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「僕らのせいなんですよ、みんなが幸せになれなかったら」
ラックライフの12年と覚悟と出会ってきた全ての顔が導いた
『Life is beautiful』な音楽人生を語る!
PON(vo&g)インタビュー&動画コメント

 『Life is beautiful』というどこかで聞いた言葉を、あなたは心から言えるだろうか? 人生そんなに甘くない? どうにもならないこともある? ともすれば綺麗事にも写るそんなタイトルを掲げたラックライフのニューアルバムを聴いていると、このバンドがそう言い放つまでに掛けてきた12年という途方もない時間が、彼らが全国各地で出会ってきた顔を思い浮かべ言葉にした想いが、それを乗せるグッドメロディと共鳴しながら前進していくようなバンドサウンドが、否応なく胸を震わせる。今作を携え、恒例の主催イベント『『GOOD LUCK 2017』~9th Anniversary & Album Release Party~』をなんばHatchにて開催後、彼らはまた長い旅に出る。そして、旅の終着点は、地元大阪・梅田クラブクアトロ。「僕らのせいなんですよ、みんなが幸せになれなかったら」。そこまで背負う愛すべきバカがどこにいる――!? 今はもう会えないあの人も、ずっと傍にいてくれたあいつも、ここから一緒に歩いていくあなたも連れて行く、『Life is beautiful』な心境にたどり着くまでの心の旅路を、PON(vo&g)が語る。

 
 
ちゃんと出会うべき人と出会って、失うものはやっぱり失って…
思ったよりちゃんと人生を生きてきたなぁって、改めて思えた
 
 
――メジャーデビュー時の取材がだいぶ前に感じるぐらい、去年は精力的に動きましたね。
 
「駆け抜けましたよね。もう馬車馬でした、マジで(笑)。こんなに早いペースで曲を作ったのも初めてやったんで、やりゃできるもんやなって。やっぱりケツ叩かれて何ぼやわって思いましたねぇ(笑)」
 
――追い込まれて自分らしくなくなるというより、プラスのエネルギーに変えられたと。
 
「もちろん、12年ぐらいバンドをやってきて一番しんどい年ではありましたけど(笑)、楽しいことも一番多かった1年やったんちゃうかなぁって。何やかんやライブもたくさんやらせてもらえたし、これだけリリースを立て続けにすることもなかったので。いろんな人に出会いながら、“これがメジャーデビューか”みたいなことを肌で感じて。このアルバム『Life is beautiful』もめっちゃ自由にやらせてもらったし、3枚目のシングル(TVアニメ『文豪ストレイドッグス』第2クールエンディング主題歌)『風が吹く街』(M-7)も、オーダーも何もな任せてくれてすごく光栄なんですけど、ちょっと言ってくれた方がやりやすいのはあるけどなぁ~とか思いながら(笑)、ドキドキしながら書いてました。去年はめっちゃ楽しかったですね」
 
――『Life is beautiful』っていうタイトルは、堕ちてるヤツには付けられへんからね(笑)。
 
「アハハハハ!(笑) 大っきなスピーカーでこの13曲を聴いたとき、何かシンプルに感動したんですよね。いろんなことを思い出せたんですよ。この曲はこの場面を思ってとか、この曲を歌ってるときにこんなことがあってとか、ライブの風景やったりも含めて、そういうことを1つ1つちゃんと形にできたなぁって。フラフラふわふわしながら生きてきたと思ってたけど、こうやって曲を聴いてみたらちゃんと出会うべき人と出会って、やるべきことをちゃんとやれて、失うものはやっぱり失って…思ったよりちゃんと人生を生きてきたなぁって、改めて思えたというか」
 
――自分が書いた曲たちに、自分の人生のOKを出された感じというか。そう思えるっていうことは、やっぱり13曲に完全に人生が入ってるからやろうね。
 
「完全ノンフィクションでお届けなんで(笑)。すごく思い入れのあるアルバムになりました」
 
 
『サニーデイ』『君の匂い』『赤い糸』は
自分でも“やったった感”があるというか(笑)
 
 
――今作は曲を書きためていく中で全貌が見えてきたみたいやけど、軸になった曲はある?
 
