インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 今年、FUJI ROCK FESTIVALへの出演も決まった Homecomingsがリリースした2ndアルバムは 日々の生活に溶け込む曲が詰まった最高傑作!! 彼らの奏でる音楽の“秘密”に迫るインタビュー&動画コメント


今年、FUJI ROCK FESTIVALへの出演も決まった
Homecomingsがリリースした2ndアルバムは
日々の生活に溶け込む曲が詰まった最高傑作!!
彼らの奏でる音楽の“秘密”に迫るインタビュー&動画コメント

 Homecomingsの公式サイトのバイオグラフィの1行目、まず目に飛び込んでくるのが、“京都在住、女の子3人+男の子1人の4ピースバンド”という何ともキャッチーなフレーズ。2012年、大学在学中に結成されたHomecomingsは、思わず“カワイイ!”と飛びつきたくなるポップな楽曲や、部屋に飾りたくなるようなセンスのいいジャケット、メンバーのほんわかした雰囲気などもあいまって、当初はキュートなギターポップをやるバンドという印象が強かった。が、年月を経るごとに大きく飛躍。最新作『SALE OF BROKEN DREAMS』は、この国のどこにでもあるような小さな街の片隅で音楽を聴いて育ち、今もその街で暮らす4人だからこそ作れた、ピュアで内省的で生活感のあるポップミュージックで編まれている。現在行っているツアーの大阪公演、6月26日(日)Shangri-laでのライブを前に、ぴあ関西版WEB初登場となる今回は福富優樹(g)、畳野彩加(vo&g)、福田穂那美(b)の3人に、大充実の新作に関する話とともに、現在地へたどり着くまでの道のりを10代の頃にさかのぼって語ってもらった(ドラムの石田成美は欠席)。


いろんな曲が出来てアルバムとしても開けたものになったし、
間口も世界観もすごく広がった。



――去年あたりから、様々なライブやイベントなどでHomecomingsの名前を見かける機会がグンと増えたように思います。自分たちではそのあたりを実感していますか?

福富優樹「昨年末にやった初めての東名阪ワンマンツアーで、思った以上にたくさんのお客さんが集まってくれて、“こんなに聴いてもらえてるんや”って実感はありましたね。それにも増して、今回のアルバム『SALE OF BROKEN DREAMS』が出た後の反響が大きくて。いろんなインタビューとかで“こういうアルバムを作りました!”って自分たちで伝えてもいるんですけど、聴いてくれている人にちゃんと中身が伝わっている感じがあって」

福田穂那美「“名前は知ってたけど、曲は初めて聴きました”って言ってくれる人も多いし、“いいアルバムですね”って言ってくれる人もこれまでより増えてる気がします」

――前作『Somehow,Somewhere』(2014)にあった良い意味での箱庭感もHomecomingsの魅力のひとつでしたが、今作の印象としてはオープンエアで広がりがあって、曲に出てくる景色にも前作よりももっとくっきり色がついている気がします。

福富「そうかもしれないですね。内容的にも、ピアノだけの曲があったりインストゥルメンタルっぽい曲とか、打ち込みみたいなドラムにループっぽいギターのフレーズを重ねてみたりとか、タガを外して自分たちがやりたいことをやってみた結果、いろんな曲が出来てアルバムとしても開けたものになったし、間口も世界観もすごく広がった。これまでは、自分たちが“こうしたい”と思っていることをやるのが精いっぱいだったけど、今回はまずイメージしたことを4人でやってみて、そこからさらに膨らませるところまで出来たかなって」

畳野彩加「前作は1曲1曲を個々に作っていったイメージだけど、今回は全13曲でひとつというか、アルバム全体のイメージで作れたんじゃないかな。曲の流れや曲間の長さも4人で話しながら作れる余裕もあったし、前作よりもちゃんとフルアルバムとして作りこむことができたなって実感がありますね」

――今回のアルバムを最初に聴いた時に、昔に読んだ10代が主人公の英米文学を彷彿とさせるものを感じました。様々な葛藤を抱えて生きている10代の終わりか20代のはじめの主人公たちの、キラキラしてたり落ち込んだりの日々を見るような曲たちだなぁと。サンプル盤を頂いて福富さんがライナーノーツに、アルバム制作中に少年にまつわる海外小説のアンソロジーを読んでいたと書かれているのを見て、すごく納得してしまいました。

