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「愛されるためにはかわいくなきゃいけない、
　愛するためにはたくましくなきゃいけない」
弾き語りツアーもいよいよクライマックスを迎える片平里菜が
『Oh JANE／あなた』と女性観を語るインタビュー&動画コメント

　10代限定フェス『閃光ライオット 2011』で1万組の中から審査員特別賞を受賞し、昨夏シングル『夏の夜』でデビューした弱冠22歳のシンガーソングライター、片平里菜。この春リリースした初の両A面シングル『Oh JANE／あなた』は、“強さと儚さ”という女性の本質を鋭く見抜き、“ちゃんと愛して”と叫ぶキュートな声が突き抜ける痛快なロックナンバー『Oh JANE』、「自分の中にある大事な存在」に向けてやさしく歌いかける対照的なバラード『あなた』という表題曲に加え、ライブでずっと歌ってきたという『小石は蹴飛ばして』と、路上ライブ体験が元になった「初心に戻れる大事な歌」と語る『あの場所で偶然』を含む全4曲で構成。さらに、5月から3ヵ月にわたり全国を巡っている弾き語りツアーに続き、8月には待望の1stアルバム『amazing sky』をリリースと目まぐるしい日々が続く彼女。デビューから間もなく1年を迎える今、どう時代と対峙し、どんな意思を持って歌っていこうとしているのか。気になる本音を探るインタビューをお届け！

 


美しいものを描くときにどこか汚れているものを落とし込んだりして
多面的なところを表現したくなる
 
 
――『Oh JANE／あなた』は、タイプは違いますが2曲とも“愛”についての歌のように聴こえます。
 
「そうですね。表現の仕方は曲によって全部違うんですけど、やっぱり根本にあるのは“愛”で。きっと知らない内にそういう普遍的なテーマで書いていて、そこは繋がっているんだと思いますね」
 
――いつもはどんな風に曲を作っているんですか？
 
「時間があればいつでも曲を作る姿勢でいるので、『Oh JANE』(M-1)もギター片手に曲を作っていたらいいメロディが浮かんで、普段思っていることや感じたことを乗せてみたら、だんだんと女性目線の曲になっていったんです。それで、女性の強さや儚さといった二面性を表現したいなと思いました。歌詞の中に、“G.I. Jane”と“Mary Jane”という2人の“JANE”が出てくるんですけど、2人とも私の好きな映画に出てくる女性なんです。『G.I. Jane』は海兵隊に入隊して男性社会を駆け上がっていく物語の主人公で、Mary Janeはいつもスパイダーマンに助けてもらっている、気の多い女性(笑)。愛されるためにはかわいくなきゃいけないし、でも、愛するためにはたくましくなきゃいけないし…。そういう女性の葛藤を描きたいなと思いました。ただ単純に“JANE”っていう言葉ががすごいポップだなって思って書いてみただけでもあるんですけどね(笑)」
 
――普段からそういう“女性の二面性”について考えたりするんですか？
 
「よく考えていましたね。割と感情を表に出すのが苦手で、強がりたいタイプなので…。だけど、その分、人が見てないところではもろかったりもするし…。人っていろいろな面があるから、美しいものを描くときにどこか汚れているものを落とし込んだりして、多面的なところを表現したくなるんです。この曲には結構自我が出ていると思います。でも、書きながらすごく達観してるところもありましたね。“女性ってこういうものだよな”みたいな…。こういった女性の攻撃的な口調の歌は、初めてかもしれない。やさぐれた感じ(笑)」
 
――“夢なんて見てさんな”というフレーズが耳に残りますが、これは方言なんですか？
 
「福島で使う方言で、“見るな”という意味ですね」
 
――強い口調で歌っていますが、方言が入ることで人間味が出ますね。
 
「素が出たらいいなと思って。女性が社会に出たら、丁寧でしっかりしなきゃいけないと思うんですけど、ホントに怒ったときに何気なく出てしまう自分の素の部分って、すごい破壊力だなと思うんで、敢えて入れてみましたね。でも、弱さやかわいらしさも出したかったのでそうやって歌っているところもあるし、“夢なんて見てさんな　幻想だって言ってんだろ”の部分は強気で歌ってみたり、歌い分けていましたね」
 
――『あなた』(M-2)は一転、優しく歌いかける曲ですが、これは誰に対して？
 
「すごくぼんやりとしてはいたんですけど、あの震災からちょっとして書いたものだったので。自分の中にある大事な存在と向き合いながら書いた曲です。当時は世の中もホントに混沌としていたので、何だか具体的に表現することが出来なくて。それで、“あなた”っていう抽象的なタイトルにして、誰にでも当てはまるような曲にしました。震災に限らず、生きていると辛いことっていっぱいあると思うので…」
 
