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「みんなの歌になる瞬間があるといいな」
どこにでもあって、全部が違う、ある家族の風景
片平里菜の内部に迫る感動の名曲が教えてくれたもの――
『なまえ』インタビュー&動画コメント

 毎年何百組という新人アーティストがデビューしては、東京という街に飲み込まれて消えていく。そんな儚く厳しいシーンにおいて、歌い始めたあの衝動を、ギターを手にしたあの喜びを、ステージに立ったあの景色を、誰もが時に見失いそうになる。’13年に21歳でデビューした片平里菜も、今では24歳。昨年は1枚のアルバムと2枚のシングルのリリースのほか、海外公演に全国弾き語りツアーと絶え間ないライブが続く日々に、彼女は自らに問いかける。“自分はいったい何に悲しんで、何に喜んで、何に夢中だったのか”――。そして、磨耗する自分と対峙するそんな険しき道程で、片平里菜が迷い、揺れながらたどり着いた原体験が、こんなにも素晴らしい『なまえ』をついに生み出した。人生のスタート地点で、親からもらった名前という確かな自己。様々な家庭環境がある中で、誰もがずっと“幸せ”に生きていけるわけじゃない。でも、名前を付けようとしたあのときに束ねられた様々な人の想いは、限りなく最上級のそれである。自身初のホールツアー大阪公演を前に、無骨にシーンを泳いでいく彼女がインタビューでぽつぽつと言葉を重ねていく姿に、何だか嬉しくなってしまった。彼女の言葉には嘘がなく、彼女の音楽には未来がある。

 
 
自分の弱さが浮き彫りになって、そこと向き合った時期ではあったと思う
 
 
――’16年を振り返ってInstagramでも、“2016年は土を耕して、ならして、今やっと足元が整ったような心持ちです”と書いてましたが。
 
「そんなこと書いてたかぁ~(笑)」
 
――序盤からシングル『この涙を知らない』(‘16)とアルバム『最高の仕打ち』(‘16)を出して1年が始まって、4月には再びシングルの『結露』(‘16)、ベトナムや韓国でライブをしたりと、割とアクティブな年だったのかなと。
 
「うん。’16年の前半はずっとアウトプットし続けていて、このシングルまで結構間が空いたんで、弾き語りのツアーをやったり、海外に行ったりもして、後半は自分と向き合う時間がやっぱりありましたね。何か本当に…ミュージシャンとしても、24歳のただの女の娘としても、いろいろ感情を揺さぶられたり、不安定になったり、いろんな時期があって。そこでやっぱり…改めて“自分って何者なんだろう?”って、時には自信をなくしてしまう時期もあって。そういう中で曲を書く気分にもならなかったりしたんですけど、やっぱり表現は辞めたくなかったし、ノートいっぱいにバ~ッて思いの丈を書き殴っていて。音楽業界という市場の中で、いろんな人に比較されたり、その中で自分も人と比較してしまったりっていう弱さもあって。でも、そこで比較するより、もっと自分が自分でありたいっていう欲求が、去年の後半からちょっとずつ芽生えてきた。そうやって言葉を書く中でも、何か自分のルーツを探りたいっていう想いから、今回のシングルである『なまえ』に行き着きましたね」
 
――そう考えたら、今までとは違う意識の1年だった感じがしますね。
 
「デビューする前とデビューした後の2年間は、自分の中にもっと勢いもエネルギーもあったし、もちろん劣ってる部分があるのは承知だけど、気持ちの面では負けないと思ってたし、自分の作る作品にも自信があった。でも、それが去年は違った。自分の弱さが浮き彫りになって、そこと向き合った時期ではあったと思う」
 
――スケジュールが過密だと乗り切ることが最優先になるから、インプットする時間がない。でも、あったらあったで、そういうときにはあんまり考えなくてもよかったことが。
 
「そう。忙しくて考えられなかったことも考えた時期だったし、その反面、考えなくていいことも考えて…」
 
――その中でたどり着いた1つの回答が『なまえ』(M-1)だと思いますけど、自分を見つめ直したときに、他の歌い手と何が違うんだろう? どういうことを歌えるんだろう? と。
 


