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“楽しいだけが音楽じゃないぜ。それが俺の音楽”
想いの純度とメロディの推進力
これがジョゼの基本方針たる儚き『honeymoon』!
ツアークライマックスに送る全員インタビュー&動画コメント

 『honeymoon』=蜜月とは、新婚後1ヵ月間の、言わば幸せの絶頂。そんな甘美な響きとは裏腹に、その日々はいずれ終わるという儚き現実。前作『YOUNGSTER』より僅か10ヵ月で届いたジョゼの最新作に掲げられたそのタイトルは、彼らが自問自答と変化を恐れずたどり着いた、バンドの、そしてソングライターである羽深(vo&g)の基本方針とも言える1枚となった。前作に引き続きプロデュースに根岸孝旨を迎え、鋼の歌声とエッジィなギターという持ち味に加え、再強化されたボトムが三位一体となって生み出す3ピースロックバンドならではのグルーヴと疾走感は、鬼教官の指揮の下(笑)さらにパンプアップ。今でも音楽に翻弄され、奮い立たされ、一喜一憂する蒼き音像が、問答無用に胸に訴えかけてくるかのようだ。そんな充実作を作り終えた感想を羽深に問うと、彼は“助かった”と言った。いまだ続く人生の道中で見た僅かで確かな光に、“まだ音楽をやっていいんだ”と言った。不器用で愛しきバンドマンがもがきながら生み出した、そんなかけがえのない音楽。ツアーのクライマックスにメンバー全員で語った、『honeymoon』インタビュー。

 
 
『YOUNGSTER』は絶対に越えないといけないステップだった
 
 
――前作『YOUNGSTER』(‘16)のツアーファイナル前に羽深(vo&g)くんがブログにも書いていたけど、『YOUNGSTER』は賛否両論を覚悟の上で作った感じがあったというか。実際にどんなリアクションがあったり、どんな心の動きがあったのかを知りたいなと。
 
羽深(vo&g)「ブログでああいうネガティブなことを書くのが好きなのでそう感じさせてしまうかもしれないですけど(笑)、『YOUNGSTER』は絶対に越えないといけないステップだったと思ってるんで。俺はエゴサーチもそんなにしないし、自分からそういうリアクションは見ないようにしてるんですけど、聴いてくれた友達とかバンドマン的には、“臆することなくポップな、キャッチーなことをしようと、羽深の中で揺らいでる何かと戦いながら、ちゃんと作っている気がしたよ”という感じだったみたいで。間違ってなかったなと思えたのはよかったですね」
 
吉田(b)「薄々想像はしていたんですけど、リアクションという意味ではやっぱりライブでめちゃくちゃ感じて。『YOUNGSTER』でストレートにお客さんに届けようとする曲が結構増えたと思うんですよ。お客さんの反応も今までとは目に見えて違って、双方向でライブを楽しめるようになった。そうやってライブで感じたこと、そこからもっといろんなことができるんじゃないかと思ったことが、『honeymoon』では出たんじゃないかな」
 
中神(ds)「あと、僕ら自身も『YOUNGSTER』を出したことによって、“くだけた部分”もお客さんに観てもらいたい気持ちが膨らんだというか。“僕らはこういう人間なんです”っていうことが伝えられたかなって」
 
――羽深くんは“毎作変化したい”と常々言っていたけど、やっぱりツアーを経て初めて『YOUNGSTER』を肯定できたというか、そのトライが自分たちにとってやるべきことだったと分かったと?
 
羽深「まさにそういうことだと思います。セットリストに組み込んでいくときもライブ向きの曲だなとは思っていたんですけど、何だか曲に僕らが育てられたというか、試されたツアーだったので」
 
――ある種の実験というか挑戦によって自分たちが変わろうとして、ライブもちゃんといい方向に向かったのはよかったよね。でも、羽深くんって、常に過去のジョゼと戦っているというか、葛藤が感じられるなぁと思うんやけど。
 
羽深「フフフ(笑) そうですね」
 
――あの頃に戻るべきだとは言わないけど、かつて支持された自分が正解なのか、こうやって挑戦することが正解なのかの狭間で、今でも常に揺れている感じがする。
 
羽深「やっぱりぴあ関西版WEBはいいところをえぐってきますね(笑)。後ろ髪を引かれていると言うとあれなんですけど、ぶっちゃけ、デモとか手売りで音源を売っていたような頃から感覚は変わらなくて。全然違うカラーのアルバムを出したいと思いつつも、どこかしら延長線上にいないと俺じゃなくなるっていう気持ちはずっとあるから。“俺って何だ?”っていうところから、次も次もと作っているのが本音かなぁと」
 
