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待望の初のソロライブが決定!!
BEGIN・上地等が初のソロアルバムをリリース!
「ソロの経験をBEGINに活かしたい」
同世代に向けた 『48(よんぱち)』についてインタビュー!

BEGINのピアノとヴォーカルを務める上地等が、初のソロアルバムをリリースした。タイトルは『48(よんぱち)』。今年48歳を迎えた上地が、これまでの人生を振り返りながら作り上げた1枚で、同年代への応援歌として書かれた優しい曲たちが詰め込まれている。さらに11月7日(月)には兵庫・神戸チキンジョージで同作を携えた初のソロライブツアー『48(よんぱち)』が決定!! アルバムに込めた思いについて、上地に話を聞いた。

――まず、48歳にして初のソロアルバムを作ることになった、そのきっかけから教えていただけますでしょうか。

BEGINが25周年を迎えて、昨年から今年の3月まで、1年かけて全国各地にお礼参りのようなツアーをしてきたんです。そのツアーを終えて、これからまた次の一歩を踏み出すタイミングでもありましたし、一番大きいのは、昨年くらいからヴォーカルの比嘉栄昇に「等、ソロアルバムを作ってみろよ。俺は聴きたいぞ!」ってずっと言われ続けてきたことですね。最初は、そんなに乗り気ではなかったんですが、言われ続ける中で、ぼんやりと“こういうの歌えば面白いかもな~”と考えていたら徐々に気持ちが固まってきて。今年3月の両国国技館の公演で、まだ1曲も書いてなかったんだけど、「発表があるんだろ、等」って言われて、発表してしまったんですよ(笑)。

――自分を追い込む感じですね(笑)。言ったからには有言実行しないといけないですもんね。

追い込みましたね (笑)。3月20日にライブが終わって、本当に4月、5月は自宅の小さなスタジオにず~っとこもって。まず、何を書こうかコンセプトを決めて、そこから自問自答しながら自分の世界に入り込んでいって…。

――結構、苦しんだ感じですね。

何も浮かばない時は苦しいですよね。楽器を弾いていることよりも、考え事をしている時間の方が長い。どんなのにしようかなとか思いながら、いろんなCDをかけたり。今の自分だったら何ができるのかって、自問自答するんですよね。幼い頃に遡って、自分はどんな環境で育って、何で音楽を好きになったのかなとか思い返すことにすごく時間を使ったりもして。だから、レコーディング完了までを10とすれば、そのうちの7割は考えて作詞をしている時間で、2割が作曲している時間、1 割がアレンジの時間でした。そんな経験も初めてだったので、そのときは煮詰まるし、辛かったけど、今は本当にいい経験をさせてもらったなと思いますね。

――すごく膨大な記憶の中から引っ張ってきて、歌詞を作り上げていったんですね。

そうなんです。たとえば、初めて音楽に触れたのは、幼稚園くらいのときだったんですよね。9歳上の兄貴の部屋から流れる、かぐや姫とか、NSPとかのフォークソング。知らず知らず、その歌を口ずさむようになって、歌うことが好きになって、よく考えたら、これが俺が音楽を始めたきっかけだったんだなって。それからいろんな音楽を聴き始めたんだけど、やっぱり根本にあるのはフォークだな~と思って、フォークソングを連想するような曲を書こう、とか。そんなふうにして、記憶を遡りながら書いていきましたね。

――沖縄の地元の海を見ながら考えたりすることも、刺激になるんじゃないですか?

もちろんです。作っている間にBEGINとして『沖縄国際映画祭』に出て、その最中にできた歌詞もありますしね。沖縄は友達も多いし、海を見て部屋に帰って、浮かんできたことを歌詞にして。

――ちなみに、映画祭で生まれた曲はどちらですか?