「自分はいったい何に悲しんで、何に喜んで、何に夢中でって、自分と対峙していく作業の中で、本当に最近のことだったり、ちょっと昔に何か引っ掛かってたことを文字にしていって。その中で、幼少期の悲しかったこととか嬉しかったこと、寂しかったことが言葉になって出てきて、何か核心を突いたというか…自分に響いたのがきっかけで。これにメロディを付けようって」
 
――自分が書いた言葉に、自分が突き動かされた。
 
「そう。この間にずっと曲を書いてはいたんですけど、人に聴かせたりリリースするほどの曲があったとはあんまり思わなくて。でも、この『なまえ』は、“自分が救済されたい”、“自分が救済したい”っていう気持ちが…まずは自分のために書いたのはありましたね」
 
――この曲は詞先?
 
「詞先です。でも、バラバラだった。メロディも他の言葉に乗って、ネタとしてあって。でも、何かグッとこないなって。その後に歌詞を書いて、あのメロディとくっつけよう、みたいな感じでしたね。ずっと書き溜めていたピースが集まってくるみたいな」
 
――片平里菜は曲先だとずっと言ってましたけど、この内容って後から言葉を乗せるにしてはすごくディープだったので聞いてみました。でも、片平里菜を今までで一番近くに感じるというか、等身大の女性の気持ちを歌われるより、“話してくれた”感じがする曲なんですよね。
 
 
名前を付けてもらったという事実だけはみんな変わらない
 
 
――『なまえ』で自分に響いたフレーズはどこだったんですか?
 
「ド頭かなぁ。音楽をしたいと思った根っこにあるものというか、みんなが仲良く平和に過ごすっていう願いは、やっぱり一番求めてたものだったから。“みんなで仲良くしたい”っていう本当にシンプルな想いが、原体験であって」
 
――歌詞を見ているとちょっと怖い感じもするお父さんですけど(笑)。でも、“仲良くしたい”と思うということは、そうじゃないこともやっぱりあったってこと?
 
「うん。この曲で自分のことをさらけ出したいわけではないけど、みんなそうなんじゃないかな?ってすごい思う」
 
――どこもかしこもが365日仲良し家族じゃないだろうと。でも、俺は家族に仲良くしてほしいと思ったことがないんです。=そう思うことが自分に起きてなかったのかもしれない。そういう発想がないから、これはすごく片平里菜自身の歌だなって思いました。ちなみに去年、お兄さんの結婚式があったのはこの曲が生まれたことと関係ある?
 
「そのときはまだ出来てなかったんですけど、その後にこの曲ができて、ディレクターさんが結婚したときに歌いました(笑)。でも、ずっと自分の中にあったものなのかもしれない」
 
スタッフ「その結婚式で初披露だったんですけど、すごかったんですよ。新郎がもう号泣で(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) じゃあ効果アリやね。
 
「もう何の涙かは分からないけど(照笑)」
 
――本当に結婚式で歌える曲ですもんね。あと、『なまえ』ってみんなにあるものですけど、そこに着眼したのは?
 
「自分を誇りに思いたいし、自分が生まれ育った故郷・福島のこともそう思いたいっていう欲求が、大人になるとどんどん増してきて。そういうアイデンティティを探して求めていく中で、それがどこにあるのかな? どこから出発したのかな?って思うと、やっぱり母からポンッて生まれてきた瞬間もそうだけど、そこで親に名前を付けてもらった瞬間に、自己が発生している意識があったんで。目に見えるこの世界での自分のルーツは、多分名前なのかなって。いろんな家庭環境で生まれ育って、それが良くも悪くも大人になって反映されていくと思うけど、結局、その親に受けた愛とか、名前を付けてもらったという事実だけはみんな変わらない。そこだけはみんなに共通してあることだなぁって、名前を付けてもらったということに、すごい愛情を感じたというか」
 
――曲調的にはピアノとストリングスが美しい曲ですけど、それを生み出す過程はアーティストとして、女性として、人生を省みるディープな作業があった先の作品なんですね。
 
「そうですね。あと、今まではストリングを使うことに対してちょっと抵抗があって。どんな曲でも、ストリングスを入れることで何となくいい曲になってしまう法則にハメられてしまうのがすごくイヤで。でも、この曲に関してはいっぱい産みの苦しみもあったし、自信もあったし、その魔法に勝てるかなって。曲のパワーの方が強い自覚が」
 