福富「僕自身、アメリカ文学がすごく好きで影響も受けているんですけど、それが今までよりも今回はもっとストレートに出ていると思います。畳野さんと僕とで半分ぐらいずつ曲を書いて、歌詞は曲を書いた人が担当したんですけど、特に何も話していないのに畳野さんと僕の歌詞の世界もそれほど違いがなくて」

畳野「私もアルバムを作っている時にたまたま、アメリカのスクールカーストを描いた映画『ブレックファスト・クラブ』や『ウォールフラワー』とか、『ジュノ』、『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』あたりのティーンが主人公の映画をよく観ていて。それで、曲に登場する人の年齢が実際の自分より下なのかもしれない」

福富「僕はもうちょっと上で、20歳ぐらいかな」

――天気のいい日に公園を散歩しながら聴く――まさに『CENTRAL PARK AUDIO TOUR』(M-11)のシチュエーションのような聴き方ができる心地よさとともに、一番惹かれたのは、どの曲の登場人物も根底に寂しさとか絶望感みたいなものを持っているように感じられたところ、こにリアリティを感じました。物語の中も現実も、自分たちが生きている世界は平和なだけの世界じゃないし、毎日は楽しいことばかりじゃない。そこを自覚しながら、いかに諦めず毎日を少しでも心地よく快適に生きていくか。後ろに引っ張られそうになりながらも前を向いて生きている、そういう日々の中から生まれた音楽という気がして。

福富「それが僕らにとっての生活感なのかもしれない。それプラス、前作では独りよがりの寂しさみたいなものがテーマとしてあったんだけど、今回はもっと広い意味の生活感っていうか。前作では夜、1人の部屋で過ごす時間帯にテーマを絞っていたのが、今作では街全体にズームして、街の中でいろんな人たちのいろんな生活がある中で感じる寂しさ。1人きりでいる時の寂しさもあるけど、たくさんの人がいる中で感じる寂しさというか。それが僕らの生活感なのかなって」


4人とも日常生活の中で聴く音楽が好き


――みなさんが感じる生活感は、楽しさよりも寂しさのほうにぐっと寄っている?

福富「うん、そうですね。楽しいこともあるけど、そこにフォーカスするよりそれが終わった後の寂しさとか、楽しんでいる最中も終わった後の寂しさを同時に思ってる感じ。全曲それぞれにいろんなシチュエーションがあるんですけど、どの曲にも寂しさみたいなのはあって、バンドとしてはずっとそれを歌ってる気がする」

畳野「4人とも日常生活の中で聴く音楽が好きなんですね。散歩しながらとか仕事の帰りとか、何かをしながら聴く音楽が好きで。だから、ちょっと寂しく感じるようなものというか、スーッと通り過ぎるものよりも、グッとくるものが聴きたくなる瞬間が4人ともそれぞれにあって、それがアルバムにも作用してるのかな。曲のコード感もそうだし、ちょっと寂しいフレーズとかちょっと寂しげなメロディーを入れたくなるクセがあって、歌詞の和訳を書く時にもそう。それは4人全員に共通している感覚で、前作はもうちょっと暗めだったけど、今回は前作よりは明るくなったかな」

――バンドが結成された当初から、歌詞は英語だったんですか?

福富「そうですね。最初は、いろんなバンドをやっている中の一つにHomecomingsがあって、ヒップホップとかをやるバンドもあった中で、ギターポップをやるバンド的な位置づけで。ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートが好きで、そういう自分たちが好きなものをそのまんまやろうという感じで始まったから、日本語でやるっていう選択肢がないまま始まって。ただ、前作ぐらいから、自分の好きなものとかイメージしているものを形にするには、今みたいに英語詞で、ブックレットには英語詞と和訳が載っていてジャケットでもちゃんと作品の世界観を提示して…、というフォーマットが自分たちにはすごく大事な気がしていて。それまでは結成からの流れで英語詞でやってる感じでしたけど、前作を作って、自分たちが英語でやっていることの意味みたいなものが自分たち自身でもわかってきたような気がします」

