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「誰1人置いていかないので、迷うことなく来てほしい」
各地を沸騰させる過去最大のワンマンツアー中!
波に乗るBRADIOが新たな挑戦となる感動のバラード『ギフト』と
バンドの今を語る全員インタビュー&動画コメント

 これまでのファンキー&ダンサブルというイメージとはガラリと雰囲気を変えた感動のバラードを聴かせるニューシングル『ギフト』を6月1日にリリース。同曲は、ともすれば気恥ずかしくて口には出せないような“親と子供の思い合う気持ち”を真摯に歌い、サウンド面では初の生オーケストレーションを導入して、楽曲自体の奥行きを増した渾身のナンバーとなっている。そんな今作を完成させるまでの試練の日々を経てメンバー自身が今想うこととは? そして、この至極のバラードを引っ提げ現在展開中の『ファンカジスタツアー2016~レインボービッグバン編~』についてメンバー全員に訊いた。

 
 
自分たちに自信がついたというより
自分たちのファンを信じる気持ちが大きくなった
 
 
――ぴあ関西版WEBでインタビューさせていただくのは、2ndミニアルバム『Swipe Times』(‘14)以来となりますが、この2年でBRADIOの勢いも確実に増していますね。
 
大山(g)「以前は、“今のバンドシーンでは珍しいタイプだよね”って言われることがすごく多かったんですけど、この2年でバンドとしての存在意義みたいなものが、少しずつ見出せているのかなと」
 
田邊(ds)「何よりも同じベクトルを持った仲間が増えてくれたのが嬉しい。“みんなで上がっていこうぜ!”っていう雰囲気が現場にあるんですよ。そういう自分たちを支えてくれる人たちがすごく大事で、それがこの2年間の財産だと思う。そこは絶対の安心と信頼を寄せています」
 
真行寺(vo)「昨年は初めてのフルアルバム『POWER OF LIFE』(‘15)をリリースして、初めて出演したフェスも多かったし、いろんな新しい出会いがあったのは自分たちにとっても大きかったですね」
 
――ターニングポイントになったようなライブはありますか?
 
大山「去年の夏に初めて出させてもらった『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015』ですね。WING TENTのトリだったんですけど、(他のステージでは)名だたる人たちがやっている中で、“誰が僕らを見てくれるんだろう?”っていうぐらい不安だったんで(笑)。でも、結果的にすごくたくさんの人が観に来てくれて、めちゃくちゃ嬉しかったですね」
 
真行寺「バンドにとっても一番大きなポイントになったのかなと。あれ以降、自分たちに自信がついたというより、自分たちのファンを信じる気持ちが大きくなったかもしれない。全然大丈夫なんだ、みんな聴いてくれるんだって」
 
――昨年のワンマンツアーは、各地即日ソールドアウトということでしたが、実際ライブで感じたことは?
 
真行寺「ファンの人たちに対して“すごいな”っていう気持ちになりましたね。自分たちが思っている以上のものが返ってくるんですよ」
 
大山「最初にステージに出た瞬間に感じる、“お客さんのエネルギー砲”みたいなものがだんだん大きくなっている気がする。想像を超える熱量が返ってきているので、もっとみんなに楽しんでほしいという気持ちが強くなってきているんです。同時に、この2年間でいろんなことを見て、前へ前へという気持ちでやってきた中で、自分たちに出来ることをもっともっと考えていかないといけないし、(自分たちの)視野が広がったことで、もっと見ていかなきゃいけない部分がたくさんあることを感じられるようになったので。それをこれからのライブや制作に反映できたら」
 
酒井(b)「バンドの根本の部分は変わっていないんですけど、みんなでスタジオに入って、曲を作って、パッケージして届けて、ツアーに出るっていうことを、これからもずっとやっていきたい気持ちと、“もっともっと自分たちを好きにならなきゃ”と、最近はすごく思うようになってきて…。そのハードルがより高くなってきている気がする。今回の『ギフト』も、壊しては完成させっていうことを何回も繰り返してやっと出来た曲なんですけど、最終的には納得の出来る大好きな曲になりましたね」
 
 
バンドでバラードが出来るのは、すごい武器だなと思う
 
 
――その注目のニューシングル『ギフト』は、BRADIOの新たな一面を感じるバラードです。これもさっき大山さんがおっしゃっていた“視野が広がった”ことの表れなのかなと。
 



大山「それもあると思います。今回のシングルは本当に紆余曲折して完成したんです。今までのシングルは結構アッパーな部分を打ち出してきたんで、そうじゃない部分を見せられる曲にしたいという方向性から始まったんですけど、いざやってみると結構時間がかかりましたね。いろいろと巡り巡って、最終的には素直にやりたかったことにたどり着いた曲になったなぁと感じています」
 
――実際、制作にはどれぐらいかかったんですか?
 
