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「この夏は、僕らが日本のみなさんを思いきり楽しませます!」
アルバムリリース&日本ツアーに加え、夏のビッグプロジェクトも!
EPIK HIGHインタビュー

高いスキルと多彩なサウンド、叙情あふれる独特の世界観で、K-POPの枠に留まらず、HIP HOPファン、洋楽ファンと幅広い支持を集めている韓国を代表するHIP HOPグループEPIK HIGHが、ニュー・アルバム『WE’VE DONE SOMETHING WONDERFUL –Japan Edition-』を7月4日(水)にリリース。さらに7月からは、このアルバムを引っさげた2年ぶり4度目となるジャパンツアーも控えている。今回は、アルバムリリースを前に来日した3人にインタビュー。ライブではすでにおなじみとなっているユーモアとサービス精神はこの日も健在。終始こちらを笑わせながら、新アルバムに込めた想いや、ジャパンツアーへの意気込みを話してくれた。
(写真左からMITHRA、TABLO、DJ TUKUTZ)

――まずはニュー・アルバム『WE’VE DONE SOMETHING WONDERFUL』について聞かせてください。今作には“世の中を生きて恋愛をし、そこで失敗したとしても、確実に偉大なことを成し遂げた”というメッセージを込めたとか。そういった思いはどこから生まれたのでしょうか。
 
TABLO「これは僕たちのことというよりは、世の中のすべての人に伝えたかったメッセージで。人間、生きていれば楽しいことも辛いこともありますよね。時には“この人生に何か意味はあるんだろうか?”なんて思うこともあるかもしれない。それでも、たとえ悲しいことがあっても、あなたのしていること、あなたの生きている人生は素晴らしいものなんだと。今回収録されている曲はどれも、それを伝える内容になっています。(日本語で)みなさん、ぜんぶ、ワンダフル」
 
――そんな風に思う、何かきっかけがあったんですか?
 
TABLO「このアルバムを作っている時、ふと“僕の人生はこのまま、こんな風に終わるんだろうか”なんて考えたことがあった。でもその時僕は“そんな悲しい気持ちがひとつの作品になることもあるだろう”と考えるようにしたんです。自分の気持ちは否定せず、かといってただ悲しい考えに囚われたままでいるわけでもなく、ね。今回のコンセプトは、その時の気持ちがきっかけになったと思います。(日本語で)わたしたちは、ぜんぶ、ワンダフル」

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――(笑)。北米ツアーにコーチェラ出演と海外でもものすごく活躍されていて、正直、そんなネガティブな要素は見えませんでしたが。
 
TABLO「もちろん良いことも有り難いこともたくさんあるし、そういう風に見えているなら良かったですが。……それでも、子どもが2人いますし」
 
DJ TUKUTZ「ブッ!(吹き出す)。」(註:DJ TUKUTZに子どもが2人いる)
 
TABLO「子どもが2人いて、そして僕たちのやることすべてが成功しているわけじゃないんです」
 
DJ TUKUTZ「それ何の関係があんの?(笑)」
 
TABLO「(DJ TUKUTZのほうを見ながら)……この話はここまでにしときます。とにかく、全部がうまくいくわけじゃないんですよね。たくさんやってる中で幸いにもうまくいくこともあれば、ダメな時もあるし、そうやって失敗があるからこそ学べることもある。見えてなくても僕ら、ほとんど毎日のように挫折してたりするんです」
 

 
――今回のアルバムは、韓国ではEPIK HIGHのデビュー日にリリースされましたよね。『TAPE 2002 7 28』のように過去を追想するような楽曲も入っていますし、何か特別な意味はあるのでしょうか。区切りとか、原点回帰とか。
 
DJ TUKUTZ「このアルバムの作業中、デビュー前に録りためていた僕らのデモ音源をいろいろ掘り返して聴いていたんですよね。そうしたら『US AGAINST THE WORLD』のテーマにぴったりの曲があったので、その前につなぎ的な感じで入れることにしたんです。『TAPE 2002 7 28』で出てくる音源はどれも未発表だったり、正式な録音をしていない曲ですね」
 
TABLO「(日本語で)いっぱいテクニカルです」
 
DJ TUKUTZ「原点回帰とか、そういう意味に捉えてくれる人もいるんですが、そんな大きな意味を込めてはないんです」
 
TABLO「(日本語で)ほんとに?」
 
MITHRA「(日本語で)すごいね、トゥーカッツさん」
 
TABLO「僕たちは常に前を向いていますが、たまには後ろを振り返る時もあります。なぜなら、人は自分が過ごしてきた日々を振り返るものだから。それをしないなんて、そんなの人といえますか?」
 
MITHRA「(笑)」
 
TABLO「獣と一緒だよね。(日本語で)ノーにんげん」

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――たしかにそうですね。ではアルバムについてもうひとつ聞かせてください。EPIK HIGHの作品は毎回多彩なフィーチャリングも聴きどころです。今回も初参加のIUさんをはじめ、WINNERのミノさん、LEE HIさん、HYUKOHのオ・ヒョクさんなど豪華なメンバーが揃いましたが、人選はいつもどのように決めているんですか。
 