――だからか、常に新しい自分を追い求めているけど、毎回正解とも思っていない感じがするんだよね。
 
羽深「(笑)。音楽に正解を出せちゃったらやめちゃうかもしれないな、もしかしたら」
 
 
今回のレコーディングで俺はめちゃくちゃ変わったし
ツアーファイナルではさらに成長していると思います
 
 
――そうやっていざ『honeymoon』を作るとき、“3ピースロックバンドたる所以”を目指すことになったのは、前作同様プロデューサーの根岸(孝旨)さんがライブを観てくれたこともデカかった?
 
羽深「大きかったですね。根岸さんは俺たちのライブを観る前から携わってくれていたので、想像と違ったんでしょうね。“お前らまさに3ピースロックバンドじゃん”みたいなことを言ってくれて、それがヒントになったのかなと」
 
――ちなみに、みんな3ピースのバンドばっかりやってきたの?
 
羽深「大学ではファンクみたいなこともやっていましたし、5~6人編成のバンドもやっていましたけど、俺にとっては外に向けてやった初めてのバンドがジョゼですね」
 
吉田「俺なんかはジョゼに入る前は、女の子が鍵盤を弾きながら歌って、ギター、ギター、ベース、ドラムみたいに音数が多い感じでしたね。だから3ピースバンドはほとんどやったことがなくて」
 
中神「僕も地元の愛知県にいるときに男4人組のバンドをやっていた時期はありましたけど、3ピースで本格的にってなると、このバンドが初めてで」
 
――音的にはギターがもう1人いてもいいし、なんで3ピースなんだろうね?
 
羽深「俺は常々思うことがあって。多分、ギタリストがいたら俺と超ケンカする(笑)」
 
――しそう~!(笑)
 
羽深「(笑)。音源は少し豪華にしたい気持ちがあるから音を重ねるけど、ライブはライブって割り切ってるタイプだし。うーん、本当に俺のことを理解してくれて、わがままを許してくれるギタリストだったらいいかなぁ~(笑)。2人のエゴがバチバチにぶつかるようなバンドだと、多分ジョゼじゃなくなるから」
 
――長澤知之とかLAMP IN TERRENの松本大(vo&g)とかもそうだけど、羽深くんもボーカリストでソングライターだけど、ギタリストとしてもフレーズや音に個性があるからなぁ。となると、みんな3ピースに強烈なルーツがあったわけじゃないんやね。ただ、ベーシストでありプロデューサーの根岸さんと再び一緒に組むということは、ベーシストにはまた試練がやってくるわけで(笑)。
 
吉田「しかも今回は3ピースを全面に打ち出したのもあって、ベースのリフだったりフレージングが前に出る曲が多くて。分かっていたとことは言え、正直あの恐怖がまたやってきたんですけど(苦笑)。ライブでどう魅せるのか、どうバンドを作っていくのかを考えていたんですけど、今回みたいな曲もやるようになって、より個々の鍛錬じゃないですけど、もっともっとレベルアップが必要だなって、むちゃくちゃ感じました…」
 
――前回のインタビューでおもしろかったのは、“やっぱりまだ変われていない”ってシメで本当に言っていて(笑)。
 
中神「アハハハハ!(笑)」
 
吉田「ただ、『honeymoon』のレコーディングを通して、めちゃくちゃ学びましたから。今回も本当に辛かったんですけど、辛かったことを絶対に消化できている自信があるんで。マジで無駄じゃなかったなって思います。根岸さんにも当然いろいろと言われたし、それも自分が甘かったからですけど、ちゃんとやり切った。今回のレコーディングで俺はめちゃくちゃ変わったし、ツアーファイナルではさらに成長していると思います」
 
 
憧れが“Zeppツアー”みたいな感じなんですよね
それを何年経ってもずっとやれるバンド
 
 
――極力音を重ねず3ピースの旨味を出していくという方針から、どうアルバムが構築されていったの?
 