――この曲にはスカパラの茂木欣一(ds)さんと沖祐市(key)さんも参加していますね。
 
「事務所の先輩でもあるので、一度ご一緒させてもらいたいなと思ってお願いしたら、快く引き受けてくださって。レコーディングもすごく勉強になりましたね」
 
 
もっと女性の優しさが必要なんじゃないかと思います
そういうものを歌で打ち出せていけたらいいな
 
 
――カップリングの2曲はどうです？
 
「『小石は蹴飛ばして』(M-3)はライブでずっとやってきた曲で、すごい気に入ってくださるお客さんもいたので、そろそろ音源化したいなと思いました。『あの場所で偶然』(M-4)は高校3年生のときに書いたデビュー曲『夏の夜』と同じ頃に書いた曲ですね。今のタイミングでそういった初期曲を出せるのにも意味があるのかなって。『あの場所で偶然』はライブを始めたての頃に歌っていたホントに懐かしい曲で、最近は全然歌っていなかった曲なんで」
 
――ホントにシンプルな弾き語りですよね。
 
「この曲はデビュー前、初めて渋谷で路上ライブをしているときに、初めて立ち止まって聴いてくれたお客さんのことを歌った歌です。今でも歌っていて、その当時を思い出したりするので、初心に戻れる大事な歌でもあります。だから、バンドアレンジよりは歌っている様子が浮かんでくる弾き語りの方が、リアリティがあるなって」
 
――『小石は蹴飛ばして』の歌詞の中に“病んだ世界”という言葉が出てきますが、ここにはどんな想いが？
 
「自分の気持ちや考えが反映されています。どこから見ても世界は病んでるし、等身大の自分を受け止めてくれるのは部屋のベッドだけっていう…、孤独感を歌っていますね。世の中に対しても、大人に対しても、昔から不信感は持っていましたね。結局、私たちの世代は恩恵を受けてきていないので、そこで反抗してしまう気持ちもあって…。でも、尊敬するアーティストさんだったり、大人の人ももちろんいっぱいいるので、そこは前向きにやっていこうと」
 
――頼もしい！　これからどんなことを歌っていきたいですか？
 
「世の中で活躍している人も、自分が歌っていく上でも、もっと女性の優しさが必要なんじゃないかと思います。そういうものを歌で打ち出せていけたらいいなと。女性って弱い立場の者を包み込むような、守ってあげられる存在じゃないですか？　母性本能もそうだと思うし。そういうものが今の世の中に必要なんじゃないかなと思います」
 
――それは、例えばどういう人から感じたりしたんですか？
 
「パンクやハードコア界隈の人たちも大好きで憧れていたんですけど、自分は絶対そんな風にはなれないし(笑)、いろいろな音楽を聴いている内に、アラニス・モリセットやトレイシー・チャップマン、パティ・スミスみたいな、音楽活動をしながら強い意志を持って社会活動までしちゃうような海外の女性シンガーに出会ったんです。あと、私がボランティア活動をする中で出会う大人の女性の人にも、結構影響を受けていますね」
 
――あと、片平さんのボーカルは独特のトーンで、ちょっとユニセックスに聴こえるときもありますね。
 
「ああ、“少年っぽい”って言われることもありますが、すごく嬉しいです。私が好きだった女性シンガーも、女だけど男よりも男”みたいな(笑)、中性的で強さがある人が多いので。ライブをしている内に結構歌い方も変わってきたので、いろんな人に聴いてもらいながら、自分の声も成長していけたらいいなと思っています」
 
――8月6日(水)には待望の1stアルバム『amazing sky』がリリースされますね。
 
「18歳ぐらいからずっと曲は書いていたので、結構ストックはいっぱいあるんですよ。10代の気持ちを歌った歌が中心なので、若い人たちに響くアルバムになればいいですね。初めてのアルバムだし、これで他の誰にも似ていない片平里菜っていうジャンルを分かっていただけたらいいなって、思っています」
 
――弾き語りツアーも続行中で、間もなく関西でもライブがあります。
 
「やっぱりライブはそのときしか味わえないものなので、リアルな片平里菜を観に来て欲しいなって。これからもいい歌を作って、いいライブをしていけるように、頑張っていきたいと思います！」
 