「去年の夏ぐらいからちょっとずつ録り始めてて、テーマなく書いたからこそ、こいつらをどうひとくくりにして、どういうバランスで聴いてもらおうかと考えて。最後にリード曲候補として作ったのが、『サニーデイ』(M-1)『君の匂い』(M-6)『赤い糸』(M-12)なんですよ。方向性もバラバラなんですけど、こんな3曲を同時に作れるなんて俺、すげぇ!って思いましたけど(笑)」
 
――PONくんって出来上がるまで1曲で完遂するの? 割と同時に何曲も走らせる?
 
「やっぱり日によって進む曲が違うんですよ。1曲だけやと頑張り続けるしかないんですけど、できへんのに書くのはイヤなんですよね。だから気分が乗った曲を進めるんで、同時に違うタイプの曲ができることも結構多くて。この3曲は自分でも“やったった感”があるというか(笑)、ちゃんと想いも込められてるし、きっとこのアルバムの中でも特に大事な曲になるんやろうなって思いながら作ってましたね」
 
――『君の匂い』は去年亡くなった飼い猫“にゃあちゃん”に喚起されて生まれた曲だと。ペットってさ、例えば自己嫌悪に陥って家に帰ってきても、いつもと変わらずスッと寄ってきてくれて、こんなにダメな自分なのに好きでいてくれて…とか思うことあるよね(笑)。
 
「アハハ!(笑) 愛おしいっすよね。空気を読まないんですよ。それに救われることがすごくあったので。人じゃそうはならへん。空気を読んじゃうし、気を使っちゃう。どんなときでも、いい意味で振り回してくれるというか」
 
――『赤い糸』はデビュー以降、北海道でラジオのレギュラーを3ヵ月やったことで感じた想いが曲になったと。
 
「そうなんですよ。キャンペーンやレコーディングをしてる中、北海道に行っても5時間ぐらいしかおられへんこともあったし、肉体的には結構ハードだったんですけど、それ以上に楽し過ぎて。みんなからの手紙を読んで喋るのも楽しかったけど、そういうやりとりをしてた人たちの顔を実際にライブで見たときに、“うわ、ホンマに実在してた!”みたいな…改めて目の前にいてくれることに感動して。そうやって聴いてくれて足を運んでくれる人はきっと僅かやろうし、もっとたくさんの人が受け取ってくれてると思ったら、自分が歌うことの“重み”をすごく感じて。ずっとそうやってつながっていられたらいいなと思いながら書いて…ある意味ラブソングですよね、完全に」
 
――だって、大阪の北摂に住んでて、北海道に行くことなんてあんまりないもんね。
 
「ホンマ縁も所縁もないから(笑)最初は余計に不安やったし。でも、ラジオっていう1つのつながりの力でほぼ広がっていったんで。ライブハウスとはまた違ったつながり方を改めて目の前にして、すげぇなっていう」
 
――あと、この曲はピアノから作ったと。
 
「行き詰まり過ぎてトチ狂って(笑)、スタジオで“もうアコギじゃ無理やぁ~”って思って、とりあえずCを押さえて適当に弾きながら3分ぐらいメロディラインを考えてたら、“お!  このラインは今までなかったかも”みたいに、ピアノで突破口を開いたというか。それをまたギターに置き替えて」
 
――実はちょっとピアノも弾けるんですよ、じゃ。
 
「全然ないっす!(笑) いつもは家の中で2時間弾いてダメやったら家の裏の川に行って2時間弾いて。それでもダメやったら高槻ラズベリーに行って2時間弾いて、ダメやったらまた川に戻って(笑)。さらにダメやったら茨木のジャックライオンまでチャリンコで行ってスタジオに入って、みたいな。環境を変えていろんな音を試しながら」
 
