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「これがありのままで、肩の力を抜いた本来のSPiCYSOLの味」
バンドの危機を乗り越え大胆進化したシティでサーフな初アルバムを
リリースツアー東名阪ワンマンを前に語る!
『SIGNAL』インタビュー&動画コメント

 “Surf Beat Music”を掲げ、洋楽フレイバー香る洗練された独自のスタイルを打ち出してきたSPiCYSOL。先頃リリースされた1stフルアルバム『SIGNAL』では、新たにシティポップとサーフミュージックが融合するかのような新世代ハイブリッドバンドへと進化。タイトルが表すように異なる色(=ジャンル)が共存する、まさに信号のような1枚となっている。昨年は「乗り越えるべきものがたくさんあった」と語るKENNY(vo&g)に、熱さや背中を押すメッセージを含みつつ、押し付けがましさのない自然体のやわらかさ、メロウな感触が抜群に心地よい最新作に至るまでの経緯と、現在の想いを聞いた。

 
 
心のシグナルが完全に赤だったのが
青になった瞬間を描き出そうと思って作ったのが今回のアルバム
 
 
――昨年は、結成時からのメンバーの編成にも変動がありましたね。
 
「それが、かなり大きくて…実はフルアルバムを出す前にちょっと活動休止しようかっていう話もしていたぐらいで。曲作りはほぼ一貫して僕がやっているので、一時は全く作る気にもならなくて。“全然SPiCYSOL(=太陽)じゃねえじゃん!”っていう感じになっていたんですけど(笑)、そう名乗っている限り、やっぱり暗くなっている場合じゃないなって。そこで、もう1回みんなで頑張ろうよって一致団結したんです。それこそ心のシグナルが完全に赤だったのが、青になった瞬間を描き出そうと思って作ったのが今回のアルバムなので、タイトルも『SIGNAL』になって」
 
――対外的なことで何か転機になった要因はあります?
 
「バンドを結成してからいろんなミュージシャンと共演させてもらって、フェスなんかで同じステージに上がったときに、自分たちの小ささを感じてしまって…実力不足を痛感してしまったというか。まだまだ、自分たちが目指すゴールまでの道のりは長いなと。『SUMMER SONIC』に出ていたアリアナ・グランデやファレル・ウィリアムスとか、日本で言えばサザンオールスターズ、Mr.Childrenとか、大先輩は一生先輩だと思うんですけど。でもまぁ、悩んでいてもしょうがないし、楽観的過ぎると言われればそれまでなんですけど、僕ららしくやっていこうと」
 
――そういう姿勢は今作にも表れているのでは?
 
「そうですね。今作はアーバンな要素をプラスしていて、それが今回の『SIGNAL』というアルバムのカラーになった感じですね。今までの2枚ミニアルバムはどこかで“みんなに聴いてもらおう”という想いが強くて、逆に背伸びしちゃってたような気がして。これがありのままで、肩の力を抜いた本来のSPiCYSOLの味だと思います」
 
――“SIGNAL”というキーワードがアルバムの構成にも反映されているんですか?
 
「今回は赤、黄、青という感じで、曲順で信号を表したかったんです。あと、『Park』(M-4)と『Ocean』(M-10)っていうインタールードは信号の変わる瞬間にはなくてはならない2曲かなって。信号が変わるときの休符というか、隙間がある気がしていて。そうやって曲を聴いていくと、色は違うんですけど1つにまとまっていると思います」
 
――後半は背中を押されるようなメッセージも感じつつ、押し付けがましさがないですよね。優しく背中を押してくれて、前向きな気持ちにさせてくれるというか…KENNYさんのボーカルの特性もあってすごく自然に入ってきます。
 
「今作では一貫して、“ラフ”とか“ありのまま”というテーマが基本にあって。今まではみんなに聴いてもらおうとしていた曲や歌詞だったけど、今回はかなり自由な感覚で書いていったので。特に『EXA SCALE』(M-7)とか『No Time No Reason』(M-8)なんかは、ただただ僕の書きたいように書きました。そういうはけ口があったからこそ、ちょっとした応援ソングで本音が書けたというか。“みんな聴いてよ!”と言うよりは、“こういうマインドってあるじゃん!?”っていう感じで、それがみんなに響いてくれればいいかなって」
 
――そうやって曲にしながら、KENNYさん自身の意識もどんどんポジティブに変化していったと?
 
