インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 東京事変、スピッツ、ジャミロクワイ、ドリカム、斉藤和義、山下達郎etc ソウルフル・グルーヴ・モンスターUNCHAINが贈る 大好評超絶カバーアルバム第2弾! 『Love & Groove Delivery vol.2』インタビュー&動画コメント


東京事変、スピッツ、ジャミロクワイ、ドリカム、斉藤和義、山下達郎etc
ソウルフル・グルーヴ・モンスターUNCHAINが贈る
大好評超絶カバーアルバム第2弾!
『Love & Groove Delivery vol.2』インタビュー&動画コメント

 椎名林檎、岡村靖幸、宇多田ヒカルに少女時代etcまでを巧みに料理し、昨年大きな反響を呼んだUNCHAINの超絶カバーアルバムの第2弾、『Love & Groove Delivery vol.2』が届けられた。何が超絶かと言うと、まずは選曲。東京事変、久保田利伸、スピッツ、ジャミロクワイに山崎まさよし、山下達郎、DREAMS COME TRUE、スキマスイッチに斉藤和義etc…! さらには、あのアルバムの何曲目? なんてヒネリなし、今夜もどこかのカラオケボックスでガンガン歌われているであろう大ヒット曲ばかりが並んでいるのだ。インタビューに答えてくれた谷川正憲(vo&g)と谷浩彰(b)は、「誰もが知ってる曲だからこそ、UNCHAINを初めて知る人にもいい感じにアピール出来るかな」と奥ゆかしくも語っているが、今のバンドに対する絶大なる自信がなければこんな選曲は出来ないだろう。“この世は愛とグルーヴで回っている”と言ったのは誰だったかは定かじゃないけれど、少し鼻にかかったソウルフルな谷川の歌声で、新たな命を吹き込まれた楽曲を聴きながら過ごすひとときは、まさに至福のひと言。3月16日(土)仙台 CLUB JUNK BOXを皮切りに、全99曲のオリジナル曲を5日間で完全網羅するカブリ曲なしのツアー『UNCHAIN 99 Songs / 5Days Tour 2014』をスタートさせる、UNCHAINに話を訊いた。

 
 
普通にやっちゃうとオリジナルの方がいいに決まってるから
 
 
――昨年の『Love & Groove Delivery』に続き、素晴らしいカバーアルバム第2弾が届きました。
 
谷(b)「前作は最初は配信限定の予定だったんですけど、配信が始まった時点で反響がすごくて“コレ、アルバムにしたら売れるんじゃね?”みたいな(笑)。いざ実際にアルバムを出したら、配信とは比べ物にならないぐらいの反響があったんですね」
 
谷川(vo&g)「中でも椎名林檎さんの『丸の内サディスティック』は群を抜いてて、YouTubeで60万回ぐらい再生されて。あの曲は、去年ライブで一番歌ったんちゃうかな?(笑)」
 
――その椎名林檎さん率いる東京事変の『能動的三分間』(M-1)を皮切りに、スピッツの『ロビンソン』(M-3)やDREAMS COME TRUEの『決戦は金曜日』(M-9)等、全12曲が見事に大ヒット曲ばかりですが、どういった基準で選んだんですか? 
 
谷川「自分たちの好きな曲やマニアックな曲をやりたいという想いはちょっと置いといて、今回は思い切って超メジャーな曲をやろうと。誰もが知ってる曲だからこそ、僕らのカバーでどれだけ変わるのか知ってもらえるだろうし」
 
「全曲合わせるとYouTubeで6000万回以上再生されてるんですよね。だったら6000万人に聴いてもらえるかなぁ?って(笑)」
 
――コアな音楽リスナーが喜ぶようなマニアックな選曲じゃなく、こういった曲をUNCHAINがやる面白さ、いい意味での裏切りがいいですよね。
 
「そこも狙いでもあるんですけどね。誰もが知ってる曲ですし、普通にやっちゃうとオリジナルの方がいいに決まってるから、自分たちにとっては1枚目よりもかなり高い位置にハードルがあったわけですよね。とは言え楽しみながら、4人のユーモアセンスを引き出しながらやりました。ギターの佐藤(将文)と谷川がゆずみたいに歌う曲もあったりして(笑)」
 
