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ホーム > インタビュー&レポート > 「新しいことをやりたい!と、攻め過ぎた結果です(笑)」 人気声優の増田俊樹と三澤紗千香も参加! 楽曲×朗読で織り成すリリィ、さよなら。の青春の集大成 『僕らのポラリス』インタビュー&動画コメント


「新しいことをやりたい!と、攻め過ぎた結果です(笑)」
人気声優の増田俊樹と三澤紗千香も参加!
楽曲×朗読で織り成すリリィ、さよなら。の青春の集大成
『僕らのポラリス』インタビュー&動画コメント

 作詞/作曲家であるヒロキのソロプロジェクト“リリィ、さよなら。”が、ミニアルバム『僕らのポラリス』をリリースした。コンセプトアルバムなるものはこの世に数あれど、今作は群を抜いてコンセプチュアル。新曲2曲を含む全6曲それぞれにショートストーリーが展開し、人気声優の増田俊樹と三澤紗千香が担当した朗読を収録している。もちろんその脚本も自身が執筆したもの。元々ストーリー性のある楽曲が魅力の彼だけに、その仕上がりは他にはないものに! この切なくてヒリヒリする作品の源となったものは? そしてリリィ、さよなら。の素顔とは!?



既存の曲にもう一度ショートストーリーを付けることで
全く別の聴き方をしてもらいたい意図がありました
 
 
――今作はとてもユニークなスタイルですね。
 
「実は前作までが3部作で、4枚目はどうする?となって、新しいことをやりたい!と、攻め過ぎた結果です(笑)」
 
――以前からこういった作品を作りたい願望はあったんですか?
 
「朗読までは考えてなかったんですけど、ストーリー性のある歌詞は1stミニアルバムのときから一貫してこだわっていて…というのも僕、BUMP OF CHICKENさんが大好きで、『orbital period』(‘07)というアルバムの初回盤には曲に沿った話の絵本が入っていたんですよね。他にも大塚 愛さんのシングルにもご自身が描かれた絵本が付いていたし、それと同じようにというか、そういう音楽以外の言葉の作品を入れたいなとは思っていました。それが今回は朗読という形になって、1つ夢が叶ったかなと思います」
 
――その朗読の脚本もご自身で書かれて。以前からそういう文章は書いていたんですか?
 
「書いてないですね。スタッフさんにショートストーリーを書いてみたら?って提案していただいて書き始めたんですけど、まさか最終的に声優さんに朗読までしていただいて、ちゃんとパッケージなるとは思ってなくて(笑)。だから、まずひたすらに楽曲に物語を付けて、最初と最後の曲がつながるちょっと長めのものも書いて、脚本ができた後に、それに沿って『僕のポラリス』(M-2)と『卒業前夜』(M-12)を書き下ろした感じで、何か1人タイアップみたいな(笑)。新しいチャレンジでした」
 
――その2曲の新曲以外は、1stミニアルバム『リリィ、さよなら。』(‘15)からの曲ですね。
 
「まずコンセプトが固まっていく中で、既存の曲にもう一度ショートストーリーを付けることで、全く別の聴き方をしてもらいたい意図がありました。選曲についてはいろいろ理由があるんですけど、1つは曲の季節が1曲目の『僕のポラリス』の冬から始まって、春夏秋冬ときて、最後に春で終わるようにと。それがあって、季節感のある4曲でこの曲順にしました。ちょっと時間の流れみたいなものも感じてもらえればいいなと思って。朗読もそうですけど、立体的なアルバムにしたかったんです」
 
 
毎日泣いたり笑ったり、傷だらけの…
自分でもビックリするくらい“青春”だったなって
 
 
――そして朗読部分の脚本は恋愛の話なんですが、テーマを恋愛にしたのは?
 
「主人公の少年が成長していくところも詳しく書きたかったんですけど、ミニアルバムだしいろいろと詰め込み過ぎちゃうとぼんやりしちゃうかなと思って。今回は恋愛短編集=ラブソングということにしました」
 
――でも、『流星ドライブ』は実は恋愛を描いたものではないんですよね?
 
