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映画『うちの執事が言うことには』で執事役を演じた
注目の若手俳優・清原翔インタビュー

シリーズ累計発行部数110万部を超える高里椎奈によるミステリー小説を映画化した『うちの執事が言うことには』が、梅田ブルク7ほかにて上映中。社交界の名家・烏丸家の新たな当主になった18歳の青年、烏丸花穎が、不本意にも主従関係を結ぶことになった若き執事・衣更月蒼馬に苛立ちながらも、共に烏丸家を襲う危機に立ち向かう姿を描く。King & Princeの永瀬廉がイギリス帰りのメガネ男子・烏丸花穎役に挑み、NHK連続テレビ小説「なつぞら」での好演も話題の清原翔が、仏頂面で感情を表に出さないけれど誰よりも烏丸家のことを思う執事・衣更月に扮している。そんな本作の公開を前に、清原翔が作品について語った。

――まずは執事という役柄についてどのように感じましたか?
執事と聞いて、空想上のものと言うか普段の生活に馴染みのないものだったので、小さい頃に観た映画などで想像するしかなくて、単純に難しそうだなとは思いました。言葉遣いや言い回しも堅苦しいと言うか、普段使わない言葉が多かったので、その辺りは難しいんじゃないかと思いました。

――執事の振る舞いや立ち姿はどのように身につけられたのでしょうか?
撮影前に、執事の経験がある方が先生として来てくださって、その方に全て教わりました。撮影中もその方が来て下さっていたので本当に助かりました。僕は、モデルをやっている時も猫背だったので、あんまり背筋をピンと伸ばしていることがなくて。まず背筋を伸ばすことが第一のハードルでしたね(笑)。撮影中は特に姿勢には気を使いました。執事の立ち方は、モデルの時ともまた全然違って、胸を張っている感じがすごく恥ずかしかったです。あまり胸を張って立った経験がなかったので、本当に普通に見えているのかどうか、不安になる部分もありましたし、すごく違和感がありました(笑)。

――執事の所作で一番難しかったことは何ですか?
基本的には、執事の所作は全て難しかったんですが、執事は動作中に言葉を発してはいけないので、そのバランスが一番難しかったです。撮影でそのルールを守ろうとすると、変な間が空いてしまうんです。そこの段取りがすごく大変でした。僕が歩いている時や、ポットでお茶を入れている最中に話しかけられても答えられないんですよね。でも、映画上は違和感がないようにしなければいけないし、不自然に見えてもいけないので、そこは監督ともたくさん話をして段取りを組んで演じました。衣更月を演じるうえで、そこで彼のキャラクターを表現しなければいけないと思ったので、所作や言葉使いには一番力を入れました。

kiyohara2.jpg――ほとんど感情を表情に出さない衣更月の演技についてはいかがでしょうか?
それも大変でした。ずっと同じ表情だと見ている人に伝わらないので、どこまで感情を出すのかというバランスをとるのが難しかったです。僕としては、感情を封じ込めるような演技を想定していたんですが、感情を殺し過ぎたら本当にただの無表情な人になってしまうので、監督と相談して調整しました。

――花穎と衣更月の関係性が変化していくにつれて、衣更月の感情表現も変化していきます。
ある大きな出来事が起こってから、わかりやすく感情表現が変化していくので、その辺りはあえて意識しなくても自然と感情が出るようになっていきました。衣更月が執事として、ただ仕事だけをこなしていた状態から、花穎との信頼関係が生まれていくという変化があったので演じやすかったです。

――執事としての先輩・鳳を演じた奥田瑛二さんとの共演についてお聞かせください。
本読みの時点で既に緊張していたんですが、奥田さんとの撮影はすごく緊張しました。執事の所作も奥田さんとご一緒して習っていたんですが、奥田さんが立ってらっしゃるだけで、本当にベテラン執事然としていて、すごく重厚感がありました。当たり前なんですけど、奥田さんの執事姿を見ていると、僕はまだまだだと痛感しました。衣更月は、元ヤンで鳳にとても恩があり、それで執事を始めるという設定を聞いていましたし、衣更月にとって鳳はすごく大きな存在なんだということが根底にあったので、鳳役が奥田瑛二さんで想像しやすかったですし、すごくありがたかったです。

