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約4年ぶりとなる新作『color of time』をリリース!
2/18(日)ESAKA MUSE公演を控えるChouChoにインタビュー

“透明感ある歌声”を武器にアニメソングというフィールドで活躍するシンガー・ChouChoが、オリジナルアルバムとしては約4年ぶりとなる作品『color of time』を1月17日にリリース! 自身で半数以上の曲の作詞・作曲を手掛けた同作は、変幻自在なボーカルと同時に普段とはひと味違う彼女の表情も楽しめる仕上がりだ。そこで今回、そんなカラフルなアルバムの話はもちろん、楽曲に対する姿勢や自身の歌声のことなどたっぷりと話を聞いた。

――最新作『color of time』がリリースさればかり。まずはこの一枚に込めた思いを教えてください。
 
「実は昨年6月に病気で入院し、デビューして初めてお仕事をお休みしてしまって……。その入院生活の時、人は自分が置かれた状況や感情によって時間の感じ方や見える景色の色が変わるんだなって思ったんですよね。それでそのことをテーマにアルバムを作り、タイトルも『color of time』にしました。お仕事を休むことへのショックは大きかったんですが、歌えることは当たり前じゃないんだということを改めて実感し、歌えることへの感謝の気持ちや今という瞬間の大切さというのも感じました。今回、それも作品中で描きたいなと思いました」
 

 
――入院中を色で例えると(笑)?
 
「無彩色な世界ですね(笑)。歌えないことがすごく辛かったので、歌うことや自分が音楽をどんなに愛しているかというのをより冷静に感じられました。人間としても成長できたと思います」
 
――そんなアルバムにはバラエティ豊かな曲が収録されていますね。
 
「今回アルバムの新録曲を自分で作詞作曲するということに初挑戦したんです。普段はアニメ主題歌を歌っているのでアップテンポで明るくて前向きな楽曲が多いんですけど、せっかく自作の曲をたくさん収録することになったので、それとは違った一面を見せられるものにしたいなと思って制作しました」
 
――少し闇が見えるような曲も……9曲目『アンダンテ』とか(笑)。
 
「はい(笑)。やっぱりアニメ主題歌だとパーソナルな部分は深いところまで描けなかったりするので、オリジナルでしっかり見せていきたいなと思ったんです。『アンダンテ』はデモの段階ではもっと暗くて……(笑)。入院中のことを思い出しながら歌詞も曲も書いているので自然と曲がどんよりしちゃったんですけど、アレンジでピアノの美しい感じを出してもらって素敵に仕上がりました」
 
――自身の別の一面を出した感想は?
 
「こういう自分もあるんだ!というか、新しい自分に出会えることが多かったですね」
 
――特に“新しい自分”が強い曲は?
 
「今までとまったく違うタイプの曲は『ワンダーテイル』ですね。“はね感”があるというか……。歌詞も、普段はもっと主人公の視点でシリアスな方向に持っていくことが多いので、この曲のように言葉遊び的な詞を書く機会がないんですよ。オリジナルアルバムだからこそ、しかも新録で4曲書いているからこその曲です。もし(新録曲が)1曲だけだったらこういう曲は作ってないと思います」
 
――今後もどんどん曲を作りたくなったのでは?
 
「まさにそうです。短期間にたくさん作曲したのも初めてのことで、自分にこんなに曲が書けるんだってことにも気付けましたし、一曲一曲作る過程がすごく楽しくて……。次の作品を出す時もまた違ったタイプの曲を作ってみたいなって思いました。本当にこのアルバムをきっかけに新しい扉が開いた気がしますね。自分の中でいろいろなものがあふれ出して、それを形にできたと思います」
 
――あふれ出したんですね! でも12曲目『アリア』だけはなかなか詞が書けなかったとお聞きしました(笑)。
 
「『アリア』は曲がすごく気に入っていて、美しい曲にしたいという思いが強すぎたんです。歌詞も曲の良さを引き出すようにしたいという気持ちが高まってしまって、その気持ちに届かず、なかなか書き上げられないという……(笑)。この曲は音数も少ないし、より歌詞が大事になって来たんですよね」
 
