インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 様々な音楽性を内包する実力派バンドRAMMELLS 1stアルバム『Authentic』でメジャーデビュー!


様々な音楽性を内包する実力派バンドRAMMELLS
1stアルバム『Authentic』でメジャーデビュー!

2015年8月、ギターの真田徹が以前組んでいたバンド(OLD JOE)を解散し、同じ大学の先輩である黒田秋子(vo&key)と村山努(b)を誘い、結成されたRAMMELLS。翌年加入した彦坂玄(ds)と共に活動を本格化。2016年にリリースしたミニ・アルバム収録の『Holiday』がCMに起用されるなど、結成当初から注目度の高かった彼らが、12月6日(水)にリリースされるアルバム『Authentic』でメジャーデビューする。メンバー全員がソングライティングを担当出来るという希有なバンド。音楽大学出身に裏打ちされた実力が唸らせるグルーヴィでソウルフル、浮遊感のあるサウンドは、いつまでも聴いていたくなるほど心地よく、身体と頭をゆったりと踊らせる。少し棘のある歌詞にも、中毒性がある。1枚のアルバムの中に、様々な音楽性が絡み合っていて、興味をそそられる。RAMMELLSはどんなバンドなのか。大阪でライブを行った翌日のメンバー全員に話を聞いた。


大学の先輩後輩を中心に結成
 
 
――元々は真田さんがメンバーを集められたということですね。
 
真田「はい、そうです。良いボーカルがいないとどうにもなんないと思って、誰かなーと思ったら、良いボーカルでまだ売れてないのが黒田さんぐらいしか思いつかなかった」
 
黒田「(笑)」
 
真田「“あ、いた”と思って」
 
――大学でボーカルをされてたんですか?
 
黒田「そうです、ボーカル専攻で。徹(真田)とも企画バンドみたいなのを何回か一緒にやったことがあったんですけど、飲みに行くような仲間だった気がします」
 
彦坂「3人は同じで、僕だけ違う音楽大学なんですよね」
 
――バンドをやりたいという気持ちは、皆さん持っておられたんですか?
 
黒田「私は曲を作るのが好きで、自分の曲がうまくアウトプット出来るところがないかなってずっと思っていたところに、たまたま徹に誘われて。それでやろうと思いました」
 
――全員がソングライティングを出来るのは珍しいし、大きな強みだと思うんですけども、大学では授業の一環で作曲などはあったんですか?
 
黒田「授業でもそういうのはあったんですけど……徹はOLD JOEの時、曲作ってた?」
 
真田「作ってない」
 
黒田「ちりぽん(村山)はRAMMELLS入ってから?」
 
村山「うん、バンド始めてから作り出した」
 
黒田「じゃあ前から書いてたのは私だけか」
 
――RAMMELLSに入って曲を書こうと思うようになったキッカケは、何かあったんですか?
 
村山「最初は自分の曲を作るってところじゃなくて、アレンジから入ったんです。だんだん曲の作り方も自分のやり方もわかってきて、そこから作り始めるようになった感じですね」
 
――彦坂さんは?
 
彦坂「僕は全く作らなくて、大学でも課題でほんとに短い曲を1回作ったことあるかないかぐらいで。でも今年になって活動のペースを上げるというので、 “1人何曲”みたいにノルマ的な感じで書いてかないと間に合わないなとなって、それから書き始めました」
 
――じゃあ今年になってから曲を作り始められたんですか?
 
彦坂「僕は今年になってからです。もう手探りでしたね」
 
――なるほど。RAMMELLSの舵をとってらっしゃるのは真田さんですか?
 
彦坂「バンドはそうです。ただ音楽的な面では、誰が1番仕切ってとかはあんまりないですね。ベースの村山さんが1番バンマスみたいな感じかもしれないですけど」
 


 
自分たちにとって“正真正銘の”アルバムになった
 
 
――デビューアルバム『Authentic』は、個人的には音にずっと浸っていたくなるような、最後まで心地良く聴けるアルバムでした。
 
全員「ありがとうございます!」
 
――曲自体はいつ頃から作られていったんですか?
 