羽深「ライブとのギャップがない音源を一度作りたかったのは大きいかな。あんまりギターギターし過ぎないで、バンドのアンサンブルとしてデカい塊をドン!と前にぶつけたい気持ちがあったから。ミックスにも立ち会って、やっぱり音数が少ない方が1つ1つの音にダイナミクスが出たりするから、あんまりこねくり回すより、その方が聴いていて気持ちいいのかなって。俺は音を重ねるのも大好きなんで、1回そういうことをやってみたかった感じですね」
 
――それこそ根岸さんとは楽器も持たずにまず集まって、ジョゼとはどういうバンドなのか、どういうバンドになりたいのか、どういう夢があるのか、みたいな話も事前にしたと。
 
羽深「俺は90年代にいろんなバンドを好きになってこうやって音楽をやってるんで、憧れが“Zeppツアー”みたいな感じなんですよね。それを何年経ってもずっとやれるバンド。武道館とかアリーナとかスタジアムでやるバンドもいいけど、それこそバイン(=GRAPEVINE)とかもそうだけど、コンスタントにZeppツアーを廻れるような、そういうバンド人生を着実に歩める大人になれたらいいなっていう話はしたと思います。ただ、2人はどう思っているのか。こいつ(=吉田)は“めちゃくちゃモテてぇ!”かもしれないけど(笑)」
 
吉田「俺、確か根岸さんの前でバカみたいなことを言ったんだよね。“もっとテレビに出てぇ!”とか(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) いやでも、そういうのも大事でしょ。あと、前作の制作時はストックが0で、ドタバタでやらなきゃいけなかったこともあったと言っていたけど、今回は?
 
羽深「『サイダーは煌めいて』(M-3)は割と早い段階からあったんですけど、今回は詞と曲が一緒に出てきた曲がなくて。だから携帯電話に後から使えそうな言葉を入れておいたり、断片的に言葉を集めていたのはありますね。あと、自分に課したテーマは“ドン・パン・ドドパン”だったんですよ(笑)。普通の愚直なビートというか疾走感は変えずに、何パターン曲が書けるんだろう?って」
 
――それこそ『Carnival end』(M-2)とかでは、あえて避けていた流行りのビートを取り入れてみたり。
 
羽深「ドラムのビートパターンからジャムっていった中で生まれたのが、『Carnival end』と『流星雨とアンブレラソング』(M-4)だったと思うんですけど、プリプロの1週間前とかにギリギリでできて、急いで歌詞を書いた気がする。『Carnival end』のイメージはドッタドッタと跳ねた4つ打ちで、そういうダンサブルなロックに手を出すのが今まではある種怖かったのかもしれないですけど、歌っていること自体は暗かったりするから(笑)。その合わせ技で俺の納得するところまで落とし込めるだろうなと思って作ってましたね」
 
 
本当にまじりっ気なしの関係は始まりにしかない
 
 
――歌詞を見ていると、『YOUNGSTER』から『honeymoon』の間で羽深くんが大事なものを失くしたから書けることだったり、新たな出会いがあったような気もしたけど。
 
羽深「あぁ~失くしてはないんですけど、“失くなっちゃうかもしれない”危機感と隣り合わせだったというか。それがタイトルの『honeymoon』にも直結していくんですけど、例えば恋の始まりの爆発力ってあるじゃないですか? それこそハネムーンみたいに楽しい期間って何で冷めていっちゃうんだろう? ずっと楽しいまま、変わらない2人のまま時が進んで、何年経っても冗談を言い合えたりしたら素敵だよなって思うんだけど、どこかでボタンの掛け違いが生まれてくる恐怖があって。だから、本当にまじりっ気なしの関係は始まりにしかない。その感覚をどうやったら忘れないでいられるんだろう?っていう気持ちが、『honeymoon』には入っていると思うんですけどね」
 
――その気持ちって、何か強烈なきっかけがあって生まれたわけではなく?
 
羽深「『YOUNGSTER』は自分の別の側面に、知らなかった自分に出会いたかったから生まれた作品であって。でも、『honeymoon』は俺の性格がモロに出ているというか、儚さだったり喪失感もあるし、そこに僅かな希望を見出したい気持ちも入っている。『honeymoon』は俺の根本にある、純度の高いものが出せたと思うんですよ。例えば、元々“雨”とか“涙”とか水っぽい表現が好きで、そういうものが自然と落とし込めたり、どこか憂いがある感じが前作とはちょっと違うのかなって」
 
