうのも候補に入れてた中で、アルバムのカラーや今の時代性に1番マッチングするのが『Because of you』やなと直感的に感じたんですよね」
 
――時代性を意識した選曲をされてるんですね。
 
岸本「自分たちの音楽はアバンギャルドな要素というんですか、90年代や21世紀になってから認知されだした音楽の要素を結構入れてるので、そういう意味では、ポップスとかロックもやって、親しみを持ってもらうキッカケを作った方がいいかなと思って毎回やってますね」
 
 
今までの活動を総括した楽曲が収録されている、挑戦的なアルバムになった
 
 
――アルバムの最後に『Paradigm Shift』(M-10)が収録されていますが、fcpは様々な音楽ジャンルの要素を楽曲に取り込んでいて、良い意味でジャズに捉われていないと感じます。ある意味fcpは“ジャズ界隈のパラダイムシフト”ではないかという気がしているのですが。
 
岸本「『Paradigm Shift』はカワイくんの曲で、彼がタイトルをつけたんですけど、“パラダイムシフト”ってどういう意味?」
 
――時代や分野において、これまでは当然とされていたものが革命的に変わる、という意味ですね。
 
岸本「あー」
 
カワイ「曲中でビートがガラッと変わるシーンが何箇所かあったり、それもレコーディング中に偶発的に試してみたらハマりが良かったんで、そういうビートにしてみようと。いろんなとこに行ったり来たりするけど、芯はちゃんとある、というところがおもしろい曲になったなーと思って『Paradigm Shift』という曲名にしましたね」
 
――なるほど。曲のイメージでタイトルをつけられていると。
 
カワイ「そうですね、結構後付けが多いですね」
 
岸本「ジャズシーンのパラダイムシフト……」
 
カワイ「気に入ってんじゃん(笑)。絶対使うじゃん(笑)」
 
井上「いただきました、的な(笑)」
 
岸本「(笑)。“パラダイムシフト”という観点で言うと、僕らがピアノやウッドベースの音にこだわってやってるのは、ベーシックにはジャズがあるというのも1つのポイントなんですよね。管楽器とかがあると、やりようが限られてしまうんですけど、ピアノ、ベース、ドラム自体は汎用性の高い楽器なので、何でも自由にできるんじゃないかなというのは、結成前から思っていて。クラブミュージックもそうですし、貪欲に好きなことをどんどん取り入れてやってみようというのは、ある種ジャズ的な考え方なのかなと」
 
――ジャズはその場のアレンジで、どんどん演奏を変えていくんですよね。
 
岸本「そういうのもジャズですし、たとえばマイルス・デイヴィスは、ジミヘンのロックのギターがカッコ良くて、それに嫉妬してロックの要素を受けたアルバムを作った。もちろん僕らもジャズミュージシャンに多大なるリスペクトもあるんですけど、そこだけじゃなくて、今の音楽シーンで支持されていたり、切り開いてる方々もヒントにしていこうという感じですね。それに、ロバート・グラスパーだったり、ジャズミュージシャンにはどんどん新しいことをやっていく人はいるので、時代の動向は気にはしつつ、人がやってることじゃなくて、やっぱり自分たちなりにやれることを考えてますね」
 
カワイ「今はSNSが便利で、良いと思ったものをみんなすぐシェアできるじゃないですか。ミュージシャン友達がシェアした音楽を聴いて、“あ、こんなのあるんだ”っていう刺激は受けますけど、似たようなことやっちゃうと、僕らのアイデンティティがブレてしまうので、すべてじゃなくて“この要素はいいよね”っていうものを取り入れたりしてますね」
 
井上「日々模索ですね」
 
――考え方が柔軟なんですね。
 
岸本「幅広く音楽を聴いてきてるというのもあるかもしれないです」
 
カワイ「ジャズをやってるからジャズだけが好きとかじゃなくて、結構いろんなジャンルを聴いたりしてますね」
 
――タイトルのお話に戻りますが、アルバムタイトルは1曲目の『Capturism』からつけたんですか?
 
