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Awesome City Clubの新たな幕開け
デビューから2年のキャリアをおさめたベストアルバムであり
初の1stフルアルバム『Awesome City Club BEST』完成!
atagi(vo&g)、PORIN(vo&syn)インタビュー

“架空の街Awesome Cityのサウンドトラック”を鳴らすというテーマのもと、2015年にデビューしたAwesome City Club(以下ACC)。8月23日、結成から4年、デビューからわずか2年でベストアルバム『Awesome City Club BEST』をリリースした。実にスピーディで、ベストアルバムとしては異例とも言える。今年1月に発売された『Awesome City Tracks 4』を以って完結したAwesome City Tracksシリーズの集大成。1枚目から4枚目で、“Awesome City”は架空から現実へと変化を遂げた。変化したのは楽曲だけでなく、バンドも同様だった。半年に1枚のペースでコンスタントに作品を創り、様々な試みにも積極的に挑戦してきた。その変幻自在ぶりに驚かされたリスナーも多いだろう。今、ACCは次のステージに進もうとしている。ベストアルバムの1曲目に収録されている新曲『ASAYAKE』からも、その強い意志が明らかに見てとれる。“ベストアルバム”というと、ともすればネガティブに捉えられがちだが、彼らにとっては1stフルアルバムであり、これまでの軌跡とこれからの幕開けが詰まった完成度の高い1枚。とても意味のある作品である。10月からはベストアルバムを引っさげ、『Awesome Talks –Oneman Show 2017 Autumn/Winter -』で全国へ。大阪公演は11月30日(木)、会場は味園ユニバース。ようやく念願叶ったという味園ユニバースへの思い入れも聞くことができた。新たなAwesome City Clubとの邂逅を楽しみに秋を待とう。


変化することが好きなバンド
 

――Awesome City Tracksシリーズが完結するとなって、ベストアルバムまでの流れはどんな感じで決まっていったんですか?
 
PORIN(vo&syn)「新曲は絶対1曲入れたかったので、その制作にはすぐ取りかかったよね」
 
atagi(vo&g)「そう。ベストアルバムを作るっていうこと以前に、4枚目を出した段階でAwesome City Tracksはこれでおしまいやねっていう話は決めてあったんです。『Awesome City Club BEST』を出すのは、その後に出てきた話なんですよ。ずっと半年に一度、出したら作って、出したら作って、とやってきたものを1回テーブルに並べてみたいよね、みたいな話をして。ただ1stフルアルバムと名前をつけて出すよりは、ベストの方が区切りも良いし気持ちも良いな、みたいなところでベストを出そうっていう話になったんだよね。ただ、絶対に新曲は入れたいし、必要かなっていう話はしてました」
 
――ここで一区切りつけるんだという気持ちは大きかったんですか?
 
atagi「そうですね、もうAwesome City Tracksに飽きてましたね(笑)」
 
PORIN「いつやめるかみたいな。『Awesome City Tracks 3』を出す時も、“もういいんじゃない?”みたいな」
 
atagi「飽きてたって言ったらおかしいのかもしれないですけど、新鮮な気持ちで取り組めなくなりそうだなというところで、早めに歯止めかけなあかんみたいな気持ちはあったかもね」
 
PORIN「うん。半年に一度、7曲を絶対リリースするっていうことにすごい縛られてた時期もあったので、ここから1回その縛りをなくして、今ちゃんとやりたいこと、やらなきゃいけないことをじっくり時間かけてやりたいなって」
 
――縛りとして継続的に作っていこうと決めてたものではあったんですね。
 
atagi「新人のバンドって露出がないとすぐに忘れられてしまうし、表現としてのあれこれという話ではなくて、できる限り自分たちが出せ得るハイペースさで、ボリューム感があるものを常に発信していかなきゃいけないって思っていた部分もあって。だから、7曲入りのアルバムを半年に一度出す作業をずーっとやってきたんですけど、ある程度浸透してきてるなっていうのと、Awesome City Tracksは、これまで“僕たちどんなことができるやろう”って探しながらカタログ的に作ってきたもので、ある程度、その精神性で音楽を作らなくなってきたところもあったので。当時と今の環境の違いもあるかなとは思います」
 
