大泉洋、戸田恵梨香、原田眞人監督が登壇した
『駆込み女と駆出し男』舞台挨拶レポート
井上ひさしの時代小説『東慶寺花だより』を原案に、江戸時代の離婚事情を描く人情エンタテインメント『駆込み女と駆出し男』の舞台挨拶付き先行上映会が先日大阪ステーションシネマで開催され、大泉洋、戸田恵梨香、原田眞人監督が出席。若い観客が大半で大歓声を浴びながら登場した。
――まず、ご挨拶からお願いいたします。
大泉:コンニチハ、大泉洋でごさいます。
会場:(拍手がパラパラと、徐々に増えていく)
大泉:このね、大阪のみなさまのジワジワ盛り上がってくるこの感じ、いいですね。この後、アホみたいに喋ろうと思っておりますので、どうぞ楽しんでください。よろしくお願いいたします。
戸田:どうも本日はありがとうございます。戸田恵梨香です。この作品は幅広い世代の女性たちに共感していただける作品だと思います。男性は、女性にこんなことしちゃいけないんだなとか、女性にはこうしたほうがいいんだなというのが分かります。私は、(本作を観て、)もうちょっと女性が立っていけるような時代になればいいなと思いました。楽しんでいただければと思います。
監督:素晴らしいキャストとスタッフに恵まれて、初めての時代劇を思う存分撮ることが出来ました。大泉さんと戸田さんにも感謝、感謝、感謝です。みなさんにも楽しんでいただけたらと思います。ありがとうございます。
――監督、「初めての時代劇」とのことですが。
監督:そうなんです。12年前に『ラストサムライ』で、悪役を演じたことはありますけどね。その時に姫路の圓教寺に出会って、今回の東慶寺のメインロケーションとしても使わせていただきました。
――この映画では、姫路以外にも関西のいろいろなところで撮影されたと伺っていますが、関西での撮影はいかがでしたか?
大泉:京都、滋賀、奈良あたりですかね。京都のホテルに泊まっていたんですけれども、毎日ものすごい移動でしたよね? ほとんど滋賀、奈良だったんじゃないでしょうかね。
監督:信次郎の出番は、滋賀、奈良が多かったですね。柳生十兵衛が歩いた、奈良の柳生古道を一生懸命歩いてもらったね。
大泉:行きました、行きました。京都から全部ばっちり扮装して行くんですけど、車に乗って2時間くらい移動するわけですよ。そしたら、だんだんヅラもずれてくるしね。着いたときにはまたちょっと直さないといけなかったりしして、ほんと大変でしたよ。滋賀でホテル取ったほうがよかったんじゃないの、ってね。
戸田:ホテル変えて欲しいな、って言ってたんですよね。
大泉:そうそうそう。毎日移動が長くてねー。大変でしたよ。
――そんなご苦労があったんですか。戸田さんは兵庫県ご出身ですが、姫路の圓教寺での撮影はいかがでしたか?
戸田:昔、行ったことあるかもしれないんですけど、全く記憶になくて。でも、兵庫にこんな素晴らしい場所があるんだなと思いました。
――例えば、戸田さんが監督と大泉さんを関西でどこかお連れするとしたら、オススメの場所はどこかありますか?
戸田:いやいやいや。私、大阪わからないんです! 16歳までしかいなかったんで。その頃ってお金もないし、神戸から大阪に行くことがなくて。
大泉:そうなんですよ! 関西出身と言っても、若い頃に出ちゃうと聞いてもわかんないんですよ、ちっとも。その点、私は30過ぎまでビシーッと札幌にいましたからね。分かるんですよ、北海道のことは!!
――北海道のことならなんでもお聞きして大丈夫ということですね?
大泉:当たり前じゃないですか! ただ、先日、札幌キャンペーンに行って、監督から美味しいお寿司屋さんを教えてもらいましたけどもね。「こないだ行ったとこ、おいしかったよ」「まじっすか」みたいな。あっさり教えてももらいました。
――監督は、戸田さんとも大泉さんとも今回初めてでいらっしゃるんですよね?
監督:初めてですね。大泉さんは、こういう場ではサービス精神旺盛ですけれど、すごくまじめで天才的な俳優さんです。僕が彼と初めて会ったのは『ドレッサー』という舞台を観たときなんですが、すぐに楽屋に行って「今度時代劇やるんで是非主演で」と、話をして脚本を送ったんです。
――その脚本が送られてきてどう思われました?