黒田「去年出したミニアルバム『natural high』のリリースツアーぐらいから、どんどん新しい曲は出来ていて、ツアーファイナルでやった曲とかも入ったりしてるので、全部で1年ぐらいかけてますかね」
 

 
――『2way traffic』(M-2)は唯一全員で、セッションで作曲されたそうですね。
 
黒田「そうです。RAMMELLSはセッションで作ることが少ないというか、この曲だけなんですよ。皆で作り上げた曲という感じです」
 
彦坂「最初ドラムパターンを持っていって、ずっとそれを叩いてる間に、ギターのリフやコード進行のベースがついて、Bメロも作っていって……みたいな。レコーディングのギリギリまで結構いろいろ変えてましたね。あと、ライブ毎に構成をどんどん変えたりもしてます」
 
――そうなんですか。じゃあ最初の頃とは違ったりするんですか?
 
彦坂「最初はもうちょっとストレートでした。途中ふわっとなるゾーンとかもなくて」
 
――この浮遊感気持ちいいですよね。
 
黒田「うん」
 
彦坂「入れて良かったです」
 
――セッションで曲を作っていくのはおもしろかったですか?
 
彦坂「僕は曲を書き慣れてないのもあって、“バンドで曲作る=セッションで作っていく”ものだと思ってたんですよ。だからセッションで作るのは僕は好きです」
 
――他の皆さんはどうですか?
 
真田「僕もRAMMELLSの前はセッションでしか曲が出来なかったんで、家で1人で作るより、セッションの方が慣れてはいます」
 
――人生で最高のギターリフを作れたということですが。
 
真田「今まで作った中では1番気に入ってます」
 
――この『2way traffic』が核だと言いつつも、アルバムタイトルになっているのは『authentic』(M-5)ですね。それは何故ですか?
 
彦坂「いろいろ候補の名前があって、その中で“authentic”は曲のタイトルにもなってるし、響きもいいので候補として挙げてて。意味は“伝統的な”とかもあるんだけど、自分たちにとって正真正銘なアルバムになったと思ったんで、“正真正銘”とか“本物の”という意味です。これでいきたいなと個人的には思ってたんですけど、最初黒田さんはあんまりピンときてなくて」
 
黒田「私は割とギリギリまで、“オーセンティック~?”みたいな感じだったんです。けど、最終的にはこのメンバーが良いと言ってるものなんだから、きっと良いんだろうなと思って」
 
――なるほど、多数決で決まったんですね。
 
全員「(笑)」
 
彦坂「でも曲の『authentic』とアルバムの『Authentic』は意味合いはちょっと変わってくるなと思ってて」
 
――曲の“authentic”はどんな意味ですか?
 
黒田「曲は村山が持ってきたんですけど、元々の仮タイトルが“オーセンティック”だったんです。意味はなかったらしいんですけど、響きだけでつけてて。私は結構、仮タイトルからインスピレーションを受けて歌詞を書くことが多いんですけど、オーセンティックには“本物”とか“正真正銘”という意味があって、そういえば学生時代、“あいつ偽物だからさ”みたいな話をしてる人がいたりして、別に私が言われたわけじゃないんですけど、“なんだよ”って思っちゃって。その時を思い出して書いてます」
 
――黒田さんは身の回りに起こったこと、感じたことを歌詞に書いてらっしゃるんですか?
 
黒田「それでしか書けないです」
 
――なるほど。ちょっと詩的でもあるし、現実的であるようでいてどこか距離感がある感じがするから、重くならずに聴けますね。
 
黒田「ほんとですか、良かった」
 
――棘があるというか、チクっとするような歌詞もあってカッコ良いです。
 
黒田「何かね、尖ってますよね(笑)」
 
――曲順はすんなり決まっていったんですか?
 
彦坂「いや、皆結構バラバラで、何個か一致したりはするんですけど、それもまあ、多数決で。平和主義なんで(笑)」
 
――1番揉めたというか、譲れなかったのは?
 