――2年と思えないほどの濃密な期間を、どう感じていらっしゃいましたか?
 
atagi「必死って言葉使うとカッコ悪いから使いたくないんですけど、それに近い感じだったなというか。自分たちで決めたコンセプトをちゃんと守りたいっていうところと、四の五の言わずにやらないと、そのペースに間に合わないとか。例えば、アルバムをリリースしたタイミングでは、もう“次のリード曲どうする?”っていう話をしていたりとか」
 
PORIN「うん(笑)」
 
――早いですね(笑)。
 
atagi「他のアーティストの方もひょっとしたらそうなのかもしれないですけど、余裕を持ってあーだこーだするっていう環境ではなかったので、ねえ?」
 
PORIN「うん、余裕は一切なかったですね。もうずーっと駆け抜けてきたって感じですね。で、ようやくこのベストを出せて、一旦立ち止まって振り返るタイミングができたかなって感じです」
 
――シティポップの代表と言われたり、様々な話題を作られたりと、周りからの期待も大きかったのかなと思うのですが、その辺りはいかがですか?
 
atagi「周りの目を気にしてたつもりは、あんまりなかったですね」
 
PORIN「変化することがすごい好きなバンドだから、全然それをプレッシャーと感じないし、楽しんでやれてたなとは思います」
 
――なるほど。変化が好き。今とても納得しました。
 
PORIN「すごい好きですね。だからこんなにいろんな曲があるんだと思う」

 
ベストアルバムであり、初めての1stフルアルバム
 

――ベストアルバムの選曲はどのようにされたんですか?
 
atagi「感覚の話で申し訳ないんですけど、“ちゃんと遠くまで飛んでいってる曲”というものが1つ判断基準としてあって。結果的に言うとたまたまなんですけど、2人で歌ってる曲がやっぱり多かった。基本的には初めましての人に、“僕たちこういうバンドです”ってちゃんと伝わるもの。自分たちのやりたいことや、“こんな面もこんな面もあるんです”というのじゃなくて、1本軸の通っているものをチョイスした感じです」
 
――曲順が最新から古い方へ収録されていて、最後に『Awesome City Tracks』1曲目の『Children』(M-13)に戻っていくのがおもしろいなと思ったんですけど、意図するところはあるんですか?
 
atagi「こういうインタビューとか受けてると、皆さん色々解釈してくださってて嬉しいんですけど(笑)」
 
――実のところは?(笑)
 
atagi「大事な理由が2つあって、1つはどうしても最新曲をド頭に持ってきたかったんですよ。というのは、僕たちが出すベストは、いわゆるオリコントップチャートを走ってる人たちが“遂に出ます、ベスト!”っていうのとは全然違うもので、僕たちとしては初めて出すフルアルバムなんですね。普通はシングルを切って、ミニアルバムを切って、ということを繰り返して、満を持してフルアルバムを出すわけじゃないですか。僕ら今までそういうことをしてないわけですよ。過去に露出した曲を収録することが一度もなかったから、半分は“オーサムのベスト”という解釈。もう半分は、“初めて1stフルアルバムを出した”という認識があるんですね。そういう前提があった上で、ベストとしても1stアルバムとしても、絶対必要なのは何かとなった時に、リード曲だと思ったんですよ。どうしてもそれを1曲目にしたかった。僕たちがこれからやりたいことが最初にあるのが絶対に必要で、じゃないと両方の意味が成り立たないような気がするというか。というのが1つ目の大きな理由。2つ目がもっと現実的な話で、最初の頃に作った曲はやっぱり表現力や音使いが今と比べて荒削りな部分があったり、音のトレンドもその当時、2015年のものやから、今とは全然違うもので、曲順を混ぜこぜにすると、1stの曲が良い感じに聴こえてこないなっていう」
 
――なるほど!
 
atagi「そうなんです。せっかく買って聴いてもらうんやったら、自分たちが1番全曲通して楽しんでもらえるようにって考えると、そうだったんですよね。ほんと音像の聴こえ方が思った以上に違って。4thの曲と3rdの曲の間に、1stの『Children』とか入れて聴いてみたら、何か、全然良くないなって思っちゃって。それって多分、作り手としての違和感があるからで、聴いてる人はそこまで思わないのかもしれないんですけど、僕らとしては気になってしまった」
 
PORIN「声とか歌い方とかニュアンスとか、ほんとに全然違います」
 
atagi「プロデューサーさんも毎回違うんで、音像が結構変わるんですよ」
 
――再録は全く考えなかったんですか?
 
