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「ライブに来た人の“めっちゃ好き”をさらに肯定してあげたい」
『FREEDOM』引っ提げ過去最大の全国ツアー中のBRADIOと
盟友DJダイノジの“We are 現場主義”なスペシャル対談!
ここだけの話満載で送る、抱腹絶倒撮り下ろしインタビュー

 ジャンルも世代も横断し、全国津々浦々でオーディエンスをフックアップするファンキー・エンターテイナー集団BRADIO。今やロックフェスではおなじみ、お笑い芸人ダイノジによるDJプロジェクト=DJダイノジ。出会いは意外にも2年前の島根県、DJダイノジ主催の『ジャイアンナイト』に出演した運命の一夜を皮切りに、幾度となく共演を繰り返してきたこの2組。そこで、今年も早々に2マンツアー『DJダイノジ x BRADIO“ジャイアンナイト CLUB QUATTRO TOUR 2017”』を開催するなど、倍々ゲームの相乗効果が止まらない両者が、その馴れ初めからお互いの徹底的に現場主義でボーダレスなスタンス、BRADIOの最新アルバム『FREEDOM』制作時のまさかのエピソードまでを語る、ここだけの話満載のスペシャル対談を実施! ライブ同様とことんハッピー、終始笑いの耐えない抱腹絶倒のインタビューを、BRADIO過去最大の『FREEDOM tour 2017』のクライマックスに捧ぐ。いや~笑った(笑)。

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ぶっちゃけBRADIOってもう売れるじゃないですか?
 
 
――まずは、この2組で『ジャイアンナイト』恒例のクアトロツアーをやってみてどうでしたか? SNS上の反応を見てもすごくハッピーな夜だったのが伝わってきましたけど。
 
DJダイノジ大谷「いやもう、これをやるためにDJをやってきたんだなって思いました」
 
(一同爆笑)
 
――いきなりこれ以上ない言葉をもらえましたね(笑)
 
DJダイノジ大地「何千年前からの運命だよね? もう前前前世からね!」
 
BRADIO全員「おぉ~っと!(笑)」
 
――モノの数秒でこのインタビューが完全に乗っ取られてる(笑)。BRADIO的にはどうでしたか?
 
BRADIO大山(g)「いやぁ~僕らも本当に楽しみにしてましたし、ダイノジさんとはもう何度かご一緒させていただいてますけど、何だか分からないんですけど毎回場が異常な幸福感に包まれるんで。もうステージに出た瞬間に分かる“ハッピー感”みたいなものはありましたね。最初にダイノジさんがオープニングトークでステージに上がった瞬間に、“あ、もうこのイベントは大丈夫だな”って(笑)」
 
大谷「それ嬉しいなぁ~。でも、そもそもBRADIOが引き受けてくれるとは思わなかったんで。ぶっちゃけBRADIOってもう売れるじゃないですか?」
 
(一同爆笑)
 
――もうジワジワきてますからね(笑)。
 
大谷「そう。だから俺らにとって今回は、ちょっとずつサヨナラを告げなきゃいけないフェアウェルツアーで(笑)」
 
(一同爆笑)
 
大谷「もう違うところに行っちゃうな~っていう。今年は『ミュージックステーション』とかにも出てもらわなきゃ困るぐらいのバンドですから。あとは、BRADIOとは初めて一緒にやったときから親和性が高くて。だって2組でいきなり出雲大社に行きましたから(笑)」
 
大地「初対面で蕎麦を食べてね。せっかくだから座る席もミックスして、知らない者同士で食べる、みたいな(笑)。何喋ろうかなぁ~?って(笑)」
 
(一同笑)

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うちのスタッフが“このバンドはヤバいですよ!”ってずーっと言ってて
 
 
――そもそも出会いのきっかけは何だったんですか?
 