「そうなんですよ。『流星ドライブ』は友達と午前4時に車で江ノ島に行ったエピソードが元になっているんです。でも今回、曲の前に朗読が入ったことで、ラブソングとしてそれまでとは別の聴き方をしてもらえたので、曲が生まれ変わったなと思いますね」
 
――『流星ドライブ』のように詞は実体験が多いんですか?
 
「そうなんです。嵐のような青春を送っていたので(笑)。今作は卒業制作みたいな感覚だったんですけど、改めて昔の曲を振り返ると毎日泣いたり笑ったり、傷だらけの…自分でもビックリするくらい“青春”だったなって。本当にこの1枚が僕の青春の集大成みたい。特に『卒業前夜』を書き下ろすにあたって振り返ることになったんですけど、詞の中にある“嬉しいとか悲しいとか 叫ぶように生きてたこと”とか“嵐のような日々を君と漕ぎ続けた”とかは、1stに入っている曲を表してます。だから、この『卒業前夜』だけは、ちょっと大人になった今の視点になるんですよ」
 
――嵐のような青春ってすごい(笑)。
 
「数年前の話なのに、もう恥ずかしくて恥ずかしくて(笑)。何であんなに楽しかったり悲しかったり浮き沈みして、一生懸命生きられたんだろう? 今は大人になって落ち着いて、当時の感情の起伏とか尖ったところは丸くなって…。それがよかったとも思うし、制作する立場の人間としてはちょっと寂しく感じたりもするし。これでいいのかな?って思うときもあるんですけど、『卒業前夜』を作ったときに、そのときに感じた気持ちを絶えずに歌っていけると思えたので、大丈夫かなって気がしました」
 
――以前とは曲を書くモチベーションが少し変わってきたんですかね?
 
「そうだなあ。今のモチベーション…例えば、以前なら悲しくて悲しくて、誰かに向けて曲を書いていたけど、今は自分という存在をもっと知ってほしいという気持ちで書けるようになったと思います。“曲を書いてないとやってらんねーよ!”から、曲を書かなくても僕は生きていけるけど、やっぱり音楽が好きだから、それで人を感動させたいからって。ちょっと自分のために書けるようになりましたね」
 
――大人の階段を上りましたね。
 
「よかった~(笑)。実は3部作と『僕のポラリス』に出てくる大切な存在の人がいて、大学卒業のタイミングで手紙を書いて渡したんです。いろいろあったけどそのおかげで僕は音楽ができてここまで来れたし、一緒に夢を叶えてくれて感謝しているし、このアルバムを出すことでようやく君との青春で書くべきことの全てが終わったって…今までたくさんの曲を僕にありがとうって伝えました」
 
――切ない。
 
「今、話してて切なくなりました(笑)。でも、今作を作り終えて青春が終わったのは寂しいんですけど、達成感もありますね。走り抜けたなっていう。次のレースに向けて走って行かないといけないからこそ、今からもっと強い気持ちでやっていかないと。1つ僕の人生を区切れる作品にはなったんで、本当に今後も大事にしていきたいですね。こういう朗読の入る変わった形態の作品は、正直、広がるのにより時間がかかりそうだなとは思うけど、僕は絶対に間違ったことをやったとは思ってないので。少しずつでも伝わって、広がってくれたらいいなと思います」
 
 
心はずっと童貞みたいな感じです(笑)。永遠のメンタル童貞(笑)
 
 
――今作は、確かに通常とは違う形態の作品ですが、朗読が入ることでいい意味で曲の中のヒロキさんの色が薄れて、俯瞰で聴くことができるというか、普遍的な要素が増えて多くの人に聴いてもらえるのではと思いました。
 
「そうなんです。朗読のトラックがあることで自分の作品を遠くに見られるという発見があって…リスナーと同じ視点で聴けるようになって、“え、僕の曲こんな感じなんだ!”って思いました(笑)。不思議な体験でした」
 