大泉:いやー、もうびっくりしました。本当に、観に来ていただいてすぐ主演のオファーをいただいたものですから。大丈夫かしら、私で? って。脚本を読んでみたら、江戸時代の活気にあふれたお話でワクワクしました。アホみたいな長台詞があったので、よっぽど断ろうかと思ったんですけど、やってみたら楽しかったです。。
監督:すべてが画になるんです。「どこが」とは言いませんが大泉さんの場合、NGを出してもものすごい画になる。脚本よりも良くなっちゃって。
大泉:それ言うとバレるんですよ、どこがNGか。NG使うんですよ、この人! 堤真一さんに「監督、NG使うからな、気をつけた方がいいよ」とは言われてたんですけど、バッチリ使われました。それがどの場面なのかなー、というのも楽しんでいただけます。一発でわかると思いますけど(笑)。
――戸田さんは監督にとってどういう女優さんですか?
監督:満島(ひかり)と戸田(恵梨香)という、今回は育ちも性格も全く違うふたりのヒロインが登場するんですが、満島のほうはいろんなものをコテコテに作っています。戸田はこのまんま自然で出てもらって。彼女ね、すごい眼力があるんです。目がもともと大きいですけれど、スクリーンの中ではもっと大きい。途中から、彼女の目で作品を綴っていくことができるなと思いましたね。
――最後になりますが、順番にご挨拶をお願いします。
監督:江戸時代というのは女性は生きているだけで虐げられているところがあります。駆込み女たちは本当に辛い思いをしながら、やはり自分の道を拓くために努力をして、女たちの連帯でそれを勝ち取っていくという話です。僕自身、映画を作って行く中で「逆境を生き抜く」、辛い思いをしたり悲しい思いをした人たちが生きて行くドラマにすごく惹かれます。この映画を観終わった後、清々しい気持ちになって劇場を出て、それが自分の生きて行く明日につながるような、そういう作品になってくれればなぁと思っています。是非、応援してください。
戸田:実は、久しぶりに家族と親戚が観に来ていて、ずっとニヤニヤして見てるんで少しソワソワしています(照笑)。時代劇に固いイメージがあったり、難しいのではと思う方もいるかもしれませんが、そんなものではなくて新しい時代劇になってます。この作品は、幅広い世代の人たちに楽しんでいただける作品だと思います。今日は本当にありがとうございました。
大泉:戸田さんのご家族がいると思うと、私もちょっと緊張してまいりました。
戸田:うそつけ(笑)!
大泉:いやいや、本当ですよ。おかしなことは言えないなと。あのー、私、大阪が大好きでございまして。今回も大阪のテレビにいっぱい出ました。「ミヤネ屋」では、テーマが「離婚」で「離婚と言えばこの映画ですから」みたいな感じで出たんですけど、宮根さんもこの映画をかなり気に入ってくださってます。今も、戸田恵梨香ちゃんと「マルコポロリ」にも出てきまして。また、ポロリバスにも乗ってきましたよ。
戸田:ポロリにここまで送ってきてもらいました!
大泉:そう、ポロリバスにここまで送っていただいて。とっくに着いてるのにね、あいつら教えないもんだから、ついさっきまで私たちトークしてたんですよ。「マルコポロリ」、あと「すまたん」「せやねん」も出させていただきました。まぁ、このように私、この映画のためにがんばっている次第でございます。本当に見所満載の映画でございます。今まさにこの会場にお集まりの方がたの中で、家庭がうまくいってない方、おそらく多いでしょう。離婚したい方も多いでしょう。そういう方のちょっとした後押しになれば、という風に思っております。
戸田:バカヤロウ(笑)!
大泉:戸田さんのご家族もね、どうぞ幸せな離婚をしていただいて…。
戸田:バカヤロウ(爆笑)!
大泉:新しい人生を生み出していただければと思います。この映画を観て、たくさん個人的に宣伝してください。よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。また来るよ、また会おう! 僕のNGシーン観て「ここだ、ここだ」って言わないように!!!
映画は、さまざまな事情で離婚を望むワケアリ女たちが駆込んだ江戸時代の縁切寺・東慶寺と御用宿を舞台に描く、笑いあり涙ありの人情エンタテインメント。原田眞人監督が初めて時代劇に挑んだ、脚本・監督に挑戦した意欲作だ。5月16日(土)より、大阪ステーションシティシネマほかにて公開。
(2015年5月 8日更新)
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