――山崎まさよしの『One more time,One more chance』(M-6)ですね。
 
谷川「去年出た6thアルバム『Orange』でも佐藤がボーカルをとる曲があって、“今回も1曲歌う?”みたいな雰囲気もあったんですけど、谷くんが“一緒に歌ったらいんじゃない?”って提案してくれて。最後のリフレインを2人で掛け合いみたいに歌ってるんですけど、そこの面白さがぜひ伝わって欲しいんですけどね~(笑)」
 
「歌の世界観を茶化すことなく、でもクスッてなるように出来たんじゃないかなぁ。ところどころそういうフックになるというか、クスッと笑えるところも用意してるんで全曲くまなく聴いてもらいたいですね」
 
谷川「『LA・LA・LA LOVE SONG』(M-2)のナオミ・キャンベルのパートは谷くんがやってますしね(笑)」
 
「ずっしりと響く低音でやらせて頂きました(笑)」
 
 
カバーを楽しんでやった感覚とかアレンジを練っていったことが経験となって
今後の作品やライブにすごく活きてくると思う
 
 
――米米CLUBの『SHAKE HIP!』(M-4)で共演されたダイノジさんとのつながりは?
 
谷川「カバーの第1弾を気に入っていただいて、ダイノジさんのラジオ番組に呼んでもらったんですね。そのときに“米米CLUBの『SHAKE HIP!』をカバーしてよ”ってリクエストをもらって」
 
「去年『ダイノジロックフェス』に呼んでいただいて、“じゃあステージで『SHAKE HIP!』やりましょうよ! ダイノジさん踊ってください”って頼んだら、すごい盛り上がったんですよ。ぜひ音源化しましょうって話になって、今回のレコーディングにも来てくださって、エアギターもやってくれたんでその空気も感じていただければ(笑)」
 
谷川「そういうフットワークの軽さがいいなって思いましたね。Twitterとかで、アーティスト同士が“何か一緒にやろうぜ!”っていう流れで対バンしちゃうみたいなことって、気持ちいいですよね。垣根がない感じで」
 
――『Virtual Insanity』(M-5)が一番最初にYouTubeで公開されましたが、UNCHAINの根っこにあるソウルミュージックからの影響も匂わせつつ、バンドならではのタイトなグルーヴが心地よかったです。
 
谷川「ありがとうございます! やっぱり僕らの色は絶対に出したかったんで、その曲も含めて今回はアレンジが難しくて。山下達郎さんの『RIDE ON TIME』(M-7)は原曲がオシャレ過ぎてどうしようかと思いました(笑)。’80年に発売された曲ですけど、あの時代にこんなオシャレなことをやりながらもヒットして、今も聴かれてる曲ですもんね。『全力少年』(M-10)もそうですけど、原曲にはいろんな音が入っていてJ-POPとしての厚みもあり、上手く作ってあるなぁと思いました。僕らはバンド感を出すためにいろんなものを取っ払った状態で鳴らしたかったし、バンドならではのシンプルさが逆に僕らの強みになってるんじゃないかな。MOON CHILDの『ESCAPE』(M-12)も、当時ドラマの主題歌だったと思うんですけど、ドラマは全く覚えてないけど曲はすごく残ってますもんね」
 
――この曲はまさかのボッサに変身していますね。
 
谷川「原曲のコード進行を使ってるところは1ヵ所もないんちゃうかな?(笑)」
 
「まさにカバーの醍醐味ですね(笑)。今回のカバーを楽しんでやった感覚とか、1つ1つのメロディラインやフレーズに対してアレンジを練っていったことが経験となって、今後の作品やライブにすごく活きてくると思う。カバーをやる意味ってそれなんでしょうね。この作品がグッと売れれば(笑)、僕らもより前に進んでいけるかなって」
 