大山「島根の学園祭に呼んでいただいた前日に、『ジャイアンナイト』で初めてご一緒させていただいて」
 
大谷「うちのスタッフが“このバンドはヤバいですよ!”ってずーっと言ってて。そこでライブを観て、もうぶっ飛んじゃって。それで次の日は出雲大社に…(笑)。これはもう神のお導きだって。だから僕らにとってはBRADIOのマークもしめ縄に見えちゃって(笑)」
 
(一同笑)
 
大谷「去年、僕らが静岡の清水で野外フェス『マグロックフェスティバル2016』をやったときもBRADIOに出てもらって。まぁ本当に“場を食った”というか、至るところでベストアクトの声が上がるぐらいで、BRADIOを推薦した自分としてはものすごく鼻高々な気持ちになってね。もう上手いんですよ~コール&レスポンスが」
 
大地「すごかったよね。リハーサルで音を出してたら、お客さんがどんどんステージの前に集まる感じが。“えっ? もうライブ始まってるの!?”っていうぐらい盛り上げちゃう」
 
――先ほどライブを観て衝撃を受けた話が出ましたけど、DJダイノジが思うBRADIOの魅力とは?
 
大谷「まずは楽曲のよさ、演奏の正確さ、さらに歌の上手さ。あとは4人が立った絵的なもの含めて、誰かをシャットアウトするんじゃなくて、間口が広くて、どんな人でも楽しませてくれる懐の深さ。『FREEDOM』の話をすると、今回は本格的なバラードとかもあるし、楽曲もこんなに幅広いんだっていうところが飽きないですねぇ~」
 
BRADIO田邊(ds)「恐縮でございます」
 
大山「しみじみ聞き入っちゃいました(笑)。ホント嬉しい」

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一緒にやってこんなに相乗効果が生まれる人たちって
対バンでもなかなかなかったりもするので
 
 
――逆にBRADIOは、対バン自体はいろんなバンドとやってきたわけじゃないですか。こういうDJスタイルとのそれはどうだったんですか?
 
BRADIO真行寺(vo)「最初は、“何でこの人たちはこんなにも俺たちをハッピーにさせてくれるんだろう? 俺はこれでいいんだって思わせてくれるんだろう?”っていう。何かもうDJっていう感覚じゃなかったですね。何か人間として、この人たちは本当にすごいなぁって。一緒にやってこんなに相乗効果が生まれる人たちって、対バンでもなかなかなかったりもするので。今回みたいに密接に関われるツアーは逆に僕らの方がありがたかったし、誘ってもらったときは恋に近い感覚で結構ドキドキしたというか。何やんの何やんの? 次はどこに行く? 何をしたら喜んでくれるかな? とかいう時間がありました(笑)」
 
大地「いやーもう、この言葉を子供たちに聞かせたいよね」
 
大谷「“ギター弾く真似してるだけじゃねぇか!”って言われて落ち込んだときにね(笑)」
 
(一同爆笑)
 
――今のこのやりとりを聞いているだけでも、2組の親和性をすごく感じますね。
 
大谷「もうめっちゃ楽しいし、こんなにステージに上がって踊ってくれるミュージシャンはいない!」
 
(一同笑)
 
大谷「本番の15分前に“恋ダンス”の練習をさせて(笑)」
 
大地「(田邊を見て)俺 恋ダンスを踊るドラマーなんて見たことないと思った(笑)」
 
大山「今までいろんな人が恋ダンスをやってきたじゃないですか? 一番クオリティ低かった!(笑)」
 
(一同爆笑)
 
大谷「それがいいんですよねぇ~一生懸命で」
 
大地「かわいいんですよ(笑)」
 
――あと、BRADIOの面白いところって、今の邦楽シーンにドンピシャの音楽性ではないのにちゃんとコミットしつつ、同時に独自の道を進めてる。これはかなりレアケースな気がするんですけど。
 
大谷「さっきも言った間口の広さと懐の深さにつながると思うんですけど、例えば、星野源さんの曲が大ヒットしたように、ブラックミュージックに基づいたJ-ROCKのニーズにもコミットしてる。あとは4つ打ちが多いバンドのお客さんも魅了してるし、アイドルとやっても負けない。現場で観てても、BRADIOの“無双感”はマジで感じますね」
 