岸本「そうなんです。『Capturism』は曲と同時にタイトルができたんです。いつもは曲を作ってからタイトルつけるんで、結構難しかったんですけど、これはパッと瞬時にひらめきました。fcpらしい曲を久しぶりに書いたんで、それを表す言葉ないかなと思って“capture”をもじろうかなと。“ISM”をつけて、より強調する感じになりましたね。アルバム自体も今までの活動を総括したような楽曲が収録されていて、すごく濃い、fcpらしい挑戦的なアルバムになったので、それを表す言葉として、メンバーも『CAPTURISM』がいいんじゃないって」
 
――ある意味セルフタイトルですよね。
 
岸本「セルフタイトルだと思ってます。実は今まで、英単語一文字にこだわってアルバム名をつけてきてるんですよ」
 
――こだわりだったんですね。
 
岸本「バンド名が長いからというのも、あるかもしれないですけど(笑)」
 
――fcpの7年間の中で、今作は改めてどういう作品になったと思われますか?
 
岸本「今までの活動で挑戦してきたことも集約されているし、新たなスタートって感じかな」
 
井上「1周回ってきて原点回帰してますね」
 
カワイ「まさにその通りで、“これがfcpだ”って初期に打ち出したような作風の楽曲もあるし、これまでいろんな劇伴やお仕事を通して培ってきたものを、ひとつずつ散りばめているので、集大成と言うにふさわしいですね。なおかつ、挑戦的な曲もあったりするんで、集大成+αみたいな作品になってると思います」
 
井上「うん、確かに。全曲に今までやってきた活動が自然と入ってるんですけど、次へ向かう新しいこともやってるんで、かなり内容は濃くて、お腹いっぱいにはなると思います」
 
――1度再生したら全曲聴きたくなります。
 
井上「全曲、キャラが立ってるんですよね」
 
――本当にそう思います。どの曲も表情豊かといいますか。リスナーにはどういうふうに聴いてほしいですか?
 
岸本「僕たちが結成した時は“ピアノインスト”っていうジャンルはあまりなかったんで、“ピアノインストがブームになってるよね”、“それfcpが作ったんじゃないの!?”って言われたりするんですけど、必ずしもピアノが主役っていう聴き方じゃない方が嬉しいかもしれないですね。メンバーそれぞれ曲を作ったり、ソロパートもあったりするんで、演奏者としての表現力やそれぞれのアプローチも、全部トータルで聴いてほしいです。1つの音楽としてこだわったアルバムだと思います」
 
――10月から『CAPTURISM TOUR』が始まりますが、どんなツアーになりそうですか?
 
岸本「YouTubeとかで僕らの音楽知ってくれた人が結構多いと思うんですけど、今までの代表曲もガッツリやっていこうと思ってますし、アルバムの曲は全曲やろうかなというのは考えております。新しいアプローチの入ったアルバムなので、今までやってこなかったライブパフォーマンスにつながるんじゃないかなと思います」
 
――今のところ何か考えているような演出はあるんですか?
 
カワイ「うーん、特にないっすね」
 
全員「(笑)」
 
カワイ「特にないって言ったら楽しみがないかもしれないですけど、逆にツアーやってくうちに“この演出やってみようよ”って突然思いついたりするんで」
 
岸本「新曲の半分くらいは、まだ人前でやってないんで」
 
――まだ演奏されてない曲の中で、楽しみなものはありますか?
 
岸本「『Paradigm Shift』がすごい楽しみ」
 
カワイ「ドラムをオーバーダビングしてるんで、それをどうやって1人で表すかを、今すごい考えてます」
 
井上「2人分を1人で叩かなきゃいけないんで」
 
カワイ「そう、手が足んないっていう。それをどうやってカバーするのか見所というか。僕自身もどうやんのかなって、ちょっと楽しみにしてます(笑)」
 
――大阪は10月28日(日)なので、終盤ですね。
 
井上「ツアーを経て、良い感じにバンドに油が乗ってきてる段階だと思います」
 
岸本「1番良い時期だと思います」
 
――楽しみにしております! 今日はありがとうございました!
 
全員「ありがとうございました」

text by ERI KUBOTA



(2018年10月11日更新)


Check

Movie Comment

Release

これまでのキャリアで重ねた技術を
詰め込んだ集大成

Album『CAPTURISM』
発売中 2315円(税別)
PWT-048 

<収録曲>
01. Capturism
02. Greatest Blue
03. We Are Confidence Man
04. Kick Up
05. interlude
06. Mad Sympathy
07. Liberation
08. Overdrive
09. Because Of You

