インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > “大人による大人のためのJ-AOR” 『赤道小町ドキッ』のセルフカバーを含む 山下久美子 & 大澤誉志幸の大好評コラボアルバム第2弾 『& Friends Ⅱ』インタビュー&動画コメント


“大人による大人のためのJ-AOR”
『赤道小町ドキッ』のセルフカバーを含む
山下久美子 & 大澤誉志幸の大好評コラボアルバム第2弾
『& Friends Ⅱ』インタビュー&動画コメント

 昨年発表したコラボアルバムの第2弾となる『& Friends Ⅱ』を5月にリリースした山下久美子と大澤誉志幸。第1弾『& Friends』は大澤がかつて山下に提供した楽曲を中心にした作品集だったのに対し、今作はカバーを含め様々な作家陣が山下に贈った楽曲を軸に構成。『赤道小町ドキッ』のボサノヴァ・バージョンなど、全編通して大人による大人のためのJ-AORサウンドに仕上げている。共に30年を越える音楽キャリアを持つベテランであり、旧知の仲でもある2人による息の合ったボーカル・セッションは聴き応え満点だ。7月11日(金)には前作と今作2枚のアルバムをフィーチャーしたビルボードライブ大阪でのライブも控えている2人に、アルバム制作について、さらにライブへの意気込みを聞いた。

 
 
今回は“フィーチャリング山下久美子”でいく
 
 
――昨年に続きコラボアルバム第2弾『& Friends Ⅱ』がリリースされました。当初から連作を考えていたんですか?
 
大澤「ええ、僕の中では2枚目を作るのは想定内だったんで、そのための選曲を去年からじっくり時間をかけてやっていましたね。ただ、久美子にはある程度見えてきた段階で、2枚目の企画を提案したんです。今回は“フィーチャリング山下久美子”でいくってね。前回のアルバムは僕の楽曲中心で構成した感じなんですけど、今回は久美子の初期から中期にかけての楽曲を中心に、ということなんですよ。一応、彼女の全アルバムを聴いているんですけど、僕が気に入った楽曲を直感で選ばせてもらいました」
 
――山下さんは大澤さんからその試みを提案されていかがでしたか?
 
山下「去年ライブしたときに、『赤道小町ドキッ』(M-6)をボサノヴァ・バージョンでやったんですけれども、MCで“またこれをレコーディングしよっか”とか、大澤がチラホラ言っていたんです。でも、何? 何? それ、聞いてないんだけどって…(笑)。どうやらライブをやってる最中に、大澤としては次のことを考えていていたのねと(笑)。そんな前フリがあって、ライブが終わって、一段落着いたときに改めて本格的に2作目を作りましょうということで。そこからはトントン拍子でしたね」
 
――選曲がすごくバラエティに富んでいる印象を受けましたが、これはどんな意図で選んだんですか?
 
大澤「これはね、カバーだけは他ににも4曲ほど候補がありましたけど、久美子の初期から中期にかけての絞り込みはこの楽曲で…って、決め打ちというか、他に候補曲を挙げることもなく。曲順もある程度想定していたくらいで」
 
山下「今回の選曲はおもしろいと思いましたね。自分じゃなかなか選ばないような曲が出てきた。でも、すごくいいところを突いてるなって思いました。なるほどなって」
 
大澤「僕の曲にこだわることなく、いい楽曲を集めて、リアレンジして並べたら大丈夫だろうって。確かに作家陣も名うての人ばかりなんで、そういう人たちが山下久美子に楽曲を書いてきたというところ、それが今回のアルバムの肝なんじゃないかな。アレンジのポイントとしては、音色が昔のまま再現出来ないのもあるし、そこは自ずと変えなきゃいけないのと、あとはフレージングを変えたり、バッキングのパターンをマイナーチェンジして、基本は久美子が昔歌っていたオケの感じを、現代風に変えている感じですね」
 
 
デビューして30年以上歌っていて
今も変わらず歌が好きなんだなっていう気持ちが伝わってくる
 
 
――ボーカルの割り振り、デュエットのパターンはどんな基準で行っていましたか?
 
