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映画『累-かさね-』の主題歌となる『Black Bird』をリリース
新曲について、10月から始まる全国ツアーについて思いを聞いた
Aimerインタビュー

今年デビュー7周年を迎えた、神秘のハスキーボイスを持つ歌姫Aimer。9月5日にリリースされた新曲『Black Bird』は、9月7日より公開中の映画『累-かさね-』の主題歌となっており、MVは『累-かさね-』とのコラボレーション作品になっている。10月からは全国ツアー「Aimer Hall Tour 18/19 “soleil et pluie”」も開催。精力的に活動する彼女に話を聞いた。

 

『Black Bird』について

 
――「実写映画の主題歌を担当させていただくのは今回が初めてで、ひとつの夢でもありました」というコメントを発表されています。実際に担当してみた感想を教えてください。
 
台本と原作漫画を読み込み、キャストの皆様が演じられる各々の役のイメージと、エンドロールに自分の声が流れるイメージを、とにかく膨らませながら制作した結果、歌詞は自然と引っ張られて、普段より生々しくなったように思います。レコーディングでも日々感じている生々しい思いを、すべて流し込みました。手こずらず、あっという間に終わったのが、自分でも印象的でした。
 
――台本を読んで制作に取り組まれたとのことですが、台本から受けたインスピレーションとはどんなものでしたか? またそれは楽曲のどんな部分にどのように反映されているのでしょうか?
 
映画『累-かさね-』は、顔が入れ替わるという唯一無二の設定によって、他者と比べることでわたしたちの胸にはこれだけの劣等感や優越感が生まれるのだ、ということを教えてくれます。“本当に美しいもの醜いものは何か”“ありのままの自分を果たして自分は受け入れているか”までをも問うてくれます。そんな作品を象徴する曲にしたいと思いを込めて、誰の心にもある、誰かを羨む気持ち・愛されたいと願う気持ちを、黒い鳥に喩えて歌詞にしました。
 
――タイトルでもある“Black Bird”が、楽曲の象徴的な“存在”になっていますが、どのようにしてこの黒い鳥のワードが生まれたのでしょうか?
 
作品に出てくる“かもめ”というワードと、黒い髪の毛で顔を隠す累のヴィジュアルからヒントを得て、“Black Bird”を曲の要に、そしてタイトルにしようと思いつきました。
 
――歌詞は映画主人公(2人であり1人)の目線で書かれているように感じますが、その点で大変だったことや、おもしろかったことなどはありますか?
 
累とニナは美貌と才能においてまさに対極の存在ですが、それぞれの胸の内に抱えている互いへの劣等感は実は共通していると思いながら書きました。一見累の心情だけれど、よく読むとニナの立場で歌ってもいる。その絶妙な視点から書くのは、手応えがありました。
 
――上記と同じく、自身の楽曲の詞を自由に書くのと違った点は?
 
作品のテーマでもあり、この曲のテーマでもある“劣等感”は、わたし自身とても共感できるものだったので、今のわたし自身の心情も込めながら、のめり込んで書くことができました。
 
――上記のように映画の世界に沿った歌詞ですが、ご自身とリンクする部分はありますか? あるとすればどこでしょうか?
 
累とニナは、いびつな手段でも夢を叶えようと、もがきながらステージに立ちます。わたし自身も“歌を歌う”ことが幼い頃からの夢でしたし、その夢を叶えた先で、未だに不安や葛藤があり、それでも進もうと日々もがいています。そんな中で、Black Birdはわたしの心にも確かに住む鳥です。わたし自身の今の気持ちも込めました。
 
――アレンジはストリングスなど、かなり壮大でドラマチックです。Aメロの静かなピアノと落差も印象的ですが、ここまで振り切れた理由とは?
 
累という物語が持つミステリアスで不穏な感じを抱えつつ、聴く人の耳にちゃんと残るキャッチーな部分もほしかったので、静謐な部分と勢いある部分を、どちらも内包する一曲に仕上げました。
 
――ダイナミックな楽曲に比例して、ボーカルもとてもパワフル。今までとは少し違うAimerさんの歌声の魅力を感じましたが、ご自身ではいかがでしょうか?
 
初めて歌った力強い曲『RE:I AM』からの系譜にある、今まで歌ってきた曲たちのおかげで、今回のような激しい曲に対するボーカルアプローチにも、迷いがなくなってきました。今の自分ができる、自分の声を生かした最良のパフォーマンスが録れたと思います。
 
――上記のように今回のボーカルワークは今までと異なることがあったのではないかと思いますが、具体的に工夫や苦労などがあれば教えてください。
 
今回のような激しい曲では、息の量やバランスをコントロールして、個性だと思っている低音の響きを消さないようにしながら、声量を上げたり圧力をかけたりするのが、絶妙に難しいです。サビでは、言葉数が多くリズムも詰まっているのですが、出来る限り滑らかに発音しながら、言葉が伝わるようにはっきりと、かつアクセントにこだわりました。
 
――単に圧倒するボーカルだけでなく、大きく聴こえるブレスにも臨場感を感じます。これは意識的にされたことでしょうか? またそうだとしたらその理由とはなんでしょうか?
 