――ちなみにアニメ主題歌を歌う時、歌い手としては曲に対してどんなスタンスですか? アニメの世界にどっぷり身を置いているのか逆にちょっと俯瞰で見ているのか……。
 
「歌に関しては、特にアニメ主題歌だからとか逆にオリジナルの曲だからとかは意識していなくて、曲ごとに、その曲が一番魅力的に聴こえる歌い方を毎回探っています。例えばアニメ主題歌で主人公が幼い女の子だったとしたら、このメロディはこういうニュアンスで表現するんじゃないかな?とか考えます。でもオリジナルの曲だったら自分の素のままで歌うこともありますし、さっき話に出た『アリア』なら上空から見ている女神的な気持ちになったり、『one and only』(PS4『ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチ』主題歌)なら元気さやはつらつとした感じが出るように心がけたり……曲によって違いますね」
 
――確かに曲ごとに受ける印象が違うし、どんな曲でも歌えそう(笑)。でも意地悪な質問をすると、器用貧乏になりそうで怖くはないですか?
 
「あ~(笑)。それは何と言うか……私の声はどんな曲を歌っても“ChouChoの声だ!”っていう声じゃないのを自覚していて、それを逆に強みにしてます。アニメの主題歌を歌うってことはそれが強みになるんですよね。いろんな作品に対応できるから」
 
――クセがない声だから何にでもなれる。
 
「はい。そこを伸ばして、楽曲ごとにいろいろなカラーを出していきたいなと思いますし、それが楽しい部分なんですよ。毎回、違う自分になれるというか……。特に提供していただいた曲は、普段の自分にないものを出したりするので」
 
――そうなると今作の自作の曲で素を出すのは、いつもと勝手が違いましたか?
 
「それはないですね。自分の中のどこに焦点を当てるか?って感じです。そこを深く掘り進めていくってことですね。自分のいろいろな感情……人間なんで暗い部分も当然あって(笑)、それらのどこを出すかっていう作業です。これまでは曲を提供していただくことが多かったので、曲を聴いてそれをどんどん深める作業なんですけど、今回は自分の内側に掘り進めていきました」
 
――なるほど。少し話を戻して、声にクセがないという話をしましたが、独特の心地良さがありますよね。
 
「心地いいって思ってもらえるのはうれしいですね」
 
――あれ、あまり言われないですか(笑)?
 
「どうですかね~(笑)。村山さん(プロデューサー)からは、生楽器との相性がいいって言っていただきますね。あと倍音(楽音の音高とされる周波数に対し、2以上の整数倍の周波数を持つ音の成分※Wikipediaより引用)がすごく出てるって言われますね。倍音が多いからコーラスもいい感じに鳴るって言ってもらえます」
 
――アカペラも合いそうですね。
 
「そうですね。やってみたいですね。声だけの曲とか!」
 
――生楽器やアカペラとの相性の良さからはアナログな音の良さをイメージ。でも、そうなるとニコニコ動画から人気に火が着いたという経歴がなんだか不思議に……(笑)。
 
「ボーカロイドとか歌ってましたからね(笑)。でも、もともと音楽に触れたきっかけは父がアコギを弾きながら歌っていたというのなので、やっぱりアナログのものと最初に出会ってるんですよね。バンドもやっていたし……。そこからニコニコ動画という革新的なものに出会ったんですけど、あの時衝撃的だったんですよ。コメントがリアルタイムで流れて来るっていうのが新し過ぎて。おもしろそう!って思ってのめり込みました。賛否両論、オブラートに包んでない言葉がバンバン流れる(笑)。鍛えられました」
 
――ハートを(笑)?
 