彦坂「僕はほんとは『CHERRY』(M-6)を最後にしたかったんです」
 
黒田「『daybreak』(M-10)か『CHERRY』かでしたね」
 
彦坂「でも結局、今の曲順になって通して聞いた時は、“あ、良いな”と思いました」
 

 
――『image』を1曲目にされたのは?
 
彦坂「これ、よくライブでも1曲目にやってるんです。“インパクトドーン!”みたいな(笑)。だから『image』が1曲目っていうのは割とすんなり決まって」
 
村山「10曲の中で1番古いというのもあって、1年間の始まり的な感じで頭にしました」
 
 
 
それぞれが違う音楽を聴いてきたことの強み
 
 
――『swim』(M-3)のように、RAMMELLSのいる世代について書かれている曲もありますが、90年世代ってすごくおもしろいなと思っていて。ゆとりと言われてるけど、自分たちで発信していく力がすごく強いし、自己プロデュース力も高いので、全然ゆとりじゃないと思うんですが。ご自身では90年世代についてどう思っていますか?
 
黒田「歌詞にしたくなるほどおもしろいというか」
 
彦坂「多分ゆとりにまだ染まりきってない世代っていうか、まだ昭和感とかも何となく知ってたり、平成と昭和の両方の間で生きてきたのがこの世代だから、ちょっと違うのかなという気もしますね」
 
――新しいものを取り入れつつ、古いものと融合させるのが上手いというか。
 
村山「そうですね。80年代から現在くらいまでJ-POPとかは日々聴いてたり、そういう部分で、良い意味で境目がない感じがします」
 
――ブラックミュージックもRAMMELLSの音楽要素に入っていますが、聴いてらっしゃったんですか?
 
彦坂村山「そうですね」
 
村山「聴く年代が全然違うんですけど、真田はジェームス・ブラウンとかほんとにルーツファンクで、僕らはネオソウルとか新しめで。エリカ・バドゥ以降が好きだったりとか」
 
彦坂「新しいものからどんどん下に掘り下げていく感じで聴いてました」
 
――真田さんは昔から聴いてらっしゃったんですか?
 
真田「そうですね、高校の時から聴いてます。ネオソウルとかも好きですけど、ジャミロクワイとか、その辺の人たちがどこから影響を受けてきたのかを遡ると、ジェームス・ブラウンあたりまでいって、その年代が1番カッコ良かったんで、そこばっかり聴いてました」
 
――黒田さんのルーツ音楽は何ですか?
 
黒田「私は小中学校でJ-POPをずっと聴いてて、the brilliant greenとか、RIP SLYMEとか。で、大学入ってやっと洋楽を聴き始めましたね。あと昔からずっと好きなのは映画音楽。『メリー・ポピンズ』とか『サウンド・オブ・ミュージック』とか好きで、いつか私もそういう曲を作りたいなと思ってて。実は1曲目の『image』とか、割とメリー・ポピンズ感出してるつもりだったんですけど、“わかんない”って皆に言われました(笑)」
 
――私もメリー・ポピンズだとは思わなかったです(笑)。
 
彦坂「ちょっとラップっぽいですよね」
 
黒田「『image』は現実の世界と想像の世界が半々くらいの曲なんですけど、メリー・ポピンズもそういう世界で、そういうのがすごく好きで。基本的に自分の歌詞も、現実と自分の妄想の世界を行ったり来たりしてる感じです」
 
――メンバーから“今こんなの聴いてて”、と勧めあったり、影響を受けたりすることはありますか?
 
黒田「私、結構影響受けますね」
 
彦坂「バンドって、“同じ音楽が好きで集まる”というパターンが多いと思うんですけど、僕らは人が先に集まって、集まってみたら全員違う音楽が好きだった(笑)。なので多分こういう音楽になるのかなっていう」
 
――RAMMELLSの音楽はすごく幅広いですよね。
 
彦坂「そうですね、皆ほんとにバラバラなんで。作曲すると尚更皆の好みが出ますね」
 

 
全曲、一筋縄ではいかない感じがRAMMELLSらしさ
 
 
――『CHERRY』は作詞・作曲を黒田さんと真田さんお2人でされたということですが、どういうふうに作っていかれたんですか?
 