PORIN「はい」
 
――確かに再録だと音像は統一されるけど、ベストアルバムの意味合いが変わる気がするので、この曲順が1番納得です。
 
atagi「そう言ってもらえると嬉しいですね。実際結構悩んだりもしたんで」
 
――あとジャケットがすごくシンプルになってますね。
 
PORIN「シンプルにしました!」
 
atagi「そうなんすよ。SMAPみたいでしょ(笑)。雰囲気ものじゃないものにしようよって、潔さを意識しました」
 
PORIN「7インチの方は、朝焼けをイメージした色を選びましたね」
 
――初回盤に付いている特典DVDの見どころはありますか? 
 
atagi「今までクラウドファンディングのリターンで、ライブの映像作品と副音声を一緒に入れたりしてたんですけど、それをようやく流通盤でやった感じなんですね。僕らから言うと、結構慣れっこっていうか」
 
PORIN「副音声、見どころかもしれない。メンバー5人で映像見ながら喋ってます」
 
atagi「まあ、よくあるやつですけど、何か良いんですよね〜」
 
――私、副音声の方だけ再生する時とかありますよ。
 
atagi「あ、そうそうそう。僕もそれが好きで」
 
PORIN「めっちゃ分かりますそれ」
 
atagi「ああいうのって、何年か後とかに、はたともう1回見たくなる時ありますよね。僕もナンバーガールのラストライブの副音声付きのDVDとか、たまーに見たくなるし。加茂(啓太郎)さんと向井秀徳さんが、適当に缶ビールあけながら喋ってて」
 
PORIN「適当なのがいいですよね」
 
――副音声の良さはそこですよね。
 
PORIN「そうなんですよね。すごい適当ですようちらも」
 
atagi「まあ、1つのコレクターズアイテムかなと思うので、初回限定盤を手にする人が喜んでもらえるかなという想いです」

 
何が起こるか分からない世の中で曲を作る

 
――改めて収録曲を聴き直して、思い出したことはありました?
 
atagi「やっぱりありますね。たった2年間の話なんですけど、その時その時で自分たちの中でターニングポイントになってる曲があって。多分聴いてる人も、どこでオーサムに出会ったとかがあると思うんですよ」
 
PORIN「そう、ヒストリーがちゃんとあるから、いろんな思い出が蘇りやすくなりますね」
 
――特に思い入れのある曲は?
 
PORIN「全曲に思い入れがあるんですけど、やっぱりアルバムごとにターニングポイントがあるなと思ってて。まずデビュー曲の『4月のマーチ』(M-11)は、始まりの曲だし、『アウトサイダー』(M-7)で初めてメッセージ性の強い曲を出したんですよ。そこで披露したフェスのお客さんの反応が今でも忘れられないし、自分たちが開けるキッカケになった曲で。3rdアルバムの『Don’t Think, Feel』(M-5)は、もう一皮むけた曲だし、4thだと『青春の胸騒ぎ』(M-2)が、自分たちにとって新たな扉を開けた感じがしますね」
 


 

 
atagi「毎度リリースしてお客さんの反応を見るっていうのが、新陳代謝の速さじゃないですけど、やっぱりすごい良い経験やったんやろうなーと思いました。それと、さっきの話にもちょっとつながるんですけど、今まで僕ら“満を持して”っていう作品のリリースが全くなかったので、出すまでどうなるか分からへん、みたいなものを出しっ放しで回収せずに作ってたので、それが良くも悪くも紆余曲折を誘ったといいますか。ああでもないこうでもないと思う原因にはなってるんだろうなと思いましたね」
 