「そうですね、赤から青にどんどん変わっていった感じでしたね」
 
 
ここからめちゃくちゃ化けてやろうと沸々と燃えているので
 
 
――そんなアルバムの中で核になる曲は?
 


「『Honey Flavor』(M-1)で、これが今回一番やりたかったスタイルですね。この曲は特に歌詞にこだわっていて、今までは耳心地がよくて洋楽風に聴こえるような日本語で書いていたんですけど、今回は大好きなJ-POPレジェンドたちへの敬意を込めていて。特に山下達郎さんのような…歌詞だけを読んでも面白い作品にしたいなと思いました」
 
――Sowelu さんとJAZEE MINORさんが参加している『You Find Me, I Find You ft.Sowelu & JAZEE MINOR 』(M-6)はどういう経緯で生まれた曲ですか?
 
「元々2人とも友達で、2人の声も好きだったので、今作のサウンドに合っているなと思って参加してもらって」
 


――『Sex On Fire』(M-3)はタイトルから大胆です(笑)。
 
「これも自分たちがやりたかった新しいタイプの曲ですね。SEXって別に恥ずかしいものでもないのに、今の日本では何かビビっているというか…僕らが、“今回のリード曲はコレです!”って差し出して、“すいません、オンエアしにくいです(笑)”って言われても、全然いいじゃん!っていうつもりで書きました(笑)」
 
――アルバムの全体的な感触としてはメロウというか、独特なやわらかさがありますね。
 
「それは僕のライフスタイルと直結しているからかな。“この曲はこんなときに聴いてほしい”と思ったら、自分もそういうシチュエーションにいるようにしていて。例えば、ひと休みしたいときに聴いてほしいなら、ひと休みして作ってみよう…みたいな。だから、全体的にメロウなフィルターがかかっているのかも」
 
――そんなアルバムに伴う全国ツアーも、心地よい気分になれそうでとっても楽しみです。
 
「今作は心地よいサウンドもあれば、メッセージソングやフィーチャリングもありっていう感じで、バラバラな色が1つにまとまって、我ながら“でかした!”みたいな(笑)自信作になったので、ライブに足を運んでくれた人に音源以上の感動を届けたいです! それが今回のツアーのビックテーマですね。僕らは生の大切さを体現できるミュージシャンでありたいし、その一歩になるツアーになればいいなと思います。ここからめちゃくちゃ化けてやろうと沸々と燃えているので、期待していてください!」
 
 
Text by エイミー野中



ライター・エイミー野中さんからのオススメ!
 
「前回はメンバー全員に話を聞きましたが、今回はボーカルのKENNY単独のインタビュー。以前のアフロっぽい髪型がすっかり短くなり、だいぶ風貌も変わっていて、ちょっとビックリ…。でも、この1年でバンドとしていろんなことを乗り越えてきたんだなって、じんわりと伝わってきました。そこにいるだけで独特のやわらかさがあって、感情のひだに染み込むような優しさとセクシーさを醸し出すKENNYのボーカル。初めて至近距離でライブを観たとき、“ヤバイ…”と思いました。熱く盛り上がるというより、一緒に溶け合いたいと思わせてくれる心地よさ。適度にザラついたロック感がありつつ、メロウな感触もあって。この新世代のハイブリッドサウンドは、やっぱりライブが似合います!」

(2017年6月21日更新)


Check

Movie Comment

見た目もファンキー!
KENNY(vo&g)からの動画コメント

Release

代表曲も進化もしっかり収めた
グッドヴァイブな初アルバム!