真田「これは僕がトラックだけ先に作って。良いメロディーが乗りそうな曲だったんですけど、なかなか出てこなくて、黒田さんに丸投げして」
 
黒田「で、メロディーが出来てから歌詞をつけました。徹が“歌詞書けた〜”つって、いきなり持ってきて」
 
真田「歌詞は自分で書いたんですけど、何日かしたら全然好きじゃなくなって(笑)」
 
黒田「ほんと? 私良いと思ったけど」
 
真田「で、“ちょっと任せた”って」
 
黒田「そう言ってたけど、私は別に良いと思うから、全く変えるんじゃなくて、ちょっと私目線に変えるぐらいにしようと思ってましたね。だから徹が書いた残ってる言葉もあります」
 
――“CHERRY”という単語は?
 
黒田「メロに乗って最初に勝手に出てきちゃったんですよね。あんまり意味はないです」
 
真田「甘酸っぱさって言ってなかった?」
 
黒田「あ、そうかも」
 
――『slow dance』(M-4)も真田さんの作詞ですが、これが初めてご自分で作詞作曲をされた曲ですか?
 
真田「はい。RAMMELLSでやってる曲の中では作詞は全部初めてです」
 
――歌詞はスッと書ける方ですか?
 
真田「『slow dance』は1時間ぐらいで書けました。でも『CHERRY』とかは何日経っても書けなくて。曲によりますね」
 
――『slow dance』はキャッチーで、BPMが早めなんですけど、タイトルにギャップがあって良いなと。どういうことを歌いたくて書いたんですか?
 
真田「ただキャッチャーなのも嫌だったんで、歌詞で棘を出したいなと思って」
 
黒田「RAMMELLSは全曲、一筋縄ではいかない感じあるよね。性格がそうだからかもしれないですね(笑)」
 
――皆、一筋縄ではいかない性格?(笑)。
 
彦坂「アレンジとかに関してはそうですね。でも歌詞はほぼ秋さん(黒田)だからね」
 
――作曲者から黒田さんに“こういうイメージで歌詞を書いてほしい”というリクエストはあるんですか?
 
黒田「あんまり言われないんですけど、自分から聞きます。ちりぽん(村山)の場合はいつも“特にない”みたいなこと言うから、仮タイトルからイメージ受けたりとか、曲を聴いて最初に感じたインスピレーションとか、あとその時に自分がハマッてることとかを歌詞にしてますね」
 
――村山さん作曲の『playground』(M-8)は、どういうやり取りがされたんですか?
 
村山「これは仮タイトルに飼ってた猫の名前をつけてたんです」
 
黒田「“ピノ”でしょ」
 
村山「そう。柔軟な猫の動きの感じとか仕草を歌に出来たらいいなと思って、猫の動き見ながら作ったりしてて。さらに、ネオソウルとかの音楽性も入れたいなと思って。けどそういう前情報的なのは言わずに“歌詞つけて”って渡しましたね」
 
――じゃあ猫のことは知らずに?
 
黒田「猫飼ってたのは知ってたので、タイトル名でわかりました。いつもだったらそのままタイトルにするんですけど、ピノはタイトルじゃないなあと思って、その時自分が感じてたことを歌詞にしました」
 
――考えさせられる歌詞が多いですよね。
 
黒田「ほんとですか(笑)」
 
――あとベーシストが作っただけあってベースラインがカッコ良い曲だと思いました。そこはやはり意識されて?
 
村山「特に意識はしてなかったです。弾いてて自然にフレーズが出てくるなと思って。自分の曲だからかもしれないですけど。だからちょっと前に出ちゃったのかなっていう感じもありますけど」
 
黒田「ちりぽんが『playground』持って来た時、めちゃ難しくて、再現するの大変だなと思ってたんですけど、でも3人は形にしてて、すごいなあって」
 
真田「楽器が上手いからね」
 
黒田「そうだね(笑)。そんな人たちとバンド組んでるんだなーって思って、すごい楽しくなっちゃって。だから“バンド楽しいな”っていう曲です(笑)」
 
 
 
新しいRAMMELLSを引き出してもらった
 
 
――9曲目の『HERO』(M-9)は、屋敷豪太さんがプロデュースですが、どういう経緯でそうなったんですか?
 