 
Text by エイミー野中
 




（2014年7月 7日更新）


Check

Movie Comment

片平里菜自ら楽曲解説します！
動画コメントはコチラ

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Release

対照的な2曲で女を歌う表題曲に加え
ライブの人気曲等を含むシングル！

Single
『Oh JANE / あなた』
発売中　1200円(税別)
ポニーキャニオン
PCCA-04010

＜収録曲＞
01. Oh JANE
02. あなた
03. 小石は蹴飛ばして
04. あの場所で偶然

配信を含むシングル4枚を全収録！
初のアルバムがいよいよリリースへ

Album
『amazing sky』
8月6日(水)リリース
【初回限定盤DVD付】
3500円(税別)
ポニーキャニオン
PCCA-4064

＜収録曲＞
01. 夏の夜
02. tiny room
03. HIGH FIVE
04. 女の子は泣かない
05. あなた
06. teenage lovers
07. CROSS ROAD
08. Hey boy!
09. Oh JANE
10. 心は
11. Come Back Home
12. amazing sky
13. 始まりに

＜DVD収録内容＞
Music Video／
ライブ映像(渋谷WWW 2014.1.31)／
メイキング映像(Music Videoメイキング、
ライブドキュメントほか)など約60分の
豪華内容を予定

＜封入特典＞
フリーライブチケット／
弾き語りコード譜(初回限定盤のみ)

【通常盤】
3000円(税別)
ポニーキャニオン
PCCA-4065

＜収録曲＞
同上

Profile

かたひら・りな…福島県福島市出身、22歳のシンガーソングライター。『閃光ライオット 2011』で1万組の中から審査員特別賞を受賞。'12年『NANO-MUGEN FES. 2012』に出演し横浜アリーナのステージに立つ。'13年１月に配信限定リリースした『始まりに』(ASIAN KUNG-FU GENERATION 山田貴洋(b)プロデュース)は、東北地区全6局でパワープレイに選出され、新人としては異例のレコチョクデイリーチャート2位を獲得。5月にはGibson社のギターブランド“Epiphone”から日本人女性初のエピフォン・アーティストに認定される。同年8月にシングル『夏の夜』でメジャーデビュー。全国約50局のFM/AMラジオ局・CS音楽チャンネルでパワープレイに。12月にはガブリエル・アプリン(from UK)のジャパンツアー大阪公演のサポートアクトとして出演。今年1月には2ndシングル『女の子は泣かない』をリリース、オリコン週間ランキングで初登場18位を記録し、アメリカ／アナハイムで開催された『the NAMM show2014』にGibson／Epiphoneの正式招待を受けて海外初ライブを体験。さらに、全国3ヵ所(東京・大阪・福島)で開催された開催された初ワンマンツアーは全公演ソールドアウトに。4月30日には3rdシングル『Oh JANE／あなた』を、8月6日(水)には1stアルバム『amazing sky』のリリースが控える。

片平里菜　オフィシャルサイト
http://www.katahirarina.com/


Live

弾き語りツアーも終盤戦で関西に！
続いて野外イベント出演も続々


『片平里菜 あの場所で偶然
　弾き語りツアー2014』

【大阪公演】
Thank you, Sold Out!!
▼7月8日(火)22:00
心斎橋KITCHEN和
1500円(2ドリンク＋1アテプレート)&投げ銭

Pick Up!!

【京都公演】

チケット発売中　Pコード232-774
▼7月9日(水)19:00
磔磔
自由2500円
[共演]渡辺大知／ワタナベマユ
キョードーインフォメーション■06(7732)8888
※3歳以上は有料｡

チケットの購入はコチラ！
チケット情報はこちら


【大阪公演】
『夏びらきMUSIC FESTIVAL'14 大阪』
チケット発売中　Pコード228-613
▼8月2日(土)昼12:00
服部緑地野外音楽堂
自由4200円
[出演]bonobos／堂島孝平／奇妙礼太郎／
韻シスト／Mountain Mocha Kilimanjaro／OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND／AFRA／片平里菜／
吉田山田／KTa☆brasil(MC)
[DJ]SUNDAY カミデ／
タクヤリッスントゥミー
SLD Entertainment.Inc■03(6277)5032／GREENS■06(6882)1224
※雨天決行､荒天中止｡13歳以上は有料｡12歳以下は保護者同伴に限り無料｡プレゼント(ヒマワリの種)付｡

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【大阪公演】
『大柴広己 Presents「SSW14」』
チケット発売中　Pコード230-883
▼10月26日(日)14:30
大阪城音楽堂
オールスタンディング3000円
[出演]大柴広己／大石昌良／片平里菜／
岩崎慧(セカイイチ)／他
DAICHU■090(6665)9255
※雨天決行｡未就学児童は無料｡但し保護者同伴に限り入場可能｡小学生以上は有料｡

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