Album
『SIGNAL』
発売中 2500円(税別)
RX-RECORDS/UK.PROJECT
RX-129

<収録曲>
01. Honey Flavor
02. LOCAL BEAT
03. Sex On Fire
04. Park -Interlude-
05. WDTA(Shut Up)
06. You Find Me,I Find You
  ft.Sowelu&JAZEE MINOR
07. EXA SCALE
08. No Time No Reason
09. New Day
10. Ocean -Interlude-
11. Rising Sun
12. Signal
13. Coral

Profile

スパイシーソル…写真左より、AKUN(g)、KENNY(vo&g)、KAZUMA(ds)、PETE(tp&key)。’13年8月、結成。’14年4月に1stデモ『Around The World/PABUK』を発表。6月には『RO69JACK 2014』で入賞し、7月には音霊SEA STUDIOに出演。’15年5月、ミニアルバム『To the C』をリリース。7月にはレコ発ワンマン『波MACHI ONE MAN LIVE 2015 summer』を開催し、大成功を収める。同年夏には『TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIAL 2015』『SUMMER SONIC 2015』『TREASURE05X 2015』『UKFC on the Road 2015』など各地大型イベントへ出演。11月に自主企画イベント『波MACHI vol.3』を、12月にはワンマンライブ『SPiCYSOL Chill Style One Man Live』を開催。’16年2月には、バンド名にあるSOL=太陽をテーマとしたシングル『Rising Sun』を、6月には2ndミニアルバム『Tropical Girl』をリリース。初のワンマンツアーとなる『波MACHI ONE MAN TOUR 〜いっちょやってやりますか!!!〜』を東名阪にて開催し大盛況のうちに終了する。7月にはKENNYの出身地でもある北海道にて『JOIN ALIVE 2016』に出演。8月には、ニューヨークのレゲエバンド、ブラウン・ライス・ファミリーのジャパンツアー東名阪4公演に帯同。この夏も『WILD BUNCH FEST. 2016』『TREASURE05X 2016』『UKFC on the Road 2016』など各地大型イベントへ出演。9月には、HY+BIGMAMAによる『Synchronicity Tour 2016』のZepp Nagoya、Zepp Namba公演にO.A.として出演。’17年5月10日には、1stフルアルバム『SIGNAL』をリリース。全国ツアー『SPiCYSOL Tour 2017 “FIRST SIGNAL”』が5月27日からスタート。

SPiCYSOL オフィシャルサイト
https://spicysol.com/

Live

リリースツアーも残すは東名阪
大阪ワンマンが間もなく開催へ!

 
『SPiCYSOL Tour 2017 “ FIRST SIGNAL”』

【北海道公演】
▼5月27日(土)BESSIE HALL
[共演]A.F.R.O
【広島公演】
▼6月10日(土)HIROSHIMA BACK BEAT
【福岡公演】
▼6月11日(日)DRUM SON
【宮城公演】
▼6月17日(土)LIVE HOUSE enn 2nd
[共演]Goodies
【新潟公演】
▼6月18日(日)新潟CLUB RIVERST
[共演]Goodies


【愛知公演】
チケット発売中 Pコード327-659
▼6月24日(土)18:00
ell.SIZE
オールスタンディング2800円
サンデーフォークプロモーション■052(320)9100
※小学生以上有料。未就学児童は入場不可。

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Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード327-551
▼6月25日(日)18:00
LIVE HOUSE Pangea
オールスタンディング2800円
GREENS■06(6882)1224
※未就学児童は入場不可。
小学生以上は有料。

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【東京公演】
チケット発売中 Pコード329-024
▼7月2日(日)18:00
UNIT
スタンディング2800円
[ゲスト]Sowelu/JAZEE MINOR
Livemasters Inc.■03(6379)4744
※未就学児童は入場不可。
小学生以上はチケット必要。

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Column

“Surf Beat Music”を掲げる
SPiCYSOLが多様なジャンルを
昇華させた『Tropical Girl』!!
バンドの成り立ちから
新作の聴きどころまで語る
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