――ストリングスを、ちゃんと自分の服にして着こなせるぐらいの。
 
「そうそう。着せられてる感じがないというか。実際、弦の音って本当に美しいと思うし、人間の声よりも遥かにキレイなものだと思っちゃう。バイオリンの音に人間の生歌は勝てないって思っちゃうくらい、すごくキレイだから」
 
――簡単にあやかるわけにはいかないと。それをGOできたということはソングライターとして一段上がりましたね。
 
「上がった…と信じたいですね(笑)。まだまだだけど、ちょっとずつ」
 
――今までは、1人で生きていける強さを持っている女性に対する憧れもあると言っていましたが、今は人と生きていくことの難しさ、故にそれができている尊さ、みたいなものに焦点がいってますね。
 
「そうですね。やっぱりぶつかり合いながらも同じ屋根の下で過ごしてる父母がすごいなって尊敬するし、こうやって自立してから自分もいろんな人と関わる中で、それまでは1人になりたいとか、人間って面倒くさいなってずっと思ってたけど、やっぱりどんどん寂しくなって(笑)。人がいないとダメだってなってくるし。そういった面で、歌うことが変わっていってる実感はある」
 
――やっぱり人が出ますもんね、シンガーソングライターは。逆に出ていないシンガーソングライターの歌に心は動かされないと思うんで。とても濃厚な1曲ですけど、書いたときに今までとは違う達成感みたいなものはあった?
 
「達成感は、いつまで経ってもないと思う(笑)。でも、デビュー曲の『夏の夜』(‘13)とかの感覚と、ちょっと近いかもしれない。何か1つ自分の心に響くキラーフレーズみたいなものがあって、そこから広がっていくっていう。この曲ではそれがどんどん連なっていったというか、メロディと言葉に救われている感じでした。何かやっと…デビューとはまた違うけど、この歌でやっと始まる感じはあるかもしれない、うん」

 



こういう感情は取っておきたいなってすごい思う
 
 
――とは言え、カップリングの『ラブソング』(M-2)は、まだ葛藤とか混沌の真っ只中にいるときのグチャグチャの気持ちを書き殴ったような曲ですね。『なまえ』はそこを抜けて出た答えな感じがするけど、『ラブソング』はその渦の中にいること自体を書く、みたいな。
 
「フフフ(笑)。でした。そこから脱皮しようともがいているような。現状打破しようと」
 
――この曲はまたガラッとテンションが変わり、エモーショナルなバンドサウンドで幕を開けます。ただ、『ラブソング』というタイトルから想像する内容とは違う曲で。こんなに甘くない『ラブソング』があるんだって(笑)。
 
「トゲトゲ(笑)。でも、こういうタイトルがピッタリだったんです。ホールツアーのメンバーでスタジオに入って1からアレンジ進めていった曲なんですけど、この曲の感覚は東京に出てきてからずっとあって。この曲には“最終電車”だったり“帰り道”、“乗り換える間”とかそういうワードが出てくるけど、周りは静かでも自分の中がすごい騒がしくて、世の中で流れてるようなラブソングだったり、自分が歌うラブソングが聴ける静けさが全くないというか…。自分がよしとしないものが、見たくなくても、聞きたくなくても、目に耳に入ってくる状況の中で、“くたばれ”とかそういう汚い言葉ばっかりが、自分から出てくることが結構あって。そういうことを曲にしようと思いました」
 
――例えば、全然いいと思えない表現がもてはやされることで何クソと奮い立たされることもあるけど、いろんな情報が渦巻いてるからこそ、自分がしっかりしてないと、その渦に飲み込まれちゃうというか。『ラブソング』の歌詞では、そのグルグルが感じられて。
 
「東京に来て、もう3年くらい経つのかな? 本当に取捨選択というか、自分で選ぶ/切り捨てるっていう行為をもっと自信を持ってできるようにならないと、本当に食われちゃうなっていうのはあるから(笑)、こういう感情は取っておきたいなってすごい思う」
 