彦坂「これは選曲する会議の時に僕が曲を持って行って、でもアレンジが定まらなくてメンバーもボツにしかけてたんですけど、レーベルの方がすごい気に入って“これは入れた方が良い”と言ってくださって。“1曲だけプロデュースというか、アレンジをお願いしてやってもらうのはどう?”っていう提案をしていただいて、そしたら屋敷豪太さんと言われて。“嘘だろ!?”と思って。僕はもちろん知っていたので、一緒に関わらせてもらえるだけですごく嬉しくて。ちょっと衝撃的でしたね。豪太さんほんとにすごい方で。でも寛大で大らかで。僕らのことも尊重してくださるし、深く音楽を知られてて、そのテイストを入れてくださって。自分たちからは生まれない雰囲気というか、すごく渋い感じになりました」
 
――充実したレコーディングでしたか?
 
彦坂「はい。それぞれのパートが1つのフレーズに徹して、それが合わさってアンサンブルになるというシンプルな難しさがありました。この曲は1日で楽器全部重ねて、歌も録って完パケしたんですけど、その間豪太さんはずっとブースに居てくださって。細かいとこは全然言わずに、僕たちも納得いくまでやらせてもらいました。豪太さんの目の前でドラム叩くとか、おこがましすぎたんですけど。豪太さんも叩いてくださらないかなあと思いつつ、それをお願いすることすらやっぱ無理でしたけど(笑)」
 
――RAMMELLSはプロデュースされたのは初めてですか?
 
彦坂「基本的にはバンドにプロデューサーとかはつけなくて、バンドアレンジも自分で決めるスタンスなので。今回は豪太さんで本当に良かったなって。全部説得力があるし。やっぱり僕らがすごい好きだとか、人物としてカッコ良いと思えないと、作る段階でストレスになっちゃったら意味ないなと思うので」
 
――もしまた誰かにプロデュースされるとなったら、ウェルカムですか?
 
真田「基本的には嫌です」
 
彦坂「彼は特にそうですね。バンドだけで作っていきたいのを守りたいタイプなんで、それもすごいわかるし。だから会う前は多分抵抗あったと思うんです」
 
真田「豪太さんだから良かった」
 
彦坂「最初に打ち合わせで会った時からオーラがすごかったですね。喫茶店で待ってて登場した瞬間にそこだけ画が変わるっていうか。メンバーみんな大好きで、新しいRAMMELLSを引き出していただきました」

 
 
より日常に寄り添える曲が詰まった作品
 
 
――アルバムの中で聴いてほしい曲や、どういう人に届いてほしいなど、ありますか?
 
彦坂「1番好きなのは『authentic』です。トリッキーなリズムではあるんですけど、乗せるギターとかすごいロックですし、展開も変わるし、RAMMELLSらしいなと思うので、こういう癖のある曲が好きな人に聴いてほしいです。アルバムは自分たちらしさがすごく出てるので、ほんとにいろんな人に聴いてほしいなという自信作になりました」
 
村山「今作は結構、自分たちの主観的なところだけじゃなくて、客観的な視線からの意見も取り入れました。多分新たな一面でもあると思うんですけど、その根底的なものの中にはちゃんとRAMMELLSがあって。前作を聴いた人は驚くだろうし、このアルバムから聴いた人も驚いてもらえる作品になってると思うんで、広まればいいなと思ってます」
 
黒田「私は全部思い入れもあるんですけど、『image』ですね。この曲に関しては、昔からやってるのもあって特に思い入れがあります。新しい場所に行ったり何かに挑戦する時、緊張もするし、期待外れだったりすることもあるんだけど、それすらときめいていられたらなという思いで作りました。だからどこかに行く時とか、楽しみをこの曲でちょっとプラス出来たらなって思いがありますね。アルバム全体は前作よりも結構ブルース要素が多いので、より日常に寄り添える曲が多いんじゃないかなと思います。なので、自分の好きなタイミングでいろんな人に聴いてもらえたら嬉しいです」
 
――朝も夜も合いますよね。1日中聴いていても飽きない。
 
真田「大学生とかに聴いてほしいな」
 
黒田「何で何で?」
 
真田「ちゃんとカッコ良い音楽聴いて生きてきた40~50代の人は、もうRAMMELLS好きなんですよ。でも大学生はもしかしたらまだ知らない可能性がある若い子たちだから、早く気づいてほしい」
 
――ライブには40~50代の方もいらっしゃってるんですか?
 