――家→川→ライブハウス→川→ライブハウス→スタジオ、みたいな(笑)。楽しんでやれてた1年とは言え、書けないときは書けなかったんやね。
 
「そうですね。そのときはホンマに地獄の苦しみですけど。けどまあ振り返ってみて、この曲ができたなら全然報われてるわ俺、みたいなね」
 



ただ無責任に人を励ますことは今までもしてきたけど
こっちがちゃんと“幸せにするよ”とは歌ってこなかったかもしれへんなって
 
 
――もう1曲核となるのがリード曲の『サニーデイ』で、言わばタイトル曲みたいなもんやね。“全肯定”感じゃないけど、PONくんの人生の捉え方というか。
 
「フフフ(笑)。“PONの看板フレーズ”じゃないですけど、それぐらいの気持ちを改めて歌にしようと思いながら。『風が吹く街』のキャンペーンのときに、“みんなに幸せになってほしい”って言ったのが自分でも何か頭に残ってて、“何でそういうことを言ったらサブいと思われるんやろう?”みたいな。別に誰かにそう言われたわけじゃないですけど(笑)、何をしてもすぐSNSがそうなりがちな光景にちょっとモヤモヤしてた時期で。考えるのもアホらしいから、じゃあそれを歌にしようと。でも、めっちゃ勇気は要りましたね。この曲で言ってることって、結構アホみたいなことじゃないですか?(笑) 特に2番の最後の、“みんながみんな幸せになれるように/歌うのさ”っていうフレーズがすごく勇気が要って。1番の“みんながみんな幸せにならなくちゃな”はまだいいんですよ。ならないかもしれないし、多少他人事やし(笑)。でも、この2番で“歌う”のは僕じゃないですか」
 
――そうやね。日々を生きるサラリーマンじゃないし、OLでもないし、“歌う”って言ってもーてるからね(笑)。
 
「そうなんですよ。これ、僕しかいないんですよ。だから僕らのせいなんですよ、みんなが幸せになれなかったらっていう責任が生まれてくるじゃないですか(笑)。ただ無責任に人を励ますことは今までもしてきたけど、こっちがちゃんと“幸せにするよ”とは歌ってこなかったかもしれへんなって。責任感がすごく要るなぁって思いながら作って、大丈夫かなぁって思いながら歌ってみたら、全然大丈夫でした。胸を張って歌えるし、ここが自分でも一番好きなフレーズになりつつあるし」
 
――かつてPONくんは、“言葉に重みがないね”と言われてショックを受けたことがあったみたいやけど、同じことを歌っても、そこに説得力がある人間になったかどうかもあるなって。例えば、5年前のPONくんが歌ったなら、もしかしたら揚げ足を取られたり、“ホントにできんのかよ”とか言われたかもしれないけど、今のPONくんが自信を持って歌えて、周りがそれを信じられるのは、やっぱりラックライフが、PONくんが歩んできた人生ありきかなって。
 
「いや~ありがたいっす! ありがとうございます!」
 
――だから、歌ってることが変わらなくても響きが変わるのは、やっぱりその人の生き様で。それをこの曲に関してはすごく感じました。“引き受けた”感じがする。書いてるときから“この3曲が核やな”って感じた?
 


「多分最初に『君の匂い』のテーマが見付かったんですよ。これを“にゃあちゃん”の歌にしようと思ったとき、同時進行の3曲がやっぱりそれと同じ重さになってくるんですよ」
 
――なるほど。曲が曲に引っ張られるというか。
 
「そうなんですよ。“あの曲はこんなに大きな気持ちを詰め込もうとしてるのに”って思ったとき、こっちの曲でもそれに見合った重さのテーマを探してしまうというか…やっぱり同時進行の曲で優劣が付くのはイヤじゃないですか。どれもカッコいい曲にしたいなぁって思いながら書いてましたね」
 