畳野「私は、去年『HURTS』を出した時に実感したかなぁ。日本語の歌詞の言葉で直接耳に飛び込んでくるよりも、英語で歌って、和訳を読んでもらってそこから伝わるものとか、聴く人の中に広がっていくものがあって。そういうふうに段階を踏む感じがいいなぁって。英語詞でやるからこそ表現できるものがあるんじゃないかなって」

福田「英語で歌うことで、1枚フィルターをかけるという作用もあるよね」

畳野「そう。とはいえ日本語で歌わないと決めているわけじゃないし、日本語詞でもやってみたいと思ってるんですけどね」

――洋楽もそうですけど、聴いた時の印象やイメージした詞世界と、実際に歌詞の和訳を読んだ時に“わ、こういうことを歌ってたんだ”という驚きや発見につながるのも楽しくて。音楽が、耳で聴くだけのものじゃなく、読んで感じるものにもなるというか。そういう楽しみ方が出来るなと。

福富「自分たちの音楽が、そういうエンタテインメントなんだなと思ったんです。自分が洋楽を聴く時も、一言一句歌詞を目で追いながら聴くわけじゃなく、バーッて歌詞だけ先に読んで何となく頭に入れて、散歩しながら聴いたり、曲をその時々の情景に重ねてみたり、何かをしながら聴いたり好き勝手に楽しめる余白がある。僕らの曲もそういう楽しみ方が出来ると思うんですね」

畳野「日本語詞だと言葉が直接的でイメージしやすい良さもあるけど、自由に想像できる部分は英語詞のほうが大きい気がする」


生まれ育ったところが田舎過ぎて、それが当たり前でした(福富)




――『DON`T WORRY BOYS』(M-4)の和訳に“図書館で見つけた1冊の小説 ~ それを読んだ昼休みから何かが違って思えてきて”とありますが、小説を音楽に置き換えたら、みなさんにも世界が変わるような出会いの瞬間があったんじゃないかなと。

福富「その歌詞は僕が書いたんですけど、僕自身そういう経験があって。たぶんスピッツの曲か、何かの小説なんですけど、それに出会った時から物心があるイメージで、それまでは無邪気な何も考えてない子供でした。もともとは母親がスピッツを聴かせてくれて好きになって、母親が録音してくれたラジオ番組でASIAN KUNG-FU GENERATIONを知って。『ROCKIN’ON JAPAN』を買ったらバンドがいっぱい載ってて、それが小5か小6ぐらいですね。それと同じ頃にSF小説も読み始めて、自分の中で自我の目覚めみたいなのがあって、J-POPとかを聴いてる周りの子が急にガキに見えたりして。自分も変わらないんですけど(苦笑)」

――(笑)。

福富「USインディーって言葉で、全員の好きなものをまとめられるのかもしれないですね。僕の場合は、洋楽ではウィーザーが原点になるのかな。自分の好きな音楽が何なのかわからない時期があって、最初はスピッツとかから始まって洋楽を聴くようになってウィーザーを知って、高校でニューウェーブをめちゃめちゃ聴いて。大学に入ってからは、新しいものとかいろんなものを聴くようになったんですけど、その中でも自分の好きなものがわからなくて。ペイヴメントとかデス・キャブ・フォー・キューティを聴いた時に、そういうのが“USインディー”ってくくられているのを知って。ああいうバンドって、音楽的なジャンルではなかなか言えないじゃないですか?曲調はどことなく寂しくて、でも歌心がちゃんとあって情景が浮かんでくる。そういうのが4人とも好きなのかもしれないですね。それと僕はジェイムス・イハ(スマッシング・パンプキンズ)ですね。高校の時に彼のアルバムと出会って、ずーっと聴いてました」

畳野「私もスマパンよりもジェイムス・イハのソロが好き。このアルバムを作る時も2nd『ルック・トゥ・ザ・スカイ』をずっと聴いてました。私の場合は高校でバンドを始めた時が1番のピークというか、それまではバレー部でジャニヲタでモー娘。とかが大好きな普通の女の子だったんですよ。J-POPが大好きで、バンドとか全然接してなかったし」

福富「えーと、僕と畳野さんが高1の時に同じクラスになって、僕が彼女に教えたんです!(笑)。僕はその時、バンドをやってて、ライブをやるからってクラス中にチケットを配って、それを畳野さんが観に来てくれて。だから、僕がバンドをやってる姿を見て音楽を目指すようになったんでしょ?(笑)」

