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これまで2万人以上の恋愛相談に乗った
恋愛作家・片瀬萩乃が“社内恋愛”を
テーマにした男性向け恋愛レクチャー本を上梓

2万人以上の恋愛相談に乗り、その経験を生かして恋愛をテーマにしたさまざまな本を執筆してきた作家の片瀬萩乃。累計20万部を突破した『モテ本!』シリーズをはじめ、元OLという経歴を生かしたリアルで実用性の高い内容が好評で、これまで恋愛に悩む数多くの男女の心に寄り添ってきた。そんな片瀬が、このたび男性に向けた恋愛ハウツー本『社内恋愛の教科書』を上梓。この本では、社内恋愛でのアプローチ方法から交際中のテクニック、さらには関係にピリオドを打つまでのステップが教科書のようにわかりやすくまとめられている。さまざまな恋愛模様の中で「社内恋愛」に焦点を当て、レクチャーしようと思った理由とは? 著書に込めた想いを聞いた。

――数多くの恋愛事情を知る片瀬さんが、今回「社内恋愛」にスポットを当てたきっかけは?

私自身が過去に10年間、会社員として働いていたときに、回りの人から恋愛相談を受ける機会がとても多かったんです。会社では、社内での自分の立ち位置はもちろん、上司や同僚、部下の目もありますよね。だから、気になる人がいてもストレートにアプローチできない歯がゆさや、大人の社会独特の制約があるんです。その後、会社を辞めて作家に転身し、数多くの方から恋愛相談を受けるうちに、「よく考えたら社内恋愛って、けっこう独特だったんだな」と客観的に見られるようになって。自分が会社員という立場を離れたことで、冷静に「社内恋愛は、合コンや食事会などで出会った人と普通に恋愛するプロセスとはちょっと違うんじゃないかな」と考えるようになったんです。

――なるほど。しかもこの本は、男性に向けてのレクチャー本になっていますよね。

そうですね。男性は、「いかに早く彼女を自分のものにできるか」に気を取られてしまいがちで、好きな女性を落とすために一生懸命がんばる傾向があるんです。たとえば好きな女性にはすごく優しく接するのに、他の女性にはまったく優しくしない、とかですね(笑)。とても純粋なアプローチなんですが、これを社内でやっちゃうと裏目に出ることが多いですね。

――まえがきにも「社内恋愛に限ってはほかの恋愛と同じように行動するとうまくいかないことがよくあります」とありますが…。

その理由のひとつが、社内には男性にわからない女性ならではの人間関係があるから、なんです。ほかの女性社員がいる中で、好きな女性だけを特別扱いしたことで、彼女が他の女性社員から嫉妬のターゲットにされてしまったり、仲間外れにされて孤立してしまうことも。男性が彼女との距離の縮め方を見誤ったばかりに、そのような状態に陥ってしまい悩む女性は多いですね。

――社内の女性同士特有の人間関係といえば、例えば「お局さんからイビられる」みたいな(笑)。

そうですね(笑)。お局さんだけでなく、会社はあくまでも仕事をする場で、年齢も価値観も違う人たちが「仕事をする」という目的で集まっている場所ですが、恋愛感情が生まれても不思議じゃない。ただ、中には「社内恋愛するなんてもってのほか」と否定する人もいるのが現実。そんな中で男性から積極的にアプローチされても、女性はまずほかの人の目を気にして引いてしまうんです。

――女性は、回りの人々との協調性を大切にしますもんね。

この本の編集担当者は男性なんですが、本を作るにあたって打ち合わせをしているときにこの話をしたら「女性って、そんなことを考えていたんですか!?」と驚いていましたね(笑)。“私”という女性の目を通して、社内恋愛における女性の立ち位置や男性との感じ方の違い、同じ会社に勤めているからこそ彼女に言ってはいけないNGワードなど、男性に知ってもらいたかったのもこの本を書いた理由です。