――にゃあちゃん、すげぇ置き土産していったやん。
 
「そうっすよ! ホンマに。この曲、母ちゃん聴いて泣いてんちゃうかな?って思う(笑)」
 
――泣くね。いい曲やもん、『君の匂い』。
 
「この曲はまだキツイっすね。この前も横浜のインストアで思っくそ泣きながら歌って(笑)」
 
――お客さんを感動させる前にお前が泣いとんのかーい!って(笑)。どんどん自分の人生を書いていって、どの曲にも誰かの顔が浮かぶ。そしたらもう泣き続けるしかない(笑)。
 
「いやホンマにね、曲ってこんなに想いが膨らむんやって思うし、ツアーの最初と最後で曲の顔も全然変わるじゃないですか。この現象って何? こんなに美しいことある? みたいなことを思いながらいつも歌ってますね」
 
――『風が吹く街』なんかはまさにで、ライブで歌っていく中で悲しみと喜びの配分が逆転していったと。
 
「はい。最初はホンマにお客さんがポカーンってするぐらい想いを込め過ぎて、どう受け取っていいか分からないぐらいの雰囲気やったのが、だんだん優しく歌えるようになってきたというか…その変化は自分でしか感じることができないじゃないですか。それがもう、めちゃめちゃお得な人生やなって思いました。こんな幸せなことないわって思いながらツアーをやってましたね」
 
――歌詞には“何度も思い出しては/心で繰り返してる/その度力になる”とあるけど、繰り返し思い出せる風景や顔があることは本当に幸せで。
 
「歌ってても、ちゃんと忘れてない自分が嬉しくなったし、絶対に忘れるわけないんやって思えたし。一緒に歌えへんくなったこととかは悲しいけど、今こうやって一緒にいてくれる人たちを見せたいぐらいの気持ちになれたというか。あなたが言ってくれた言葉があったから、今こうやってみんなと幸せにできてる。感謝の歌になりましたね」
 
 
全員友達やったらヤバいじゃないですか?(笑)
 
 
――今作におけるメンバーたちはどんな様子やった?
 
「メンバーもこだわりが強くなってきてるのもあって、俺が思ってるのと全然違う方向性にされたりもするし(笑)。でも、それがいいふうに転がることもあって、『赤い糸』も元々はバラードやったんですけど」
 
――そうやんね? 俺、曲の内容の割にはアップテンポなんやな~って思ったもん(笑)。
 
「しかもめちゃめちゃ速いですからね(笑)。最初はバラードの気持ちで弾き語りで作っていったら、“バンバンバンバンッ!”ってドラムを叩かれて、“えぇ~っ!? マジかぁ~でもナシじゃないかも”みたいに転がっていった感じですね。そういう“バンドならでは”みたいなところは、メンバーからどんどん発信してくれるので面白いですね。まぁ“いやいやいやいや!”っていうのもめちゃめちゃありますけど(笑)。けど、これがバンドなんやろうなぁって。面白いなこの人ら、とか思いながら(笑)」
 
――あと、ブログにも書いてて気になったのが、地元のシンガーソングライターで“PONはPONの思った通りに歌ったら大丈夫や、それだけでPONの歌になるで”って言ってくれた人とは?
 
「世歌っていうシンガーソングライターの先輩がいたんですけど、その人がラズベリーで昔働いてたんで観に行く機会があって、初めて聴くその人の歌で、初めてライブを観て泣いたんですよ。“これ、何て言う感情やろ…? よく分からんけど涙が出てる”みたいな状況になってから、その人が師匠みたいな感じなんですけど。すごくよくしてもらって、その人の影響で僕も弾き語りを始めて」
 
――PONくんのシンガーソングライター的な側面は、その人の影響がすごく。
 
「めちゃめちゃありますね。その人がおらんかったら、こんなに歌に想いを込められることも知らんかったし、絶対に今の自分はおらへんなって。その人は喉の病気をしてちょっと声が出にくくなっちゃったんですけど、この間たまたま電車で会ったんですよ。でも、その人の思ってることとか空気感がすごくあったかくって、“あぁ、やっぱりこの人は師匠やなぁ”って」
 
