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FERN PLANET、Rei、Drop’sが
摂津市民文化ホール(くすのきホール)で極上ライブ!
『南千里丘Rock Museum 2018』=丘ロックの素晴らしき前哨戦
『音-Neji parts1』ライブレポート

 大阪・北摂地域を舞台に生まれた音楽イベント『南千里丘Rock Museum』によるプレイベント『音-Neji parts1』が、6月9日、摂津市民文化ホール(くすのきホール)にて初開催された。“ロック(音楽)でまちを元気に”をモットーに'13年に産声を上げ、音楽と地元をこよなく愛する実行委員会目利きのアーティストが毎年出演する『南千里丘Rock Museum』、通称“丘ロック”。FERN PLANET(フェルン・プラネット)、Rei、Drop’sという確かな実力と可能性を秘めたアーティストたちが、そんな丘ロックを盛り上げるべく熱い火花を散らした一夜をレポート!

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 「皆さんこんにちはー!」とまずステージに登場したのは、FM802 DJの板東さえかと樋口大喜の2人。摂津市には工場がたくさんあることから、“音楽の工場見学”というテーマでお届けする『音-Neji』のガイドを務める両人より、工場見学特典として空気清浄機が当たるプレゼント企画を告げられ大いに盛り上がる会場。世の中に良質な音楽を出荷しているアーティストが出演するということで、唸りを上げるエンジン音のSEを背に、モニターにはオープニング映像が流れる。
 

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 そこで、「今日はよろしくお願いします、よかったらスタンドアップして楽しんでいってください!」(SERINA・vo&g、以下同)とこの日のトップバッターを飾ったのは、ガールズ3ピースバンド、FERN PLANETだ。しょっぱなの『ナイトエスケープ』からオーディエンスは総立ち、切なくもキャッチ―なメロディをホールいっぱいに響き渡らせ、巧みなコーラスワークでも聴かせる『サテライト・サーチライト』、メロウな『フォレストネスト』と、ヒットポテンシャルを秘めた楽曲群を次々と披露していく。

 

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 続く『絶対相対』でも、ソングライティングを手掛けるフロントマンSERINAをはじめ、コーラスでもベースラインでもその才を発揮する山口メイ子(b)、タイトなビートを叩き出すミズグチハルキ(ds)と、メンバー全員にミュージシャンとしての“華”が備わっているようなステージングで魅せていく。『ballOOn』ではステージ前方でオーディエンスを煽りつつ、クラップ巻き起こるホットなパフォーマンスで会場をロックオン!
 

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「『音-Neji』、素晴らしいイベントですね。今日は6月9日=“ロックの日”ですよ、ロックしてますか!? 普段は皆さんお仕事とか学校があって、そんな日々の中で報われないこととか葛藤もあると思うんですけど、そんなときに“頑張れ”って無理やり背中を押すことはしたくなくて。少し立ち止まってもいいし、少しぐらい逃げたっていい。それで光の方へ行けるならと思うんです。そんな人生に寄り添ってゆっくり生きていけるような音楽を、あなたがあなたを愛して、あなたらしい道を歩んでいけるような音楽を、FERN PLANET“工場”で作り続けていきたい。最後にその想いを込めてこの曲を届けて帰りたいと思います」
 
 そんな言霊が音に宿った『劣等星』でライブを締めくくったFERN PLANETには、会場を包み込む大きな拍手が送られたのであった。
 

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 力強いビートにリンクするように湧き上がるクラップと高揚感を礎に、キレのいいギターと歌声で空気を一変させたのは、シンガーソングライター/ギタリストのReiだ。ドラム、ベース、キーボードを従え鳴らした『MOSHI MOSHI』から、“幼少期をNYで過ごし、4歳よりクラシックギターを始め、5歳でブルーズに出会い、ジャンルを超えた独自の音楽を作り始める…”なんてプロフィールも納得の、モノの違いを見せつける世界照準のサウンドをぶちかまし、『JUMP』でもアーティストとしてのスケールを存分に感じさせる堂々のステージ。真っ赤な衣装に蒼いジャズマスターという佇まいも最高にクールで、トロピカルでエキゾチックな『Love Sick』、リズミックでグルーヴィーな『COCOA』と、凄腕ミュージシャンと共に変幻自在のReiワールドにオーディエンスを引きずり込んでいく。
 

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 ウッドベースのふくよかな音色にフライングVに持ち替えたReiのブルージーなギターが絡みつく『Tumblin’』でも、その卓越したパフォーマンスと世界観で会場を丸ごとサウンドトリップさせ、『Route 246』では超絶ギターを奏でつつメンバー紹介もさらりとこなすなど、まだ20代も半ばでこの表現力と貫禄とは、いやはや末恐ろしい。ベースの真船勝博(EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX/FLOWER FLOWER etc)とお立ち台を奪い合うソロバトルを繰り広げオーディエンスをブチ上げた『BLACK BANANA』では、会場の空気も一気に沸点に! 
 

