インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > イッセー尾形「二人さえいれば“世界”を繰り広げられる確信がある」 神戸でも撮影が行われた映画『ふたりの旅路』に自信! 桃井かおり&イッセー尾形が出席した会見レポート

イッセー尾形「二人さえいれば“世界”を繰り広げられる確信がある」
神戸でも撮影が行われた映画『ふたりの旅路』に自信!
桃井かおり&イッセー尾形が出席した会見レポート

日本とラトビアによる初の合作映画『ふたりの旅路』が7月15日(土)より第七藝術劇場、神戸国際松竹にて公開される。本作は、愛する人を失くした男女が、すれ違いながらもめぐりあう、どこかおとぎ話のような作品で、“バルト海の真珠”と讃えられ、世界遺産にも登録されているラトビアの首都リガのほか、その姉妹都市にあたる神戸市内でも撮影された。

主演を務めるのは、現在ロサンゼルスを拠点にハリウッド映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』に出演するなど、世界的な活躍を見せる女優の桃井かおり。マーリス・マルティンソーンス監督と桃井は本作で3度目のタッグとなる。
 
桃井は「マーリスとは3度目だし、今回はいい人を紹介しようと思ってイッセーさんを紹介したのよ」とイッセー尾形との豪華共演について明かす。桃井からの誘いを受けたとき、ちょうど台湾で『沈黙-サイレンス-』(マーティン・スコセッシ監督)の撮影中だったというイッセーは、「どんな映画なのか、そのときはよく分かっていなかったけど何であれ大丈夫」と思ったのだとか。「(桃井)かおりさんは30代から数々の作品で共演している仲。同士で盟友で戦友みたいな人。二人さえいれば“世界”を繰り広げられる確信がある」と、その信頼関係の深さをうかがわせた。
 
futari_4.jpg
本作で桃井が演じるのは、阪神・淡路大震災ですべてを失くし、自分の殻に閉じこもってしまった孤独な女性ケイコ。劇中、ラトビアの首都リガで開催される着物ショーへの参加を転機に過去と向き合い一歩づつ進んでいくようになる。ケイコという役柄を演じるにあたって「自分の中の時間は止まっている。でも生活は続いていく。ということを考えながら演じて、映画を撮りながらそれを体験していった」と桃井。
 
震災を経験した女性が主人公ではあるが、イッセーは本作について「被災したみなさんすべてに、当てはまるわけではないけれど、ケイコ(桃井)の場合はこうやって立ち直る予感が生まれましたよという、優しく手を差しのべたような映画」と表現した。
 
台本はあるが、アドリブで話している場面も多いらしく、イッセーは「自由に撮った場面が映画の柱になっている」と話す。そして桃井は「イッセーさんの即興は文学的でちょっと天才的なところがある。そういう俳優さんって彼以外に日本でも海外でもいないんじゃないかな。センスの高さと現場の力を信じている」と絶賛した。
 
futari_3.jpg
作品についても「すごくオリジナリティにあふれている。震災のこともありますが、やっぱり僕たちが出てくるとひとつのカップルの日常が作れるんです。日常にまさるドラマティックはない。そんな作品でございます」(イッセー)、「(完成作品を観て)気に入らない作品だと困っちゃうんだけど、この映画は良かったと思った。アーティスティックだし、笑えるし、オススメできます。是非ご覧になってください」(桃井)とPRした。
 
また、今後の活動について“引退説”も一部で流れていた桃井だが「前よりも野心なく清純に仕事ができている。こんなに頑張ってるのにあまりにも賞とかくれないからやめたくなる気持ちもある。そんなすね方もある」と笑い、「半分リタイヤしてるつもり。老後を楽しもうかなと。だからプロデューサーに媚びたりまったくしないの」とコメントし、集まった記者の笑いを誘った。またその発言を受けてイッセーは「分かる。俺も今、老後だもん。働くと休むの間の言葉がほしいね。“休(やす)らく”かな」と笑顔で話した。
 
futari_2.jpg



(2017年7月14日更新)


Check

Movie Data

©Krukfilms/Loaded Films

『ふたりの旅路』

▼7月15日(土)より
 第七藝術劇場、神戸国際松竹にて公開

監督:マーリス・マルティンソーンス
出演:桃井かおり/イッセー尾形
   ほか

【公式サイト】
https://www.futarimovie.com/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/171302/