――やっぱり出会ってきた人の言葉と顔が、ラックライフの音楽には詰まってるね。
 
「そうですよね。あんまり人の顔を覚えるタイプじゃないと思ってたんですけど、バンドをやってからお客さんの顔をめっちゃ覚えるようになって。“あの人がまた来てくれてる”とか“あの人はしょっちゅう泣いてるなぁ”とか(笑)。そういう関係でずっとありたいなって思いますよね。“顔知ってるで、自分”みたいな。逆やったら嬉しいなと思うし、全員とそういう感じになれたら絶対に楽しいし。全員友達やったらヤバいじゃないですか?(笑)」
 
――アハハハハ!(笑)
 
「“BIGCATでワンマンやりま〜す!”って言って友達が800人来たらおもろいなぁって(笑)。昔、先輩が言ってたのが“全員身内にしてしまえばこっちのもんや”みたいな(笑)」
 
――例えば、ラックライフが大阪城ホールまで行って、8000人全員知ってるヤツやったら凄まじいな(笑)。
 
「めっちゃおもろいっすよね? めちゃめちゃデカい同窓会みたいな(笑)。でも、そうなったら最高やなと思うし」
 
――そういう話を聞いてると、『Life is beautiful』はまさにという感じのタイトルやね。
 
「何が欠けても今の自分じゃないし、いいことも悪いことも全部が全部あってよかったなぁって、聴き終わったときに思えたことで、“俺ってめっちゃ幸せなんちゃうか?”って…。幸せってカテゴリがデカ過ぎてよく分からないですけど、誰かがいてくれて何ぼやなってめっちゃ思いますね。近くに誰かがいるからこそ幸せを感じるやろうし、やっぱり人が好きやなって思うし、何をするにしても1人じゃちょっと面白味に欠けるというか。ご飯とか、めっちゃそうですよね。自分1人のために作って、1人で食べてもあんまり美味しないんですよね、やっぱり」
 
――味自体がどうのより、誰と食べるかとか。
 
「そう。だから友達同士でカップ麺を食ってる方が全然美味い。それをすごく思いましたね、この間カップ麺を食いながら(笑)」
 
 
嘘をつかずに、まっすぐ誰かに向けて歌うバンドであり続けて
どんどん広がっていきたい
 
 
――バンドだけが人生じゃないと思いながらも、やっぱりそれを選んでここまで来たのも面白いもんよね。
 
「最近、『アイトユウ』を結婚式のムービーのバックで使ってくれてる映像がYouTubeに上がってるのを教えてもらって、全然知らん人の結婚式を見ながら1人で泣いて(笑)。みんなの幸せそうな顔が映ってて、多分この人らは何かある度に一生観るやろうし、ラックライフが人生に欠かせない1曲に選ばれたのがすごく嬉しくて。こんなにやり甲斐があることはないなぁと思いながら」
 
――今までもアルバムは何作も作ってきたけど、今回はやっぱり違う感覚はありました?
 
「っていうか、これを作ってしまったら、今後はこれを超えなあかんってなったら、もう無理(笑)。でも、作る度にそう思えてるのが嬉しいなって。シングルを作る度に“うわ、これめっちゃカッコいい”って思えたし、前作の『正しい僕の作り方。』(‘14)を作ったときも、“これ、最高のアルバムやわ”って思ったし。けど、やっぱり今が一番カッコいいと思えてるのが嬉しいなと思うと同時に、不安でもありますよね。多分どのバンドもみんな、そこと戦いながら頑張ってはるんやろなと思いながら」
 
――そして! 恒例の主催イベント『『GOOD LUCK 2017』~9th Anniversary & Album Release Party~』もなんばHatchでありますが、毎年、地元のバンドをフックアップすると同時に、自分たちに影響を与えてくれたアーティストを招くということですけど、最後に発表された大石昌良(Sound Schedule)、セックスマシーン、BUZZ THE BEARSがまぁ、“憧れ枠”と(笑)。
 