――羽深くんは想像力豊かというか、1の感情で10で描ける、みたいなところもある人だと思うけど、何がそういう羽深くんを形成したのかなとも。
 
羽深「人が好きなくせに、人を警戒しちゃう癖がずっとあって。そこは自分でもイヤなところだなと思うんですけど、それが曲になっているのかなぁって、ちょっと思いますね」
 
――そう考えたら、そんな面倒くさい人間とみんなよく付き合ってくれているね(笑)。
 
羽深「もうホントだよ!(笑)」
 
(一同笑)
 
――話していても伝わるけど、今はバンドもすごくいい状態で、じんじん(=中神)は『S・O・S』(M-5)で前作に引き続き作詞にもトライして、ある種のスパイス的な役割も担い始めているよね。
 
中神「そうですね。前回は共作だったけど、今回で味を占めた感がありますよね(笑)。今回は“何かよくね?”みたいな感じで進んでいくんじゃなくて、1曲1曲にちゃんと目的を持って作っていった感じがありますね。例えば、『モラトリアム・ラヴ』(M-1)だったら“男らしいリフで始まる曲”とか」
 
羽深「あとはやっぱり、お客さんのリアクションかな。『YOUNGSTER』のツアーファイナルのワンマンの景色が、今までとは明らかに違ったんで。それこそ“進む方向は間違っていないな”と思えた。ずっと不安とは戦っていますけど、今はバンドの雰囲気もいいので、ちょっとした安心感はあるかもしれませんね」
 
 
音楽に夢を持っていると自分でも思います
 
 
――レコーディング中の印象的なエピソードはある?
 
羽深「いろんなことがあったんですよ、マジで(笑)。(吉田)春人が『モラトリアム・ラヴ』のレコーディングで、30分ぐらいずーっと同じフレーズを弾いていたなとか」
 
吉田「今回はベースのリフが多いんですよ! 当然、そのリフをちゃんと弾けなきゃいけない。そこで根岸さんが、そのリフだけを“俺がいいって言うまで弾き続けようか”って…。俺はあえてこの話は言わないでおこうと思ったのに!(笑) だって前作のときみたいに“辛い辛い”って言うのも何だかね…まぁ辛かったですけど、あの試練があってよかったなって、今ではめちゃくちゃ思うんで」
 
羽深「あと、『バイタルサイン』(M-7)は次のステップへの決意表明ができた曲だと思う。『名もなきBGM』(M-6)はサビでめちゃくちゃ盛り上げなくても成立させたかった曲で、この曲は『honeymoon』の意味を汲んでいる歌詞だと思うし、大事な曲ですね」
 
――『honeymoon』ってジョゼのソングライターである羽深くんの基本方針みたいなところもあるね。
 
羽深「ですね。あと、『サイダーは煌めいて』ができたとき、周りの人に聴かせたら“お帰り!”って言われて(笑)。まぁ気持ちは分かりますね」
 
――羽深くんの性格からしたらもっとダークな音楽を突き進めてもおかしくないのに何だろう、この爽快感(笑)。
 
羽深「1回めちゃくちゃダークな(2ndミニアルバム)『Nocturne』(‘13) を作りましたから。1曲目から7分もあったし、あれで1回膿を出したというか(笑)」
 
中神「ハブちゃん(=羽深)って歌詞はあんまりポジティブじゃないと思うんですよ。だからサウンドまで暗くしちゃうと、やっぱりいろいろ考えちゃうと思うんですよね。サウンドがこれだけ明るいんだから、歌詞で暗いことを歌ってもいいでしょ!みたいな(笑)」
 
――こうやって3人でいる空気感って愉快というか(笑)、今の若手バンドに多い戦略家でもないし、ちゃんと音楽に翻弄されて、奮い立たされて、一喜一憂してる感じがいいね。
 
羽深「フフフフ(笑)。まあ戦略家じゃないと今は売れないんでしょうけどね。でも、それだけ音楽に夢を持っていると自分でも思います。ただ、昔はジャケの文字の位置とか情報解禁日も全部自分で決めていたり、そういう気質があったんですけど、今は音楽だけに没頭したくて。あんまり余計なことは考えていないんですよね」
 
 
ジョゼはお客さんと一緒に曲を完成させたいバンドなんで
 
 
――今作が完成したときは何か思いました?
 