激しい曲なので、ブレスも自然と普段より大きくなっています。そしておっしゃる通り臨場感を出すために、エディットでそれを消さず意識的に生かしてもらっています。吸うタイミングでリズムを刻めるように、グルーヴが出るようにも意識しています。
 
――完成映画した映画をご覧になったと思いますが、『Black Bird』が実際に流れた映画を見た感想を教えてください。
 
本編で圧倒され、昂り切ったところに自分の声が流れてくるので、思わずエンドロールでは感極まってしまいました。映画を観た直後のみなさんの心に、刺さる曲であったらいいなと願っています。


 
c/w曲について

 
――『Tiny Dancers』(M2)は、EDMテイストのアップテンポのナンバーで、ラップテイストのパートもあり、動画ではジャンプしながら歌うAimerさんが印象的です。『Black Bird』とは対極の仕上がりになった理由とは?
 
去年初めての武道館公演でみなさんと盛り上がりたいと思って作った『ONE』からの流れを止めたくなくて、またこのシングルにも、ライブでみなさんが分かりやすく楽しめる曲がほしいなと思い、つくりました。
 
――『思い出は奇麗で』(M3)は、父の日に合わせて発表された曲とのことですが、実際にご自身の幼少期の思い出が反映されているのでしょうか? もしそうならば具体的にはどんなことを思い出しながらどのように作詞をされましたか?
 
わたしのというより、あくまでこの曲の主人公の“思い出”です。ただ、わたし自身今の道を志したのは音楽をやっていた父からの影響が大きいので、歌詞を書いているときは自然と幼い頃の、音楽に溢れていた家のリビングや、連れられて行ったライブハウスなんかのことを、ぽつぽつと思い出しながら書きました。
 
――『今日から思い出 Evergreen ver.』(M4)は、Evergreen ver.とありますが、オリジナルとはどのような違いがあるのでしょうか? またその新アレンジに至った理由を教えてください。
 
オリジナルよりも、ある意味オーソドックスで壮大な、まさにEvergreen(色褪せない)なアレンジになっています。以前よりサビの声量も増しているので、各パートがめいっぱい存在感を出してきても、アレンジが成立するようになりました。


 
ツアーについて

 
――「Aimer Hall Tour 18/19 "soleil et pluie"」が10月からスタート。今ツアーの見どころ、聴きどころを教えてください。
 
タイトルは、フランス語で“太陽と雨”という意味です。ベストアルバムは、“blanc”、“noir”(フランス語で白と黒)というタイトルでリリースし、それぞれバラード、ロックと大まかにそれまでの曲を二分したのですが、初武道館以降は、個人的にその二色のどちらにも当てはまらない、アップテンポなナンバーを増やしてきました。なので、今の自分の曲たちを、新たに二分するとしたら、というコンセプトで掲げたのが今回のツアータイトル、“太陽と雨”です。太陽のようにみなさんと一緒に思いっきり楽しむ場面もあれば、雨のようにしっとりとみなさんを包み込む場面もある、今まで以上にメリハリのある、濃厚な時間にするつもりです。
 
――このインタビューは「ぴあ関西版WEB」で掲載するため、ユーザーは主に関西エリアのファンです。これまでの関西でのライブで、印象深い思い出などがあれば教えてください。
 
関西でのライブでいちばん印象深いことと言えば、やっぱり、忘れもしない2015年1月17日、大阪・サンケイホールブリーゼのライブで、公演途中に声が出なくなってしまったことです。あの夜声が出ないままステージに立つことを許してくれたばかりか、応援してくれて、一緒に涙してくれた大阪のみなさんのことを、わたしは一生忘れません。あの夜があって生まれた曲もあります。毎回大阪でのライブは特別です。
 
――今ツアー大阪公演(ツアーファイナル公演)で、楽しみにしていること、またファンに楽しみにしていてほしいことがあれば教えてください。
 
そんな大阪で、約4年越しに初めてのツアーファイナルを飾れることを、とても感慨深く思っています。みなさんと楽しめるような、そしてじっくりとAimerの世界に浸れるような、そんな夜を今の自分で作れるのが楽しみです。頼もしく思ってもらえるような夜にしたいです! 大好きな美味しいたこ焼きをいただくのも楽しみです。
 
――最後に「ぴあ関西版WEB」ユーザーにメッセージをお願い致します。
 
今回のツアーで関西は、ファイナルの大阪2DAYSを始め、ワンマンは3回目になる兵庫、そして初めての滋賀、奈良にも歌いに行きます! みなさんにお会いできるのがとっても楽しみです。少しでも興味が湧いたら、お一人でも初めてでも全く問題ないので、ぜひ遊びにきてくださいね。

text by 服田昌子



(2018年9月20日更新)