「ハートもですし(笑)、悪い部分……例えば個性がないとか、みんなストレートにコメントを書くんですよね。なので、ある意味で客観的な感想をもらえた場所。自分がどんな音楽が好きなのかっていうのにも気付けたし、いろいろな感想をもらえることは本当に貴重でした」
 
――そんな鍛錬の場だから、動画サイト出身の方が最近多く活躍しているんですかね。
 
「そうですね。ただ私はデビューしてからはあまり見られなくなっちゃって……。逆に置いてけぼり。付いていけてないって感じです(笑)」
 
――さて、2月からリリースツアーが始まりますが、見どころは?
 
「『color of time』自体がいつもの作品と違って結構しっとりした曲も多いので、聴かせる部分はしっかり聴かせつつ、アニメ主題歌ではめちゃくちゃ盛り上がるような、波の大きなライブにしたいと思います」
 
――では最後に「ぴあ関西版WEB」読者にメッセージを!
 
「私は大阪出身なので、関西でのワンマンライブではMCがバリバリ関西弁になるんです(笑)。基本的にMCは一人しゃべりなんで関西弁が出がちなんですけど、特に大阪のお客さんはどんどん話しかけてくれるんで。それに応えられるような爆笑のトークを期待しておいてください……って大丈夫かな(笑)」
 
――ハードルが上がりました(笑)。
 
「あっ。楽しくMCでも皆さんとおしゃべりしたいなと思います!……って、これくらいにします(笑)」

text by 服田昌子



(2018年2月16日更新)


Check

Release

3rdアルバム『color of time』
発売中

【初回限定盤(CD+BD)】
3800円(税別)
LACA-35680

【通常盤(CDのみ)】
3000円(税別)
LACA-15680

<CD収録曲>
01. color of time
02. kaleidoscope
03. Elemental World
04. ワンダーテイル
05. cuddle
06. セフィロトの木
07. one and only
08. Asterism
09. アンダンテ
10. 薄紅の月
11. 明日の君さえいればいい。
12. アリア
13. searchlight

<BD収録曲>
-Music Clip-
・color of time
・Asterism
・Elemental World
・kaleidoscope
-Live-
ChouCho Live Tour 2016 bouquet ~ChouCho ColleCtion~
・bouquet
・starlog
・DreamRiser
・優しさの理由
・piece of youth

Profile

ニコニコ動画の「歌ってみた」で、約100万再生という高い人気と支持を得ていたChouChoが、2011年夏、TVアニメ『神様のメモ帳』OP主題歌「カワルミライ」でメジャーデビューを果たした。これまでに『ガールズ&パンツァー』、『プリズマ☆イリヤ』、『氷菓』、『ハルチカ~ハルタとチカは青春する~』など、様々な話題のアニメ・ゲーム主題歌を担当。2015年8月には、アニソンの祭典「Animelo Summer Live」に2度目の出演を果たし、同年11月には『劇場版 ガールズ&パンツァー』の主題歌を担当し大ヒットを記録。 2016年にはデビュー5周年を迎え、5月25日に自身初のベストアルバムをリリース。24曲中23 曲がアニメタイアップという異例のベストアルバムを提げ、全国ツアー「ChouCho Live Tour 2016 bouquet ~ ChouCho ColleCtion ~」を開催し、多くの観客を魅了した。2018年1月には3rdアルバムをリリースし、アルバムを提げて全国5箇所をまわるツアーを開催する。ジャンルを問わないナチュラルで艶のある歌声が高く評価され、海外のアニメイベントの出演や、ハイレゾ配信等今後も幅広い音楽シーンで活躍が期待されている。

ChouCho オフィシャルサイト
http://choucho-net.com/


Live

「ChouCho Live Tour 2018
~color of time~」

【宮城公演】
▼2月12日(月・祝)仙台HooK
【愛知公演】
▼2月17日(土)スペードボックス

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:103-034
▼2月18日(日) 17:00
ESAKA MUSE
スタンディング-6480円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。女性エリア有り。
※販売期間中は1人4枚まで。
[問]ソーゴー大阪■06-6344-3326

【福岡公演】
▼2月24日(土)DRUM SON
【東京公演】
▼3月4日(日)UNIT

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