「青春の3バンドなんですよ、ホンマに。サウスケを観て歌ってたし、セクマシを観て“うぉ~っ!”ってなってたし、BUZZを観て震えてたし。10代~20代前半のときに、“すげぇバンドがいるもんだ”って思いながら観てた人たちなんで、楽しみでしゃーないですね」
 
――あと、『GOOD LUCK』は“このバンド、今ちょっとオイシイから呼んでるやん!”とかじゃないもんね(笑)。
 
「アハハ!(笑) まぁそうですよね。ホンマに自分たちの信じてる人ばっかりが集まるのが売りですよね。そこに誇りを持ってやっていきたいなと思いますけど」
 
――そこに他のイベントとは違う信頼感があるし、つながりが見えない人が出てないっていう。そして、Hatchが終わったら、明石家さんま師匠の座右の銘『生きてるだけで丸儲け』ツアー=“いまる”ツアーがあってね(笑)。今回は全国をしっかり廻れて嬉しいよね。
 
「そうですね。やっぱりアルバムのツアーやし、メジャーデビューして1周年やったりするんで、改めて挨拶に行きたいなぁっていうことで」
 
――ツアーファイナルは梅田のクラブクアトロで。ワンマンする会場も着実にステップアップして。
 
「しっかり一段ずつ上がる感じがいいですよね?(笑) 『風が吹く街』のツアーで思ったんですけど、待っててくれてる人たちが今までとはまた違ったというか、初めましての人もたくさんいたんで。そういう人たちにもちゃんとライブハウスの楽しさを分かっていただけるように、ハッピー全開じゃないですけど、アホみたいな顔して思ったことを歌えたらいいと思いますよねぇ(笑)」
 
――ライブハウスのことを歌った『素晴らしい世界』(M-8)もそうですけど、自分に自信がなかったりしても、ライブハウスに来るという一歩をもう踏み出せてる時点でね。
 
「まさに。それだけで俺ら的にはオールOKというか、それだけで100点みたいなところはあるし(笑)。そういう勇気を持ってライブハウスに遊びに来てくれる人がどんどん増えたらいいんですけどね」
 
――PONくんはかつて、曲やライブの方が普段より本当のことを言えるって。
 
「そうなんですよね。不思議体質なんですけど、ライブを観てるときもそう思うし、あんなにボロボロ涙が出ることも普段はないし。何かそれってすごいことなんちゃうかなぁ?って。人目をはばからず泣けたり、気付いたら両手が上がってたりするのって音楽だけというか、ライブだけちゃうかなって思うし。体感してほしいですよね、まずは」
 
――それでは最後に、現時点でPONくんが思うラックライフの行く道を。
 
「思ったことを歌うバンドでいたいですよね。相変わらず嘘をつかずに、まっすぐ誰かに向けて歌うバンドであり続けて、どんどん広がっていきたいのはあります。もはやそれ以外はあんまりないです(笑)。だから、こう思ってるまんまでちゃんとMステに出たいっすよねぇ(笑)」
 
――あながちリアリティのない話じゃないしね。“うーわ。ラックライフがMステ出てるわ”って思うやろなぁ…みんながタモさんと会うんやな(笑)。
 
「アハハ!(笑) めちゃめちゃおもろいですよね。Mステでも爆笑しながらやりたいですね。そういうところを見せても、ラックライフらしいなって思われるようなバンドでいたい」
 
――その絵面が現実になることを楽しみにしてます! 本日はありがとうございました~!
 