Profile

“現代版ジャズ・ロック”をコンセプトとした情熱的かつクールで新感覚なピアノ・トリオ・サウンドを目指し、それぞれ違う個性を持つバンドで活動する3人が集まり2011年結成。過去6枚のフル・アルバムを発表し“CDショップ大賞 ジャズ部門賞”2度受賞、“JAZZ JAPAN AWARD 2013アルバム・オブ・ザ・イヤー・ニュー・スター部門”“JAZZ JAPAN AWARD 2015アルバム・オブ・ザ・イヤー・ニュー・ジャズ部門” を獲得。主なライブ活動として、2016年 “FUJI ROCK FESTIVAL’16”、2017年 “SUMMER SONIC 2017”、“東京ジャズ”は三年連続出演。更には2018年ブルーノート東京での単独2DAYS公演を果たす。その他、オーストラリア“Brisbane Festival”出演、韓国・台湾・そして3回目でスケールアップした中国ツアーを敢行するなど海外公演も積極的に行う。楽曲制作ではTBS“カルテット”、フジテレビ系月9“コンフィデンスマンJP”、2018年7月放送開始の関西テレビ“健康で文化的な最低限度の生活”などドラマ劇伴を多数担当し、その他CMやゲームなど多方面へ楽曲を提供。そして2018年9月、7枚目のフル・アルバム『CAPTURISM』の発売が決定。10月からはアルバムを引っさげ、『CAPTURISM TOUR』が全国8箇所で行われる。

fox capture plan オフィシャルサイト
https://www.foxcaptureplan.com/


Live

「CAPTURISM TOUR」

【北海道公演】
▼10月5日(金)cube garden
【愛知公演】
▼10月7日(日)名古屋 LION THEATER

【宮城公演】
▼10月12日(金)仙台CLUB JUNK BOX
【山形公演】
▼10月13日(土)山形・Sandinista
【岡山公演】
▼10月19日(金)CRAZYMAMA 2nd Room
【福岡公演】
▼10月27日(土)Early Believers

Pick Up!!

【大阪公演】

Sold Out!!
「jizue/fox capture plan」
▼10月28日(日) 17:30
Shangri-La
オールスタンディング-3500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※4歳未満は入場不可。
[問]夢番地■06-6341-3525

【東京公演】
▼11月4日(日)EX THEATER ROPPONGI



『ボロフェスタ2018』
チケット発売中 Pコード:125-916
▼10月26日(金) 18:00
KBSホール
一日券-3300円()
[特典付]一日券(26日)-4200円
[学割]一日券(26日)-2800円
[学割・特典付]一日券(26日)-3700円
全通し券-14000円
[特典付]全通し券-14900円
[学割・特典付]全通し券-13400円
※オールスタンディング、整理番号付、ドリンク代別途要

[出演]fox capture plan/ナードマグネット/King Gnu/折坂悠太/クリトリック・リス/ベランダ/眉村ちあき/Crispy Camera Club/the engy/ニトロデイ/MOROHA/他

※10/27(土)vol.夜露死苦公演は、18歳未満及び高校在学中の方は入場不可。要身分証明書。vol.夜露死苦公演にボロフェスタ2018 一日券・二日券のリストバンドもしくはチケット提示で\500返金。全通し券(3日間昼通し券+vol.夜露死苦)をご希望の方は、10/26(金)公演の席種から「全通し券」を選択してください。二日券(27日&28日)をご希望の方は、10/27(土)公演の席種から「二日券」を選択してください。学割チケットを購入の方は、要学生証提示。特典付を購入の方は、特製サコッシュ付。

[問]Live House nano■075-254-1930



『富山市民プラザpresents THE MUSIC FLaSH 【Vol.10】 fox capture plan』
チケット発売中 Pコード:129-230
▼12月4日(火) 19:30
富山市民プラザ・アンサンブルホール
全席指定-4000円
[出演]fox capture plan
※小学生以上有料。未就学児童は、チケット1枚につき1名まで膝上に限り無料。但し、席が必要な場合は有料。
[問]オレンジ・ヴォイス・ファクトリー■076-411-6121



『SAPPORO CITY JAZZ 2018 THEATER JAZZ LIVE~「JAZZ」×「食」~』
10月13日(土)一般発売 Pコード:124-479
▼12月22日(土) 12:30
札幌文化芸術劇場hitaru
フロアシート-6000円 クラブシート-6000円 カウンターシート-6000円 デュオシート-7000円(1名分)
[出演]TRI4TH/fox capture plan
※未就学児童は入場不可。フロアシート、クラブシートは4名以上の場合テーブルを挟んで斜めの座席になる可能性があります。一部演出機材や会場の設計上、ステージが見えにくい席があります。車椅子での来場はチケット購入前問合せ先まで要連絡。
[問]サッポロ・シティ・ジャズ実行委員会事務局■011-592-4125

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