――朗読パートの脚本もご自身で書いたのだから、今後は今までとは違う俯瞰した視点からも詞が書けそうです。
 
「確かに。今気付きました。僕が今回の脚本を書いたときって、いつも曲を書くときみたいにテーマを決めて、“感動させる歌を、泣ける歌を!”って肩に力が入らずに、“これは脚本だから”って、ちょっと楽な感じで、自分のパーソナルな部分から一歩引いてすんなり書けたんですよね。力の抜き方を脚本を書いたことで覚えた気がします」
 
――でも、再び第2の嵐のような青春がやってきて、ヒロキさん200%の曲を書くことになったりして?(笑)
 
「もうそのときは業界を、“日本中が泣いた!”って言わせますよ(笑)」
 
――でも、本当に恋愛の曲の破壊力はすごいですから(笑)。
 
「アハハ(笑)。僕は結構恋愛の曲をたくさん歌ってきて、ラジオとかで若い子たちから恋愛相談を受けるんです。でもいまだに、女の子からこうされただけで(腕を触れられた仕草をして)、固まっちゃうタイプなんで…。何だろ? 心はずっと童貞みたいな感じです(笑)。永遠のメンタル童貞(笑)。いつ落ち着いた大人の男になれるんだろう?」
 
――(笑)。では最後に、リリースツアーの話も。今作の独特な世界観をライブで表現するのは難しそうですが…。
 
「人気声優さんたちを毎回呼ぶわけにもいかないし(笑)、どうにかいいツアーにできるように善処します…」
 
――声が小さくなってきた(笑)。
 
「いやっ、とにかく! 今作を手に取って聴いてもらうことが前提になるので、まずはそこを頑張りますっ!!」
 
 
Text by 服田昌子
 




ライター服田昌子さんからのオススメ!

「やわらかな物腰とキラキラした笑顔で、包み隠さず懸命に自分の言葉で質問に応じてくれる姿が印象的。ただ、時々フッと目を伏せるのはシャイだからなのか? ミステリアスさも十分でした。今作でも聴かせてくれた、切なさがすご過ぎて2周半して泣き笑いになりそうな世界は、感受性も純真さも人並み外れた彼だからこそ、生み出せたものなのでしょう。そして同行した担当編集さんが帰り道、“以前は多分、かなり…じゃなきゃ、ああはならない(笑)”と思わずつぶやいたように、会う人はみな知らぬうちに彼のことが気になり出し、そのブラックホール的な魅力に引き込まれているに違いありません。本人曰く、今作でひと区切り。今後どんな風に進化するのかも楽しみ。まずは『僕らのポラリス』で、その扉を開けてみてください」

(2017年8月18日更新)


Check

Movie Comment

大阪での執念の観光を語る(笑)
リリィ、さよなら。の動画コメント!

Release

楽曲に基づく短編と交互に魅せる!
世界観広がるコンセプトミニアルバム

Mini Album
『僕らのポラリス』
発売中 1500円(税別)
ビクターミュージックアーツ
VMAN-016

<収録曲>
01. chapter1
02. 僕のポラリス
03. chapter2
04. ハルノユキ from polaris
05. chapter3
06. 流星ドライブ from polaris
07. chapter4
08. きみの匂い from polaris
09. chapter5
10. snow~きみがくれた物語~ from polaris
11. chapter6
12. 卒業前夜

Profile

リリィ、さよなら。…作詞作曲家でもあるヒロキ(vo&g,p,vl)のソロプロジェクトとして’13年より活動を開始。同年11月に『約束』を、’14年1月には『ナイト・トレイン』を配信。同7~10月に放送されたテレビ朝日系『musicるTV』内のコーナーにて音楽作家塾に出演。そのときに提供した『EBiDAY EBiNAI』が超特急のシングルとして11月に発売され作家デビュー。’15年2月には1stミニアルバム『リリィ、さよなら。』をリリースし、CDデビュー。同10月にリリースした2ndミニアルバム『ハッピーエンドで会いましょう』のリードトラック『フラッシュバック』が、“2015年度首都圏ラジオ7局スーパープッシュ!”に選ばれ、大量オンエアされる。’16年3月より3ヵ月連続で配信リリースを果たし、6月には3rdミニアルバム『どうして君は世界で一人』をリリース。同作を引っ提げたツアーは大阪、地元・熊本、東京の全公演がソールドアウトとなり注目を集める。“セカンド思春期”をコンセプトにした、等身大でリアリティ溢れる私小説のような詞の世界観は、聴く者の心をえぐる。’17年6月21日には、最新作となるコンセプトミニアルバム『僕らのポラリス』をリリースした。