Check

Release

デビュー7周年を飾る
“メモリアル”な1枚

Single『Black Bird / Tiny Dancers / 思い出は奇麗で』
発売中

【初回生産限定盤(CD+DVD)】
1500円(税別)
SECL-2330 ~ SECL-2331

【通常盤(CD)】
1250円(税別)
SECL-2332

《CD収録曲》
01. Black Bird
02. Tiny Dancers
03. 思い出は奇麗で
04. 今日から思い出 Evergreen ver.
05. Black Bird (Movie ver.) ※初回生産限定盤のみ

《DVD収録曲》
01. 「Black Bird」MUSIC VIDEO (Movie ver.)
02. 「Ref:rain」MUSIC VIDEO

Profile

エメ…15歳の頃、歌唱による喉の酷使が原因で突如声が出なくなるアクシデントに見舞われるも、数年後には独特のハスキーで甘い歌声を得ることとなる。2011年にシングル『六等星の夜』でメジャーデビュー。代表曲『蝶々結び』などを収録した4thアルバム『daydream』を2016年9月にリリースし、iTunesアルバムチャート1位などを獲得した他、CDショップ大賞2017において準大賞も受賞。2018年9月には映画『累-かさね-』主題歌となる最新シングル『Black Bird』をリリース。billboad Hot 100にて初登場3位、ダウンロードチャートでは初登場1位を獲得。

Aimer オフィシャルサイト
http://www.aimer-web.jp/


Live

「Aimer Hall Tour 18/19
“soleil et pluie”」

【千葉公演】
▼10月31日(水)
市川市文化会館 大ホール
【福岡公演】
▼11月3日(土・祝)
福岡サンパレス ホテル&ホール
【広島公演】
▼11月4日(日)広島文化学園HBGホール
【岡山公演】
▼11月9日(金)岡山市民会館
【愛媛公演】
▼11月10日(土)松山市民会館 大ホール
【栃木公演】
▼11月23日(金・祝)
宇都宮市文化会館 大ホール
【埼玉公演】
▼11月25日(日)大宮ソニックシティ 大ホール
【北海道公演】
▼11月30日(金)札幌文化芸術劇場hitaru

Pick Up!!

【滋賀公演】

10月6日(土)一般発売
Pコード:123-391
▼12月8日(土) 17:00
滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール
全席指定-7000円
※未就学児童は入場不可。6歳以上は有料。
※販売期間中は1人4枚まで。
[問]GREENS■06-6882-1224

Pick Up!!

【奈良公演】

10月6日(土)一般発売
Pコード:120-440
▼12月9日(日) 17:00
なら100年会館 大ホール
全席指定-7000円
※6歳以上は有料。未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション
■0570-200-888

【静岡公演】
▼12月24日(月・休)
アクトシティ浜松 大ホール
【宮城公演】
▼2019年1月5日(土)仙台サンプラザホール
【岩手公演】
▼2019年1月6日(日)
盛岡市民文化ホール 大ホール

Pick Up!!

【兵庫公演】

11月3日(土・祝)一般発売
Pコード:123-393
▼2019年1月13日(日) 17:00
神戸国際会館こくさいホール
指定席-7000円
※販売期間中は1人1公演4枚まで。
※未就学児童は入場不可。6歳以上は有料。
[問]GREENS■06-6882-1224

【愛知公演】
▼2019年1月14日(月・祝)
名古屋国際会議場 センチュリーホール
【新潟公演】
▼2019年1月18日(金)新潟テルサ
【石川公演】
▼2019年1月20日(日)
北陸電力会館 本多の森ホール

Pick Up!!

【大阪公演】

11月3日(土・祝)一般発売
Pコード:123-393
▼2019年1月25日(金) 18:30
▼2019年1月26日(土) 16:00
フェスティバルホール
全席指定-7000円
バルコニーBOX席-7000円(高所の座席、着席観覧)
※販売期間中は1人1公演4枚まで。
※未就学児童は入場不可。6歳以上は有料。フェスティバルホールのバルコニーBOX席は、座席位置が高所となります。配置上2枚単位でのお申込みとなります。開演中は着席で観覧ください。
[問]GREENS■06-6882-1224

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Movie Data

(C)2018映画「累」製作委員会 (C)松浦だるま/講談社

『累-かさね-』

▼TOHOシネマズ梅田ほかにて上演中
出演:土屋太鳳、芳根京子
横山裕、筒井真理子
生田智子、村井國夫
檀れい、浅野忠信
原作:松浦だるま
監督:佐藤祐市
脚本:黒岩勉
主題歌:Aimer『Black Bird』

【公式サイト】
http://kasane-movie.jp/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/173770/