『レモンチューハイ』(M-3)という曲です。映画祭で泊っていたホテルで書きました。

――『レモンチューハイ』は、聴いていると“仕事頑張って、早く呑みに行きたい!”っていう気持ちになります(笑)。

正解です!(笑)。そう言っていただけると、しめた!と思います(笑)。やっぱりみんな、いろいろありながらも毎日頑張ってると思うんです。その中で、1日のちょっとした自分へのご褒美って、僕の場合は、1杯のレモンチューハイなんですよね。そういうのを目標にして、みんな1日1日を頑張ってるよなと思ってね。僕の場合はそうだから(笑)。ライブ終わったら、“よし、呑みに行こう!”と思うし。“みんな頑張ってるんだよ!”っていう思いを、『レモンチューハイ』に入れたかったんです。

――『栗色の月』(M-7)は、飼われているウサギのことを書かれたんですよね。『レモンチューハイ』しかり、自分の好きなものも詰め込みつつ作られていったんですね。

僕らの年代は、世間的には中年と呼ばれて、仕事では中間管理職の世代。上からも下からも挟まれて、大変な時期でしょ。家庭に戻れば、子どもも高校生や大学生くらいの年齢で、母親たちも自分のオシャレよりは息子の学費のために頑張っている年齢ですよ。周りの同級生を見たらみんなそんな感じなんだけど、その頑張っている姿がすごく愛おしく思えるんですよね。そういう人たちに向けて応援歌を作りたいなと思って、『48(よんぱち)』というタイトルが浮かんだんです。でも同世代への応援歌は、自分への応援歌でもあるわけで、だから自分の身の周りにあるものを題材にして、我が家の“マロンちゃん”の歌を歌おう!って(笑)。マロンちゃんの歌を作ったら、うちの嫁も喜ぶな~とか思いながらね。

――曲調がロックで、ウサギのイメージとのギャップがあるんですが…(笑)。

マロンちゃんは、ハードロックなんですよ(笑)。めっちゃ激しい! 嫁が大事にしていたアンティークの家具をかじるし、家中のものをかじりまくるんです。買ったばかりの空気清浄機が、スイッチ入らなんなって思ったら噛み切られてるし。買ったその日にですよ(笑)。“あ~!”って思うことも多いですけど、トータルで考えると癒されてるんですよね。あきらめることも覚えたし。そうなると、マロンちゃんのことを歌いたいなって。

――曲作りで自分のことを振り返ってみて、改めて発見したことや感じたことはありますか?

発見というよりも反省なんだけど、単純に作業が今までの3倍なんですよ。BEGINの場合、言葉に関していうと、自分が歌う曲は自分でまとめるんだけど、ほとんどの曲は最後には比嘉栄昇がまとめるので、その作業の大変さを痛感しました。“俺、25年間(比嘉に)頼ってたんだな~。あかんな~!”って(笑)。だからずっと一人でやっている人はすごいなと思いましたね。

――今後のBEGINへの関わり方も変わってくるかもしれないですね。

変わってくると思いますよ。島袋優もユニットを組んだり、比嘉栄昇も一人でプロジェクトを組んでお祭りに参加していて。10月からはまたBEGINでツアーが始まり、ちょっと成長したBEGINになっていくんじゃないかな。そうしたマジックが起きるのが、バンドの面白さだなとも思います。

――でき上がった瞬間の喜びはどうでした?

3月までは本当に1曲もなかったわけですよ。1曲もない中から“これは大変だ!”と思って書き始めたので、途中、不安になることが何回もあったんです。2曲目まではサッとできたのに、3曲目全然できないな…とか。1曲作るのに1週間かかったこともありますし。すると、“これやばいな~、できないかもな~”って思ったこともあったんだけど、それも乗り越えてなんとかでき上がったときには、その分、嬉しかったですね。

――特に苦しんだ曲はありますか?

一つ挙げるとしたら、一番最後の『明日は晴れるといいのにな』という曲かな。みんな頑張ってて、頼もしい友達もたくさんいるけれど、苦しんでいる友達もたくさんいるんですよ。そういう友達に“お前、頑張れよ~”とは言えないし、祈りながら見守るくらいしかできない。そういう友達に向けての言葉って何だろうなって、すごく考えたんです。それで出てきたのが“明日、お前の道が晴れるといいな”という言葉。この歌で一番言いたかったのは、“今は泥沼にハマって出にくそうだけど、俺はこっちにいるからね!”と。俺は祈っているし、いつでもここで応援してるぜ!って。自分にできることは、心で頑張れって思うくらいなんだと気付くことにも時間がかかったんですよね。

――本当に、優しくて温かい雰囲気の曲が多くて、1枚を通して、上地さんのお人柄が表れている感じがします。メンバーの方々からの感想はいかがでした?