酒井「昨年から他の候補となる曲も同時に作っていて、その中から『ギフト』に決めたのが年明けぐらいで」
 
大山「そこからがまた大変でしたね。そもそも何を伝えるための曲なのか、歌詞も7回ぐらい書き直して、“これは終わりが来るのか?”っていう(笑)。いつになったらレコーディングに入れるんだろうっていう、“迷路感”はすごくありました。こんなにメンバー間でやりとりした曲は、今までにないかもしれない」
 
真行寺「途中で何だかよく分からなくなっちゃって。とりあえず、公園に行って聴いてみたり(笑)」
 
大山「一度レコーディングして完パケしたものを、まだ“弱い”んじゃないかって、もう一回やり直したんですよ。歌詞を書いていた(真行寺)貴秋が一番大変だったと思うんですけど…」
 
真行寺「結果、やり直してよかったなって思えましたね」
 
――BRADIOにしか出来ないものにするために、特にこだわった点は?
 
真行寺「シンガーでバラードを歌っている人はいっぱいいますけど、メンバー全員が1つになってバンドでバラードが出来るのは、すごい武器だなと思うんです。それは歌い手からしても嬉しいし、それがBRADIOにしか出来ないことの1つなのかなと思っています。今までもみんなで作ってきたんですけど、今回は特にみんなで作ったなって。完成したときにホッと胸をなでおろす感じはありましたね」
 
酒井「例えば、すごい職人が1人で作った逸品じゃなくて、1人が途中まで作って、またさらに他の人の手が加わって完成していく感じなんですけど、結果的に満足できるものになる自信がある。それがBRADIOのいいところかなと」
 
――そもそも親子の関係をバンドで表現しようという発想自体があまりないと思うんですが、なぜこのテーマに?
 
大山「ラブソングとかもっと大きな人間愛とかいろいろな案があった中で、これが一番しっくりきたというか、最終的に落ち着いたのがこれだったんです。それもすげーうちらっぽいなと思います」
 
――各メンバーのこれまでの歩みにも関係している?
 
大山「そうですね。20代前半とかは、リアルに親に迷惑をかけていたんで(笑)。歌詞は貴秋が書いているんですけど、決して貴秋だけの世界観じゃなくて、BRADIOだからこその歌詞だと思っています。子供から見た親への気持ちという分かりやすいことを分かりやすく歌うのって、実はすごく難しいことなんじゃないかと。それをちゃんと聴いてもらえるようなサウンドに持っていく、それが今のBRADIOなら出来るんじゃないかと思ったんですよ。僕らがこれを5年前に出していたらまた全然違うだろうし、5年後だったら遅い気がする。このタイミングでこの内容を歌うのが、自分のキャリアの中でも大事なことだなと。今の貴秋がこの曲を歌っていることに、すごく説得力があると思っているんです。少しずつ世界が広がってきている僕らの、すごくいい時期にいい曲が出来た感じがしていますね」
 
――何かのタイアップで外部からテーマを与えられたのではなく、自発的にこういう歌を作り、練りに練って完成させたのがいいですね。そこには自然と説得力が生まれると思うし、それは聴き手にもしっかり伝わると思います。
 
真行寺「そうですね。普段言えないようなことを音楽にするのもアリかなと思うし、(人の)原理原則となるテーマが歌詞の中にあると、共感が生まれるんじゃないかと気付けた。この曲が今後のアルバムにも、すごく活きてくるんじゃないかなと思っています」
 
――そういう意味でも、さらにBRADIOの可能性を広げる1曲ですよね。ちなみに、真行寺さんはどんな気持ちで歌っていましたか? パワフルなだけじゃない真行寺さんのボーカルにもウルッときますが、歌い手のあたたかみや包容力が試される1曲でもあるのでは?
 