MITHRA「とりあえず曲ができたら、目を閉じて、じっと聞いてみるんです。すると突然、聞こえてくる声がある。この声はきっとあの人だ……、そういう風にイメージできたら、すぐに電話をして」
 
――では常に曲ありき、なんですね。
 
MITHRA「はい」
 
――なぜこれを聞いたかというと、EPIK HIGHは韓国の音楽シーンを牽引しているイメージがあるからで。特にヒップホップシーンではパイオニア的存在ですし。
 
TABLO「あー。(手振りで否定しながら、日本語で)パイオニア、だいじょうぶ(笑)」
 
――いやいや、間違いなくそうだと思います。なのでこの多彩なフィーチャリングには、若いアーティストがどんどん出てくる中で彼らをフックアップしようって意味合いもあるのかなと。
 
TABLO「いや、僕らはメンバー同士を引き上げ合うのも大変です(笑)」
 
MITHRA「もう、ここまでにしよう(笑)」
 
TABLO「今なんてもう腕が痛くて、他の人に引っ張り上げてっていわれても……。それに家族やチーム、僕らが家族と思っている人たちがたくさんいるので。彼らを気にかけることさえ時間が足りずちゃんとできていないので、まずはその人たちを大切にしないと」
 
――なるほど。では最近の韓国の音楽シーンについて聞かせてください。とくにヒップホップシーンは若手がどんどん出てきて盛り上がっていますよね。日本でも注目されています。
 
TABLO「(日本語で)すごい、ありがとうございます。とても幸せなことだし、有り難いことです」
 
――そのなかで、皆さんが注目しているアーティストはいますか?
 
TABLO「たくさんいすぎて……。誰かひとり、というよりは、幅広くさまざまなアーティストを聴いてみることをおすすめします。スタイルも多様ですし。たくさん聴けば聴くほど、韓国の音楽シーンは自分が思うよりずっと豊かなんだ、そう思えるはずです」
 
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――ありがとうございます。では話をEPIK HIGHに戻しましょう。ここ数年で海外にも活躍の場を広げている皆さんが、今後新たに挑戦したいことはなんですか。
 
TABLO「これまで韓国やアメリカで、いろいろ大きな挑戦をして成功を掴むこともできたけど、実は僕ら、日本ではまだ秘密主義でいたところがあって(笑)」
 
MITHRA「ははは(笑)」
 
TABLO「今年の夏はアルバムも出るし、ツアーもやる。それにこれはまだ秘密ですが、超ビッグなコラボレーションも準備しています(※6月29日にリリースされたEPIK HIGH X End of the World(SEKAI NO OWARI)『SLEEPNG BEAUTY』のこと)。最初の日本ツアーから数年たったことだし、そろそろ日本のオリコンチャートでも1位になってみるかと。ここらで一度J-POPシーンにもEPIK HIGHの音楽を見せつけてみるか、今回はそんなふうに思ってます。コラボについては、相手は日本のアーティスト、ってところまで話しておきます」
 
MITHRA「一度でいいので1位取らせてください(笑)」
 
――コラボレーションもあるんですね! ちなみにいつ頃になりそうですか?(※取材時は5月下旬)
 
TABLO「まだ確定ではないけど、おそらく今年の夏ぐらいかなと。この曲、僕は化粧品や飲料水のCMにぴったりだなと思っているんです。なので、もしそういった企業の方がこのインタビューを読んでくださっていたら、ぜひYG JAPANに電話していただければ、僕らも考えたいと思います」
 
――(笑)。
 
TABLO「あと昨日、僕たち原宿に行ったんですけど、その時見かけた若い子たちが何だか元気なさそうで。とても心配になったのですが、そんな子たちの気分をアゲてあげられる曲じゃないかなと。爽やかで、暗い表情も笑顔に変えてあげられるような、そんな曲です」
 
 
――楽しみにしています! さらに、7月からのツアーがありますね。関西圏では7月8日(日)に大阪・なんばHatchでの公演があります。すでに何度もいらしていると思いますが、関西にはどんなイメージがありますか?
 
DJ TUKUTZ「すごくいいです」
 
TABLO「大阪?」
 
DJ TUKUTZ「うん」
 
TABLO「大阪は食べものが……」
 
DJ TUKUTZ「そう、食べもの!」
 
TABLO「大阪は食べものが本当に美味しくて。以前、僕が『スーパーマンが帰ってきた』という番組に出ていた時に、大阪で撮影したことがあったんです。その時もうどんとかすごく美味しくて印象的でした」
 
DJ TUKUTZ「関西の人たちはみんなウィットに富んでいるというか、余裕が感じられますよね。それがとても衝撃でした」
 
TABLO「あとファッションセンスも」
 
――今回はライブハウスツアーですね。皆さんとの距離が近いのはファンも嬉しいと思います。
 
TABLO「水をたくさん撒いて、観客の手もたくさん握りたいと思っています。僕たちは水をたくさん撒くってことで有名なグループでもあるので。韓国のフェスでも『水を撒かせたらEPIK HIGHがチェゴ(最高)だ』といわれるくらい。なので、もし水を販売している会社さんがこれを読んでPRのチャンスだと思われたなら、ぜひ連絡くだされば」
 