照れるんだけど、(比嘉)栄昇もメールで“めっちゃ良かった!”と言ってくれて。“俺はこういうの聴きたかったぜ。すごく嬉しいよ!”というメールをもらったときには、俺もこっそり、“お前のおかげだよ!”って思いました(笑)。

――めちゃくちゃいい関係ですね(笑)。

いやいやいや(笑)。でも、それは嬉しかったし、やっぱり二人がいないとできなかったアルバムだと思います。面と向かっては言わないですけどね(笑)。

――ソロ活動の今後の目標はありますか?

いろんな経験をさせていただいて、ソロライブもやりたいと思っていますし、その経験をBEGINに活かせたら一番いいなと思うんです。ソロをやることによって、“僕BEGINです!”じゃなくて、“僕、上地等です!”という初めての経験をしているので、まずは“上地等”をいろんな方に知っていただくのが、ソロとしての一つの目標です。それを持ってBEGINに帰って、どんなライブができるのかという楽しみもありますね。

――BEGINのコンサートも始まりますしね。

結局、BEGINがあるから安心してソロ活動もできているんだと思います。戻れる母体があるのは、とてもありがたいことだなって思いますね。

 

取材・文/黒石悦子




(2016年10月28日更新)


Check

Release

上地等
『48(よんぱち)』

<アルバム>
発売中
定価:¥2,315+税
TECI-1505

<収録曲>
01.熱帯楽園島
02.回遊者
03.レモンチューハイ
04.俺たちの草野球
05.蝉の鳴く夜
05.がんばれがんばれ
06.栗色の月
07.俺は好きって言う
08.軽く一杯
09.明日は晴れるといいのにな

BEGIN
『網にも掛からん別れ話』

2016年10月26日(水)リリース
定価:1,111+税
TECI-523

<収録曲>
01.網にも掛からん別れ話
(東海テレビ・フジテレビ系全国ネット オトナの土ドラ「とげ」主題歌)
02.歌に満ち足りた世界」
(NHK BSプレミアム・NHK WORLD「J-MELO」エンディングテーマ)
03.網にも掛からん別れ話」(カラオケ)
04.歌に満ち足りた世界」(カラオケ)

上地等ソロライブ
『48(よんぱち)』

<関西公演>

発売中 Pコード:309-323
▼11月7日(月) 19:30
チキンジョージ
自由席-4500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。
[問]サウンドクリエーター
[TEL]06-6357-4400

チケット情報はこちら


<東京公演>

発売中 Pコード:310-801
▼11月9日(水) 19:00
daikanyama 晴れたら空に豆まいて
自由席-4500円(ドリンク代別途必要)
※未就学児童は保護者膝上に限り無料。席が必要な場合はチケット必要。
[問]ホットスタッフ・プロモーション
[TEL]03-5720-9999

チケット情報はこちら

Profile

上地等

うえちひとし●BEGINのピアノ・コーラス担当。初のソロアルバム『48(よんぱち)』を2016年8月にリリース。タイトルの通り、今年48歳を迎える上地等が送る、同世代に向けた、同世代を応援する曲が詰め込まれたアルバムだ。アルバム収録の『熱帯楽園島』は、地元・石垣島のラジオ局、FMいしがきサンサンラジオの番組「ガレッジセールのガレッジパーリー」のテーマソングに。

「BEGIN コンサート
2016-2017」

2016年
11月19日(土) 広島
ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ 大ホール
11月20日(日) 山口
シンフォニア岩国 コンサートホール

2017年
1月14日(土)北海道
だて歴史の杜カルチャーセンター
1月15日(日)北海道
札幌市教育文化会館
1月21日(土)岩手
北上市文化交流センター さくらホール
1月22日(日)山形
南陽市文化会館
1月29日(日)香川サンポートホール高松・大ホール
2月4日(土)鹿児島
宝山ホール(鹿児島県文化センター)
2月5日(日)佐賀
鳥栖市民文化会館
2月23日(木)長野
上田市交流文化芸術センター 大ホール
2月25日(土)京都
ロームシアター京都 メインホール
2月26日(日)和歌山
かつらぎ総合文化会館 大ホール
2月28日(火)三重
熊野市民会館 ホール
3月5日(日)東京
昭和女子大学人見記念講堂
3月18日(土)愛知
名古屋市公会堂
3月26日(日)大阪
フェスティバルホール

BEGINオフィシャルサイト
http://www.begin1990.com/