 
やっぱり僕らは大阪で育って、大阪でバンドや音楽を学んできたし
BIGCATは昔から憧れの場所でもあったんで
 
 
――今作の思い切った選曲といい、今までに発表した全99曲のオリジナル曲を5日間で全披露するツアー『UNCHAIN 99 Songs / 5Days Tour 2014』の開催といい、UNCHAINがさらに飛躍していく胎動みたいなものを感じます。
 
谷川「去年独立してから、UNCHAINの最初の1クールを締め括れた感じがあるんですね。もう1回これまでの日々を振り返りながら、この先に自分たちの中から何が出てくるか、それを確かめながら次へ行きたいなって」
 
「僕らは曲のバリエーションも多いんで、アコースティックライブとか、カバーだけをやるライブとか、もっといろんな風に見せて聴かせていきたい。そのへんのアイディアとか企画力をもっと磨いていきたいですね」
 
――昨年はla la larksと組んだ対バン企画や、谷川さんがU&DESIGNの綾部健司さんと組んだユニット、ジェームス アンド チャーリーでもリリースやツアーがありましたね。
 
谷川「僕と佐藤の2人だけで“ハンチェイン”のライブもやり始めましたね」
 
「半チャーハン的な感じのネーミング(笑)」
 
谷川「来年はCDデビュー10周年なんで、もっといろいろと面白いことをやっていきたいですね。ちなみに結成から数えたら18年になるんですが(笑)」
 
――年数的には完全にベテランの域(笑)。面白いことをやる(=アウトプット)とインプットのバランスってどんな感じでしょう?
 
谷川「常にライブはやりたくて、ライブってインプットもアウトプットも両方あると思うんですね。お客さんから力をもらうことで音楽が成立するところもありますし、その場で一緒にライブを作っていく感覚を常に求めていきたいんですね。放出しつつも、お客さんからもらってる方がパーセンテージは高いかもしれないですね」
 
――ところで『99 Songs / 5Days Tour 2014』は5日間全部違うメニューになるんですよね。選曲はどうやって決めたんですか?
 
谷川「実は99曲をiTunesに全部入れて、シャッフルボタンで20曲(×5日間)ずつに振り分けました(笑)」
 
――へぇ~! その方法は面白い!!
 
谷川「しかもシャッフルがめっちゃ優秀で、バラードをうまく振り分けてくれてたり、リリースした時期とかも絶妙に振り分けてくれて、それをベースにちょこちょこ曲を入れ替えたりしながら考えていきましたね。ただ、“どのセットリストをどこの会場でやるか?”はめっちゃ悩みましたね」
 
――改めて過去の曲を振り返ってみていかがです?
 
「今のモードでやると、やっぱり当時とはちょっと違うんですよね。最初の頃は英語詞だったし、年もとってなんか“味”みたいなのが出てきたのかな?」
 
谷川「“当時こんな斬新なことしてたん? 頭おかしいやろ!”みたいな発見もあったり(笑)」
 
――3月21日(金・祝)の心斎橋BIGCATでは、どの曲が聴けるのか楽しみです。
 
谷川「やっぱり僕らは大阪で育って、大阪でバンドや音楽を学んできたし、BIGCATは昔から憧れの場所でもあったんですね。そこでワンマンをやれるのは本当に嬉しいし、さっきも言いましたけど、ライブってお客さんに力をいただかないと成立しないので。一緒に楽しみたいですね!」
 
 
Text by 梶原有紀子



(2014年3月14日更新)


Check

Movie Comment

ツアーの弱点から大阪駅まで!?
くされ縁の2人が結構喋ります(笑)

動画を再生するには、videoタグを
サポートしたブラウザが必要です。


Release

ここまで変わるか!? 大ヒット曲を
UNCHAIN流に料理したカバー盤第2弾

Cover Album
『Love & Groove Delivery vol.2』
発売中 2800円
STYLE_MISSILE records
YZSM-20012