大山「アイドルさんだったり、4つ打ち系のBPMが速いバンドだったり、ちょっとラウドなバンドだったり、僕らも全部好きだから言っちゃうんですよね。“一緒にやらせてください!”って(笑)。結局、どのシーンのお客さんも、根本的には“音楽が好き”、“楽しいことが好き”っていうマインドはそんなに変わらないのかなって。それこそダイノジさんが、その曲を知ってる/知らない関係なく、身振り手振りでお客さんをグイグイ引っ張っていく光景とか…もう本当に『VIVA LA ROCK』で観たときからヤバかったんですよ。広場が異次元みたいになってね(笑)」
 
大谷「これはピースの綾部が1年目のとき、“ダイノジさんを一番尊敬してます”って言われて以来の嬉しさ(笑)」
 
(一同笑)
 
大谷「でも、3年目のインタビューでは“チュートリアルを一番尊敬してます”って(笑)」
 
(一同爆笑)

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BRADIOは僕たちの時代の新しいヒーロー像じゃないかなとか思ってます
 
 
――でも、それぞれこのスタンスを確立するまでにタフな時期は絶対にあって。それをどう乗り越えてきたのかと。
 
BRDAIO酒井(b)「やっぱりお客さんに救われてきたんですよね。自分たちを信じて楽曲制作していく中で、いろんな曲にもすごく反応してくれるんで、“俺たちは間違ってないんだ”っていう自信にもなりましたし。それによって、“どんなジャンルであろうと全部持っていってやる!”という気持ちが出てきたんで」
 
――DJダイノジにしても、今となっては音楽リスナーに認識されるようになり、SNSでの影響力も大きくなったと思うんですけど、最初はやっぱり…。
 
大谷「風当たりはめちゃめちゃ強かったですね。だから、BRADIOのみんなと出雲大社で蕎麦を食ったときも、最初はやっぱり牽制して…」
 
――何でそこまでして一緒に行ったんですか(笑)。
 
大谷「そうなんだよね(笑)。でも、そのときにバンドの成り立ちとかを聞いてると、どうも元々はそれぞれが違うバンドをやってたと。僕はユニコーンが大好きなんですけど、ユニコーンって当時の広島のアマチュアバンドでトップの連中が5人集まった、もう売れるべくして売れたバンドだったらしいんですよ。でも、BRADIOに話を聞いてみると、どうやらいろんなバンドをあぶれた4人が集まってると(笑)」
 
(一同爆笑)
 
大谷「逆を言えば、彼らは人の痛みを知ってるというか。だから、お客さんにもみんな優しいし、彼らの雑食性の秘密はそこのような気もするし。カッコよく、さりげなくやってもいいところを、きっちり楽しませて帰らせる。僕がラジオで“BRADIOはもう『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(‘14)じゃん”みたいに言ったんですけど、あれもマーベルの落ちこぼれ軍団が集まって人のために立ち上がる、みたいな映画で大好きなんですけど(笑)。BRADIOは僕たちの時代の新しいヒーロー像じゃないかなとか思ってますけどね」
 
――DJダイノジのタフな時代の話を聞いてたのに、いつの間にかBRADIOを褒めちぎってる(笑)。
 
(一同笑)
 
大谷「それで言うと、僕たちが必ず挨拶で言うのは、“僕らは多分、日本で一番ロックフェスに呼ばれてるDJです。ですけど、『アメトーーク!』のフェス芸人の回には呼ばれなかったです!”って(笑)。昔の自分だったら呼ばれないことによくよして、ずっと引きずって、周りもいじれない空気になったりして。10何年ぐらい、ずっとそういう芸人だった。でも、最近は出られなかったら超オイシイなっていう感じになってきて(笑)。それを結果的にまたハッピーな現場に還元できたらいいと思ってます。その辺はBRADIOに通じると僕は思ってるから」
 
――そう考えたら、このメンツが集まれば、そりゃいい空気になるに決まってますね。
 
大谷「そういう経緯がちゃんと滲み出てるから、ニューアルバムの『FREEDOM』っていう言葉に説得力があって、メッセージとして刺さる感じがしますね。あとね、僕たちとBRADIOさんの共通項を、大地が用意してるんで!」
 