大澤「基本は僕の直感ですけど、まずは久美子だけバーっと全部録っちゃうんですね。そして、あるパートを抜いて、僕がボーカルを入れると。僕がBパート歌うとか、Cパート歌うとか、何度か抜き差ししてみて選ぶという…。それを僕は夜中まで1人でスタジオに入って、延々とやっていました(笑)。コーラスパターンもオリジナルとは違う形で入れてみたり、試行錯誤しながらやっていましたね」
 
山下「ボーカリストとしてのチャレンジっていうことで言えば、やっぱりカバー(ウォーレン・ジボーン『HASTEN DOWN THE WIND』(M-10))かな。これはなかなかの新境地でしたね。難しかった…。聴けばすぐに歌えちゃいそうな、でも…っていう。頭から、Aメロのフレーズから、もうムリって(笑)。最初はそんな感じでした」
 
大澤「カバー曲に関しては譜割りも複雑なところがあるんでね。そうなるとこちらにお鉢が回ってくるという(笑)」
 
山下「だって、得意そうなんだもん(笑)。サビは私がハモってみたいな感じで。そこは責任持ってやりますから、みたいな。そんな感じでしたけど、結果的にはかなりいい線いってると思います」
 
大澤「僕自身はね、突貫工事みたいに1日2曲とかのペースで録っていました。それも自分で歌って自分でセレクトするんで、気付いたら夜中ぐらいになるっていう。コーラスの日は別で設けていて、ああでもないこうでもないって自分で試して、久美子がいるときにはコーラスも頼んでっていう歌入れでしたね」
 
――大澤さんは、長年の付き合いで山下さんのボーカルについてどんな印象を持っていますか?
 
大澤「久美子はどっちかと言うと、深みが出てきたなって思いますね。それにキーがね、20代の頃とそんなに変わってないんですよね。キツいことはキツいと思うんですが、それでも頑張って20代と同じキーで歌っていて。そこはすごいなって思いますね」
 
――逆に、山下さんは大澤さんのボーカリストとしての魅力はどう感じていますか?
 
山下「やっぱり変わらない自分のスタイルを持っているなと思いますし、そこがブレないというか、ずっと大澤誉志幸という筋が入っているボーカリストなんだなって、改めて思いましたね。デビューして30年以上歌っていて、今も変わらず歌が好きなんだなっていう気持ちが伝わってくるし。そういう姿をみていると非常に微笑ましいなと(笑)」
 
――そんな2人がキャリアを重ねてこうしてコラボするのは、非常に意義深い感じがします。
 
山下「ええ、今だから出来るっていう感じもありますよね」
 
大澤「お互いソロでデビューして、ひと山ふた山乗り越えて…って」
 
山下「お互いにコーラスをやったりとかは80年代もあったし、90年代も一緒に歌ったりとかはあったけど」
 
大澤「ライブだったりレコーディングだったりに参加したりはあったんですけど、こうした形でちゃんとやれたのは、この2枚のアルバムが初めてと言ってもいいでしょうね」
 
 
改めて楽曲の良さを、気負わずに、ストレートに伝えているアルバムだと思う
 
 
――前作を踏まえて、今回のコラボアルバムはどんな作品になったと思いますか?
 
大澤「今回は名うての人たちが作った名曲揃いなんで、メロディラインがしっかりしていて、あとは歌唱というパフォーマンス、リアレンジの面白みと言いますか、そういったところを楽しんでもらえればと思っていますね」
 
山下「改めて楽曲の良さを、気負わずに、ストレートに伝えているアルバムだと思うんですね。だから昔を知っている人にも今一度聴いて欲しいけど、全く私の名前も知らないような、当時生まれてなかったような人にもぜひ聴いて欲しいなと」
 
――7月11日(金)ビルボードライブ大阪でのライブは、どんなものになるでしょう?
 
大澤「基本的に2枚のアルバムの楽曲を中心に構成するんですが、アルバムにも参加してくれた、いまみちともたか(元バービーボーイズ)もゲストで何曲か弾いてくれます。『そして僕は途方に暮れる』も歌いますし、あとは聴かせて乗せるライブ! という感じですね。それは今回に限らず、全くブレていないところですね」
 
――去年のライブ前のインタビューで、山下さんは大澤さんの笑顔が見られるライブにしたいと言っていましたね。
 
山下「今回はどうでしょうね…逆にクールでもいいかもしれない(笑)」
 
大澤「いやいや、歳も歳なんで、楽しんでやりたいかなって(笑)。若い頃はアルバム制作しても、ライブにしても、闘っている印象が強かったですけど、今は自然体になったというか、肩に力が入らないという意味ではいいことだと思うし、MCではお互いに会話して、ちょっとした夫婦漫才みたいにもなったり(笑)。そういうのは今までにはなかったことなので。お互いソロですし、MCもお互いのスタイルでやっていますし。それが2人でやるとまた、違うんで」
 