――撮影中の、永瀬さんや神宮寺さんら共演者の方との雰囲気はどんな感じでしたか?
僕の方が歳は上なんですが、撮影中は結構ワチャワチャと過ごしていました(笑)。特に永瀬君とはずっとシーンが一緒だったので、話せる仲になっていて良かったと思います。ちょうど撮影中は、永瀬君たちが歌番組に出演して「シンデレラガール」を歌っている時期だったので、テレビで歌っている姿と実際に撮影で会っている時が全然違うので、それはすごいなと思いました。僕が知らない永瀬君や神宮寺君がいると思いましたし、言葉にするのは難しいですが、不思議な感覚はありました。「シンデレラガール」を歌っている時はもちろん、歌も上手いですし、ダンスもキレッキレで踊っているのに、普段はそんな風に動いている姿なんて見たことないですからね(笑)。

kiyohara3.jpg――ドラマや映画にチャレンジして3年ほどとお聞きしました。役者という仕事についてどのように感じてらっしゃいますか?
役者というのは特別な人だけがなれるものだと思っていました。でも、モデル業の先輩方の中でも役者業を始める方が増えてきて、役者という職業をどこか身近に感じるようになって、そこから考え始めたので、年齢的には遅いと思います。モデルの仕事と違い、ドラマや映画の現場では自分のことで精一杯だったんですが、最近は少しずつですが現場の流れも分かってきて考える余裕みたいなものも出てきたので、面白いと思うようになりましたし、これから先もどんどん面白くなったらいいなと思っています。

――今後についての意気込みを聞かせてください。
始めたての頃は、本当に自分でも恥ずかしくなるぐらい演技が下手だったんです。実は始めた頃から身近な友達に全部作品を見てもらっていたんですが、最近やっと「上手くなったよね」って偉そうに言われて(笑)、それがすごく嬉しかったんです。この1年間、いろんな方と共演させていただいて、多くのことを学ばせてもらったので少しは成長できたのではないかと感じています。

――エンドロールの共演者同士のオフショットが本当に楽しそうで、撮影中の賑やかな雰囲気が伝わってきました。最後に、作品をご覧になる方にメッセージをお願いします。
撮影中もみんなで続編ができたらいいね、と話していましたが、映画を観て下さった方たちにも続編を望んでいただけるような作品になっていると思っています。それと撮影後半に、みんなで監督にエンドロールのアイデアを提案したんです。監督がそれをそのまま採用してくださったので、僕達にとってエンドロールはすごく楽しくて嬉しい内容になっています。絶対に最後まで楽しめると思うので、是非劇場が明るくなるまで席を立たずにご覧ください。

 

取材・文/華崎陽子




(2019年5月21日更新)


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Movie data

(C) 2019「うちの執事が言うことには」製作委員会

『うちの執事が言うことには』

▼梅田ブルク7ほか全国で上映中
出演:永瀬廉、清原翔、神宮寺勇太
優希美青、神尾楓珠、矢柴俊博、村上淳
原日出子、吹越満、奥田瑛二
原作:高里椎奈
「うちの執事が言うことには」
監督:久万真路
脚本:青島武
主題歌:King & Prince「君に ありがとう」

【公式サイト】
http://www.uchinoshitsuji.com/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/176079/


Profile

清原翔

きよはら・しょう●1993年2月2日、神奈川県生まれ。雑誌「MEN’S NON-NO」のモデルとして活躍しながら、2016年より俳優活動を開始。主な出演作に『リベンジgirl』(2017)、『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』(2017)、『PRINCE OF LEGEND』(2019)など。その後も様々な映画、ドラマで活躍。現在放送中のNHK連続テレビ小説「なつぞら」にも出演中の期待の若手俳優。