吉田「やっぱり『YOUNGSTER』から『honeymoon』までにはいろいろあって、長いツアーを廻ったり、フェスに出させてもらったり、いろんなバンドがどうやってお客さんをノせるかも目にして、それを踏まえて、ちゃんと『YOUNGSTER』から一歩踏み出すことができたなぁって。個人的にも自分はこうでなきゃいけない、こうしていこうって思えるような今後の指針ができて。3ピースの一角としての気持ちを、ちゃんと持てるようになったなぁと」
 
中神「男らしくもあり、ちょっと切ないとか、ちょっと敏感なところが、うまく融合したアルバムだと思いましたね。みんながみんな敏感なわけじゃないし、繊細過ぎても伝わらないことがあると思うけど、訴えかける力のあるアルバムになったと思います」
 
――ツアーも終盤ですが、途中経過としてはどうですか?
 
羽深「やっぱりジョゼはお客さんと一緒に曲を完成させたいバンドなんで。歌っていて感じたのは、どんどん曲が引っ張っていってくれるというか。それこそ音を重ね過ぎていないのが活きたのかなと思うけど、これからこの曲たちがもっと力を増していくんじゃないかなって」
 
――今作のリリース時に羽深くんがSNSに書いていたすごく印象的な言葉があって、なおかつジョゼ自体のことをすごく表しているなと思ったのが、“楽しいだけが音楽じゃないぜ。それが俺の音楽”って。
 
羽深「アハハ!(笑)」
 
――これは“まさに”だなと。端的に決意とジョゼを表している言葉だなと思った。俺スクショしたもん(笑)。
 


羽深「マジで!?(笑) 『流星雨とアンブレラソング』のMVができたとき、“これが今、俺のやっている音楽だよ”って、あんまり会わなくなった古くからの友達も含めて、改めてみんなに何て言おうかな?って思ったとき、パッと出てきたのがそれだったのかなぁ。まぁ気にしちゃう性格っていうのもありますけど、今はもっとわがままに音楽をやろうと思っています。あと、“出し切った~!”にならなくてよかったなと思っていて。まだ音楽をやるんだろうなって思いました、これからも。先の光が見えている状態が持続しているから、“助かった”じゃないけど」
 
――“助かった”ってすごい感覚やな(笑)。
 
羽深「(笑)。自分で自分のことは見えないから、“俺って今どんな顔をしているの? ジョゼって今どういうバンドとして見られているの?”っていうのは、多分ずっと分からない。でも、制作過程でも完成した後でも、確かな光を見たので。その状態が続く限りは、まだ音楽をやっていいんだなって実感しました」
 
――羽深くんは“俺様”にも見えるのに、周りの声をちょっとは気にしているんやね。
 
羽深「1つ1つ超気にしている(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) エゴサしないのに?
 
羽深「だからしないんです。どうせ気にしちゃうし。1つ1つ気にして、1つ1つに頭の中でキレて、1つ1つ“ちょっと余計なことをしたかなぁ”とか考えている、面倒くさい人間なんで。だから俺はそういう細かいところも含めてわがままに、余計なことをゴタゴタ言う前に、自分の音楽を形にして残せばいいのかなって思いました。3人でさらに深い話をする呑みも増えたし、この2人を心配させないように、俺はわがままにやりたいと思います」
 
中神「僕と春人は根がポジティブなんですよ。まぁ平たく言うとアホなんですよ(笑)。だから上手くやれているのかなっていうのもありますけどね」
 
――最後に羽深くんには、かのジョン・メイヤーのありがたい言葉を贈ります。“みんなが君についてどう思っているか、君が考えてみても、それは常に間違っている。程度の差はあるけど、いつも、少し違っているか全部違っているかのどちらかだ”。
 
羽深「奥さん(=筆者)、俺、それFacebookで“イイね!”しました(笑)。っていうか俺、それスクショした!」
 
――アハハハハ!(笑)
 
中神「何でお互いスクショし合ってんの!(笑)」
 
――ライブで再会できる日を楽しみにしています(笑)。本日はありがとうございました~!
 
全員「ありがとうございました~!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2017年1月27日更新)


Check

Movie Comment

キーパーソンは右端の吉田(b)(笑)
ジョゼからの動画コメント!

Release

3ピースに特化した切れ味とポップネス
根岸孝旨プロデュースの最新作!