畳野「(笑)いやいやいや、それよりもその後に彼が自分で作った2枚組のミックスMDをくれて。1枚にはウィーザーとかが入ってて、もう1枚にはスピッツのアルバムの曲とかGOING UNDER GROUND、くるりとかが入ってて、それに触れた時が1番ハッとしましたね。それから速攻で部活を辞めて、バンドに走りました。思い立ったらすぐにやりたいタイプなんで(笑)。あれがなかったら音楽に対してハッとしてなかったでしょうね」

福田「私は幼稚園からずっとピアノを習ってて、中学で姉の影響もあって吹奏楽をやったんですけど、バンドにもあこがれを持ってて。高校で軽音楽部がなかったから吹奏楽部に入って、いずれバンドでできる楽器をやろうと思ってパーカッションを選んだら同じような考えの子がいて。他にもう1人バンドをやりたい子がいるからって聞いて、すぐに部活を辞めて3人でチャットモンチーのコピーとかやってましたね」

福富「穂那美さんは都会っ子やからなぁ(笑)。僕の歌詞には“田舎”感が出てるかもしれないですね。小学校の卒業文集に“将来はバンドをやりたい”って書いてたんですけど、その時はそれが特別なことだと思ってなかったし、どんな田舎にもそういう人っていますよね?(笑) 。ただ、それで“僕は音楽をやるから就職しない”って言っても親が全然反対しなかったのはありがたかったです」

畳野「そうやって文集に書いてた人がフジロックに出るってすごくない?(笑)。田んぼと温泉しかないところで育ったのに」

福富「ネットもないし。よくインタビューとかで“YouTubeで音楽を聴いてきた世代ですよね?”って聞かれるんですけど、全然そんなんじゃなくて、YouTubeなんかその頃全然知らなかった」

福田「YouTubeで聴くようになったのなんて最近。ずっとCDやった」

畳野「カセットとかMDに好きな曲をダビングして聴くっていう、すごいアナログなことをやってたやんなあ。CD屋さんとかBOOK OFFに行って、延々好きなバンドのCDを探してたり」

福富「生まれ育ったところが田舎過ぎて、それが当たり前でした(笑)。“田舎に住んでたけど、ネットがあったからいろいろ聴いてました”とかじゃなくて、周りの子たちと違って遊び方が変だったかもしれない。アルバムにもその感じが出ているのかもしれないですね」

――10代の頃に聴いたものや好きだった音楽がくれたものの影響って、大きいですよね

福富「自分の中に匂いが残っているというか、思い出すとグッとくるんですよね。高3の時に、石川のどこのBOOK OFFに行ってもThe Silent YearsってUSインディーのバンドのアルバムが950円で売ってて」

畳野「覚えてる。あったあった」

福富「検索しても情報が全然出てこないバンドなんですけど、その時に買ってずっと聴いてて。フォーマットとかも同じで、その時に買ってずっと聴いてるその匂いとか、そういう感じがすごく好きで。あの高3の時に聴いてたあの感じってなんやろね?」

畳野「私は正直、あんまりわからずに聴いてた気がする。当時は今ほど聴き入る感じでもなくて、その頃はELLEGARDENとかBEAT CRUSADERS、サカナクションとかも聴いてたし、そういうバンドに比べたらボーッと聴いてた感じがする。“何かよくわからないけど、いいな”みたいな感じで。でもそうやって聴いてたものがずーっと自分の中に残ってるんですよね」

――皆さんがMDに好きな音楽を録音して聴いてたように、私も10代の頃に好きな曲をカセットに録音して聴いたり友達に聴かせたりしてました。年齢的には20年ぐらい違うんですが、今の話にまったく違和感がなくて。

畳野「同じですよ。私たちが高校生の時ってBOOK OFF文化が花開いた時代で(笑)、田舎で土地があるから巨大なBOOK OFFがあって品ぞろえもすごかったんですよ」

福富「そのすべてが『DON’T WORRY BOYS』につながっています(笑)」


いい曲を作るということに関してはグッと力を入れてます(畳野)


――最初に言われた生活感にも通じるんでしょうか?アメリカも、ニューヨークやロス以外はほぼ田舎街だと言われるように、日本でも都市部と呼ばれる地域はほんの一部で、それ以外の地域に住んでる人のほうが圧倒的に多い。そこで育って今も暮らしている4人の生活感は、ほぼ誰もが共感しうる生活感でもあるように思います。