――(笑)。では水を撒く以外の、見どころはなんでしょうか。
 
TABLO「15歳とか16歳の頃、お父さんお母さんに隠れて夜中こっそり家を抜け出して、友達と会ったり、狂ったように遊ぶ時期があるじゃないですか。スリルがあって、自分たちのやりたいことはなんでもやれると思えるような。EPIK HIGHのライブは、2時間ずっとそんな気分でいられます。なので、実際に15~6歳だったらそれは……」
 
MITHRA「それは来ちゃダメだよね(笑)」
 
TABLO「ダメダメ。あ、いや、ダメじゃないでしょ」
 
DJ TUKUTZ「みんながティーンエイジャーになれる」
 
TABLO「そうそう、すべての人がティーンエイジャーになれる公演だし、それは僕たちも。僕たちだってティーンエイジャーではないじゃないですか。でも、あの頃に戻ったようになれる、そんな場所です。前にも、自分たちのおばあちゃんくらいの年齢の方たちが来てくれたことがあったんですが、その方たちも、このままいくとヘッドスピンしちゃうんじゃいかっていうくらいまで楽しまれていたんですよ。だから、もしも最近『あー、昔はもっと遊んでたのに』とか考えちゃってる方がいたら、僕らのライブに来てくれれば、We will do for you.」
 
――では最後に、ファンに向けてメッセージを。
 
TABLO「僕たちの7月の公演、絶対に遊びに来てください。思いっきり楽しませます」
 
DJ TUKUTZ「みんなで一緒に若返りましょう!」
 
MITHRA「もし友達の中に“前はもっと遊んでたはずなのに、最近なんで遊んでないんだろう?”って人がいたら、電話して『本当に楽しいライブがあるから一緒に行こうよ』って、ぜひ誘ってあげてください」

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text by 山崎 恵



(2018年7月 2日更新)


Check

Release

Album『WE’VE DONE SOMETHING WONDERFUL -Japan Edition-』
7月4日(水)発売

【CD+DVD】
AVCY-58651/B
3800円(税別)

【CD】
AVCY-58652
3000円(税別)

《収録曲》
01. PEOPLE SCARE ME
02. LOVE STORY feat. IU
03. NO THANXXX feat. MINO, SIMON DOMINIC & THE QUIETT
04. HOME IS FAR AWAY feat. OH HYUK
05. HERE COME THE REGRETS feat. LEE HI
06. THE BENEFITS OF HEARTBREAK feat. LEE SUHYUN of AKMU
07. BLEED
08. TAPE 2002 7 28
09. US AGAINST THE WORLD
10. LOST ONE feat. KIM JONG WAN of NELL
11. MUNBAE-DONG feat. CRUSH

-BONUS TRACK—
12. LOVE STORY feat. LEE SUHYUN of AKMU -Japanese Version-
13. HOME IS FAR AWAY feat. OH HYUK –Japanese Mix-

[DVD TRACK LIST]
・HOME IS FAR AWAY feat. OH HYUK + LOVE STORY feat. IU MV
他未定

Profile

2001年結成。グループ名は『詩に酔いしれた状態』『叙情詩的な偉大さ』という意味で、その名の通りリリックの表現や文学性を重視。その叙情的な世界観と圧巻のパフォーマンスで多くの音楽ファンから支持されている。日本では2014年の『EPIK HIGH JAPAN LIVE HOUSE TOUR‘PARADE 2014’』をはじめ、これまで計3回のジャパンツアーをすべて成功させているほか、2015年にはSUMMER SONIC 2015、a-nation stadium fes.などの大型野や外フェスにも出演。さらに2016年には活躍の場を世界へと広げ、コーチェラ、SXSWにも出演。初の北米ツアーも成功させている。2018年7月、日本でのCD作品としては3枚目となるオリジナルアルバム『WE’VE DONE SOMETHING WONDERFUL -Japan Edition-』をリリース。さらに7月6日(金)の福岡を皮切りに、2年ぶり4度目のジャパンツアーをスタートさせる。

EPIK HIGH オフィシャルサイト
http://ygex.jp/epikhigh/


Live

「EPIK HIGH JAPAN TOUR 2018」

【福岡公演】
▼7月6日(金)DRUM LOGOS

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:113-296
▼7月8日(日) 17:00
なんばHatch
1Fスタンディング-6800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※3歳以上は有料。3歳未満は入場不可。
※販売期間中は1人4枚まで。
[問]キョードーインフォメーション
■0570-200-888

【愛知公演】
▼7月10日(火)・11日(水)
エレクトリック・レディ・ランド
【東京公演】
▼7月14日(土)新宿BLAZE
【宮城公演】
▼7月15日(日)仙台Rensa
【神奈川公演】
▼7月16日(月・祝)横浜ベイホール

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