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弦楽四重奏へ愛をこめて。関西を代表する
気鋭の奏者たちが結成した、その名も関西弦楽四重奏団
大阪倶楽部に登場。「~そして春に、プラハを想う~」

大阪を代表する名建築・大阪倶楽部で行われているコジマ・コンサートマネジメントの室内楽コンサート、大阪倶楽部シリーズ。3月22日(火)、ここに登場するのが気鋭の弦楽四重奏団「関西弦楽四重奏団」だ。ヴァイオリンの林七奈、田村安祐美。ヴィオラの小峰航一、そしてチェロの上森祥平。全員が東京藝術大学に学び、ヨーロッパで研鑽の後、現在は主要オーケストラのコンサートマスターはじめ、客演首席奏者として活躍する高い実力を持つ。2012年結成。京都の「カフェ・モンタージュ」を拠点に活動を行い、2014年、大阪、ザ・フェニックスホールでの公演で「関西弦楽四重奏団」としてデビューを飾った。今日、弦楽四重奏団の活動は容易ではない。音楽の純度が高いため、その演奏は時に聴き手を選ぶのである。商業性は二の次。しかし、4人は溢れんばかりの情熱を持ってこの大海に乗り出した。2014年度 大阪文化祭賞奨励賞、2015年度 咲くやこの花賞受賞。関西弦楽四重奏団に聞いた。

■結成の動機、団体名の由来について教えていただけますか?
 
関西弦楽四重奏団:弦楽四重奏を弾きたい!と言う情熱だけで集まったのがきっかけです。全員東京芸大出身であったり、関西を中心に活動している演奏家たちだったり、定期的に活動できる条件がそろったので2012年に結成しました。名前の由来はやはり関西の特色を持った、他にはない味わいを持った四重奏団になりたい、と言った気持ちからです。今は京都、大阪が中心ですが、関西文化圏で幅広く活動できたら、と思っています。弦楽器奏者にとって弦楽四重奏は本質とも言うべき奥深い世界です。たくさんあるレパートリーの中においてやはりベートーヴェンの弦楽四重奏は特別な存在で、去年と今年をかけ「カフェ・モンタージュ」で全曲演奏会にチャレンジしています。
 
■メンバー全員がオーケストラをはじめ、様々なジャンルでも実績をお持ちです。弦楽四重奏の、他の編成での演奏と違う点などについて教えてください。
 
関西弦楽四重奏団:演奏という点でいうと、ある意味まったく弾き方が違う部分と、どちらも共通のものと両方の面があります。決定的に違う点は、なかなか一言では言えませんし、まだわからないことだらけですが、演奏家だけでなく、作曲家にとっても弦楽四重奏は特別な意味があるような気がします。作曲家によって唯一だったり、ある時期に集中して書かれていたり、または生涯にわたって書き続けられたりと様々ですが、その作曲家の変遷とも言うべき時に弦楽四重奏が書かれているところから、より深く内面を表現するものなのでは、と考えています。
 
■今回の大阪倶楽部「関西弦楽四重奏団~そして春に、プラハを想う~」の演奏で表現したいものとは?
 
関西弦楽四重奏団:様々な曲に取り組んで来ましたが、チェコの作品を演奏するのは今回が初めてです。チェコといえば言うまでもなく弦楽器の国。独特の雰囲気と音色感を持つ魅力的な弦楽四重奏曲がたくさんあります。スメタナ、ドヴォルザーク、シュルホフとまさに国民楽派と言った作曲家が並びますが、なにか思想がある訳ではなく、純粋にチェコの音楽への憧れから組んだプログラムです。偶然にも全てヴィオラパートの旋律から始まります。
 
■弦楽四重奏団は、もっともマーケットとして成立しにくい分野だと聞いています。それでもあえてそこを目指す理由は何でしょう。またこれから取り上げて行きたい作曲家、作品などはありますか?
 
関西弦楽四重奏団:商業面での難しさは重々承知ですが、それを補って余りある魅力が弦楽四重奏にはあります。とはいえ定期的に演奏を続けていくにはどうしても難しい部分はあり、たくさんある日本の弦楽四重奏団共通の悩みだとは思います。ご支援くださる方がいらっしゃったら嬉しいです! 今後取り上げたい作品は集客の難しさはあってもシェーンベルク、バルトーク、フォーレの四重奏。そしてまだまだ知られていない名曲もたくさんあるので、いつか挑戦してみたいと思っています。
(2016年2月11日 メールでの取材を元に構成しました/逢坂聖也:ぴあ)



(2016年2月19日更新)


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関西弦楽四重奏団
〈~そして春に、プラハを想う~〉

●3月22日(火)19:00
大阪倶楽部4Fホール
一般券-4500円 
Pコード 285-900 チケット発売中

チケット情報はこちら


【プログラム】
シュルホフ:
弦楽四重奏のための5つの小品
ドヴォルザーク:
弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調「アメリカ」
            op.96 B.179
スメタナ:
弦楽四重奏曲 第1番 ホ短調「我が生涯より」


【関西弦楽四重奏団】
 林七奈〔ヴァイオリン〕
 田村安祐美〔ヴァイオリン〕
 小峰航一〔ヴィオラ〕
 上森祥平〔チェロ〕

【問い合わせ】
KCMチケットサービス■0570-00-8255