真行寺「歌詞に関しては本当に等身大のことをそのまま書いたので、自分の気持ちが一番出る曲になったと思います。それがライブでも伝わったらいいなと。特に2番のサビがグッときますね」
 
――楽曲に生のオーケストラを入れたのも初めてということですが。
 
大山「今まではシーケンスとして打ち込みで入れていた曲はありますけど、弦の生録音は初めてだったので、すごくイイですね…泣けましたね…」
 
――将来的には、ライブでも豪華ストリングスとの共演でぜひ聴いてみたいですね。
 
真行寺「やってみたいですね~」
 
田邊「『ギフト』を聴いた後の感覚って、1本のいい映画を見終わったときの感覚に似ているというか。歌詞にも演奏にもストーリーがあってすごく好きな曲になったので、たくさんの人に聴いてもらいたいなと思いますね」
 
 
僕らはライブをみんなで作っていくスタイルが好きなので
 
 
――カップリングの『Bring it on』(M-2)は一転、ファンキーでライブ映えしそうなアッパーチューンですね。
 
大山「これは僕らの根底にあるダンスミュージックが好きな部分が、いい塩梅で表現できました」
 
――日本語と英語のバランスも自然で、ファンキーなリズムに気持ちよく言葉が乗っていますね。
 
真行寺「嬉しいです! 社会風刺も混ぜつつ、攻撃的な歌詞を書きたくなって。これは『ギフト』からの反動なんですけど、結構すぐに出来ましたね」
 
――そして、『ファンカジスタツアー2016~レインボービッグバン編~』が6月10日からスタートしましたが、“ファンカジスタ”の由来は?
 
真行寺「“ファンキーなファンタジスタ”という意味で、ライブに来て楽しんでくれるファンの方たちをそう呼んでいます。その人たちの熱をもらって僕らもやったるぜ!っていう気持ちになるので、去年の5大都市ワンマンツアーから付けています」
 



大山「(“ファンカジスタ”は)曲名にもなっているんですけど、この言葉をすごく気に入っていて。僕らはライブをみんなで作っていくスタイルが好きなので、ファンカジスタが集まって楽しいことをするというコンセプトですね」
 
――サブタイトルの“レインボービッグバン編”というのは?
 
大山「全国7か所を廻るので、それとレインボーをかけて、“7都市でビッグバンを起こしたい!”というシンプルなコンセプトです。一番はハッピーな時間を作りたいという願いを込めていて。前回のツアーで反響をいただいたので、今回のツアーは数も増やして、もう少し大きい会場を廻っています」
 
――大阪公演となるBIGCATでのワンマンは初めてですか?
 
大山「そうですね、大阪では過去最大キャパです。去年のワンマンツアーからまた進化したものを見せたいなと!」
 
真行寺「ワンマンならではの仕掛け(=エンタテインメント)を今まで以上に盛り込んで、『ギフト』を軸にしたストーリーが見えるライブにもなっているんじゃないかと思います」
 
――最後に、BRADIOのライブをまだ観たことがない方、いつも観てくれている“ファンカジスタ”に向けて、メッセージをお願いします!
 
大山「いつも来ていただいている方も、初めての方も楽しめる内容を、今回もご用意しています! 来てくれるみんなも含めてBRADIOなので、みんなが参加できるライブを今回のツアーでもやりたいなと思っています」
 
真行寺「1人で行くのをためらっている方もいるかもしれませんが、ライブハウスに来れば音楽が好きな人がたくさんいるし、僕らバンド側としては、誰1人置いていかないので、迷うことなく来てほしいです!」
 
 
Text by エイミー野中



(2016年6月22日更新)


Check

Movie Comment

何でしょうこのノリのよさ(笑)
メンバー全員による動画コメント

Release

新たな一面を見せたまさかの新曲は
親と子の情愛を描いた感動のバラード

Single
『ギフト』
【初回生産限定盤DVD付】
発売中 2200円(税別)
HERO MUSIC ENTERTAINMENT
HRME-1009

<収録曲>
01. ギフト
02. Bring It On!
03. ギフト(Hidden AFRO ver.)
04. Bring It On!(Hidden AFRO ver.)