――社内恋愛の特徴を具体的に読んでみると、たしかに独特だなと感じました。

社内恋愛は堂々と交際できなかったり、回りの目が気になったりと、いろいろリスクはありますけど、いいところもたくさんあるんですよ。たとえば見た目に自信がない人でも時間をかけて相手に人柄を見てもらえるところ。合コンのような短期決戦ではなく、持久戦に持ち込めるのが利点です。それに、気になる女性が落ち込んでいるときに励ましたり、力になることができるのも同じ会社で働く者同士ならではのコミュニケーションです。女性にとって、言葉をかけてほしいときにかけてくれる相手がいるのはとてもうれしいことです。そしてもうひとつは、あまりマンネリ化しないところ。会社では交際していることを秘密にしてごく普通に接しているのに、プライベートではラブラブという(笑)。感情が豊かに動くのでメリハリがある分、飽きることがありません。2人ならではのルールで楽しむことができるのは、大人だからこそできる恋愛なのかもしれませんね。

――本は入門編と実践編に分かれているうえに、シチュエーション別にテクニックがわかりやすくまとめられているので、本当に教科書みたいで読みやすく感じました。

これまでいろんな恋愛相談を受けてきて、男女の恋愛に関する悩みは本当に違うものだなぁと感じています。女性は感情で悩むことが多くて、例えば「彼が他の女性に取られそうで“不安”」とか、「彼と別れて“辛い”」という…。かたや男性は、「好きな女性を食事に誘うにはどうすればいいか」といったテクニックを知りたがる人が多くて、「フラれて辛い」というような相談はほとんど受けたことがないんです。だから、このスタイルのほうが伝わりやすいのかな、と思いました。

――2人の関係が終わったあとのアフターフォローもレクチャーしているのは驚きました。

うまくいけば社内結婚となりますが、うまくいかなかった場合、「別れてしまってから、どういうふうに接したらいいのかわからない」と悩む人はとても多いです。2人の関係にピリオドが打たれた後も毎日のように顔を合わせなくてはならないのが、社内恋愛のリスクのひとつと言えるでしょう。これからも続く会社生活の中で、自分も相手も居心地よく、新たに気持ちを切り替えるには、関係が終わったあとのフォローはとても大切だと思っています。

――表紙もそうですが、中身に織り込まれる“社内にいそうな”女の子たちのグラビアも目を引きました。表情豊かで動作も親近感がわき、とてもキュートですね。

モデルの女の子たちもすごく積極的で、いろんなシチュエーションでじゃんじゃん撮影させてもらいました(笑)。男性には文章と一緒にこの写真も楽しんでもらって、ぜひ社内恋愛を想像してほしいです。

――では最後に、読者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

社内恋愛には興味があるけど、「終わったときに気まずそう」と始まる前から尻込みしている方にはぜひ読んでもらいたいですね。たしかに独特な面もありますが間違った恋愛ではないし、出会いが会社だったというだけのこと。「あの人、素敵だな」とせっかく心が動いた瞬間なのに、「でも同じ部署だし…」と諦めるのはすごくもったいないと思うんです。それに、「出会いがない」という人もぜひ会社の人にも目を向けてもらいたいですね。不純な動機と言われるかもしれませんが、好きな人が会社にいるというのは仕事に対するモチベーションアップにもつながるはず。会社というピリピリとした世界の中で、恋心という潤いを上手に利用してもらいたいですね。

取材・文/中野純子




(2014年10月29日更新)


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片瀬萩乃
かたせはぎの…恋愛作家。商社で事務員として働きながら、メルマガや個人メールなどで男女問わず恋愛相談を受けていたところ、社内でも恋愛相談を受ける存在に。その経験を生かして作家として独立し、恋愛をテーマに執筆活動を開始。著書はベストセラーになった「モテ本!」(だいわ文庫・共著)をはじめ、「『終わらない恋』をするための 恋愛のルール」(中経出版)、「しあわせのはじまりは、ときめきから」(学研パブリッシング)など。All aboutガイドやマイナビコラムなどウェブでの活躍のほか、雑誌、テレビなどで

『社内恋愛の教科書』

著者:片瀬萩乃
定価:1,200円(税別)
発行・発売:あさ出版

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/katase-hagino/

オフィシャルサイト
http://51musubi.net/

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