大地「はい。大谷さんはラジオスターなんですよ。BRADIOには“RADIO”っていう文字が入ってるんですよ…すごくないですか?」
 
(一同爆笑)
 
大谷「何ですかね? このフワッとした感じ(笑)」
 
BRADIO全員「アハハハハ!(笑)」
 
大谷「次はラジオの歌を作ってください(笑)」

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バンドとして歩んできた始まりから今に至るものを
人としての何を考えてきたのかを
サウンドじゃなくてマインドとしてパッケージしたい
 
 
――ニューアルバムの話になりましたけど、制作段階で『FREEDOM』にビジョンやコンセプトはあったんですか?
 
大山「方向性は特になくて、とにかく曲をバンバン書いて、ハマっていくものを拾って、みたいなスタンスで始めたんですけど、最後の最後に“FREEDOM”というキーワードが出てきた感じですね。バンドとして歩んできた始まりから今に至るまでを、ミュージシャンとしてもそうなんですけど、人としての何を考えてきたのかを、サウンドじゃなくてマインドとしてパッケージしたいなって。本当に結果論ですけど、それがすごく上手くいったアルバムだなと」
 
――DJダイノジさんは実際に聴いてみてどう思いました?
 
大谷「まず、『-Freedom-』(M-2)をリードにするのは尖ってるなぁと思いましたね。すげぇカッコいいけど、いわゆるポップなナンバーではないので。そこがまたBRADIOの新機軸かなぁと。あとはやっぱり、大前提として技術が高い。UNISON SQUARE GARDENの田淵(智也・b)さんが岡崎体育さんの『MUSIC VIDEO』(‘16)について話してたんですけど、あの曲ってネタのことばかり触れられるけど、実はサビが何小節かノンブレスなんですよ。だから聴いてて気持ちがいい。歌い切ったときの開放感で、聴いた人がグッとくる。BRADIOの楽曲も高度な技術に裏打ちされてるから、ライブを観てるとカッと熱くなる。ハッピーで楽しいの裏側にある“コク”というか“人生”みたいなものが、このアルバムにはギュッと詰まってるので。だから何回も聴けるし、気持ちいいんだなって思いましたね」
 
――なるほど。めちゃくちゃいいレビューですね(笑)。
 
大谷&大地「アハハハハ!(笑)」
 
田邊「スーパー嬉しい!」
 
――個人的にちょっと気になったのが『KAMISAMA』(M-7)なんですけど、何かこの曲の裏テーマに“B’z”を感じたというか…“何だ? この稲葉(浩志・vo)さん感は?”って(笑)。
 
酒井「いや~まさにその通りです!(笑)」
 
大山「僕らは中学生時代からB’zのコピバンをやるぐらい熱狂的なファンで。今でもずーっと好きなんですけど、BRADIOでB’z感を出したらめちゃくちゃ面白いよなって(笑)。ギターも日頃は弾かないフレーズをバンバン入れて。松本(孝弘・g)さんのギターはレスポールが代名詞ですけど、僕は逆に自分のストラトキャスターでちょっとTAK(MATSUMOTO)を意識したフレーズを…」
 
大谷「そっか! B’zは『BANZAI』(‘04)とか『ARIGATO』(‘04)でも横文字にするから、『KAMISAMA』も(笑)」
 
酒井「展開も相当意識したもんね」
 
大山「レコーディングでも、“もっと叫んで! 稲葉さんならもっと叫んでるから!”みたいな(笑)」
 
(一同笑)
 
――ボーカル的にはどうだったんですか?
 