「ありがとうございました~!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2017年4月28日更新)


Check

Movie Comment

めちゃめちゃ関西の人です(笑)
PON(vo&g)からの動画コメント

Release

シングル5枚を収録した濃縮ポップで
大いなる決意宿るメジャー1stアルバム

Album
『Life is beautiful』
発売中 3024円
ランティス
LACA-15620

<収録曲>
01. サニーデイ
02. 初めの一歩
03. view
04. shutto
05. アイトユウ
06. 君の匂い
07. 風が吹く街
08. 素晴らしい世界
09. ラブリープリティーミュージック
10. 変わらない空
11. モーメント
12. 赤い糸
13. 名前を呼ぶよ

Profile

ラックライフ…写真左より、たく(b)、イコマ(g)、LOVE大石(ds)、PON(vo&g)。大阪・北摂出身の4ピースギターロックバンド。’05年、高校の同級生であった、により前身バンドを結成。’08年3月にバンド名を“ラックライフ”に改名し、大阪・東京を中心に全国的な活動をスタート。以降、徹底的に現場主義を貫いたライブ活動を軸に、デモ音源を軒並み完売させるなどコンスタントにリリースを重ねる中、’14年には3rdアルバム『my contents』、4thアルバム『正しい僕の作り方。』、1stシングル『ハルカヒカリ』という怒涛のリリースラッシュに加え、’10年に立ち上げた自主イベント『GOOD LUCK』が、この年以降毎年なんばHatchにて開催されるまでにその規模を拡大するなど、バンドとして大躍進を遂げる。‘15年に入ってもその勢いは留まらず、2ndシングル『アイトユウ』、TVアニメ『純情ロマンチカ3』エンディング主題歌となった3rdシングル『変わらない空』を立て続けにリリースするなど話題を集め、各地のサーキットイベントでもハイボルテージなライブを展開。そして、’16年5月11日には、TVアニメ『文豪ストレイドッグス』エンディング主題歌となるシングル『名前を呼ぶよ』にて、遂にメジャーデビュー。若くして10年越えのキャリアと絆が培ったグルーヴ、言葉の1つ1つが伝わる力強いメッセージと歌声、ヒットポテンシャルを存分に備えたグッドメロディ…全国津々浦々で熱い血が通ったポップミュージックをかき鳴らし、オーディエンスのみならず時にバンドマンをも魅了する、ザ・ライブバンド。7月には、TVアニメ『チア男子!!』オープニング主題歌となる2ndシングル『初めの一歩』、11月にはTVアニメ『文豪ストレイドッグス』第2クールエンディング主題歌となる3rdシングル『風が吹く街』をリリース。そして、’17年3月15日には待望の1stアルバム『Life is beautiful』をリリースした。

ラックライフ オフィシャルサイト
http://luck-life.com/

Live

恒例の主催イベントに続いて
リリースツアーがいよいよ開幕へ!

 

Pick Up!!

【大阪公演】

『『GOOD LUCK 2017』
~9th Anniversary &
 Album Release Party~』
チケット発売中 Pコード313-883
▼4月29日(土・祝)13:00
なんばHatch
オールスタンディング3500円
[共演]LOCAL CONNECT/HEADLAMP/Self-Portrait/FouFou/あいう/
アルコサイト/ザ・モアイズユー/
SHE'S/MAGIC OF LiFE/大石昌良/
セックスマシーン/BUZZ THE BEARS
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※小学生以上は有料、未就学児童は無料
(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。

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『生きてるだけで丸儲け』ツアー

【宮城公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月12日(金)LIVE HOUSE enn 3rd
[ゲスト]Goodbye holiday/
BURNOUT SYNDROMES
【神奈川公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月13日(土)BAYSIS
[共演]LOCAL CONNECT/Halo at 四畳半
【愛知公演】
▼5月14日(日)Club KNOT
[共演]LOCAL CONNECT/ポタリ/ORESKABAND

Pick Up!!