Mini Album
『honeymoon』
発売中 2000円(税別)
K's Factory Inc.
KSF-014

<収録曲>
01. モラトリアム・ラヴ
02. Carnival end
03. サイダーは煌めいて
04. 流星雨とアンブレラソング
05. S・O・S
06. 名もなきBGM
07. バイタルサイン

Profile

ジョゼ…写真左より、吉田春人(b)、羽深創太(vo&g)、中神伸允(ds)。’10年、大学在学中の羽深、中神らによって結成。’12年3月、自主制作のデモ・ミニアルバム『weekend』をリリース。’13年5月に1stミニアルバム『Aquarium』を初の全国発売。11月には2ndミニアルバム『Nocturne』をリリース。’14年5月に開催された自主企画『小声で云うハロー vol.4』をもって前ベーシストが脱退、翌6月には吉田が加入し現在の編成に。’15年1月には1stフルアルバム『Sekirara』をリリース、全国17ヵ所で『ONLY (Y)OURS TOUR 2015』を敢行。4月には渋谷eggmanにてツアーファイナルワンマン公演を開催。’15年11月には、後に日本テレビ系『PON!』1月度エンディングテーマとなる配信シングル『ハートソルジャー』を先行リリース。初の東名阪自主企画『曇りのちAmazing!!』を開催。’16年1月には3rdミニアルバム『YOUNGSTER』をリリース。2月より全国12ヵ所でリリースツアー『Y.M.C.A. 2016』を敢行。同年11月9日には、4thミニアルバム『honeymoon』をリリース。現在は、全国15ヵ所でリリースツアー『HONEY MOON 2016 to 2017』を実施中。

ジョゼ オフィシャルサイト
http://jozeband.com/

Live

リリースツアーもいよいよ終盤
セミファイナル大阪公演が間もなく!

 
『HONEY MOON 2016 to 2017』

【千葉公演】
▼11月18日(金)千葉LOOK
【宮城公演】
▼12月1日(木)LIVE HOUSE enn 2nd
【長野公演】
▼12月2日(金)松本ALECX
【新潟公演】
▼12月3日(土)GOLDEN PIGS BLACK STAGE
【京都公演】
▼12月8日(木)京都MOJO
【岡山公演】
▼12月9日(金)IMAGE
【福島公演】
▼12月17日(土)CLUB ♯9
【福岡公演】
▼1月7日(土)福岡Queblick
【広島公演】
▼1月9日(月・祝)広島Cave-Be
【北海道公演】
▼1月15日(日)KRAPS HALL
【愛知公演】
▼1月20日(金)RAD HALL
【石川公演】
▼1月22日(日)金沢vanvanv4

【香川公演】
▼1月27日(金)DIME
 

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード315-777
▼1月28日(土)18:00
LIVE SQUARE 2nd LINE
オールスタンディング2500円
[共演]フィッシュライフ/
the equal lights/バンドごっこ
GREENS■06(6882)1224

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


【東京公演】
チケット発売中 Pコード310-171
▼2月11日(土・祝)18:30
TSUTAYA O-Crest
スタンディング2500円
[ゲスト]フクザワ
TSUTAYA O-Crest■03(3770)1095

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Column

「自分の汚いところ、イヤなところ
 の中に必ずキラキラが眠ってる」
蒼き結晶のようなポップネス
いまだ続くバンドという青春の奇跡
『YOUNGSTER』インタビュー

Column2

終わらない思春期を描き出す
ソリッドブルーのギターサウンド
1人の声がみんなの音楽になる
『Sekirara』インタビュー

Comment!!

ぴあ関西版WEB音楽担当
奥“ボウイ”昌史からのオススメ!

「“人を知るとその音楽がより好きになる。俺はそういうタイプだからそういう原稿を書く”ってさっきTwitterで呟いたんですけど、これジョゼのことだわ(笑)。彼らは今のシーンに多数潜んでいる戦略家ではありません。“人が好きなくせに、人を警戒しちゃう癖がずっとあって…”って自覚しているぐらいだから誰とでもすぐに仲良くなれません(笑)。音楽=自分と真っ向勝負で向き合って、それに時に振り回され、時に励まされ、それでも何とか続けている真性ピュアネス野郎なんです。本当に1つ1つの質問に嘘をついていない(つけない)ことが話していて分かるんですよね。そんな彼らの新作『honeymoon』は、持ち味のソリッドなバンド感とポップセンスがまさに“蜜月”なバランスで成り立った充実作。付き合う人は選ばざるを得ないのに聴く人は選ばないポップさって何(笑)。そして、ライブでも音源のイメージを損なうことなく越えていく高解像度のバンドサウンドに惚れますよ。いずれ…ジョゼが本当にZeppツアーができるようになったら、自分のことのように嬉しいだろうな、うん」