真行寺「R&Bとかソウルでも、昔のワンフレーズだったり歌のメロディをちょっと引っ張ってきてエッセンスにする、“ソウルマナー”みたいなものが結構あったりするんで。そういうのをこういう楽曲で落とし込む、みたいな」
 
大谷「なるほど。“J-POPマナー”みたいな。すっげぇ面白い!」
 
――同時にこの曲で、どんな具材でもBRADIOが料理したらちゃんとBRADIOの音になるんだなっていうのも分かりますよね。でも、よかったです。これが意図的じゃなかったら逆に気使うわって思ってたんで(笑)。
 
(一同爆笑)
 
大谷「例えば、山下達郎さんの『クリスマス・イブ』(’83)をKICK THE CAN CREWがサンプリングするとか、J-POPをJ-RAPにするとか、今はさらにその進化版でtofubeatsくんがいたり、80年代の音をサンプリングして今の音楽にしたりする中で、BRADIOなりのサンプリングというか、同時代性を超感じますね。今のバンドなんだな、めっちゃカッコいいなって今の話を聞いてて思いました。やっぱりタフなんですよ、BRADIOは」
 
――もう1曲気になったのが、『思い通りにならない世界』(M-9)で。これだけエネルギーがある今作の楽曲群の中で、この曲だけに感じる“弱さ”は何なんだろうって。
 
大山「(酒井)亮輔とアルバムの話をしてるときに、今までは背中を押すような曲が多かったんですけど、バンドとして弱い部分も出していきたいよね、きっとみんなもそうだよね、みたいな話になって。音自体も本当に繊細というか引き算しまくった曲で、歌は高ぶっていくんだけど、音は高ぶっていかない。アプローチ的には一番悩んだというか、工夫した曲ですね。僕らとしても、本当に新しいページ開けられたなっていう曲ですね」

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現場で観たものがやっぱり一番ですから、本当に
 
 
――あと、BRADIOの雑食性やボーダーレスさみたいなところって、DJダイノジにも通じるものがあって。大谷さんが推すアーティストって、必ずしも世間的に今言いやすい人ばかりじゃないというか、キテる/キテないに関係なく、自分のチョイスを率直に言えるところがいいなと思うんですけど。
 
大谷「アリ/ナシ、空気が読める/読めない、痛い/痛くないとか、仕分けにはもう興味がないかもしれないですね。それは、ライブに来た人の“めっちゃ好き”をさらに肯定してあげたいから。音楽を好きな人をたくさん増やしたいから。自分は単純に音楽が好きなんで、そこはやっぱり忘れたくないんですよ。それなのに、“この人を推したらこんなふうに見られる”とか意識してたらダッセェ~みたいな。例えば、大地さんはスニーカーが超好きで、昔はあのスニーカーはナシだとか言ってたんですけど、今はどのスニーカーもめっちゃ褒めますもん。だから、“逆に”ってめっちゃ言うんですよ。最近はマジックテープの靴とかも、“逆にこれアリだよね。逆にこんなのないよ今”って(笑)」
 
(一同爆笑)
 
大谷「あと、DJだけの話で言うなら、好き=最初のパッションですね。“うわっ、いい!”って思ったらもうそれ!」
 
大地「大谷さんの“好き”は伝染するんで。それは大谷さんが自分で体感したものをみんなに体感させたいから」
 
大谷「現場で観たものがやっぱり一番ですから、本当に」
 
大地「映画を観て感動したら、この映画をみんなで観に行こう!って。だからBRADIOさんを“好きだ!”ってなったら、もっとみんなに体感してほしいのはあると思う」
 
大谷「例えば、『君の名は。』をたまたま高校生の近くの席で観てたんですけど、2人がまだ付き合ってない感じで、初めてのデートか何かでドキドキしながら観てる。だから、映画の主人公の女の娘が走り出すシーンで、息を飲む声がこっちまで聞こえてくるんですよ! 何か僕までドキドキしちゃってね。でも、映画が終わったときに男の子が“ベースの音が大きかったね”って言ったんですよ。それは=大きい音で音楽を聴いたことがないんですよ」
 
一同「あぁ~!」
 
大谷「初めて大きな音で聴いた音楽=映画館で聴いたRADWIMPSってなったとき、“フェス来いよ~! 待ってるぜ!”って思った。僕から言わせれば、そこまでが『君の名は。』なんです。これが僕が現場で体感したものなんですよ。だから自分がDJダイノジをやるときはもう、そっちですよね。できるだけ現場の熱量を肯定してあげたいし。あと、好き過ぎる人ってやっぱりかわいいんですよね。BRADIOのライブでも、もう抱き締めたくなるようなお客さんが、ベッド・インみたいにバブル時代の格好の人がいるんですよ(笑)。あの人たちの顔がねぇ~もう本当にニコニコ楽しそうにBRADIOを観ながら踊ってる感じ…あれ込みでBRADIOです!(笑)」
 