【京都公演】

チケット発売中 Pコード322-180
▼5月16日(火)18:30
KYOTO MUSE
オールスタンディング2500円
[共演]Goodbye holiday/D.W.ニコルズ/Unblock
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※4歳以上は有料。

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【新潟公演】
▼5月19日(金)GOLDEN PIGS BLACK STAGE
[共演]ircle/フィッシュライフ/
ハッピーエンド
【北海道公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月21日(日)SPIRITUAL LOUNGE
[共演]Self-Portrait
【茨城公演】
▼5月24日(水)水戸ライトハウス
[共演]THE SALA/ザ・マスミサイル/BARICANG
【群馬公演】
▼5月26日(金)高崎 club FLEEZ
[共演]Goodbye holiday/I-RabBits/nano.RIPE/他
【埼玉公演】
▼5月27日(土)LIVE HOUSE Hearts
[共演]BARICANG/リアクション ザ ブッタ/I-RabBits
【千葉公演】
▼5月28日(日)千葉LOOK
[共演]ザ・マスミサイル/CHERRY NADE 169/FouFou
【三重公演】
▼6月2日(金)CLUB CHAOS
[共演]有
【佐賀公演】
▼6月9日(金)佐賀GEILS
[共演]德丸英器/
野副一喜 with レザージャケッツ/
HEADLAMP(オープニングアクト)
【福岡公演】
▼6月10日(土)福岡Queblick
[共演]GOODWARP/
HEADLAMP(オープニングアクト)/他
【広島公演】
▼6月11日(日)HIROSHIMA BACK BEAT
[共演]GOODWARP/他
【鳥取公演】
▼6月16日(金)米子laughs
[共演]Self-Portrait/ジラフポット/
ユビキタス/遠藤波津輝
【島根公演】
▼6月17日(土)APOLLO
[共演]Self-Portrait/ジラフポット/
ユビキタス/homme
【岡山公演】
▼6月18日(日)CRAZYMAMA 2nd Room
[共演]有


『生きてるだけで丸儲け』ワンマンツアー

【東京公演】
▼7月8日(土)TSUTAYA O-WEST
【愛知公演】
▼7月17日(月・祝)ell.FITS ALL

Pick Up!!

【大阪公演】

一般発売4月29日(土・祝)
Pコード320-366
▼7月21日(金)19:00
梅田クラブクアトロ
オールスタンディング3000円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※4歳以上は有料。

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Column1

「ずっと夢やったし、目標だった」
100万枚売りたい訳じゃない
100万人の心に届けたい
ラックライフの意地と信念を宿した
感動のデビュー曲『名前を呼ぶよ』
インタビュー&動画コメント

Column2

「自分たちの頑張ってきた成果を
 観せる場所」
2ndシングル『アイトユウ』
引っ提げ盟友集う主催イベントを
なんばHatchでいよいよ開催へ!
'15年の貴重な全員インタビュー

Column3

素晴らしき哉、バンド人生!
ピュアな衝動と乱反射する感情を
歌にした『正しい僕の作り方。』
ライブハウスで生まれ息づく
音楽の行き先とは?
'14年のインタビュー

Column4

『大阪の北側から。』しか
歌えない想いがある――
ラックライフを筆頭に、大阪は北摂
を代表するアーティストが集結!
前代未聞のオムニバスCDについて
若き8組が溢れる想いを
ぶっちゃける合同インタビュー!!

Comment!!

ぴあ関西版WEB音楽担当
奥“ボウイ”昌史からのオススメ!

「いや~毎回何だかエモくなる、PON(vo&g)くんのインタビュー。でもね、これって相手ありきなんですよ。“書く”というよりは“書かされる”。彼らが出会ってきた人たち全てを知ってるわけじゃないのに、『Life is beautiful』を聴いてると、その顔がPONくんの背後に見えるような…って、霊媒師に見てもらったらめっちゃ連れてるかもしらんけど(笑)。なんてアホな話をしていたら、“でも、誰が誰でって言えそうで怖い(笑)”と笑ったPONくんに、このバンドが続く理由を垣間見たような気がしました。今作にはこの2年間に発表されたシングル5曲が収録されていますが、メジャーデビュー曲でもあるラストの『名前を呼ぶよ』(M-13)で、めっちゃ締まる。ホンマいい曲。この曲はいつの間にかYouTubeでの再生回数も500万回を超えてるし、『サニーデイ』のMVからも匂い始めた、もしかしてもしかするかもという空気…マジでタモさんに会える日はそう遠くないかもしれませんよ!」