畳野「いろんなものに手が届いていろんなものがあふれ返ってる都会じゃなく、行動する範囲も限られている中で育ってきている感じもちょうどよく歌に出ているように思いますね」

福富「たとえば石川から上京して、東京に住みながら石川を思って歌うのではなくて、今も京都に住んでいることも大きいのかな。曲のタイトルとか、アルバムのタイトルも、憂鬱な感じではなくてメランコリックな感じにできたのが良かったと思います。暗くはなりたくないんですよね。でも、ちゃんと地に足を着けて生活している中での寂しさは出せたかな」

――“前を向いて”とか“がんばって”と歌う歌を聴いて元気が出る人もいれば、そうじゃない人もいて。自分は後者なんですが、それでも下を向いてばかりいられないし、頑張ろうとも思ってる。『SALE OF BROKEN DREAMS』は、そういう一見消極的で簡単に言葉に出来にくい気持ちに寄り添ってくれて、じんわり元気をくれるような作品であり楽曲で。そのあたりの微妙な温度感が絶妙です。

福富「そうなんです!(笑)。めっちゃ冷めきった感じとか、クソ暑苦しいのは伝わりやすいですよね?でもそのどっちでもない、ちょうどいい塩梅のところを、実はめちゃくちゃ頑張ってやってるんですよ。僕ら、“ギターポップ”とか“渋谷系”っていわれることも多いし、英語詞で雰囲気モノっぽく思われたり適当にバンドをやっていると思われがちなんですけど、めちゃめちゃ本気でやってるんですよ(笑)」

畳野「いい曲を作るということに関してはグッと力を入れてますね。ただ、さっきの温度感みたいな感覚的なものって言葉にできない部分が大きいし、それを伝えるのは本当に難しいんだけど、今回のアルバムを聴いてくれた人たちには、伝わっている気がする。アルバム全体の流れで聴いてくれていたり、ちゃんと聴いてちゃんと和訳も読んでくれている感がありますね。発売されてから日が経つにつれて、自分でもどんどんこのアルバムの良さが分かってきてる感じもありますね」

福富「CDを買って聴いて、歌詞カードも見てくれた人はほぼ100%、満足してもらえる自信はあります。YouTubeとかで1曲聴いただけじゃスーッと通り過ぎてしまうかもしれないし、そこは英語詞だと簡単に口ずさめないしなかなか難しいんですよね。配信に弱いし、今の時代にそぐわない(苦笑)。買って、手に取ってみないとわからないところに、このアルバムの良さがあって。でも、話題性のあるMVとかを作ってそれでドカンと行くよりは、じわじわと売れ続けるアルバムになれたらいいなぁと思います」

福田「それがこのバンドには合ってると思う」

――ドカンと売れるために自分たちを曲げることはしないと。

福富「ただ、今回本当に自分たちも良いと思えるアルバムが作れたから、次から全然音楽性の違うものを作ったりして。急に踊れる曲ばっかりになったりして(笑)」

畳野福田「アハハハハ!」

福富「今回のアルバムでこれまで自分がこだわっていた部分が全部出せたから、このまま推し進めていくのもアリだし、まだやっていないこともやりたい。音楽的に革新的なことじゃなくても、自分たちの中で新しいことであれば何でもやってみたいですね」

――これからのHomecomingsも楽しみにしつつ、6月26日(日)Shangri-laでの大阪公演も楽しみに待っています。

福富「アルバムの世界観を再現するライブを目指してます。そういうライブはこれまでやったことがないんですけど、今回のアルバムはそれが出来る作品になったし、来てくれた人たちが曲やジャケットに描かれた街の住人になれたり、物語の主人公になれるような、曲に入り込めるライブにしたい。是非、アルバムをじっくり聴いてライブに来てください。待ってます!」

 

text by 梶原有紀子
 




(2016年6月20日更新)


Check

彼らの遊び心が詰まった内容に
Homecomingsからの動画コメント!

Release

フルアルバム2作目にして傑作
日常に溶け込む全13曲!!