(一同爆笑)
 
大谷「でも、僕の中ではすごく大事な風景なんですよね」
 
 

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僕たちは悲しむために、苦しむために生まれてきたんじゃなくて
そういうものを越えて幸せになるために生まれてきたんだよって
教えてくれるのが音楽だと思ってるんで
 
 
――何でこの2組が惹き合ったのが、今日の話を聞いてすごく腑に落ちた気がします。
 
大谷「星野源ちゃんが好きな人とか、レキシが好きな人とか、あとはSCOOBIE DOとかUNCHAINもうそうだし、さらにもっと飛ぶと10-FEETとか。そういうバンドが好きな人全員に“BRADIOってどう?”って言えちゃうのはありますね。ヒップホップとか洋楽が好きな人にも薦めたい。ただね、去年ヴィンテージ・トラブルのサポートアクトやってたじゃん? あの辺りからですよね。“こいつら遠くに行くな”って思ったのは」
 
(一同爆笑)
 
――悪い顔した今(笑)。
 
大谷「そうですか?(笑) そういう瞬間があるんですよ。BABYMETALがメタリカと写真を撮ったときも、“あ、もう遠くに行くんだ。僕らと一緒にやった過去は全部黒歴史になるんだ”って」
 
(一同爆笑)
 
――まぁでもそんな懸念を証明するように(笑)、ツアーの規模も過去最大になって。
 
真行寺「今回のアルバムは楽曲的にも今までになかった感じで、ただ踊れるとかじゃなく攻めることができたので、今までにないライブができるんじゃないかなって。僕たちは悲しむために、苦しむために生まれてきたんじゃなくて、そういうものを越えて幸せになるために生まれてきたんだよって、教えてくれるのが音楽だと思ってるんで。それをライブで表現できたら、このアルバムのいい終着点になるんじゃないかなぁと。“僕たちは生きてる!”って感じられる、血がたぎるようなライブになったらいいなって、今は思ってます」
 
――いや~めちゃくちゃ締まりましたね。
 
大谷「BABYMETALのくだりはカットしておいてください(笑)」
 
(一同爆笑)
 
――今日はいい話をたくさん聞かせていただきました、これにて対談は終了ということで!
 
一同「ありがとうございました~!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by 渡邉一生(SLOT PHOTOGRAPHIC)
撮影協力:梅田クラブクアトロ

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(2017年4月 7日更新)


Check

Release

シングル&タイアップ曲も軒並み収録
濃厚でファンキーな躍進の2nd!

Album
『FREEDOM』
発売中 2500円(税別)
HERO MUSIC ENTERTAINMENT
HRME-1015

<収録曲>
01. Back To The Funk
02. -Freedom-
03. 彼女ハリケーン
04. 蝙蝠
05. ギフト
06. Revolution
07. KAMISAMA
08. HOTELエイリアン
09. 思い通りにならない世界
10. Get Money
11. All I Need Is You
12. Colors