――ACCはコンセプトがしっかりしていて、計画的に進めていくバンドというイメージですが、全てが計画通りに進んでいたのか否かというところも気になっていました。
 
atagi「計画通りにいったことの方が少ないと思います(笑)。何て言うんですかね、大きいビジョンで言うと、“こういうことを経てこういうことをやりたくて”っていう計画はやっぱりあるし、それに向かってやっているつもりではあるんですけど、なかなかね。たとえば『Awosome City Tracks』を4まで作って、次ベストアルバムを作って、ってことは全然考えてなかったですね」
 
PORIN「うん、考えてなかった」
 
――そうなんですね。デビュー当時、今のバンドの状況は予想できてました?
 
atagi「できてなかったですね。2年あると何あるか分からないですからね。さすがに自分たちがそこまで思って計画してたとしたら、逆に臨機応変にできてなさすぎやろとも思うし」
 
――なるほど(笑)。
 
atagi「やればやるほど1年後、どういう感性を持って音楽と向き合ってるのかっていうのは、分からないっちゃ分からないですからね。それは何をもって言えるかというと、バンドで言うと曲だと思うんですけど、今200曲ぐらいストックがあって、“じゃあこの曲を卒業ソングの時期に出して”、みたいなものがあったら確かに計画的かなとは思うんですけど、そういうことではないから、今までも結構、やっぱり曲ができるまでどうなるか分からない感じでしたね」
 
PORIN「しかも世の中でさえ何が起きるか分からないじゃないですか。世の中に暮らしてる以上、それに影響を受けて発信してるわけだから、結果的に、計画的にものを作るっていうのはすごく難しいことだなと思いました」
 
 
今までのバンドのセオリーを破りたかった
 
 
――新曲『ASAYAKE』は、皆さんの新しい舞台への決意を感じました。曲ができた経緯と気持ちはどんなものですか?
 

 
atagi「色々候補の曲はあったんですけど、僕らを知ってる人にこそ、新曲がキャリアハイになってると思われたいとか、“やっぱりこうきたか!”みたいな驚きをもって受け取ってほしかったというのもあって、今まで作ったオーサムのセオリーとは、1番離れたものを選びましたね。それがおもしろいと思ったんですけど、冷静になって見てみると、これまでと違う部分って色々あって。今まで夜の歌が多かったけど、朝焼けという朝にかけてのテーマになってるのと、今まで2人で歌ってる歌は必ず恋愛の歌だったのが、ちょっと哲学的な部分について歌った曲になってる。サウンドに関しても、今までは割とクラブミュージックを連想させるものや、ブラックミュージックっぽい影響を受けたことが分かるものが多かったんですけど、今回は音楽的なルーツというよりも、どこかワールドミュージックっぽい、大地を感じるような曲というか、屋内感があんまりないというか」
 
――分かります。歌詞もそうですが、広がっていく感覚がします。特に最後の“笑おう 歌おう 遊べ”という3つの単語が印象的で。
 
atagi「そのフレーズを作っている段階では、少しアンニュイな表現のバージョンとか、曲の雰囲気に流される形の歌詞とか色々候補があったんですけど、やっぱり根底にあるのは、今までにある形を破る、ブレイクスルーすること。“この曲を今年の夏フェスで飛ばさなあかん”、“オーサムのキャリアハイにする”という志を持って作った曲なので、もうちょっと勝負せなあかんみたいなことを、色々協議しまして。結果どうなるかっていうと、すごく歌いやすくなるんですよね」
 
PORIN「そうだね」
 
atagi「要はシンプルですけど、子供が聴いてもはっきりと何て言ってるか分かる歌。それって歌う方はすごく歌いやすいんですよ。だから、そういう意味では良い相乗効果になってるのかなとは思います。まっすぐな歌詞に、自分たちもそのまっすぐにつられて、自然と声が出るみたいな」
 
――音も声も、フェスの海のようなお客さんの上を通っていくのが想像できますね。
 
atagi「うん。ギターのパワーコードで“ガーン!”って弾いたのって、『4月のマーチ』以来かもしれない。2本しか弦鳴らしてないんです。そういうストレートな感じっていうのが、何かおもしろいですね」
 