<DVD収録内容>
'15年10月16日東京・LIQUIDROOM
『POWER OF LIFE ~ファンカジスタツアー2015~』最終公演ライブ映像5曲収録。

【通常盤】
発売中 1000円(税別)
HRME-1010

<収録曲>
同上

Profile

ブラディオ…写真左より、酒井亮輔(b)、田邊有希(ds)、真行寺貴秋(vo)、大山聡一(g)。 “日常に彩りを加えるエンタテインメント”をコンセプトに結成。バンド名は、“~Break the Rule And Do Image On~日常の世界(Rule)に、素敵な時間・空間のイメージを加え(Do Image On)、良き変化(Break)を”という想いが込められた造語。’13年10月に1stミニアルバム『DIAMOND POPS』を、’14年7月には2ndミニアルバム『Swipe Times』をリリース。夏にはT.M.Revolution西川貴教主催『イナズマロックフェス2014』に出演。その後も各地のサーキットイベントにも精力的に出演し、活動の幅を広げる。同年11月には1stシングル『オトナHIT PARADE/Step In Time』を、翌'15年2月には同年1月期アニメ『デス・パレード』オープニングテーマとなった2ndシングル『Flyers』を立て続けに発表、6月には1stアルバム『POWER OF LIFE』をリリースした。夏には『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015』に初出場にしてステージのトリを務め、11月には同年10月期アニメ『Peeping Life TVシーズン1 ??』オープニングテーマとなった3rdシングル『HOTELエイリアン』をリリース。他にも“京都きもの友禅”全国CMのイメージソング等、数々のタイアップを担当。『COUNTDOWN JAPAN 15/16』では、’16年の年明けのステージで会場を大いに沸かせた。今年の6月1日には4thシングル『ギフト』をリリースした。

BRADIO オフィシャルサイト
http://bradio-web.com/

Live

リリースツアーにイベントにと
この夏のBRADIOは何度も関西に!

 
『ファンカジスタ2016
~レインボービッグバン編~』

【新潟公演】
Thank you, Sold Out!!
▼6月10(金)NEXS NIIGATA
【北海道公演】
Thank you, Sold Out!!
▼6月12(日)COLONY
【宮城公演】
Thank you, Sold Out!!
▼6月18(土)LIVE HOUSE enn 2nd

 

Pick Up!!

【大阪公演】

Thank you, Sold Out!!
▼6月23日(木)19:00
BIGCAT
オールスタンディング3500円
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※小学生以上は有料、未就学児童は無料
(大人1名につき、子供1名まで同時入場可)。

 
【福岡公演】
チケット発売中
▼6月25日(土)18:00
Fukuoka BEAT STATION
前売3500円
BEAT STATION■092(738)1761


【大阪公演】
『見放題2016』
Thank you, Sold Out!!
▼7月2日(土)13:00
心斎橋アメリカ村周辺ライブスペース17会場
自由3800円
[出演]詳細はコチラ
americamura FANJ twice■06(6484)3880


【愛知公演】
Thank you, Sold Out!!
▼7月09(土)名古屋クラブクアトロ
【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼7月17(日)赤坂BLITZ


【大阪公演】
『夏びらき MUSIC FESTIVAL'16
~10th Anniversary~大阪』
チケット発売中 Pコード294-813
▼7月31日(日)11:00
服部緑地野外音楽堂
自由4500円
[出演]SOIL& “PIMP” SESSIONS/Nabowa/七尾旅人/天才バンド/BRADIO/
大石昌良/キセル/SCOOBIE DO
[司会]KTa☆brasil
SLD Entertainment.Inc■03(6277)5032/
GREENS■06(6882)1224
※雨天決行、荒天中止。13歳以上は有料。12歳以下は保護者同伴に限り無料。出演者の変更・キャンセルに伴う払戻しは不可。2日間通し券はPコード:782-118にて販売。【オフィシャルHP】http://www.natsu-biraki.com/

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Column

The Show Must Go On!!
グルーヴィーでエンタテインメント
な4人組BRADIOが初登場!
注目度上昇中のライブアクトに迫る
『Swipe Times』インタビュー

Comment!!

ライター・エイミー野中さんからの
オススメコメントはこちら!

動画コメントの方ではライブに通じるはっちゃけぶりを見せてくれていますが、インタビューでは同じキャラとは思えないほど、じっくり考えながらシリアスな面持ちで話してくれたBRADIOの4人。従来得意としてきたアッパーな路線ではなく、 “BRADIOにしか出来ないバラード”に挑んだ心意気が伝わってきました。また、これまでの活動を振り返り、スカパラのことを例に出して、“自分たちの信じた音楽をずっとやり続けて歩んでいくことで、レジェンドと呼ばれる存在になることを間近で見られたのは経験値としてすごく大きかった。そういう刺激を受けてきた2年間だった”(大山)と話していたのが印象的。メンバーそれぞれの芯にある硬派な男気とファンキーな情熱に心惹かれる、とてもユニークなバンドです(笑)」