真田「昨日CD買ってくれた人はほぼ40~50代でしたね(笑)」
 
――へー! 
 
真田「大学生の中でも、人と違う音楽をいち早く察知したいみたいな子は聴いてくれてるんじゃないですかね」
 
彦坂「確かに“世間的には知られてないけど、俺知ってるぜ”みたいな人に知られてる傾向があるんです(笑)」
 
――ちょっとニッチなね。
 
彦坂「アルバムをキッカケにたくさんの人に知ってほしいですね」
 
 
 
憧れのメジャーデビュー
 
 
――12月にメジャーデビューということですが、心境はいかがですか?
 
真田「今ってあんまりインディーもメジャーも昔ほど変わんないんですけど、それでもやっぱり気持ちはビシッとなりますね。“メジャー決まった”って電話来た時も、“きた!”って。小さい時からずっと、メジャーっていう言葉の響きというか、憧れはあったので」
 
彦坂「自分たちの世代はやっぱメジャーってすごい特別な響きがします。僕らまだ無名ですし、いろいろ飛び越してはいると思うんです。でも与えてくださったチャンスなんで、すごく頑張りたいです」
 
真田「与えてくださったっていうか、取りにいったんですけどね」
 
全員「(笑)」
 
黒田「でもすごい自然に、たまたま一緒にやってみたいと思える人がメジャーのレーベルだったっていうだけで。すごく良い方だったので、“この人たちとなら楽しいんじゃないか、おもしろいこと出来るんじゃないか”って思えて」
 
彦坂「実際、すごい尊重してくれてますね。メジャー色とかレーベルに染めるとかは全然なくて、“こういう曲あったらいいんじゃない”みたいな、客観的な意見はもちろん取り入れたりはするんですけど、自由にやらせてもらってます」
 
黒田「でも関わってくれる人がどんどん多くなるから、やっぱり背筋は伸びますね」
 
――これから先見えていることや、ビジョンはありますか?
 
彦坂「武道館。大きいところでやりたくて。武道館は最終目標じゃないんですけど、出たいなって。オシャレなとこに出たいとかはそんなにないんですけど、でっかいライブハウスやホールには憧れがあります。どうすか、真田さん」

真田「いいんじゃない」
 
全員「(笑)」
 
彦坂「でっかいとこでやるビジョンはそれぞれ持ってるとは思うので、今は想像してる楽しみと、未知の感じがありますね。」
 
――これからも“最高の音楽を実現”していってください。
 
全員「ありがとうございます!」

 

text by ERI KUBOTA



(2017年12月 6日更新)


Check

Release

“本物”の音楽が詰まった
RAMMELLS会心の
メジャーデビューアルバム!

Album
『Authentic』
12月6日(水)発売 
2500円(税込)
CRCP-40537

<収録曲>
01. image
02. 2way traffic
03. swim
04. slow dance
05. authentic
06. CHERRY
07. AMY
08. playground
09. HERO
10. daybreak

Profile

真田徹(g)が大学時代の先輩である黒田秋子(vo&key)、村山努(b)を誘い2015年8月に結成。2016年、彦坂玄(ds)を迎え、ライブ活動を本格的にスタート。同年インディーズ・リリースしたミニアルバム『natural high』収録曲『Holiday』がハウステンボス『秋の女子旅』のCMに起用。ディーラーやFM局、CMクリエイター界でも話題の存在となる。2017年に入り自主企画『2-way traffic』を開催するなど、RAMMELLSが奏でる本物の“ライブ”が全国各地に飛び火し始めるなか、満を持して12月6日リリース『Authentic』でメジャーデビュー!

RAMMELLS オフィシャルサイト
http://www.rammells.net/