 
リスナーとひとつなぎになれる音楽を
 

――『ASAYAKE』の“まだ名前のない 無数のエモーションが行く宛を探す”という歌詞からも、今後の構想など、何か既にあるのかなと思っているのですが、どうでしょうか。
 
atagi「具体的にこういう曲を出して、というのはまだ、やっぱり曲ができてからしかできないなという部分はあるんですけど、『ASAYAKE』にしても、積み重ねたものがあるから今までと違うことが映えるし、それが心の機微として出ると思うんですね。だから、今まで培った自分たちのベーシックなものは、いつまでも大事にしてたいなと思うんですよ。こっちにフラフラあっちにフラフラ、っていうバンドでは、ほんとはないはずで、ちゃんと音楽的な土台はあるので、そこを大事にすることを忘れない。その中で、“一体この曲は誰にどういうふうに聴いてもらうのか”ということを、今までよりもっと密に作れると思っているので、そこだけですね。ライブでもそうですけど、もっともっと、聴く人と僕たちがひとつなぎになれるものを探すということですかね」
 
――ひとつなぎになれるもの。
 
atagi「突き放す音楽というのもあると思うんですけど、ライブをやってると、どうやら僕らはそうじゃないんだろうなって。自分たちがそういうのを欲してるというのもあるし、そこにバンドの本質があるんじゃないかなと思います」
 
――PORINさんはこれからやりたいことなど考えてらっしゃいますか?
 
PORIN「近々のことは分からないんですけど、2020年のオリンピックイヤーに自分たちのフェスを大きなステージでやりたいねとは話してるんで、それに向けて頑張っていくと思います」
 
atagi「現状で、すごい青写真として自分たちの目標として掲げてるのは、“幕張メッセでやろうぜ”なんです。カルチャーに基づいたイベントをやりたくて。自分たちのやりたいことだから、それを1番大事にしていくべきだろうと思うんですけど、じゃあ幕張でやる規模感って、どんな人たちに届いていて、どういう立ち振る舞いのバンドであるべきなんだろうということを考えると、本当に自分たちが行きたいビジョンが見えてはいるんですね。やっぱり今のままでは全然足りないというか、追いついてない感じがするんで」
 
――あと3年。“Awesome City”ができ上がるわけですね。
 
atagi「完成したらどうなるんだろう」
 
PORIN「ね。その次どうするんだろう」
 
 
念願の味園ユニバース
 
 
――2020年に向けていく前に、今秋9月にアコースティックツアー、10月からはワンマンツアーが始まります。大阪の会場は味園ユニバースですね。
 
PORIN「味園ユニバース、ずっと出たかったです。対バンでは出たことあるんですけど」
 
atagi「めちゃめちゃ感激したんですよ。東京にはこんなハコないぞと」
 
PORIN「ない」
 
atagi「味園ユニバースって、ディスってるわけじゃないんですけど、ちゃんと下世話な部分もある。何か、おっさんの下心があったんやろうな、みたいな感覚があって、でもそれって僕が好きだったディスコティックの頃を彷彿とさせるというかね、綺麗なだけじゃないっていうのが、またええなーと思っていて」
 
――立地もいいですよね。
 
atagi「そうそうそう。何かクラシックな感じがするというか。上品というよりも、ちゃんとその人たちの生活があったクラシックがあるなっていう。だからずっとそこでやりたいなーっていう話をしてて、今回ようやく」
 
――楽しみですね。どんな感じのツアーになりそうですか?
 
atagi「どのライブでもそうだと思うんですけど、お客さんってその時のバンドの新しい一面を知って、新しい曲や発信を見て、“ああ、これからもついていきます!”と思うわけじゃないですか。基本的にはそうしたいし、何かおもしろい発見を持って帰ってもらえるようにしたいなとは思っています。自分たちがちゃんとやりたい表現で、お客さんと時間を共にできるのが唯一ワンマンなので、だからもうひたすらに、自己満足ならぬ、自バンド満足にしたいなと思っていますね。あとは絶対にお客さんを置き去りにしないように」
 
