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ホーム > インタビュー&レポート > 「この役には覚悟がいるなと思いました」(林) 林遣都、東伸児監督が登壇した 映画『しゃぼん玉』大阪初日舞台挨拶レポート

「この役には覚悟がいるなと思いました」(林)
林遣都、東伸児監督が登壇した
映画『しゃぼん玉』大阪初日舞台挨拶レポート

映画はもちろん、ドラマ「火花」(NHK総合で放送中)や朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK総合で放送中)への出演など目覚しい活躍が続く俳優の林遣都が、主演映画『しゃぼん玉』の関西・名古屋キャンペーンで、シネマート心斎橋(大阪)、テアトル梅田(大阪)、京都シネマ(京都)、伏見ミリオン座(名古屋)の4劇場で舞台挨拶を実施。メガホンをとった東伸児監督と共にトークを繰り広げた。

映画『しゃぼん玉』は、直木賞作家・乃南アサの同名小説を基に、親の愛を知らずに育ち、犯罪を繰り返していた翔人(林)が、逃亡中に助けた老婆スマ(市原悦子)の家に転がり込み、人とのふれあいと愛情を通して、変化を遂げていく姿を描く。
 
取材を行ったテアトル梅田では上映後の舞台挨拶だったため、客席には映画の余韻で泣いている方もちらほら。そんな様子に、林は「涙されている方もいますね。ありがとうございます! 改めてこの作品に関わらせていただけて良かったなと思います」と挨拶しつつ、「思ったより近いですね…」と、観客との距離の近さに照れ笑いを浮かべた。
 
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劇中、通り魔や強盗傷害に手を染めてきた男・翔人を演じる林は、「翔人は、僕とはかけ離れた人生を送ってきた人。この役を演じるにあたって、改めて自分は今まで日々を当たり前のようにすごしてきたことに気づき、この役には覚悟がいるなと思いました」とキャスティングされたころを振り返った。
 
それについて東監督は「本を書いているときは主人公の翔人を悪人顔かなと思っていた。でも林くんと会って、“林遣都が演じる翔人”を見たいと思った。キャスティングは言わば共犯者で、この人となら心中できるような人を探すこと。林くんとなら一緒に戦えると思った」とキャスティングの経緯を明かした。
 
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阪本順治監督や和泉聖治監督の元で助監督を務め、TV『相棒』シリーズで演出を手掛けてきた東監督にとって、本作は劇場長編デビュー作。市原悦子演じるスマの温かい言葉が印象的な作品だが、自身にとって今でも心に深く沁みている言葉はありますか? という問いに、東監督は「映画監督を目指し始めたとき、いろんな人に2種類の言葉をかけられました。“夢があっていいね”と“そんな夢ばっかりみてて大丈夫か”。でも母親は“お前は勇気があるよ”って言ってくれた。その言葉に、ホッとした経験があります」と感慨深けに語った。
 
林はデビュー作『バッテリー』での滝田洋二郎監督との関係について触れ「当時15歳くらいで何もわからない状況だったのですが怒鳴り散らされました。本当に怖かったんですが、結果それ以上の愛情も返してくださって、今でも1年に1度はお会いするんですが、今でも“ずっと勉強しなさい。でもいい子になりすぎてはいけない”と言われます」と信頼関係の強さを覗かせた。
 
最後は、デビュー10周年の節目を迎えた林から「『しゃぼん玉』は僕にとってとても大事な作品です。監督始め、スタッフ、キャストにみなさんのほかにも宮崎県の椎葉村というとても素敵な村の方々の支えがあって、僕もこの役を務めることができました。この映画を観た方々からの感想を聞いて、自信を持ってもっともっと多くの方に観ていただきたいと心から思っています。どうそこれからもよろしくお願いします!」とコメントし舞台挨拶を終えた。
 
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(2017年3月25日更新)


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Movie Data

©2016「しゃぼん玉」製作委員会

『しゃぼん玉』

▼3月25日(土)より、テアトル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマほか全国にて公開

【公式サイト】
http://www.shabondama.jp/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/170046/