山下「本当にね、1人じゃないから、心強いっていうのはすごくある。ある意味、ちょっと頼っちゃうかなって。決して手を抜くっていうことじゃなくて、1人で頑張っている感みたいなのがないんですよ。私もすごくリラックスしたスタンスで歌えるっていう」
 
――今回のライブの楽しみ方があれば聞かせてください。
 
大澤「お客さんが参加する曲なんかもあるんでね、やっぱり一緒に音楽を楽しんでもらえたらいいし。でもまぁステージで楽しんでいる僕らを観てもらえれば、共感してガーっと盛り上がれるんじゃないかなって思いますね」
 
山下「わざわざ時間を作って来てくれるわけですから、本当に楽しかったって、笑顔になって欲しいって思うんですね。それはもう昔から変わらないし、ニコっと笑って充実した1日を過ごしてもらえれば!」
 
――最後にメッセージをお願いします!
 
大澤「1枚目、2枚目で1つの集大成というか、特に今回はフィーチャリング山下久美子ということですし、名曲揃いのアルバムが出来たと思うので、ぜひとも聴いて、そしてライブにも駆け付けて欲しいと思います」
 
山下「こんなにも早く2作目を作れましたし、このいい流れをライブでも同じく実現させたいと思っていますので、ぜひ足を運んでください!」
 
 
Text by 金本真一



(2014年7月 8日更新)


Check

Movie Comment

大澤さんが超絶リードします(笑)
話し声も絶品な2人からの動画コメント

動画を再生するには、videoタグを
サポートしたブラウザが必要です。


Release

キャンデイボイス×ハスキーボイス
歌声が響き合う極上コラボ第2弾!

Album
『& Friends Ⅱ』
発売中 2857円(税別)
テイチクエンタテインメント/
CONTINENTAL STAR
TECG-30098

<収録曲>
01. SO YOUNG
02. 秋ラメきれないNight Movie
03. 橋の上の恋人
04. シャンプー
05. LOVIN' YOU
06. 赤道小町ドキッ
07. 突き刺さる太陽
08. LIVING KISS
09. LOVERステッカー
10. HASTEN DOWN THE WIND

Profile

やました・くみこ…'80年にシングル『バスルームから愛をこめて』でデビュー。以降『赤道小町ドキッ』('82)『こっちをお向きよソフィア』('83)『瞳いっぱいの涙』('85)など、持ち前の“キャンディ・ボイス”と称されるキュート&ハスキーな歌声でヒット曲を連発。また、精力的なライブ活動でも多くの支持を得る。

おおさわ・よしゆき…'81年にバンドでのデビューを経て、'83年にソロデビュー。『その気×××(ミステイク)』(‘84)『そして僕は途方に暮れる』(‘84)などの数多くのヒット曲を放つと同時に、コンポーザーやプロデューサーとしても力を発揮し、多くのアーティストを手掛けている。
 

山下久美子&大澤誉志幸 オフィシャルサイト
http://www.teichiku.co.jp/artist/yamashita-ohsawa/

山下久美子 オフィシャルサイト
http://kumikoyamashita.com/

大澤誉志幸 オフィシャルサイト
http://ohsawayoshiyuki.com/


Live

あの名曲もトークもたっぷり魅せます
大人の上質空間で貴重なライブ!

 
【大阪公演】
『& Friends Ⅱ Special Live』
チケット発売中
▼7月11日(金)18:30/21:30
ビルボードライブ大阪
自由席7900円
ビルボードライブ大阪■06(6342)7722
※カジュアル エリアは取り扱いなし。未就学児童及び高校生同士の入場不可。18歳未満は成人の同伴が必要。

Pick Up!!

ビルボードライブ大阪
庄山路子さんからのオススメ!

「親交の深い2人による、息の合った“大人のコラボレーション”ステージ。今回は、ロックバンドBARBEE BOYSのメンバーのいまみちともたか(g)さんも参加したスペシャルなステージ! また、夫婦漫才的なステージ・トークも必聴です!!」

 
【横浜公演】
『大澤誉志幸 Birthday Special Live
 with 山下久美子』
チケット発売中 Pコード237-083
▼10月3日(金)18:30/21:30
モーション・ブルー・ヨコハマ
自由席7500円
[共演]後藤秀人(g)/伊藤隆博(key)/
千ヶ崎学(b)/宮川剛(ds)
モーション・ブルー・ヨコハマ■045(226)1919
※未就学児童は入場不可。20歳未満は保護者同伴に限り入場可。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


Column

山下久美子 & 大澤誉志幸による
大人のデュエットアルバム
『& Friends』を30年来の旧友2人
が語る前回インタビュー