――ベストを出したから、という気負いや気合いみたいなものは?
 
atagi「結構フラットです。結局多分僕らが思ってるのって、次にどういうことを新しく提供できるかというところだと思うので、それを何にするかなーって今考えてるところですね」
 
――アコースティックツアーもまた違う感じになりそうですね。
 
atagi「アコースティックライブもそうやし、このインタビューが解禁になる頃には終わってるんですけど、『Awesome Talks Vol.7』(8月17日開催@大阪umeda TRAD)も、全部打ち込みだった部分を生音でやってみようという試みなんです。こういう音楽の楽しみ方もあるんやなと自分たちも思ってたいし、聴いてくれる人にも感じてほしいし、そういうチャレンジは常にしてたいなと。だからアコースティックに関してすっごい大げさに言うと、1つの啓蒙活動かもしれないですね。一般のリスナーって、アコースティックアレンジ嫌いじゃないですか」
 
――“ええ~、アコースティック~!?”ってなりますね。

atagi「そうそう。1番聴きたかったあの曲を、“今日は特別にアコースティックバージョンで”って言われたら、ガックリくるじゃないですか(笑)」
 
――“あのBPMで聴きたいのに”って(笑)。
 
atagi「ね(笑)。だから嫌なサプライズになったらあかんなと思うから、最初から“アコースティックライブ”って言ってるわけですけど。でもほんとに音楽好きな人って、元々そういう心づもりで行けば、楽しめると思うんですよ。だから、僕らの音楽が好きな人にも分かってほしいし、そういう耳で聴いてほしいなと思います」
 
――ツアーも今後の活動も、楽しみにしております!

text by 久保田瑛理



(2017年10月 6日更新)


Check

Release

Awesome City Tracksシリーズの
軌跡とこれからの幕開けが提示された
ベストアルバムにして
初の1stフルアルバム!

Album
『Awesome City Club BEST』
発売中 
【初回限定盤】(CD+DVD)
VIZL-1217
4104円(税込)

【通常盤】(CD)
VICL-64824
3024円(税込)

<収録曲>
01. ASAYAKE
02. 青春の胸騒ぎ
03. 今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる
04. Vampire
05. Don’t Think, Feel
06. pray
07. アウトサイダー
08. GOLD
09. Lullaby for TOKYO CITY
10. 涙の上海ナイト
11. 4月のマーチ
12. Lesson
13. Children

Profile

2013年春、それぞれ別のバンドで活動していたatagi(vo&g)、モリシー(g&syn)、マツザカタクミ(b&syn)、ユキエ(ds)により結成。2014年4月、サポートメンバーだったPORIN(vo&syn)が正式加入して現在のメンバーとなる。「架空の街 Awesome Cityのサウンドトラック」をテーマに、テン年代のシティポップをRISOKYOからTOKYOに向けて発信する男女混成5人組。2015年、ビクターエンタテインメント内に設立された新レーベル「CONNECTONE(コネクトーン)」より、第一弾新人としてデビュー。2015年4月8日に1stアルバム『Awesome City Tracks』をリリースし、iTunesロックチャートで1位を獲得するなど話題を呼んだ。デビューからコンスタントに2年間で4枚のアルバムをリリースし、2017年8月23日にはキャリア初となる新曲入りベストアルバム『Awesome City Club BEST』をリリース。クラウドファンディングやVRなど最新のテクノロジーを積極的に駆使した活動が各所から注目を集めている。2017年10月からは全国ワンマンツアー『Awesome Talks –Oneman Show 2017 Autumn/Winter -』がスタート。

Awesome City Club オフィシャルサイト
http://www.awesomecityclub.com/


Live

『Awesome Talks -One Man Show 2017Autumn/Winter-』
【宮城公演】

▼10月28日(土)仙台MACANA
【広島公演】
▼11月2日(木)広島Cave-Be E
【福岡公演】
▼11月3日(金・祝)Fukuoka BEAT STATION
【金沢公演】
11月5日(日)金沢GOLD CREEK
【香川公演】
▼11月12日(日)DIME
【北海道公演】
▼11月19日(日)cube garden
【愛知公演】
▼11月24日(金)ボトムライン