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 客席から思わず「最高!」という声も上がる熱気の中、アコースティックギターで情熱的なフレーズをかき鳴らしオーディエンスをこれでもかと釘付けにした後は、各プレイヤーの強烈なソロ回しにも負けないギターフレーズで圧倒した『New Days』! 最後の最後までその才能と実力を疑うことなき圧巻のステージを見せてくれたReiだった。
 

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 ジョニ・ジェイムスの『ゼア・ゴーズ・マイ・ハート』(‘58)のムーディーなSEを切り裂くようなバンドサウンドで幕を開けたのは、この日のトリを務めるDrop’s! 冒頭の『SWEET JOURNEY BLUES』からバンドのダイナミズムを感じさせるような凄みのあるパフォーマンスで、「はじめましてDrop’sです、どうぞよろしく!」(中野ミホ・vo&g、以下同)と続けた『空はニューデイズ』でも、ブルースハープとソリッドなギターが胸を突く。いや~いいバンド! 生々しいドラミングとコーラスワークが機能する『Cookie』でも、幾つものライブを重ね今があるのが一音一音の持つ説得力からひしひしと伝わってくる。
 

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 「今日は『音-Neji』に呼んでもらえてすごく嬉しいです、とても楽しみにしてきました。皆さんとの距離も意外に近くていいですね」と中野も語るように、会場のくすのきホールはホールでありながらアーティストとの距離感も密接で、すりばち状の形態もあってどの席からもステージが見渡せるレイアウト。MC後は美しい照明をバックに、『ムーン・ライト』『ためいき』とミドルナンバーをしっかりと聴かせ、中野は時にギターを置いて歌声のみで楽曲の景色をドラマティックに描いてみせる。
 

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 「我々は摂津には初めて来たんですけど、川があっていいところですね。大きな川があると落ち着きます。また摂津にたくさん来れるように」と告げた後半戦は、バンドのワイルドサイドで魅せる『こわして』『新しい季節』とたたみ掛け、「どうもありがとうDrop’sでした、また会いましょうバイバイ」と最後は『未来』を披露。鳴りやまない拍手に呼び戻されたアンコールでもノスタルジックな『どこかへ』を感動的なまでに響かせ、記念すべき『音-Neji parts1』のエンドロールにしっかりとその名を刻んだDrop’sだった。
 

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 イベントの最後は、各出演者のサイン入りオリジナルグッズや空気清浄機が当たるプレゼント抽選会も行われ、最後の最後まで大盛況となった『音-Neji parts1』。そして、『南千里丘Rock Museum 2018』は、9月16日(日)に同じく摂津市民文化ホール(くすのきホール)にて開催予定。毎年、まばゆき原石の才能が集まる注目のイベントだけに、今年も目が離せない。
 
 
Text by 奥”ボウイ”昌史
Photo by 河上良(bit Direction lab.)

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(2018年6月29日更新)


Check

Set List

第1回目にして大成功!
ホールに響いた忘れられない音魂たち

 
『音-Neji parts1』
2018年6月9日(土)
at 摂津市民文化ホール(くすのきホール)

FERN PLANET
01. ナイトエスケープ
02. サテライト・サーチライト
03. フォレストネスト
04. 絶対相対
05. ballOOn
06. 劣等星

Rei
01. MOSHI MOSHI
02. JUMP
03. Love Sick
04. COCOA
05. Tumblin’
06. Route 246
07. BLACK BANANA
08. New Days

Drop’s
01. SWEET JOURNEY BLUES
02. 空はニューデイズ
03. Cookie
04. ムーン・ライト
05. ためいき
06. こわして
07. 新しい季節
08. 未来
~ENCORE~
09. どこかへ
 

Link

南千里丘Rock Museum
オフィシャルサイト

http://oka-rock.jp/

オフィシャルTwitter
https://twitter.com/ok_rock2018
 

Live

今後FERN PLANETは『見放題』出演
そして9月は丘ロック本番!

 
【大阪公演】
『見放題2018』
チケット発売中 Pコード119-454
▼7月7日(土)13:00
心斎橋アメリカ村周辺の
ライブスペース19会場
自由4000円
[出演]【見放題オフィシャルホームページ】http://www.mihoudai.jpを参照。
【お問合せ】見放題実行委員会 mihoudai.zikkouiinkai@gmail.com
※3歳以上は有料。未就学児童は保護者同伴に限る。会場、出演時間の変更、出演者の変更・キャンセルに伴う払戻し等は行いません。チケット・リストバンドの紛失や破損等、如何なる理由に関わらず再発行不可。客席を含む会場内の映像、写真が公開される場合があります。

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Pick Up!!

【大阪公演】

『南千里丘Rock Museum 2018』
▼9月16日(日)昼12:00
摂津市民文化ホール(くすのきホール)
入場無料
[出演]王様/他
南千里丘Rock Museum実行委員会
(摂津市民文化ホール事務所内)
■072(635)1404(平日9:00~17:15)

現在出演者募集中!
申込みは7月22日(日)まで

http://oka-rock.jp/

 

Column

昨年の模様はコチラ!
まばゆき原石たちが丘ロックに集結
『南千里丘Rock Museum 2017』
ライブレポート