Album
『SALE OF BROKEN DREAMS』
発売中 2400円(税別)
felicity/SECOND ROYAL RECORDS
PECF-1133

<収録曲>
01.THEME FROM SALE OF BROKEN DREAMS
02.ALPHABET FLOATING IN THE BED
03.HURTS 
04.DON'T WORRY BOYS
05.BLINDFOLD RIDE
06.MAYBE SOME OTHER TIME
07.ANOTHER NEW YEAR
08.MORE SONGS OF PAIN
09.PERFECT SOUNDS FOREVER
10.BUTTERSAND
11.CENTRAL PARK AUDIO TOUR
12.LIGHTS
13.BASEBALL SUNSET

Profile

ホームカミングス…福富優樹(g)、石田成美(ds)、畳野彩加(vo&g)、福田穂那美(b)。メンバー全員が大学在学中の`12年に結成。`13年に1stアルバム『Homecoming with me?』を地元京都のレーベル、SECOND ROYAL RECORDSよりリリース。`14年9月には、“平賀さち枝とホームカミングス”名義でコラボシングル『白い光の朝に』をリリースし、同年12月に発売した初のフルアルバム『Somehow,Somewhere』が好評を博す。`15年に発売したシングル『HURTS』に続き、`16年5月に2枚目のフルアルバム『SALE OF BROKEN DREAMS』を発売。同作を携えた全国ツアーの大阪公演は6月26日(日)Shangri-laで開催。東京、大阪での自主イベントの開催や、ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)やコンピュータ・マジックなど海外のアーティストとも広く共演。‘13年に『FUJI ROCK FESTIVAL』のROOKIE A GO-GOステージに初出演したのに続き、今夏再び『FUJI ROCK FESTIVAL`16』に出演が決定。

Homecomings オフィシャルサイト
http://homecomings.jp/

Live

東名阪で開催のレコ初ワンマンツアー
25日(土)名古屋よりスタート

『SALE OF BROKEN DREAMS』RELEASE ONE-MAN TOUR "DON'T WORRY BOYS"

【愛知公演】
チケット発売中 Pコード294-406
▼6月25日(土) 18:00
TOKUZO
前売3000円
ジェイルハウス■052(936)6041

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード294-376
▼6月26日(日) 18:00
Shangri-La
スタンディング3000円
SMASH WEST■06(6535)5569

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


【東京公演】
チケット発売中 Pコード293-767
▼7月1日(金) 19:00
Shibuya WWW
オールスタンディング3000円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


リリースツアーの第2弾も発表!!

Homecomings『CENTRAL PARK AUDIO TOUR』

【静岡公演】
▼7/16(土)18:00
静岡 Freakyshow

【宮城公演】
▼7/17(日)17:00
仙台 LIVE HOUSE enn 3rd

【福島公演】
▼7/18(月)17:00
郡山 PEAK ACTION

【島根公演】
▼9/18(日)17:30
松江 NU

【広島公演】
▼9/19(月)
福山 Hot Blues Cafe

【福岡公演】
▼9/23(金)19:30
福岡 UTERO

【愛媛公演】
▼9/24(土)18:30
松山 Bar Caezar

【岡山公演】
▼9/25(日)17:30
岡山 YEBISU YA PRO

【石川公演】
▼10/10(月)17:00
金沢vanvan V4


Comment!!

音楽ライター・梶原有紀子さん
からのオススメ!

「ジャラ~ンと鳴るアコギを背に、畳野さんと福富くんの歌声が心地よく重なる『Thinking of you』(2014年『I WANT YOU BACK』収録)を聴くたびに、この曲に刻み込まれた奥ゆかしくもキラキラした青春感はこの先もずっと色あせないものなんだろうなと思う。『Sunday』(2013年『Homecoming with me?』収録)のゆらめくギターのみずみずしさにパステルズやプリファブ・スプラウトが聴きたくなったりするように、Homecomingsのメンバーがインタビュー中に挙げていたペインズをはじめとするバンドのその背後にも、いくつもの先人たちの音楽が見え隠れする。良い音楽は、音楽だけじゃなく本や映画や絵画や時には生き方なんかも含めて、素敵な出会いをたくさんプレゼントしてくれる。受け取るばかりでは申し訳ない気もするけれど、これから先もHomecomingsが聴かせてくれる曲にどんな思いもよらない贈り物が忍ばせてあるのか、とても楽しみ」