――ラブソングというのはJ-POPにおいて“売る”ための1つのツールでもあるから、象徴的ですね。
 
「そう。あまりにもラブソングだったり甘い曲が乱用されている感じがあり過ぎて、ラブソングがラブソングに聴こえないというか。何か不幸な曲を歌った方が響いちゃうみたいなところもあって(笑)」
 
――『なまえ』とはまたベクトルは違いますけど、片平里菜の内部に近付いた感じがする曲です。
 
「そうかもしれない。言葉も強くなってきたのかもしれないし、今回は結構フォークソングに近いのかなって思う」
 
 
歌を歌う人間として、やっぱりもっと人間臭くていい
 
 
――3曲目は生々しい弾き語りで、『とり』というこれまたシンプルなタイトルの曲です(笑)。
 
「フフフ(笑)。『とり』(笑)。これは一発録りなんですけど、もう年明けからずっと風邪を引いてて、全然歌が録れなくて。風邪が治ったら鼻声で、“また次回にしよう”みたいなことが続いて、ようやく『なまえ』を録り終わったらまた風邪を引いて(苦笑)。『とり』もギリギリでやっと録れたんですけど。何かさっきの話じゃないけど、カッコつける歌はもう歌いたくないなというか。もちろんいろんな音楽に挑戦してみたいとか、“こういうサウンドで”とかは思うけど、歌を歌う人間として、やっぱりもっと人間臭くていいなって。『とり』に至ってはすごい…」
 
――ある種、独り言のようなね。
 
「そうそう。最近、何かそういうことを書いちゃうんですよね」
 
――大人になれば自由にはなるけど、どう選択していくのか。“渡り鳥のように臆病なんだ”の一節は、自由であるからこその怖さみたいなものを感じますね。
 
「人間なんて最初っから自由だと思うんですけど、でもそれを自分の弱さだったりいろんなものが邪魔してて、本当はあと一歩で、簡単なことで自由になれるのにって。別にその扉が開いていようが、羽が付いていようがいなかろうが関係なくて。自分次第で全然自由になれると思ってるから」
 
 
しっかり歌を聴かせられるようなライブにしたい
 
 
――最近では、『ウルフルズトリビュート~Best of Girl Friends~』にも参加していましたが、活動していく中でいろんなつながりもできていってますね。
 
「先日、大阪のフェスティバルホールでも錚々たる先輩たちの中で歌わせてもらって。自分と同じような同世代のシンガーをすごいなと思うことももちろんあるんだけど、影響を受けることってあんまりなくて。でも、先輩たちを観ると、やっぱりこれじゃいけないなっていつも気付かされます。道筋を教えてもらえてますね」
 
――ちなみに、そのトリビュートで歌っている『サムライソウル』は自ら選んだんですか?
 
「男の人の曲なんでどれが自分に合うかが分からなくて、何曲か候補を挙げて、歌ってみて選びました。そのフェスティバルホールでトータス松本さんと『サムライソウル』を一緒に歌わせてもらったんですけど、言葉と歌の力、声の力とその人間力…感動しましたね。思いっ切りストレートな歌を、安っぽくなく聴かせられるのってすごいなって。本当にいい経験でしたね」
 
――そして、ついに初のホールツアーで、3月19日(日)にはNHK大阪ホールでのライブも控えてます。
 
「今までライブに来れなかった人とかでも、ホールだったら、椅子があるならっていう人もきっといるだろうし、今回が(片平里菜の)初ライブの人もいっぱいいると思うんで、しっかり歌を聴かせられるようなライブにしたい。デビューして、いろんな大人の方が周りにいて、いろんなことしてくれてっていう状況になって…何だろう? 毎回、何か1つ確信的なものを、自分の答えとして出していかなきゃいけないのが当たり前な中で、何となくっていうときも実際はあったと思うんです。けど、やっとこの『なまえ』っていう曲ができて、もっともっと…今までの曲ももちろんそうですけど、みんなの歌になる瞬間があるといいなって思ってます」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2017年3月17日更新)