<収録曲>
01. 能動的三分間 -東京事変
02. LA・LA・LA LOVE SONG -久保田利伸
03. ロビンソン -スピッツ
04. SHAKE HIP! with ダイノジ -米米CLUB
05. Virtual Insanity -Jamiroquai
06. One more time, One more chance
-山崎まさよし
07. RIDE ON TIME -山下達郎
08. DON'T STOP BELIEVIN' -JOURNEY
09. 決戦は金曜日 -DREAMS COME TRUE
10. 全力少年 -スキマスイッチ
11. 歌うたいのバラッド -斉藤和義
12. ESCAPE -MOON CHILD

Profile

アンチェイン…写真左より、吉田昇吾(ds)、谷川正憲(vo&g)、谷浩彰(b)、佐藤将文(g)。’96年、中学の同級生だった谷川、谷、吉田の3人で結成され、後に1年後輩の佐藤が加入し現編成に。聴く者を圧倒する谷川の歌唱力、ブラック・ミュージックのエッセンスを絶妙にブレンドした、グルーヴィーなロックを鳴らす京都府出身の4ピース・バンド。’05年に『the space of the sense』『THE MUSIC HUMANIZED IS HERE』の2枚のミニアルバムをリリース。’07年にミニアルバム『departure』でメジャーデビュー。’11年にはUNCHAINの2大ルーツである“ロック”と“ソウル”をコンパイルしたコンセプト・ベスト『Rock Flavour』『Soul Flavour』を2枚同時リリース。同時に4年間在籍したfluctusから独立し、新たなレーベルSTYLE_MISSILE recordsを設立。’11年12月より、『Love & Groove Delivery』と題し3ヵ月連続でカバー曲を洋邦1曲づつ計6曲を配信開始。’13年2月には、カバーアルバム『Love & Groove Delivery』をリリース。同年6月には、オランダや北ヨーロッパのクラブジャズ/AOR/ソフトロック、はたまたブルー・アイド・ソウルだけに収まらず、ブルックリンのインディーシーン、そして90’s渋谷系などを絶妙に融合させた6thアルバム『Orange』を発表。今年2月26日にはカバーアルバム第2弾『Love & Groove Delivery vol.2』と、4thアルバム『SUNDOGS』、5thアルバム『Eat The Moon』をコンパイルし、人気カバー曲を収めた秘蔵ライブDVDを付録した『the SUN and the MOON』を同時リリース。3月16日(土)仙台 CLUB JUNK BOXより、オリジナル全99曲を5日間で完全網羅&カブリ曲なしのツアー『UNCHAIN 99 Songs / 5Days Tour 2014』をスタートさせる。

UNCHAIN オフィシャルサイト
http://starlinemusic.jp/unchain/


Live

全箇所セットリスト違いで贈る
UNCHAINの歴史を網羅する5DAYS!

【仙台公演】
チケット発売中
▼3月16日(日)17:00
仙台CLUB JUNK BOX
スタンディング3000円
仙台CLUB JUNK BOX■022(716)5155
 

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード220-336
▼3月21日(金・祝)17:00
BIGCAT
オールスタンディング3000円
夢番地■06(6341)3525

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


【名古屋公演】
チケット発売中 Pコード220-601
▼4月4日(金)19:00
名古屋クラブクアトロ
スタンディング3000円
ジェイルハウス■052(936)6041


【福岡公演】
チケット発売中 Pコード221-427
▼4月11日(金)19:00
Fukuoka BEAT STATION
スタンディング3000円
キョードー西日本■092(714)0159
※6歳未満入場不可。


【東京公演】
チケット発売中 Pコード220-404
▼4月18日(金)19:00
CLUB QUATTRO
オールスタンディング3000円
ディスクガレージ■050(5533)0888
※3歳以上はチケット必要。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

Column

ジャンルをクロスオーバーする
UNCHAINの強烈ニューアルバム
『Orange』と17年目の独立宣言!
前回インタビュー&動画コメント