リリィ、さよなら。 オフィシャルサイト
http://lilysayonara.com/

Live

リリースツアー対バンシリーズを終え
ワンマンで大阪へ! ミナホも出演決定

 
『“僕らのポラリス”TOUR 2017』

【宮城公演】
▼7月29日(土)LIVE HOUSE enn 2nd
[共演]Goodbye holiday/tiptop
【熊本公演】
▼8月5日(土)熊本B.9 V2
[共演]ユアネス
【福岡公演】
▼8月6日(日)INSA
[共演]石崎ひゅーい


【愛知公演】
チケット発売中
▼8月18日(金)18:00
スペードボックス
全自由席3000円
[共演]群青のスピカ
サンデーフォークプロモーション■052(320)9100
※未就学児童は入場不可。

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード329-086
▼8月19日(土)17:30
心斎橋JANUS
自由席3500円
GREENS■06(6882)1224
※未就学児童は入場不可。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

 
【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼8月22日(火)18:00
Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
全席指定3500円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999
※未就学児童は入場不可。
 

Pick Up!!

【大阪公演】

一般発売9月2日(土)
Pコード339-897
▼10月9日(月・祝)14:00
ミナミ・ライブハウス各所
各1日券3500円
[出演]I Don't Like Mondays./AIMI/asayake no ato/新しい学校のリーダーズ/Althea/And Summer Club/umbrella/イエスマン/the equal lights/いつまでもそのテンポで/井上実優/ENTH/Awesome City Club/大山琉杏/踊る!ディスコ室町/オワリカラ/彼女 IN THE DISPLAY/上北健/がらくたロボット/King Gnu/GIZMO/CRAZY WEST MOUNTAIN/Cloque./CRAWLICK/ChroniCloop/GOODWARP/GRAND FAMILY ORCHESTRA/kobore/近藤利樹/サイダーガール/さしすせそズ/THE SKIPPERS/the twenties/THE BOSSS/THE MUSMUS/THE SIXTH LIE/The Gypsies/The denkibran/THE 夏の魔物/THE Hitch Lowke/THE PINBALLS/THE BOYS&GIRLS/She, in the haze/SHE IS SUMMER/Chicago Poodle/しなまゆ/sympathy/ジラフポット/sui sui duck/SPiCYSOL/SPEED OF LIGHTS/THREEOUT/The 3 minutes/瀬川あやか/SEKIRARA/sooogood!/谷川POPゴリラ/DALEN/テジナ/電波少女/戸渡陽太/ドミコ/ナトナキュラ/鳴ル銅鑼/日食なつこ/ネコレクション/脳内リフレイン/浜端ヨウヘイ/ハルカミライ/春ねむり/バウンダリー/バックドロップシンデレラ/BACK LIFT/BimBamBoom/FIVE NEW OLD/FUNKIST/二人目のジャイナ/fula/古澤剛/豚乙女/プププランド/Bentham/Homecomings/ホロ/Porehead/ポタリ/POT/Marmalade butcher/ましのみ/マチルダにおねがい/myeahns/Mr.EggPlant/南風とクジラ/みのべありさ/MUTANT MONSTER/MINT mate box/村上紗由里/メランコリック写楽/MONO NO AWARE/mol-74/YAJICO GIRL/有華/LINE wanna be Anchors/ラックライフ/RAMMELLS/リアクション ザ ブッタ/リコチェットマイガール/revenge my LOST/緑黄色社会/リリィ、さよなら。/LOOKLIKE/ReN/ロザリーナ/私の思い出/WATARU/What'serrrrr!!(ex. 膝の皿ジャック)/vivid undress/他
FM802 リスナーセンター info@funky802.com
※6歳以上は有料。