Check

Movie Comment

はにかむ姿がキュート過ぎ!
片平里菜からの動画コメント

Release

自身の原体験に基づく名曲誕生!
映画『パパのお弁当は世界一』主題歌

Single
『なまえ』
【初回限定盤DVD付】
発売中 2000円(税別)
ポニーキャニオン
PCCA-04500

<収録曲>
01. なまえ
02. ラブソング
03. とり

<DVD収録内容>
-Special Movie- 里菜のお弁当は世界一
『Party』-Music Video-
『結露』-Music Video-
『ラブソング』-Recording Document-

【通常盤】
発売中 1200円(税別)
ポニーキャニオン
PCCA-04501

<収録曲>
01. なまえ
02. ラブソング
03. とり
04. Love takes time
2016.06.19@名古屋ダイアモンドホール

Profile

かたひら・りな…福島県福島市出身、24歳。『閃光ライオット2011』にて1万組の中から審査員特別賞を受賞。’13年8月にシングル『夏の夜』でメジャーデビュー。'14年8月に1stアルバム『amazing sky』をリリース。 ’15年には、史上最年少で東京スカパラダイスオーケストラのゲストボーカルに抜擢(参加楽曲『嘘をつく唇』)。’16年2月にリリースされた2ndアルバム『最高の仕打ち』(‘16)収録曲『Party』では、SCANDALと楽曲制作を行い話題を集め、同月よりアルバムを引っ提げた3rdワンマンツアー『そんなふうに愛することができる?』を全国10ヵ所で開催。’17年3月1日には最新作となる8thシングル『なまえ』をリリース、同5日には自身最大キャパの中野サンプラザホールでのワンマンライブを開催した。日本人女性初のギターブランド“エピフォン”公認アーティストとして認定され、福島・東北から全国へさらなる活躍が期待される若手女性シンガーソングライターである。

片平里菜 オフィシャルサイト
http://www.katahirarina.com/

Live

初のホールツアーがついに実現!
大阪公演が間もなく開催へ

 
『片平里菜 ホールツアー2017』

【東京公演】
チケット発売中 Pコード308-258
▼3月5日(日)17:00
中野サンプラザ
全席指定4860円
H.I.P.■03(3475)9999
※3歳以上はチケット必要。

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード328-253
※販売期間中は店頭、インターネットでの直接販売のみ。
▼3月19日(日)17:00
NHK大阪ホール
全席指定(当日引換券)4860円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※3歳以上は有料。公演当日、開場時間より当日券窓口にて座席指定券と引換え致します。お席は連番でご用意可能です。お渡しするチケットは先着順ではございません。予めご了承ください。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


Column1

「しっかり残って、ちゃんと
受け継がれるような普遍的な曲を」
シンガーソングライターの衝動も
ポップスへの意欲も、片平里菜の
一点モノの音楽を詰め込んだ
『最高の仕打ち』インタビュー

Column2

「愛されるためにはかわいくなきゃ
愛するためにはたくましくなきゃ」
片平里菜が『Oh JANE/あなた』
と女性観を語るインタビュー

Comment!!

ぴあ関西版WEB音楽担当
奥“ボウイ”昌史からのオススメ!

「最近、久々に病院に行って、診察が終わってロビーで待っていたら、“〇〇さーん、○○優子さーん”みたいに誰かが名前を呼ばれてて。そのときにふと、この人はきっと優しい子に育ってほしいと名付けられたんだろうなって、思ったんです。名前って不思議な制度で、ある種それを背負って生きていかなきゃいけないし、結婚して苗字が変わっても、名前だけは変わらなかったりする。『なまえ』の歌詞の一節に“古里に咲く菜の花 5月になると黄色い花”とあるように、5月生まれの彼女にご両親が名付けた当時の想い=ぬくもりが、何となくこっちにも伝わってくるみたいで。ホント、いい子に育ちましたよね?(笑) インタビュー原稿って、語尾とか言い回しを読みやすくするためにちょいちょい整えたりするんですが、彼女との会話はあんまりいじらない方が伝わるのかなって、今回の原稿を書きながらちょっと思いました。僕も多くのアーティストに取材してますけど、彼女はズルくない。上手くない。もうちょっとそうでもいいよ、って思うぐらいに(笑)。だからこそ彼女は信頼できる。それは弱さだけの歌よりも、弱さを知ってそれを越えようともがく歌に、心を動かされるように」