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:342-772
▼11月30日(木) 19:00
味園 ユニバース
オールスタンディング-4000円
(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。12歳以下はチケット購入の上、保護者同伴で入場可。
[問]GREENS■06-6882-1224

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【東京公演】
▼12月6日(水)Zepp DiverCity(TOKYO)
【沖縄公演】
▼12月15日(金)output

『Awesome Talks Acoustic Show 2017』
【北海道公演】

▼11月16日(木)BFHホール

チケット情報はこちら

Pick Up!!

【大阪公演】

『MINAMI WHEEL 2017』
チケット発売中 Pコード:339-897
▼10月9日(月・祝) 14:00
ミナミ・ライブハウス各所
月曜日券-3500円
[出演]I Don’t Like Mondays./AIMI/asayake no ato/新しい学校のリーダーズ/Althea/And Summer Club/umbrella/イエスマン/the equal lights/いつまでもそのテンポで/井上実優/ENTH/Awesome City Club/大山琉杏/踊る!ディスコ室町/オワリカラ/彼女 IN THE DISPLAY/上北健/がらくたロボット/King Gnu/GIZMO/CRAZY WEST MOUNTAIN/Cloque./CRAWLICK/ChroniCloop/GOODWARP/GRAND FAMILY ORCHESTRA/kobore/近藤利樹/サイダーガール/さしすせそズ/THE SKIPPERS/the twenties/THE BOSSS/THE MUSMUS/THE SIXTH LIE/The Gypsies/The denkibran/THE 夏の魔物/THE Hitch Lowke/THE PINBALLS/THE BOYS&GIRLS/She,in the haze/SHE IS SUMMER/Chicago Poodle/しなまゆ/sympathy/ジラフポット/sui sui duck/SPiCYSOL/SPEED OF LIGHTS/THREEOUT/The 3 minutes/瀬川あやか/SEKIRARA/sooogood!/谷川POPゴリラ/DALEN/テジナ/電波少女/戸渡陽太/ドミコ/ナトナキュラ/鳴ル銅鑼/日食なつこ/ネコレクション/脳内リフレイン/浜端ヨウヘイ/ハルカミライ/春ねむり/バウンダリー/バックドロップシンデレラ/BACK LIFT/BimBamBoom/FIVE NEW OLD/FUNKIST/二人目のジャイナ/fula/古澤剛/豚乙女/プププランド/Bentham/Homecomings/ホロ/porehead/ポタリ/POT/Marmalade butcher/ましのみ/マチルダにおねがい/myeahns/Mr.EggPlant/南風とクジラ/みのべありさ/MUTANT MONSTER/MINT mate box/村上紗由里/メランコリック写楽/MONO NO AWARE/mol-74/YAJICO GIRL/有華/Yogee New Waves/LINE wanna be Anchors/ラックライフ/RAMMELLS/リアクション ザ ブッタ/リコチェットマイガール/revenge my LOST/緑黄色社会/リリィ、さよなら。/LOOKLIKE/ReN/ロザリーナ/私の思い出/WATARU/What’serrrrr!!/vivid undress
※6歳以上は有料。BIGCATのみ13:00開場(変更の場合あり)。
【お問合せ】FM802 リスナーセンター info@funky802.com

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【宮城公演】
『ロックのほそ道』

10月28日(土)一般発売 Pコード:345-095
▼12月10日(日) 18:00
SENDAI GIGS
1Fオールスタンディング-5900円 2F指定席-5900円 2F後方スタンディング-5900円
[出演]a flood of circle/Awesome City Club/Spitz/My Hair is Bad
※小学生以上はチケット必要。未就学児童は保護者同伴に限り無料。2F指定席は大人1名につき未就学児童1名まで膝上無料。席が必要な場合はチケット必要。ドリンク代別途必要。出演者変更に伴う払戻し不可。
※チケットは1人4枚まで。
[問]ノースロードミュージック仙台
■022-256-1000

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