Profile

ブラディオ…写真左より、田邊有希(ds)、酒井亮輔(b)、真行寺貴秋(vo)、大山聡一(g)。バンド名の由来は、“~Break the Rule And Do Image On~日常の世界(Rule)に、素敵な時間・空間のイメージを加え(Do Image On)、良き変化(Break)を”という想いが込められた造語。“日常に彩りを加えるエンタテインメント”をコンセプトに結成され、’13年に1stミニアルバム『DIAMOND POPS』を、’14には2ndミニアルバム『Swipe Times』をリリース。夏にはT.M.Revolution西川貴教主催『イナズマロックフェス2014』に出演。その後も各地のサーキットイベントにも出演し精力的に活動の幅を広げる。同年11月には1stシングル『オトナHIT PARADE/Step In Time』を、'15年2月には同年1月期アニメ『デス・パレード』オープニングテーマとなった2ndシングル『Flyers』を立て続けに発表、6月には1stアルバム『POWER OF LIFE』をリリース。夏には『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015』に初出場にしてステージのトリを務め、11月には同年10月期アニメ『Peeping Life TVシーズン1 ??』オープニングテーマとなった3rdシングル『HOTELエイリアン』をリリース。他にも“京都きもの友禅”全国CMのイメージソング等、数々のタイアップを担当。『COUNTDOWN JAPAN 15/16』では、’16年の年明けのステージで会場を大いに沸かせた。6月1日には4thシングル『ギフト』をリリース後、全国数十ヵ所の夏フェスに出演、7都市10公演のワンマンライブを開催。年末にはキャリア最大規模のZepp DiverCity(TOKYO)を満員御礼にし注目度を増す。『COUNTDOWN JAPAN 16/17』では2年連続大晦日に出演を果たした。’17年には、週刊漫画ゴラク連載中の人気漫画『ミナミの帝王』を実写化した、千原ジュニア主演ドラマ『新・ミナミの帝王』主題歌『Get Money』、200 万人もの観光客が訪れる北海道の冬の風物詩であるさっぽろ雪まつりの“雪のHTB広場テーマソング”として、『Colors』を書き下ろした。1月18日には待望の2ndアルバム『FREEDOM』をリリース。

BRADIO オフィシャルサイト
http://bradio-web.com/

Live

過去最大のツアーも残すは東名阪!
大阪公演が間もなく開催へ

 
『FREEDOM tour 2017』

【東京公演】
▼3月5日(日)赤坂BLITZ
【広島公演】
▼3月10日(金)セカンド・クラッチ
【香川公演】
▼3月12日(日)DIME
【富山公演】
▼3月19日(日)Soul Power
【鹿児島公演】
▼3月22日(水)鹿児島SRホール
【福岡公演】
▼3月24日(金)DRUM LOGOS
【新潟公演】
▼3月26日(日)NIIGATA LOTS
【北海道公演】
▼3月31日(金)ペニーレーン24
【宮城公演】
▼4月2日(日)LIVE STUDIO RIPPLE

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード317-438
▼4月8日(土)17:30
なんばHatch
オールスタンディング3800円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※小学生以上は有料、未就学児童は無料
(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。

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【愛知公演】
チケット発売中 Pコード319-047
▼4月22日(土)17:30
ダイアモンドホール
オールスタンディング3800円
サンデーフォークプロモーション■052(320)9100

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【東京公演】
チケット発売中 Pコード317-989
▼4月30日(日)17:30
中野サンプラザ
全席指定4800円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999

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Column

踊って笑って満足度200%の一夜!
『ファンカジスタツアー2016
~PUMP UP FUNK編~』
初日大阪BIGCATレポート

Column2

「誰1人置いていかないので
 迷うことなく来てほしい」
BRADIOが新たな挑戦となる
感動のバラード『ギフト』と
バンドの今を語る全員インタビュー

Column3

The Show Must Go On!!
グルーヴィーでエンタテインメント
な4人組BRADIOが初登場!
注目度上昇中のライブアクトに迫る
『Swipe Times』インタビュー


Comment!!

ぴあ関西版WEB音楽担当
奥“ボウイ”昌史からのオススメ!

「いや~インタビューが始まって1分でもう楽しい(笑)。じわじわじゃなくてもういきなりトップスピード。初速がすごいんですよ。芸人さんの面白さを思い知らされましたね~。今までもぴあ関西版WEBでは何度かBRADIOを取り上げてきましたが、今回は担当イベンターさんの名案により、初共演以来すっかり仲良しのDJダイノジさんを迎えることで、BRADIOの、新作『FREEDOM』の魅力を引き出してもらおうという企画です。そんなグッドヴァイブなインタビューからは、彼らの知られざる一面や(!?)、この2組のケミストリーを、しっかりと感じることができました。僕自身、自分で取材していながら他人事のような(笑)、何とも不思議で心地いい感覚。完全保存版としてぜひお楽しみください!」